動画編集を外部に依頼する場合、料金相場を知っておくことは非常に重要です。近年、動画を活用した施策を行う企業が増えており、動画制作手段の1つとして編集の外注を検討することも少なくありません。自社で動画の外注を検討しているものの、外注先の選び方や相場がわからないという方も多いのではないでしょうか。
動画編集のノウハウがないと、適正な料金がわからないことも多く、不必要な編集作業も含めた依頼になってしまうことも否定できません。料金相場を知っておくことにより、依頼すべき適切な動画編集の範囲や、どこに依頼すべきなのか、また費用を抑えるためにどの部分を削ればいいのかについても明確にできるでしょう。
本記事では、動画編集を外注する際の外注先の選び方や相場、料金を押さえる方法についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
動画編集を依頼する際の料金相場と動画の内容
動画編集の料金は、動画の種類やクオリティ、動画の時間などによって変わってくるのが一般的。また、動画の内容だけでなく、制作会社に依頼するのか、フリーランスの動画編集者に依頼するのかによっても料金は大きく変わる可能性があります。
フリーランスの場合、副業として動画編集を行っているケースも少なくありません。動画編集を始めたばかりで、実績作りのために料金をかなり抑えている方もいます。そのため、レベルも人によって異なり、必然的に料金の幅が大きくなるのです。
そのために個人差が大きいですが、おおむね制作会社に依頼する場合の5~7割程度の金額で引き受けてくれることも。
ここでは、料金ごとに依頼できる動画編集の内容をご紹介します。相場感覚を身につけることで、今後動画編集を依頼する際に役立つでしょう。
1)5,000〜30,000円の相場と内容
5,000~30,000円の料金相場で依頼できるのは、主に再生時間が短い動画編集や、簡単な編集作業の依頼です。
多くの場合編集作業のみの依頼となり、事前に用意した動画にテロップを入れる、効果音や画像・イラストの挿入、別動画へのリンクとなるアノテーションの挿入などの内容になるでしょう。
また、この価格帯でできる仕事の多くは、YouTubeの動画編集。初心者レベルでもできる作業がほとんどです。安い料金でとにかく動画を量産したいという方が、時間節約のために依頼することが少なくありません。
仕事の発注・受注のやり取りはクラウドソーシングサイトで行われていることが多く、制作会社が受注することはあまりありません。この料金相場で依頼できるのは、フリーランスの動画編集者がほとんどです。
2)50,000〜100,000円の相場と内容
動画編集の相場が50,000~100,000円台になると、動画編集に加えて企画や構成まで行ってもらえるようになります。
例えば、ブランドや企業の認知拡大、商品やサービスの紹介動画など、クオリティが重要な動画制作について企画段階から制作会社に入ってもらい、制作することが可能。動画編集の内容も簡単なものだけではなく、エフェクトを活用した高度な編集になってくるでしょう。
注意点は、この価格帯の場合撮影料金が除かれることが多く、動画の素材を自社で用意する必要があることです。一方、動画のサムネイル制作や動画公開設定などを含めたサービスを提供する会社もあるため、動画全般の知識が少ない依頼者にとってはメリットが得られます。
総合的な動画制作に関わることが多くなるため、この料金相場だとフリーランスの動画編集者よりも中小規模の動画制作会社を発注先として検討できるでしょう。
3)300,000円〜の相場と内容
300,000円以上の料金相場となると、動画制作・編集だけではなく、動画マーケティングなど運用に関するコンサルまで含めた内容となってきます。
動画を運用する目的が集客や宣伝、販売戦略などである場合、単に動画を制作・公開して終わりではありません。動画を運用し、分析・修正を繰り返すことで目的達成を目指す必要があるのです。
動画制作会社の中には、動画制作だけでなく動画マーケティングのノウハウを持っている会社もあり、目的達成のためのコンサルティングまで行ってくれるところも少なくありません。動画マーケティングで行うべきことは多岐にわたるため、ノウハウを持っていない依頼者がコンサルを利用する価値は高いです。
