物件のオンライン内見やオンライン相談などの導入により、DXを推進している不動産会社は少なくありません。加えて、SNSやYouTubeで情報収集する潜在顧客へのアプローチしたいマーケティング部門や、採用PRの強化や社員教育の標準化などを進めたい人事部門などでも、動画の活用を検討中の方もいるのではないでしょうか。
本記事では、DX化が進む不動産業界における動画活用のメリットをご紹介。動画制作会社へ外注するだけではなく内製化するときのポイント、メリット・デメリットをはじめ、実際に自社で動画制作を行い、良い結果を残している企業の実例を交えながら、動画活用事例などをお伝えします。
目次
不動産関連企業が動画を活用するメリットとは?
動画活用のメリットは、文字や言葉で伝えにくい情報を伝えやすくすることです。物件は言語化が難しく、紙媒体で間取りの図面や物件設備の情報を静止画だけで説明するのは、イメージが付きづらく、伝えられる情報が限られてしまいます。動画をPRに活用することで、物件情報を的確に伝えられるので、物件や契約や購入を検討しているお客様が知りたい接点強化に役立ちます。
不動産関連企業の場合、主に物件管理部門、マーケティング部門、人事・採用部門などで動画を導入するメリットがあります。詳しく見ていきましょう。
1.様々なマーケティング施策で効果を発揮する
動画を活用して、情報の発信力を高めることができます。たとえば、YouTubeや各種SNSなどは、情報を検索している人に向けてダイレクトにPRできるため、マーケティング効果は絶大です。SNSやWeb広告の場合、静止画だと盛り込める情報が限られてしまいますが、動画なら短くても雰囲気なども一緒に伝えることができます。
物件があるエリアを走行するタクシーのデジタルサイネージに、販売する物件の動画を流せば、その土地を活動圏内にしているお客様に新物件の情報を届けることができます。興味を抱いてもらえれば、検索して企業のHPを訪問してくれることも。インパクトのある動画を作ることで、企業の認知度の向上と、イメージアップにつながるはずです。
また、最近はインターネット上で360°内覧できたり、ドローンで物件の外観だけでなく周辺のイメージを訴求できたりと、動画で表現できることの幅は広がっています。
2.購入検討者に向けた物件紹介動画や入居者向けの解説動画に利用できる
物件を管理する上では、物件探しをしている潜在顧客に向けた「物件紹介動画」と、すでに入居されているお客様に向けたルールや困りごとを解決する方法を示した「解説動画」の2つを挙げられます。
1)物件検討者向け「物件紹介動画」
図面だけでは分かりにくい部分も、物件の内部や設備を紹介するツアーの動画なら、お客様に入居後の生活をイメージさせることができます。
マンション物件を紹介する動画であれば、「エントランスから導入して中庭や共有部分を周遊撮影。部屋の玄関を開けると広々とした部屋が広がり、窓からは開放感のある景色が望める」といったように、おすすめポイントを押さえながら、暮らしをイメージさせるのもひとつの手。コンシェルジュが駐在している物件であれば、コンシェルジュの挨拶の仕草を動画に挿入することで、高級感を伝えることができます。
また、施工にこだわった部分やオリジナルの設備など、自社の強みとなる部分を動画に起こせば、他社との差別化を図ることも可能です。
お客様に事前に伝えておくべき注意点なども、字幕や音声で挿入ができるため、担当者と一緒に現場を内見しているかのような体験をお客様に届けられます。入居後の生活が想像できるような動画での提案は、決断の後押しにも役立ちます。
2)入居者向け「解説動画」
入居後に不便を感じないように用意する、入居者向けの動画です。例えば、「Wi-Fiの設定の仕方」という動画を作る場合、実際に設定を行っている手順を撮影すれば、お客様はそれに従って設定できるので、文章よりも明確に理解ができます。
その他、「駐車場や駐輪場の借り方」「ゴミの処分方法」「マンション内の利用可能設備」といった入居者が疑問に感じそうなことを動画にしておき、お客様へご案内しておくことで、電話などでの問い合わせは減少。お客様にとっては、気になった時にすぐに問題解決ができ、業者にとってはお客様からのお問合せ対応にかかる時間を短くすることができます。
完成動画を専用サイトに上げておけば、営業時間外に万が一のことが起こっても安心です。「入居後の電気、ガス、水道の利用方法」や、「水回りのトラブル」など、ライフラインに関する情報も合わせて提供すると、入居者の満足度も上昇します。
