新型コロナウイルスの影響で外出自粛ムードが続き、飲食業界や店舗集客の業績が軒並み悪化しています。大手外食チェーン企業は、20年4〜6月期の決算を発表。昨年と比べ、大幅な売上減少を記録しました。当分の間、コロナ以前の来店は難しいと考えられるため、店舗集客のマーケティング戦略の磨き込みが急がれます。
飲食業界や店舗運営をしている業界の集客方法はどう変化していくのか?
集客を後押しする動画活用法と動画制作について解説します。
目次
外食チェーン企業の7割が赤字という深刻な状況
ニュース等で連日報じられていたように、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、主に都市部の飲食業界が深刻なダメージを受けています。
2020年4〜6月の大手外食チェーン企業の決算が発表されました。主な企業の決算内容は以下の通りです。
企業名 | 最終損益 | 前年同月比 |
すかいらーくHD | − 191億円 | 赤字転落 |
ゼンショーHD | − 63億円 | 赤字転落 |
スシローグローバルHD | − 8億円 | 赤字転落 |
王将フードサービス | + 3億円 | 赤字転落 |
日本マクドナルドHD | + 44億円 | 8% |
このように、上記表のファミリーレストラン・ガストで有名な「すかいらーくHD」、すき家で有名な「ゼンショーHD」など、唯一増益であった日本マクドナルドHDを除く企業が最終減益で7月を迎えています。
ファミリーレストラン業界よりももっと深刻な状況なのが「居酒屋」です。8月に決算を発表した「コロワイド」は最終損益が41億円の赤字で着地(4〜6月)。徐々に外でお酒を飲むという雰囲気も戻りつつありますが、長らくは苦戦が強いられることが予想されます。
日々のニュースやTwitterのライムラインなどでも、歴史をもつ飲食店が閉店を迎えるという一報が流れてくることがあります。もうコロナ以前のようにお客さんがいっぱいに並んでの店内は戻らないとしても、工夫を凝らし、企業・店舗として生き残っていかなければなりません。
しかし、2022年も蔓延防止対策の解禁時期に応じて多数の来店傾向が見られるため、適切な感染防止対策を取りつつ集客を強化することで過去と同様の集客は見込める可能性はあります。
飲食店の運営で必要な創意工夫
コロナと付き合いながらの飲食店や店舗の運営が行なわれるなか、感染を広げないために様々な創意工夫がされています。一般社団法人 日本フードサービス協会と一般社団法人 全国生活衛生同業組合中央会がまとめた『外食業の事業継続のためのガイドライン』によると、次のような点を考慮して運営することが提案されています。
入店時に気をつけるべき工夫
1 | 店舗入口には、発熱や咳など異常が認められる場合は店内飲食をお断りさせていただく旨を掲示する |
2 | 店舗入口や手洗い場所には、手指消毒用に消毒液(消毒用アルコール等)を用意する |
3 | 店舗入口及び店内に、食事中以外はマスクの着用をお願いする旨を掲示する |
4 | 座席に十分な間隔をとることが重要であることをお客様に理解してもらい、店内が混み合う場合は入店を制限する |
5 | 店内飲食やテイクアウトで順番待ちをする場合は、各人が2m(最低1m)以上の間隔を空けるように誘導する |
6 | 順番待ちが店外に及ぶ場合は、従業員が間隔を保つように誘導するか、整理券を利用して行列を作らない方法を工夫する |
接客時の距離感や対応
1 | テーブルサービスで注文を受けるときは、お客様の側面に立ち、可能な範囲で間隔を保つ |
2 | お客様が入れ替わる度にテーブル・カウンターを消毒する |
3 | カウンターサービスは可能な範囲で従業員とカウンター席との間隔を保つ |
4 | 大皿は避けて料理は個々に提供する。従業員が取り分けるなど工夫をする |
5 | お客様同士のお酌・グラスやお猪口の回し飲みは避けるよう、業態に応じ掲示などで注意喚起する |
6 | 個室を使用する場合は十分な換気を行う |
お会計時の非接触
