スマートフォンが普及し、SNSで動画を共有できるサービスの存在が身近になったことで、採用活動にも動画を活用する企業が増えてきました。
これまではメールや電話、対面の面接を通して候補者の採用意欲を高める方法から、YouTubeやTwitterなどSNSの情報発信、LINEやダイレクトメッセージから連絡をとるなど、候補者とのコミュニケーションにも変化が起きています。
より自社の魅力的な情報配信をする上で、採用動画を検討している企業のご担当者様にとって、具体的にどのようなメリットがあるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
採用動画のメリットや効果を知れば、動画活用の必要性が理解できるよう、採用動画の具体的な活用シーンや動画制作するときのポイント、実際に効果的な動画を活用する企業の事例をご紹介します。
目次
採用動画のメリットや効果
採用に活動に動画を利用することには様々な魅力があり、文章で伝える紙媒体やWebメディアの求人の静止画と違った効果が期待できると考えられます。
まずは、採用動画の具体的なメリットや効果の例を6つ紹介します。
求職者(転職顕在層)の記憶に残りやすい
・文章や静止画だけで構成される求人広告よりも、視覚と聴覚に訴えかける動画の方が求職者の記憶に残りやすい。
・音声や動きのある内容は自然と頭に入り、興味を持ってもらいやすい。
現代の求職者やコロナ禍では、インターネットから多くの企業情報を得ているユーザーが多く、まずは他の企業と差別化を図り、記憶してもらうことが大切です。
企業の雰囲気をイメージしやすい
紙媒体やWebメディアの文章では伝わりにくい内容も、動画の配信で見てもらうことで、求職者が企業の雰囲気をより掴みやすくなるでしょう。
文章や写真だけでは企業の風潮や業務内容を正確に理解できないケースがあり、そのまま採用活動に進むと、企業と求職者のミスマッチが起きてしまう場合もあるでしょう。
採用動画で企業のリアルな雰囲気や働き方がイメージできれば、求職者は自分の働く姿が想像しやすくなります。
採用工数・コストが削減できる
採用活動における情報配信は、以下のような様々なコストがかかります。
「パンフレット作成」
「説明会の資料準備」
「候補者との最適なコミュニケーション」 など
動画の活用することによって、パンフレットやそれに関わる人件費のコスト削減、候補者とのコミュニケーションの最適化につながります。
例えば、説明会に動画を取り入れることで、何度も同じ説明をする必要がなくなり、効率的な説明会が実現するでしょう。
また、遠方で開催する説明会を動画配信に変えることで、場所にとらわれず企業情報を発信できる実施費用のコストダウンにつながります。
それだけではなく、より自社の魅力を伝わりやすくすることによって優秀な人材の獲得に貢献することができます。
SNSで拡散できる
企業の採用アカウントのSNS(Twitter、Facebookチャンネルなど)に動画を含めた動画配信を行うことでよりユーザーの好感度が上がるきっかけになります。
「自社の魅力のポイント」
「職場見学や施設紹介」
「先輩社員インタビュー」など
さらに、好感度を持ってもらったユーザーが、そのコンテンツや動画が拡散機能を使ってシェアされると、より多くのユーザーに認知してもらえることが期待できます。
最近はSNSを活用した企業情報を得る求職者がコロナの影響も加速して増えているため、積極的な情報発信や採用動画を活用することにより、多くの人材確保が見込めます。
企業のイメージアップにつながる
応募が少ないことで悩んでいる企業も、魅力的な採用動画を公開することによって、企業のイメージアップが狙えます。
「企業の個性、独自のサービス性を訴求」
「独自の人事制度、カルチャー」
「福利厚生、社外活動」 など、
他企業との差別化を意識したプロモーションのコンテンツに動画を活用することで、より自社の魅力を知ってもらうことができます。
採用動画を制作するときのポイント
採用活動を成功に導くには、求職者の心に刺さる魅力的な動画を作りましょう。いくつかのポイントを意識すれば、より効果的な採用動画が完成します。
少しの工夫で成果が変わってくるので、以下で紹介するポイントを把握しておきましょう。
採用活動には「募集をかける」「面接をする」「内定から入社まで」とあらゆる工程があり、それぞれの工程に合わせた動画を訴求を考える必要があります。
1)目的を明確にする
各工程毎に「何のために」「どのような結果にするために」を明確にして、ゴールから逆算しながら、求職者がどのような印象やアクションを持ってくれたら、情報配信に対して良い結果が得られている、採用活動に貢献しているかを振り返れるようにしましょう。