この場合、動画制作・編集1本の料金ではなく、コンサル料を含めた月額料金となってきます。また、コンサルまで含めた場合、発注先は主に動画制作会社となるでしょう。
動画編集を依頼する方法
動画編集を依頼する場合、制作会社とフリーランスの動画編集者のどちらに依頼をするかという2つの選択肢から選ぶ必要があります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、理解せずに依頼すると思わぬトラブルにつながりかねません。
ここでは、制作会社とフリーランスの特徴と、メリット・デメリットについて見ていきましょう。
制作会社のメリット・デメリット
制作会社に動画編集を依頼して得られる最も大きなメリットは、動画のクオリティの高さと安定感です。
制作会社は動画編集の技術があるだけでなく、動画の目的に合わせた企画や構成を行うプロ。そのため、クライアントの希望に応じて動画を制作してくれます。動画制作・編集のクオリティだけではなく、動画を利用したマーケティングに関するコンサルティングを行う制作会社も少なくありません。そのため、動画を作って終わりではなく、いかに動画を利用するかまでアドバイスをもらうことが可能です。
動画のクオリティやマーケティングに関するコンサルティングなど、手厚いサポートがメリットの制作会社への依頼ですが、デメリットは費用がかかってしまうこと。個人で行っているフリーランスの動画編集者では揃えられない専門の機材を使っていたり、制作に関わる人数が多かったりするなど、クオリティを保つための機材費と人件費がかかるため料金が高くなってしまうケースもあります。
もう1つのデメリットは、多くの人が制作に関わるため、動画の納品が数週間~1ヶ月以上かかる場合もあることです。
これらのメリット・デメリットを総合的に考慮すると、動画を使ったマーケティングを目的に、クオリティの高い動画や関連する施策を行いたい場合には、制作会社に依頼するのがおすすめです。一方、単発での動画制作・編集を依頼する場合、字幕を入れるだけなどそれほど高いクオリティを求めていない場合は、内製化やフリーランスへの依頼を検討してみるとよいでしょう。
フリーランスのメリット・デメリット
低価格で動画編集を行ってもらいたい方や単発での仕事を考えている場合は、フリーランスの動画編集者に依頼するのがおすすめです。
フリーランスに依頼するメリットは、何といっても費用を抑えられること。フリーランスの動画編集者に仕事を依頼する場合、制作会社の相場料金の5〜7割に抑えられるといわれています。
もう1つのメリットは、フリーランスは個人なのでやり取りがスムーズになることです。制作会社と異なり、一人の動画編集者とやり取りするので、修正・変更点をすぐに伝えることができますし、柔軟に対応してくれることが少なくありません。
デメリットとして挙げられるのは、フリーランスは個人なので、急病などといった事情で納期の遅れが生じるリスクがあること。また、途中で連絡が取れなくなってしまうリスクも否定できません。そのため、仕事を途中で投げ出さない、信頼できるフリーランスかどうか見極める必要があります。
また、制作会社はチームで編集を行うため、納品物のクオリティは一定のレベルを保ってもらえますが、フリーランスの場合は個人の能力次第でクオリティにばらつきが出てしまう可能性があるのもデメリットです。残念ながらレベルの低いフリーランスの動画編集者も多く、納品物のクオリティが想定していたより格段に低い可能性もあり得ます。
フリーランスの編集者に仕事を依頼する場合は、メリットとデメリットを考慮して、過去の実績や取引履歴などを確認し、制作物のクオリティを確認することが大切です。
おすすめのフリーランス依頼サイト3つ
フリーランスの動画編集者に仕事を依頼する場合におすすめの方法が、クラウドソーシングサイトの活用です。
クラウドソーシングサイトとは、仕事を依頼したい人と仕事を受けたい人をつなげるためのサービス。仕事の契約や依頼、納品や支払いなど、全てネット上で行うことができます。
副業を行うケースが増えてきた昨今、クラウドソーシングサイトの利用者数も増えています。副業フリーランスの多くは、まずクラウドソーシングサイトに登録し、仕事を探すケースがほとんどです。
仕事の依頼に必要なのは、クラウドソーシングサイトへの登録のみ。あとはフリーランスの方からの連絡を待ち、依頼して問題ないかを判断して発注するだけと手軽です。2022年1月現在、総合的なサービス、ライター限定など仕事内容を絞ったサービス、クローズドのサービスなど様々なクラウドソーシングサイトがあります。
