テキストでは伝えられない情報量を、短時間かつ直感的に発信できる動画は、コロナ禍での非対面を前提とした情報発信・収集にて非常に有効な手段です。中でも、企業からのメッセージングをインタビュー形式で発信する「インタビュー動画」は、採用・営業・ブランディングなど様々なシーンでの活用が期待されます。
しかし動画制作の経験がない企業にとって、インタビュー動画制作は以下のようなケースを例にハードルが高いと感じるでしょう。
「編集ソフトに色々な機能があるが、使いこなせなかった」
「過去に動画を制作してみたが、効果まで分からなかった」
「配信後に成果の出る作成するコツが分からなかった」
今回は、インタビュー動画の制作の検討や編集をしていて課題や成果が出るポイントを知りたい方向けにインタビュー動画制作のコツを紹介します。撮影・編集・インタビューにおけるポイントを押さえ、インタビュー動画の内製化を効率よく運用する参考にしてください。
目次
インタビュー動画の活用シーンや編集事例
まずは、インタビュー動画を活用する前提となる目的・用途の具体的な動画の事例からその役割を見ていきましょう。
採用シーン
インタビュー動画は人材採用と非常に相性のいいコンテンツです。テキストでは伝わりにくい「職場の雰囲気・従業員の人柄・やりがい」などを実際に働いている方の声として訴求できます。
採用シーンでは、求職者が入社前に抱いていた企業のイメージと、実際に入社した際のギャップをいかに埋められるかが、その後のオンボーディングや満足度につながります。企業のビジョンや理念は経営者にインタビュー、仕事のやりがいや具体内容などは従業員にインタビュー、など求職者の抱える悩みを意識した人選を心がけましょう。
ブランディングシーン
経営者や商品開発者のインタビュー動画は、ブランディングとして活用できます。経営者であれば「企業の理念」「使命」「社長が叶えたい想い」を伝えられるでしょう。また商品開発においては、開発にいたるまでの苦労やビジョンを語れます。「なぜ開発したのか」「商品によって何を叶えたいのか」「提供したい価値はなんなのか」を伝えることで視聴者にイメージを伝え、それが他社との差別化につながります…
営業シーン
営業シーンでのインタビュー動画は、主にオンライン上でのリード獲得施策として活用されることが多いです。
例えば、自社商材・サービスの有益性を、実際に使用いただいている顧客にインタビューし訴求する動画が挙げられます。サービスや商品の情報はサイトやブログ等で理解しつつも、「本当にメリットがあるのか」と悩み検討しているユーザーの購入後押しとして期待できます。
また、営業時の資料を動画に置き換えることで、商品やサービスの利用シーンや活用方法などを具体的な映像で伝えられます。テキストよりも説得力が増し、顧客の理解度や興味・関心が高まるため、商談時の成約率アップに繋がる有効な手段といえるでしょう。
1.インタビュー動画の撮影と編集前のポイント
インタビュー動画を活用するシーンや目的、内容が固まったら、あとは素材の用意です。今回は、撮影・編集・インタビューのテクニカル面でのポイントをご紹介します。
インタビュー動画を撮影する際に、意識するポイントは以下4つです。
・周囲の音を考慮
・短く区切って撮影
・アングルを複数用意
・目線や背景
1)周囲の音を考慮
撮影する際には、周囲の音が録音されないように注意しましょう。複数の音が被ってしまうと、動画として使えなくなってしまうためです。車両や電車・通行人の声・散歩中のペットの鳴き声が入ると、視聴者の意識がインタビュー内容から離れてしまいます。周囲からの音がはいらないよう、十分に考慮して撮影に臨みましょう。
2)短く区切って撮影
一気に撮影するよりも、動画は短く区切って撮影しましょう。
撮り直しや確認がしやすいためです。
言い間違えてしまったり、話してはいけないことを話してしまったりしても、短く区切っていれば直前の話から撮り直せます。
また話し方のトーンや質問の仕方が合っているか都度確認できますので、あとから撮り直しになる可能性が低くなります。
3)アングルを複数用意
最低でも2種類以上のアングルで撮影しましょう。同じアングルの映像だけだと、視聴者に飽きられてしまう可能性が高いためです。違うアングルからの映像があると、動画にメリハリが生まれやすくなります。
少なくとも「周囲の様子が映る引きのアングル」と「インタビュー相手の表情が捉えられる寄りのアングル」の2種類あると良いです。
4)目線や背景
インタビュー対象者の目線に注意しましょう。カメラ目線が続く映像は、視聴者に圧迫感を与えてしまいやすいためです。
・インタビューする人
・インタビューされる人
・カメラ