2)採用したい共通の人物像の観点で作る
自社にあった求職者で理想的な人物像をイメージして、その中でも共通する人物像を描きましょう。
取り組もうとしている情報配信の内容やその訴求によって、どのように相手の心理状況が変化していくのかを予想しましょう。
採用動画の制作も同じように考え、求職者の動きを予想し、適切なタイミングで適切なコンテンツを訴求することが重要です。
「自分たちにとって作りたいものを作る」ではなく、求職者が知りたい情報や心を動かされる魅力的な情報が詰まった採用動画を制作すれば、採用活動がより効果的なものになります。
3)ターゲットを明確にする
新卒向けなのか、中途採用向けなのかでは、職種、年齢層などによって、求職者の興味関心が大きく変わるため、よりターゲットの人物像をしっかりと決めてから、情報配信や動画制作に取り掛かりましょう。
就活生向けの採用活動であれば、毎年学生が企業に対して重要視している「仕事内容への魅力」「職場の雰囲気」「福利厚生」などポイントに合わせて情報配信するコンテンツを検討すると良いでしょう。最近入社された社員に選んだきっかけやポイントをヒアリングしてみるのもおすすめします。
4)企業のリアルを盛り込む
入社前と後で「ギャップを感じたりミスマッチが起きたりすることを防ぐ」ために、採用動画には企業のリアルな部分を盛り込むことをお薦めします。
よい側面だけを動画にするのではなく、仕事の厳しさやそれに伴うやりがい、外側からは分からない本当の部分を見せることで求職者は親近感を抱きます。
特に中途採用はミスマッチが起きやすいので、より該当部門のメンバーの生のインタビューや職場環境やカルチャーがフィットしているかが分かるシーンをイメージできる動画があると、より入社への意欲を高めるだけでなくミスマッチを防ぐきっかけになるケースがあります。
5)企業独自の魅力を伝える
他社にはない要素をしっかり調査して見極めることで、独自の魅力や個性が伝わる動画を作り、差別化することで、求職者の記憶に残りやすくなるよう意識しましょう。
自社を選ぶ魅力やメリット、自社でしかできない経験などをしっかりと伝えることが大切です。
事前に自社の独自の魅力やアピールポイントを整理しておき、他の企業よりも興味を持ってもらえる魅力を伝えることが大事です。
6)採用動画の種類
採用動画には、訴求したい内容によっていくつかの種類があります。
<企業紹介>
社長が企業理念や会社の歴史、業務内容などを説明したり、社内の職場の映像を流したり、さまざまな魅力の伝え方があります。
<ブランドイメージ・プロモーション>
詳しい企業情報や募集要項には触れず、直感的に伝わるインパクトのある自社をイメージ連想させる内容を盛り込むことが多いです。
<社員インタビュー>
採用したい人材像やリーダー的な先輩社員などへ直接インタビューし、企業の魅力や雰囲気などをアピールすることによって、より求職者が自分が働く姿を想像しやすくなることが期待できます。
<施設、職場環境の紹介>
説明会や職場見学だけでは伝えきれない社内の雰囲気や施設を紹介する事で、より入社後のイメージが鮮明になり、応募意欲が高まることが期待できます。
※上記以外でも、より「入社して欲しい候補者にだけの動画」を作成して送る、「各社員毎の自己紹介動画」を作るなど、採用もそうですが働いている社員に対してのコミュニケーションを活性化するような動画活用事例も増えています。
7)採用動画の配信方法
採用動画は企業説明会や自社サイト以外に、YouTubeチャンネル、公式TwitterなどのSNSでも配信できます。
新型コロナウイルス感染症の影響により、ライブ配信で企業説明会を行う企業や、オンライン面接を進める企業、特に若い求職者とのLINEでのコミュニケーションや情報発信をする事例が急激に増えています。
そのため、スマートフォンでのSNSを利用した採用動画の視聴や情報収集を図る求職者も増加しています。
今後ますます採用動画が企業選びの決め手になることが予想されるので、SNSだけでなく自社にあった最適な配信方法を検討しましょう。
効果が期待できる採用動画事例
様々な業界から自社でも取り組める採用動画の活用事例をご紹介します。
撮影シーンや方法、デザインや演出、登場人物、ナレーション、BGMなど、それぞれの企業の特徴を見てみましょう。様々な採用動画の事例を見比べることで、自社にあったアイディアや表現のバリーションの参考になります。
1)ヒューマンアカデミー
ドキュメント形式での生の社員の声や作業風景を届けるインタビュー動画です。