3.人材教育や採用時にも効果を発揮する
動画は人材教育や採用でも活用できます。それぞれの有効性について見ていきましょう。
1)人材教育向けの動画活用
不動産業界の人材育成は、各エリアの責任者(店長)による指導がほとんどです。このやり方だと属人化しやすく、教育方法によって接客レベルや成約率に違いが出てしまうという難点も。動画なら、標準化した教育を施せるので、属人化によるネガティブ要素を払しょくすることが可能になります。
文字で勉強していた「不動産業界の知識」「規定」「商談時に必ずヒアリングする項目」を、動画で分かりやすく解説。例えば「電子契約とはどんなことか」をイラストで示し、音声で説明を行えば、理解が容易くなります。ベテラン社員にも基礎知識を学び直してもらうことで、部署内の知識レベルの統一が図れます。新人研修用には、「営業活動のポイント」など、日々の活動に必要な要点をまとめたマニュアル動画を制作。スキルレベルに合った動画を研修で活用すれば、業務への理解度が深まります。
2)人材採用向けの動画活用
どのような理念を持つ会社か、先輩社員にはどのような人が居るのかを動画で説明することで、仕事のイメージがつきやすくなります。
先輩社員のインタビューは、求職者にとって一番信頼のおける「現場の声」です。先輩が語る今後の展望などは、入社への意欲が湧くきっかけになりますので、積極的に取り入れたい要素です。1日の業務スケジュールの流れやオフィスの設備の紹介なども入社後のイメージが付きやすいので、動画にまとめるといいでしょう。
また、動画を作ることで、採用に対する積極的な姿勢が求職者に伝わりやすいなどの利点もあり、会社に対する評価の向上を期待できます。
不動産関連企業が動画を制作する方法は?
動画を制作するには、外部の制作会社に依頼する方法と自社で内製する方法の2パターンがあります。こちらでは、外注と内製化のメリットとデメリットを比較しています。
1.外部の制作会社に依頼する
動画制作を外注する場合、動画制作会社への依頼またはクラウドソーシングを利用してクリエイターに発注するという2通りの方法があります。いずれも高いクオリティの動画が期待できますが、発注から納品までに1カ月以上を要し、費用が高額になるなど、頭を悩ませる点も存在します。また、会社に関する知識などの情報共有など、制作担当者との密なコミュニケーションが必要です。
1)動画制作会社に依頼する場合
どの動画制作会社にするかを決定し、見積もりを依頼します。その後は、企画・打ち合わせ→構成チェック→撮影→編集→編集チェック→修正というフローで作業が進行。発注から納品までに掛かる期間は3週間〜2カ月ほどが目安です。目標設定や効果計測のサポートを行なっている業者や、動画の活用支援をしてくれるところもあります。
2)個人などのクリエイターに依頼する場合
クラウドソーシングを用いて依頼を行う際には、サービスに登録してクリエイターを探すところからスタートします。過去の実績を元に、イメージに近い作品を作る人に発注ができるので、自社のテイストに合ったクリエイターの選定が可能になります。制作期間や料金などはクリエイターによって大きく変わります。
2.社内で内製化する
内製する場合は、社員が企画を立案します。自社サービスへの共通認識を持った上で話合いを行えるため、打ち合わせに掛かる時間は少なくて済みます。動画の意図やコンセプトが決定したら、「動画撮影→編集」の流れで作業を行い、修正などがあればその場ですぐに対応が可能。画像や動画の元素材があれば、数時間〜数日の短期間で動画が完成します。
素材を撮影する機材は、ビデオカメラやスマートフォンなど、動画が撮影できればどんなものでもOK。編集を行う際には、動画編集ソフトや動画制作ツール、アプリなどを活用して行います。
動画制作は、一台のパソコンにこだわることなく様々な社員が動画制作に加われる、クラウド上で作業できる「Video BRAIN」などの制作ツールがおすすめです。不動産業会の用途に合わせた動画テンプレートが充実しており、さらに操作も簡単なツールを使用すれば、1~2時間でクオリティの高い動画が完成します。仕上がりが早いため、フレッシュな情報をお届けできるので、物件の回転が早い不動産業界では内製が打ってつけです。予算を気にすることなくテーマに合わせた動画を量産できます。
不動産最多動画は「物件案内」!動画活用事例を紹介