クラウドワークス
特におすすめなのが「クラウドワークス」。歴史が長く、業界最大手なので仕事の種類が多く、登録しているフリーランスも多いのが特徴です。初心者のフリーランスから経験の豊富な方まで多種多様なフリーランスが登録しているため、レベルに合った仕事を依頼できます。
ランサーズ
次に挙げられるのが、国内最大級のクラウドソーシングサイトである「ランサーズ」。登録しているフリーランス数が多く、独自の「認定ランサーズ制度」によって実績ごとにランク付けされているのが特徴です。ランクを見ることで、実績や経験、仕事を依頼する上での安心感を得られます。
ココナラ
また、クラウドワークスやランサーズとは毛色が違ったサービスが「ココナラ」。他のサービスと異なり、フリーランスができることと価格を提示する仕組みです。依頼者側は、フリーランスの紹介ページを見て仕事を依頼するかどうかを決めます。
さまざまなクラウドソーシングサイトがありますが、まずは上記3つのサイトがおすすめです。仕事を依頼し、どのような流れで納品までされるか一度試してみましょう。
動画編集を依頼する際に注意したいポイント
動画編集を依頼する場合、料金やサービス内容だけで依頼先を決めてはいけません。動画編集にはさまざまなプロセスがあり、適切な工程・クオリティを提供しているか、それに見合った料金となっているかなど、依頼先を決めるポイントがあるからです。
納品された動画が思っていたものと異なるなどといったトラブルにあわないためにも、ここでご紹介する3つのポイントを確認しておきましょう。
見積もりを出してもらう
動画編集に関わらず、料金の見積もりを出してもらうことは非常に大切です。
動画編集の場合、依頼者側が動画編集の技術に詳しくないことが少なくありません。そのため、見積りを出してもらい、内訳をしっかりと説明してもらうことは、適正な価格なのか判断するために重要です。他社と比較し、クオリティと料金の相場を知ることもできるでしょう。
依頼したいイメージと、動画制作の目的を明確に伝えること、加えて予算を明確にして最初に伝えることも非常に重要です。予算を提示することで、動画編集者側も納品できるクオリティを提示しやすくなります。
フリーランスに依頼する場合、クラウドソーシングサービスを利用すれば、依頼時点で報酬額を提示することになります。クラウドソーシングサービスの他の募集を参考に、相場価格を設定すると良いでしょう。
依頼する作業や納期を明確にする
制作会社に動画編集を依頼する場合、多くの人が関わるため、作業内容や納期を明確にすることも大切です。
動画制作には、打ち合わせから始まり、企画や台本作り、撮影、編集、ナレーション、デモ動画のチェックなどの細かい流れがあります。動画制作の全ての工程を依頼するのか、動画撮影や台本などは依頼者側が用意するのかなどを最初に明確にすることで、動画編集をスムーズに進めることが可能です。
また、動画をいつまで納品可能かを確認することも忘れてはいけません。動画をマーケティングで使用する場合は、利用期間が決まっている場合も多いため、納期の認識を明確にし、共有してください。
フリーランスに仕事を依頼する場合も、作業や納期の確認は非常に重要。特に、フリーランスの中には動画編集を全て行わない方もいるので要注意です。最初にできる作業を明確にせず、あとから依頼した作業ができなかったといった事態に陥らないためにも、依頼する内容を明確にしておきましょう。
参考動画を共有しておく
動画編集において、動画のイメージをお互いに認識することも重要です。動画のイメージを制作会社に伝えるためには、イメージに近い参考動画を共有することをおすすめします。
長い工程を経て完成した動画が依頼したイメージと異なっていた場合、また同じ工程でやり直さなければならなくなってしまいます。修正の期間があればまだいいですが、納期の関係で仕方なくそのまま使用しなければならなくなる可能性も否定できません。
このような事態を避けるためには、最初に動画のイメージを共有しておくことが大切。イメージを共有するためには、言葉やイラストだけでは不十分であることが多く、参考となる動画を用意しておく必要があります。参考動画を共有することで、イメージの食い違いが生じにくくなるでしょう。
