社内報は必要?役割と制作ポイントをご紹介!

社内報を発行している企業は少なくありません。しかし、社内報の役割まで担当者が理解していなければ、本来の効果を発揮しにくいものです。社内報の役割や目的が明確でなければ、何を書けば良いのか悩むことにもなりかねません。

そこで、この記事では、社内報の基本的な役割と作成のポイントを解説します。

主な社内報の役割

社内報とは、社員に向けて自社の情報を発信したり、社員同士のコミュニケーションを促進したりできる媒体です。基本的な社内報の役割は、次のとおりです。

【社内報の基本的な役割】
・経営理念やビジョンの共有
・社内のコミュニケーション活性化
・社内の情報共有
・社員のモチベーションアップ
・採用活動やブランディングに活用

経営理念やビジョンの共有

社内報の役割として、会社の経営理念やビジョンの共有があげられます。

通常、経営陣と社員が意見交換する機会はそれほど多くありません。また、入社から時間が経つと経営理念やビジョンの認識が薄れてしまう場合があります。

そこで、社内報を通して、定期的に経営陣から会社の考え方や今後の方向性について発信することで、社内に向けて共有できます。

経営方針を周知するために社内報を活用すれば、社員の帰属意識も高まり、会社全体の団結力を強められるでしょう。

社内のコミュニケーション活性化

社内報は、社内コミュニケーションのきっかけとなる役割も担っています。たとえば、全国各所に拠点があり、オフィスが離れた社員同士はなかなか交流する機会がないことも。また、同じオフィスで働いていても、他部署の社員と接点が少ないケースもあります。

社内報で各部署の業務をはじめ、成功事例や実施したイベントなどを積極的に発信することで、他部署の社員と会話するきっかけにつながります。

部活動やサークルの紹介記事を作れば、同じ趣味を持つ仲間を増やしたり、他部署との交流をきっかけに新たな事業やプロジェクトが生まれたりする効果も期待できます。

社員同士のコミュニケーションが活発になると、愛社精神が育まれて強固な会社組織の形成が見込めるでしょう。

社内の情報共有

社内の情報を全社員に共有する手段としても、社内報は非常に有効です。新サービスや仕様変更など、自社製品に関する情報をはじめ、経営陣や人事・総務からの通達事項など、社内報を活用すれば全社に情報を拡散できます。

直属の上司から伝達したり、グループウェアで発信する方法もありますが、社内報は情報が流れてしまったり、ヒューマンエラーで重要な情報が伝わらなかったりする危険性を回避できます。

社員のモチベーションアップ

社内報をうまく活用すれば、社員のモチベーションアップを図れます。たとえば、社内MVPなどが選ばれた際に、対象社員のインタビューを掲載するとします。

インタビューされた社員のモチベーションにつながるだけでなく、他の社員にとっても刺激になります。その結果、多くの社員が意欲をもって仕事に取り組むことができるのです。

そのほか、モチベーションにつながるコンテンツには「新入社員の紹介記事を作成し、入社後の活躍を促す」「他部署の成功事例を共有し、会社全体の士気を高める」といった内容も考えられます。

採用活動やブランディングに活用

社内報の役割は、社内だけにとどまりません。社外に公開することで、採用活動や企業のブランディングにも活用できます。

社員インタビューや事業の紹介、成功事例など、社内報には自社の魅力が詰まっています。就活生に社内報を共有することで、自社の雰囲気や働く社員の生の声を届けられ、企業理解をより深められます。

また、SNSに社内報の内容を載せ、自社のブランディングに活かすこともできます。

社外に向けた発信を意識することにより、制作側もわかりやすい内容を心がけるようになります。すると、社内報のコンテンツとしての質も高まるきっかけにもなるのです。

社内報を制作するポイント

社内報を制作するにあたっては、次のポイントを意識しておくと良いでしょう。

【社内報を制作する上でのポイント】
・最適な社内報の媒体を選択する
・読まれる社内報を意識する

最適な社内報の媒体を選択する

社内報として利用できる媒体は、大きく分けて次の3つが考えられます。

【社内報の媒体の種類】
<紙媒体>
メリット:特別感を出せる、他の社員と一緒に読める、見るためのデバイスが不要
デメリット:作成と配布にコストと時間がかかる、読まれたかどうかわからない、発行後に修正できない

<アプリ/web>
メリット:情報を瞬時に発信できる、制作が比較的容易、アクセス数がわかるので反応がつかみやすい
デメリット:流し読みされすく、じっくり読ませたいコンテンツは不向き