上記を三角形になるよう配置にすれば、カメラ目線を避けられ、目線も安定します。
また背景に目立つものが映っていると、視聴者の意識がそこに集中してしまい、インタビュー内容が印象に残らない恐れもあります。インタビュー動画を集中して視聴してもらうためにも、目線や背景に気を配りましょう。
2.インタビュー動画の編集時のポイント
インタビュー動画を編集する際に、意識するコツは以下3つです。
・直感的に見て視覚と聴覚で理解しやすい情報量にする(数十秒から長くても数分以内に抑えるなど)
・テロップで文字を入れる
・インサートカットで補足説明する
・アニメーションを入れる(よりポップでリッチな表現が必要な場合など)
1)短時間で編集する(尺を考慮し、必要最低限の情報量に収める)
情報量は必要最低限に収めましょう。長時間の動画だと「なにを伝えたかったのか」分かりにくくなってしまうためです。インタビュー動画では伝えたいメッセージを絞り、凝縮した内容で、ユーザーの離脱を防ぐ有益な情報に絞り編集しましょう。
2)テロップや音声を入れる
動画編集する際はテロップや音声も入れましょう。インタビューの様子をただ流しているだけでは飽きられやすいためです。聞き流しているだけだと、視聴者がインタビュー内容を聞き取れない場合があります。またスマートフォンで動画を視聴する方も多く、移動中や休憩中に無音で視聴する場合もあるでしょう。テロップを入れていれば無音でもインタビュー内容が分かり、かつ視覚的にも分かりやすく内容を理解できます。
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3)インサートカットを入れる
インサートとは、動画の途中で補足説明できる資料や映像を挿入することです。インタビューだけでは分かりにくい内容を説明・補足できます。
またカット編集をする際にも、映像や音声が不自然に切り替わる場合に、インサートカットを挟むことで違和感なく視聴できます。
4)アニメーションなど表現の幅を広げる
より自社の商品・サービス、伝えたいユーザーに対しコンテンツが直感的な視認性と魅力的に伝わるように各シーンを編集する際にアニメーションや編集ソフトのシーン効果を利用することで、より編集力が高まり、伝えたい顧客やユーザーに対して効果的な訴求をすることもできます。
コンテンツの内容によっては、表現力が高くリッチすぎるとマイナス効果になるケースもありますので、利用するシーンによって活用すると良いでしょう。
3.インタビュー動画撮影時のポイント
インタビューする際に、意識するコツは以下4つです。
・事前準備を徹底的に
・アイスブレイクを挟む
・リアクションは大胆に
・なぜ?どうして?質問を深掘る
1)事前準備を徹底的に
インタビュー動画の成功は編集前の事前準備に全てかかっていると言っても過言ではありません。
・構成を決めておく
・インタビューのシナリオなどの原稿を予め用意しておく
・インタビュー前に各スタッフや参加者と事前に打ち合わせする
・インタビュイーに質問内容を伝えておき、緊張を無くす
上記のような事前準備が不足すると、インタビュー途中で話が脱線してしまい、本来の目的とはかけ離れた内容になってしまうこともあります。事前準備を徹底し、できるだけ再撮影のない効率的なインタビューを成功させましょう。
全体のインタビュー動画編集は、最初の事前準備が問題なければ、インタビュー実施後に何とでもできるケースが殆どであるため、インタビューイーへのヒアリングの漏れがないのようにし、再度実施が必要になる事態がないようにすると良いでしょう。
2)アイスブレイクを挟む
アイスブレイクとは、初対面同士の人がお会いしたときの緊張を和らげる手法のことです。インタビュー動画の場合、撮影当日に初めて顔を合わせる場合があります。
・自己紹介
「インタビュー担当の○○です」「議事録を取らせていただく○○です」など
・雑談
「リモート化が定着しましたが、出社希望も多いですよね。御社はどうですか?」など
・インタビューを行う目的や説明
「弊社サイトに掲載することで、認知度やブランディングの向上に繋げます」など
上記のようなアイスブレイクを挟み、お互い緊張せずリラックスして話せるようにしましょう。
3)リアクションは大胆に
インタビューする側はリアクションを大胆にしましょう。話しているときに相手の反応がないと、話し手は不安になってしまうためです。「ちゃんと話を聞いている」とアピールするためにも、相手を不安にさせないようなリアクションを心がけましょう。ただし「はい」「そうですね」など声を出して相槌すると、視聴者にとって邪魔になってしまいます。そのため頷きや表情でリアクションを返しましょう。
4)なぜ?どうして?質問を深掘る