新築マンションや一戸建ての購入のほか、不動産の賃貸を検討する場合に、多くの消費者が不動産物件の動画から情報を得ていることもあり、不動産業界は今、動画制作に力を入れています。SNS広告や不動産ポータルサイトへの掲載のほか、モデルルームや店舗内におけるデジタルサイネージとしても活用できるなど、汎用性が高いことも理由のひとつです。
こちらのパートでは、動画を活用している不動産関連企業の具体的な事例を3社ご紹介します。動画制作のヒントがたくさん盛り込まれていますので、是非ご参考下さい。
1.人事・採用・教育動画事例「株式会社アイジーコンサルティング」
新築設計・施工、不動産仲介及び売買、総合リフォーム事業、耐震補強事業、住宅メンテナンス事業など、総合的な住環境づくりを行う同社。Video BRAINで社員教育や営業活動用の動画を内製したことで、社員の知識の向上と新卒の契約数が4倍になるなど、営業の成果アップにつながりました。
Video BRAIN導入前の課題は「属人的な教育体制」。アナウンスすべき情報に各々のアレンジが加わり、誤解を招く案内を行う恐れが散見されていたそうです。そのため、社員教育用の動画を制作。さまざまな知識や細かい規定をまとめたマニュアル動画を作り、社内で共有した結果、売上が上昇しました。
お客様への提案時にも動画資料を見せて解説。全体の営業レベルが向上し、全員が一定以上のクオリティで案内できるようになったという成果を上げています。
2.マーケティング・動画広告事例動画事例「株式会社幹建設」
愛媛県松山市を中心に、注文住宅と建売住宅の販売を主に行う「株式会社 幹建設」。
動画を活用して情報の発信力を高めていきたいと考え、今回 Video BRAIN を導入しました。
動画広告だと入れられる情報量が多く、様々な見せ方ができるため、情報の発信に変化を持たせられるようになった。最近では、「〇〇の悩みをお持ちの方」など、ターゲットを絞った広告動画を制作。
今までの静止画広告を動画にしたことによって、特定のターゲットに絞った訴求ができるようになったという。
▼注文住宅のイベントは毎週行っており、来場の案内動画などを毎月3〜4本の動画の制作
3.物件管理・紹介動画事例「株式会社アーキテクト・ディベロッパー」
賃貸用集合住宅の提供をコア事業とし、1都3県を中心に、大阪、名古屋、福岡、仙台などでも事業を展開。動画活用ゼロからスタートし、今では賃貸事業本部のメンバー8人で運用しています。動画は主に、賃貸アパート管理に関するもの。仲介業者やお客様に向けて電話で説明を行う際、口頭では伝わらない部分に困難を感じることが多かったため、動画制作を決意しました。
ゴミの出し方やWi-Fiの設定方法、水回りのトラブルが起きた際の対処方法などを制作し、「YouTube architect developer 公式チャンネル」で配信した結果、最初は200回の再生回数だったものが、4ヶ月後には3,000回へと再生回数が増加。ほかにも、入居者専用アプリのチャットボットにも質問内容に応じて動画で回答。利用後に行うアンケートでは、動画での対応の満足度に「満足」という回答が多く寄せられ、お客様の満足度がアップしていることが結果となって現れました。
社内からも、「お客様の理解度を上げるのに動画はかなり有効的だ」と、実感の声が多く上がっています。
▼賃貸アパートの管理会社のため、ゴミの出し方やWi-Fiの設定方法、お得な電気会社の紹介及び申請方法、水回りのトラブルが起きた際の対処方法など、生活にまつわる動画を制作
動画編集クラウドなら動画制作を手軽に行うことができる
SNSを活用したマーケティングのほか、物件紹介や動画広告、営業マニュアル、人材採用の動画制作にも実績のある「Video BRAIN」。2,700本以上の多様な動画テンプレートの中には、物件紹介のテンプレートも充実しています。操作は簡単で、パワーポイントを扱うような感覚で動画作りが可能。サポートも充実しているので、分からないことがあったら気軽に質問することもできます。
また、ナレーション生成やテロップの編集を行える機能も搭載しているので、紙ベースだった資料を動画に移行やお客様に提案する前の準備も効率化できます。情報の鮮度やスピードが重要な不動産業界においても、スピーディに広告を打ち出せます。
自社にあった運用方法を検討する時は、動画制作会社へ依頼するだけではなくインターネット上で動画編集ができる「Video BRAIN」などの内製化するツールを検討するのをおすすめします。
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