<動画>
メリット:伝えられる情報の幅が広がる、汎用性が高い、記憶に残りやすい
デメリット:コストや時間がかかる

社内報を作成するにあたっては、一つの媒体に絞るのも良いですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。うまく併用し、使い分けるとさらに良いでしょう。

【例】
・社外イベントや就活セミナーでの配布用に紙で作成する
・更新頻度を上げて日々の情報を伝えるためにWeb媒体を使う
・代表からのメッセージやビジョンの可視化に動画を活用する など

読まれる内容かどうかを意識する

社内報は読者に読んでもらってこそ、はじめて意味を成します。読まれる社内報を作るためのポイントは、次のとおりです。

【読まれる社内報のポイント】
・内容が一方通行にならないようにする
……作成者が伝えたい情報だけではなく、社員が知りたい情報を取り交ぜて作成する

・多くの社員を登場させる
……似たようなポジションの社員ばかりだと読者も飽きてしまうため、さまざまな部署や役職の社員を登場させる

・読者目線に立って作成する
……図解や表を入れる、写真を掲載するなど、文字ばかりで読みにくくならないよう工夫する

・気軽に読めるコンテンツの企画を作る
……真面目な内容ばかりではなく、読むのが楽しみになるようなコンテンツを取り入れる

・最後まで見てもらえるような構成を練る
……ボリュームが多すぎると途中で脱落する可能性が高まるので、全体のバランスを考える

これらの点に注意して作成しながら、定期的に社員のアンケートをとりましょう。届いた意見を次号以降に反映させると、クオリティがどんどん高まり、社員から楽しみにしてもらえる社内報になるでしょう。

社内報を有効に活用した企業事例

「社内報アワード」という、社内報の祭典が年に一度開催されています。

社内報の企画・制作を手がけるウィズワークス株式会社が主催し、社内報の企画内容をさまざまな基準で審査しています。ここでは、社内報アワード2022で上位となった事例を紹介します。

紙冊子の社内報アワード2022

2022年度社内報アワードの紙社内報部門において、ゴールド賞の上位3社は次のとおり。

順位社名企画名
1株式会社マクロミル〜プライム市場へ〜 今こそ知ろう!マクロミルの価値
2ポラス株式会社家をつくる人をつくる ~ポラスの人づくり~
3日産車体株式会社ありがとう シビリアン

第1位に輝いたマクロミルの社内報は、2022年より株式がプライム市場へ移行するにあたって、市場の疑問やIR業務の内容をはじめ、自社の価値について紹介しています。

自社の価値を伝えたい社内報であれば、経営者目線で語られるコンテンツのみで構成されるものが多くなりがちです。

しかしながらマクロミルの企画では、機関投資家や証券アナリストの客観的な目線を盛り込んでおり、社内外へマクロミルの価値を訴求する内容となっているのが大きな特徴です。

参照:『ミルコミ』Vol.167~プライム市場へ~今こそ知ろう!マクロミルの価値
https://www.macromill.com/company/way/culture/web_millcomi/vol167_millcomi.html

社内報動画アワード2022

動画社内報部門での上位3社については、次のとおりです。

順位社名企画名
1AGC株式会社2021年創立記念イベント「AGC Anniversary」
2デロイト トーマツ グループDot TV
3株式会社スギヨカニカマ誕生50周年記念ムービー「カニカマ氏、語る。」

第3位になった株式会社スギヨの動画は、会社の代表商品である「カニカマ」を擬人化し、悩める料理人を通してカニカマの開発秘話を語る……といったストーリー仕立てで展開しています。

日本初のカニカマは、失敗から偶然生まれた産物だったと言います。しかし、失敗しても不屈の精神で挑めば、新しい世界が開くという企業の社訓「努力は最後の勝利なり」がわかりやすく描かれています。

失敗を繰り返した当時の開発者が社長になったという経緯も含め、自社のストーリーがが商品価値を生み出し、ブランディングにも成功した好例といえるでしょう。

◆入賞した全作品の結果はこちら
参考:「社内報アワード2022」入賞結果発表
https://wis-works.jp/awards/2022/

まとめ

社内報は、社員間の情報共有や、コミュニケーション促進のツールといった役割を持ちます。うまく社内報を活用することで、社員のモチベーションアップや組織の強化へとつなげられます。

社員に読んでもらえる社内報を作成するには、媒体の選定と内容の精査が非常に重要です。作成後にも読者の意見をフィードバックしながら、より内容を充実させていくことが大切でしょう。


 

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