入社理由や仕事内容だけでなく、「一番嬉しかったこと」「一番苦しかったこと」まで様々なリアルの声を届けることによって、会社の良い側面ばかりを見せず、苦悩やそれを乗り越えるきっかけとなった出来事も語ることで、求職者の心を打つ採用動画になっています。
インタビュー形式の動画の良い点は、スマートフォンの動画でも撮影次第ではドキュメンタリ形式でシーン毎に分割できるなど、制作会社へ外注しなくても作りやすい利点があります。
引用: YouTube:【採用動画】ヒューマンアカデミー「インタビュー動画」
2)JR西日本
映像、文字、グラフ、アニメーション、キャッチナーBGMをバランスよく織り交ぜ、今後の事業想創造や拠点を拡大していく未来がイメージでき、その結果多くの人達への情報発信や喜びを与えるなど凝縮された内容とリズム感の良い動画になっています。
予めシーン毎の素材を用意するための撮影は必要ですが、シーン毎の素材の切り替えやBGMで簡単に制作できる動画です。
引用:YouTube:【<公式>JR西日本】創造本部 新卒採用ムービー「想像以上を、創造せよ。」
3)メディックス
各ポジションの社員の働き方やポリシー、モチベーションの高さ、どのような社員や特徴を持つ企業なのかが、文字だけでは感じ伝わりにくい点を分かりやすく表現されている採用動画です。
文字だけでは感じ取りにくい企業カルチャーや業務内容も、実際に働く姿を映像にすることで、イメージしやすくなるでしょう。
各シーン前のオフィス風景、社員へのインタビューとナレーション(音声)、テキスト文などの補足だけで作成できます。
引用:YouTube:株式会社メディックス『新卒採用サイト』会社紹介動画
4)東映アニメーション
インタビュー形式で先輩社員の作品に対する熱意と情熱、仕事への姿勢や仲間と共に作り上げるなど、会社の魅力や、職場風景だけでなく、来て欲しい人材像のイメージをわかりやすく表現しています。
各シーン前のオフィス風景、社員へのインタビューとナレーション(音声)、テキスト文などの補足だけで作成できます。
引用: YouTube:東映アニメーション新卒採用ムービー~世界をアツくさせる挑戦~
5)NTTテクノクロス
大手企業の魅力である魅力的な施設のオフィスツアーとして職場を紹介することで、働く環境をイメージしやすくしています。
作業風景だけでなく、社員が休憩中に談話する場面も撮影しているため、アットホームな印象やナレーションがなくても撮影の仕方や演出で企業の魅力が伝わるよう工夫されています。
引用: YouTube:NTTテクノクロス オフィス紹介【本社編】
6)INEST
実際の仕事の雰囲気が伝わるオフィスツアーや内定者に事業部長から内定者向けのお祝いメッセージ動画を作成することで内定承諾率を上げるために活用しています。
オフィスツアーでは、いつもより声のトーンを普段より2段階くらい上げて、わざと少しオーバーに演じたことが好評で、各部署にもその場でアイデアをもらいながら撮影する工夫をしています。また内定者インタビューでより自社の良さが伝わる動画も制作しています。
7)神戸電子専門学校
ビジネス動画編集クラウド「Video BRAIN」で編集されており、短いシーンで「学習意欲」「部活など趣味の充実」「友人との出会い」をイメージしやすい内容になっています。
ブランディングの要素が強いため、まずは「知ってもらう」「興味を持ってもらう」ことをターゲットにすることがポイントになります。
8)大和リース
ビジネス動画編集クラウド「Video BRAIN」で編集されており、短いシーンで魅力が伝わるように広報の「採用ブランディング」をイメージしやすい内容になっています。
採用ブランディングの要素が強いため、まずは幅広い人に「知ってもらう」「興味を持ってもらう」ことをターゲットにしていることがポイントになります。
動画編集ツールなら動画制作を手軽に行うことができる
人材採用の動画制作にも実績のある「Video BRAIN」。3,500本以上の多様な動画テンプレートの中には、採用向けのテンプレートも充実しています。操作は簡単で、パワーポイントを扱うような感覚で動画作りが可能。サポートも充実しているので、分からないことがあったら気軽に質問することもできます。
また、ナレーション生成やテロップの編集を行える機能も搭載しているので、紙ベースだった資料を動画に移行やお客様に提案する前の準備も効率化できます。
自社にあった運用方法を検討する時は、動画制作会社へ依頼するだけではなくインターネット上で動画編集ができる「Video BRAIN」などの内製化するツールを検討するのをおすすめします。
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