1 | 食券を販売している店舗は、券売機を定期的に消毒する |
2 | 可能であれば会計処理は「電子マネー」等の非接触型決済を導入する |
3 | 現金・クレジットカードの受け渡しは手渡しで行わず、コイントレイを使用する |
4 | 飛沫を防止するために、レジとお客様の間にアクリル板等の仕切りを設置するなど工夫をする |
テイクアウト
1 | お客様の店内滞留時間を短くするために、事前予約注文を受け付けるなどの仕組みを導入する |
2 | テイクアウト客と店内飲食客の動線を区別し、接触を避けるように工夫する |
3 | テイクアウト専門の窓口を設ける |
デリバリーサービス
1 | デリバリー担当の配達員と来店客が接触しないように、両者の動線が重ならないように工夫する |
2 | 料理の受け渡しは必ず手指を消毒してから行う |
3 | 代金を支払い済みで注文者が希望する場合は、注文者の指定場所に料理を置くなど非接触の受け渡しを行う |
4 | 配達する料理の容器は、配達員が直に触れないよう袋等に入れ、配達に使用する運搬ボックス等は使用の度に消毒する |
5 | 配達時は注文者の玄関や指定の場所に置き、接触しないようにする |
店舗集客に向けてどこにコストやリソース投入すべきか?
店内の衛生管理を徹底し、かつ店内のキャパをいっぱいいっぱい使うことが憚られる現在そしてこれから。店の営業は継続しつつも、テイクアウトやデリバリーへ踏み切るべきなのでしょうか。
外出自粛ムードが続くなかで飲食店はどう集客マーケティングを行なうべきかについて、興味深い調査結果があります。Webメディア事業を手がける株式会社ホワイトボックス(所在地:福岡県)が飲食店オーナー74名・一般消費者385名に調査を行ったアンケートを見てみましょう。
※参考:でじまる館長ブログ「新型コロナで大変な飲食店へのご提案 459名調査に基づくマーケティング戦略」
テイクアウトは成功実感、デリバリーは人員配分が難しい
コロナの影響で飲食店の販路として注目を浴びたテイクアウトとデリバリー。しかし、どちらも成功を実感している飲食店が多いわけではなさそうです。
調査によると、コロナ禍の新しい取り組みで成功を実感しているものは何かと質問したところ、テイクアウトと答えた飲食店オーナーが54.1%、一方デリバリーと答えた方は18.9%という結果でした。逆に失敗した取り組みは?と質問したところ、デリバリーと答えた方は同じく18.9%と、比較的高い結果となりました。
この結果には、デリバリーサービスの「配達」という作業が関係していそうです。これまでデリバリー経験のない飲食店では、新たな配達人員にコストがかさみ、どれくらいの人員を配達にまわすべきかという最適化ができず、むしろデリバリーによって疲弊が増した可能性が考えられます。
昨今ではデリバリー配達員を用意しなくても、「Uver eats」「Wolt」「menu」「出前館」「楽天デリバリー」「dデリバリー」といった注文受付から配達までしてくれるデリバリーサービスが充実しているため、それぞれのサービスの「配達エリア」「掲載の多いジャンル」「掲載店舗数」「手数料」「配達料」などメリットやデメリットを比較して利用を検討すると良いでしょう。
また比較的「掲載が少ない方が掲載情報が埋もれることなく注文を獲得できる」可能性が上がるケースもあります。
店舗への集客率は、各店舗のブログ・SNSが圧倒的に占める
次いで、一般消費者にどうやって飲食店を知り来店または注文を行なったのかを質問したところ、全体の76.2%が「お店のブログ・SNS」と回答。二位には「食べログ」で41.6%、三位には「ポスティングチラシ」で37.6%という結果が記されています。
さらに、「お店のブログ・SNS」を深掘って実態を明らかにするために詳細のチャネル名を質問したところ、以下のようになっています。
- Instagram = 47.5%
- Twitter = 29.7%
- お店のブログ = 18.8%
- facebook = 17.8%
- LINE = 12.9%