インタビューする際は質問を深掘りましょう。インタビューの回答があいまいだと、視聴者に伝えたいことが伝わりづらいためです。
・「ちなみに、どのように良かったのでしょうか?」
・「具体的には、どうやって使われたのですか?」
・「○○についてお気づきの点などはありますか?」
・「活用例をひとつご紹介いただけますでしょうか?」
上記のような言い回しで質問を深掘り、より有益な情報を引き出しましょう。
インタビュー動画編集の活用事例
最後に、企業が内製にて制作しインタビュー動画をうまく活用している事例をご紹介します。
1)フルカイテン株式会社【IT・パッケージシステム開発】
小売業の在庫運用を効率化を最大化するためのITサービス事業を展開しているフルカイテン株式会社の社員インタビュー動画です。主に採用、求人を目的としています。
社員から見た役員(CEO)について、各社員にインタビューするユニーク内容に工夫されており、転職者が応募を検討する際に人となりがわかりやすくなるように工夫されています。
また、ITやパッケージ会社ならではの開発メンバーへの実際のヒアリングなど、応募を検討する上での環境や雰囲気などが伝わるようにしています。
▼フルカイテン株式会社の動画編集の活用事例インタビューはこちら
2)株式会社オンワードコーポレートデザイン
法人向けにユニフォームやセールスプロモーショングッズ、メンズウェア、ジュエリー等の一般ユーザーが使用するアパレル製品の全般の企画・生産・販売を行う株式会社オンワードコーポレートデザイン。
新型コロナウイルスの感染拡大により、オンラインの営業が増加するようになり、対面営業を得意としていた同社では打開策が必要だったため、動画を活用できないかと考え、「Video BRAIN」を導入した動画施策に取り組んでいます。
その中で人事領域での活用の可能性を感じ、ブランディング用に各社員が実際に働いている姿をイメージできるようなインタビュー動画など運用が成功したことで様々なシーンで動画を活用しています。
▼株式会社オンワードコーポレートデザイン 導入事例インタビュー
3)店舗流通ネット株式会社
店舗事業者に対し、物件紹介から運営サポートまで総合的に支援を行う店舗流通ネット株式会社。事業の拡大に伴い、会社の認知度を高める必要性を感じた同社では、2021年に広報チームを立ち上げました。オウンドメディアのリニューアルを図り、SNSの更新頻度を見直すなど、ブランディング強化を図る取り組みの中で動画制作の内製化を実現しています。
採用向けの社員インタビューだけでなく営業シーンにおいても動画の活用によって物件を提案する際の効率化にも成功するなどに動画活用をしています。
▼店舗流通ネット株式会社 導入事例インタビュー
インタビュー動画制作では「アポイント」も忘れずに
動画撮影時のお客様や関係メンバーに対して、事前に企画概要やインタビュー時のヒアリング内容を提示する点も忘れてはいけない重要なポイントです。具体的には、動画の目的や全体的な構成(流れ)、必要なシーンの説明を行います。
動画を撮った後の掲載先の選定やお客様にどのようなメリットがあるかなども、お伝えする内容としてまとめておくことで、アポイントの承諾を得られやすくなります。
インタビュー動画の内製化
今回はインタビュー動画を制作するコツ、つまり自身で制作するためのテクニックをご紹介しました。ただ動画制作は担当者のアサインや場所の確保など多くの工数を要します。特に初心者の方であれば、編集作業には膨大な時間がかるでしょう。
そこでおすすめなのが、動画編集の工数を大幅に削減する動画自動生成ツールです。現在は海外も含めて多くのツールが展開されていますが、「Video BRAIN」はストーリー文と素材となる動画データをアップロードするだけで、自動的におすすめする動画構成を作成してくれるため、動画制作の初心者でも簡単にクオリティの高い動画活用をすることができます。
もちろんインタビュー動画以外の動画も、用途に合わせ簡単に制作可能です。複数の動画コンテンツを制作予定の方は、都度外注するよりもコストを削減できる内製化をおすすめします。
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まとめ
動画はテキストよりも多くの情報を分かりやすく届けられます。有効活用できれば採用シーンやブランディングシーン、営業シーンなど幅広い場面で活躍します。「Video BRAIN」は定額でクオリティの高い動画を何本も制作できますので、外注コストを抑えられるでしょう。
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