動画編集の料金を安く抑える方法
動画編集の料金を安く抑える方法として挙げられるのが、自社が行う作業を決めておき、部分的な作業を外注すること。全体的に費用を抑えたい場合は、動画編集を自分で行うことで外注コストをゼロにすることも可能です。
ここでは、動画編集の料金を抑える方法について解説します。
動画のテンプレートを作成する
継続的に動画制作を行う場合、動画のテンプレートを作成することで費用を抑えることが可能です。
動画編集において、毎回どのような構成にするのか決めていくよりも、構成をテンプレート化することで工程を減らせるためスムーズ。テンプレートに沿って編集内容を指示すれば、あとは動画の素材を提供するだけでイメージ通りの動画が制作されので、費用を抑えることもできます。
オリジナリティに欠けてしまうという可能性はありますが、市販のテンプレートパッケージを利用してもいいでしょう。簡単な動画であれば自分で制作・編集できるので、クオリティよりも継続性を重視する動画制作における有効な選択肢の1つです。
自分でできることは内製化する
動画の撮影やナレーションを自分で行えば、依頼する作業工程を大幅に削減し、費用を抑えることが可能です。動画作成には様々な工程があるので、内製化できそうなものを検討してみるといいでしょう。
動画の撮影などはスマートフォンで行うこともできますし、必要な素材を揃えるだけで完結する場合もあります。また、ナレーションをプロのナレーターに依頼せず自社で行えば、費用を抑えることが可能です。
動画の作成の工程の中で、自分でもできそうと思えるものがあったら挑戦してみてください。
動画編集サービスを利用する
動画作成のコストを完全にゼロに抑えたいなら、簡単に編集ができる動画編集サービスを利用することも選択肢の1つです。動画の目的にもよりますが、クオリティよりもオリジナル性や面白い動画を作るためには、必ずしも外注する必要はありません。
現在は多くの動画編集サービスがあり、動画編集初心者でも利用しやすいものが少なくありません。中には、プロ顔負けの編集ができるサービスもあり、コストを抑えたいという方から、動画編集を楽しみながらやってみたいという方におすすめです。スマホのアプリなどにも手軽に一定レベルの動画制作・編集ができるものもあるので、まずは気軽に挑戦してみてはいかがでしょうか。
ある程度の動画編集技術を身につければ、今後外注化する際にも依頼先のクオリティや適正価格なのかチェックできるようになるので、自分で動画編集サービスを利用してみることをおすすめします。
【お役立ち資料】動画編集ツール・サービスを導入する前に
必ず押さえておきたい6つのポイント
このeBookでわかること
・動画編集ツールのよくある基本機能
・動画配信用途に合わせた編集機能の違い
・編集や書き出し時の著作権上の注意
予算を抑えて内製化するなら動画編集ツールがおすすめ
外注は、依頼先や内容によっては費用がかかり、思い通りの動画制作・編集ができない可能性があります。また、制作会社に依頼した場合、柔軟に対応してもらえないこともあり得ますし、何より社内にノウハウが蓄積されません。外注費を抑えたいなら、社内で編集できる体制を構築する、あるいはテンプレートだけでも作成できる体制を整えるのが賢明です。
自動動画生成ツール「Video BRAIN」なら、初心者でも簡単にハイクオリティな動画制作が可能。インターネット上で利用する形式のクラウド型のツールなので、動画1本あたりの制作コストを抑えられます。
「商品紹介」「広報・プレスリリース」「イベント・サイネージ」といった用途に合わせた2,700以上の動画テンプレートが用意されており、ストーリー文と素材をアップするだけで動画が簡単に完成します。また、長尺動画の編集や画像・動画・BGMの商用で利用できる素材が豊富に用意されています。
動画編集の外注化には、依頼する内容やクオリティによって料金相場は大きく変わってきます。依頼する内容が高度になってくと、当然費用も高額になるでしょう。
外注費の削減を考えている方は、動画編集の工程を全て外注するのではなく、自分で行える作業を行うことで費用を抑えることができる動画編集ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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