- YouTube = 4.0%
ここからわかるように、上から順にInstagram・Twitter・お店のブログなどの発信にリソースを集中させるべきであることが正しい戦略だと考えられます。Instagramが集客チャネルの上位である理由は、やはり料理を写真で確認できるから。写真で一目見ておいしそうなお店にテイクアウトやデリバリーを求める傾向が想像されますので、Webサイトやアプリでの実際に料理が確認できる写真や動画でのリアル感(しづる感など)を伝えることが重要だと考えられます。
全国にベーカリーとパティスリーを展開する株式会社オールハーツ・カンパニーは、2002年の創業当初から根強い人気を誇る「マジカルチョコリング」、高級食パンにかわいらしさをプラスした「ねこねこ食パン」など数々のヒット商品を生み出しており、各店舗のサイネージに期間限定の商品紹介などに動画を利用しています。
SNSでは料理画像とお店情報は詳しく載せておく
さらに調査では、SNSのどんな情報が飲食店利用に繋がったかを質問しています。その結果は以下の通りです。
- 料理画像 = 87.1%
- おすすめメニュー = 57.6%
- 割引情報 = 51.8%
- 料理のこだわり = 12.9%
- 料理動画 = 11.8%
- 衛生管理 = 8.2%
ここから整理すると、InstagramやTwitterでは投稿内に「シズる感のある料理写真」「メニュー一覧」「割引クーポン」「おすすめメニュー」「衛生管理の体制」「営業時間や予約方法」「決済手段の種類」などを投稿するのが消費者に求められていると予想されます。
あと、やはり「人間は感情的な生き物なんだな」と感じるのが、「コロナで苦しい状況であり誠実にお店を助けてほしいというメッセージが投稿されれば、たとえ価格が高くても応援したくなる」という消費者からの声が多かったことです。
もちろん、実態とはかけ離れているのに過度に同情を買おうとする投稿は控えるべきですが、コロナの影響で店舗の経営が苦しいのであれば、素直に助けてほしい気持ちを投稿してもよさそうです。
料理の魅力は動画ならより一層伝わる!
InstagramやTwitterを頻繁に(理想は毎日)投稿することが、飲食店の集客に高い効果を生み出すことは先ほどお伝えした通りです。そして、料理の魅力をよりわかりやすく伝えるには、写真と並行して動画の投稿も効果的でしょう。
例えば、テイクアウトやデリバリーのできる焼肉弁当の肉が焼ける「ジュー!」という音を動画付きで投稿するような広告用語でいうシズル感のあるおいしいそうなラーメンをススる動画を投稿すれば、写真では伝わりにくい臨場感が視聴者に届き、ついつい食べたくなること必至です。
さらに料理動画であれば、言語の壁は関係ないので、外国人のお客様にも届きます。コロナの影響で例年に比べれば外国人観光客の数は減少しているとは思いますが、それでも都市部を中心に在住の外国人は多いので、動画投稿は外国人集客に繋がるでしょう。
動画制作の内製化なら「Video BRAIN」
「Video BRAIN」は、プロが使うような編集機能で誰でも簡単動画を作ることができる動画制作ツールです
効率的に魅力ある動画制作するには
集客を狙ったInstagramやTwitterへの動画投稿であれば、スマートフォンで動画撮影したファイルをそのままアップしても効果は期待できると思います。しかし、よりバリエーションのある動画をこまめに投稿していくには、”動画編集”という工程を入れることによってより魅力的な動画を制作することができます。
「Video BRAIN(ビデオ ブレイン)」などの動画制作サービスは、オンライン上(クラウド上)で動画制作することができます。
月額の定額制で作りたいと思った時に即日で動画が完成するため、動画制作会社に外注して1本数十万や数週間から数ヶ月納期がかかることもありません。
よりコストを抑えて、魅力的な動画を複数制作したい場合は、動画制作サービスを利用した内製化を検討するのをおすすめします。
関連記事
この記事をシェアする