プレゼン動画の作り方とは?初心者でも簡単にできるポイントやツールも紹介

営業活動において商談中やプレゼンテーションに動画を活用することで、短い時間でも内容を理解してもらいやすく、より印象に残るプレゼンができるというメリットがあります。ただし、効果的なプレゼン動画の制作方法が良くわからないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、プレゼン動画の制作方法や効果的なプレゼン動画にするコツや運用するためのポイントを詳しく解説します。またより効果的なプレゼン動画の制作や動画経験が浅くてもイメージの再現性の高いおすすめの動画編集サービス・ツールについても紹介します。

プレゼン動画を活用するメリット

プレゼン動画は、動画でしか伝えることのできない特性を生かして商談の効果を高めることはもちろん、ビジネスにおける多様なシーンで応用して活用することができます。ここでは、プレゼン動画を活用することにより得られる効果やメリットについて解説します。

動画を活用した営業活動の調査結果

「SENLEN」(https://sales-lp.senlen.jp/)を提供する株式会社CIが公開している動画を活用した営業活動に関する実態を、動画を活用している営業担当者110名に調査レポートを見ると、以下の動画の有効性が高い結果になっています。

「80.9%が、営業動画を見た顧客の商談率の高さを実感」

「そのうち約4割が、営業動画の活用によって1.5倍以上受注率向上を実感

「7割が、営業動画を見せた顧客の受注までのスピードの速さを実感」

出典元:動画を活用した営業活動に関する実態調査(SENLEN)

上記のように営業担当者によって母数の違いはあるものの、従来のテキストや画像だけの営業活動や商談中のプレゼン提案よりも動画の方が効果的な結果になっています。

短時間で内容を理解してもらえる

動画は、紙の提案書や静止画のデータの資料のテキストや画像のみより、視覚的や音声も活用することによって商談相手に伝えたいことを表現がしやすく、短時間で理解してもらいやすいメリットがあります。

調査結果からも分かる通り、営業活動に動画を活用するのとしないのでは、提案力や相手への伝わり方に大きな違いがあると言えます。

長い文章や説明が続くと飽きられやすいテキストや画像ベースの資料に比べ、伝えたい情報を短い時間で視聴してもらえる動画は、忙しい顧客担当者の限られた時間内により多くの情報を伝えられる点で非常に効果的な施策と言えます。また、様々な表現をしやすい視覚やBGMや音声で聴覚に訴えながら情報を伝えられるため、視聴する側にとってはなじみのない内容でも資料を読み込む必要がなく理解しやすくなります。

また、実物をその場で見せられない商品・サービスの品質を訴求する製造プロセスのイメージや実際に利用したときの運用イメージがつきやすい具体的な使用シーンの説明に動画を用いることで、これまで伝えられなかった情報が伝えられ、顧客の信頼感にもつながるでしょう。

また、商品の開発秘話、社長の思いなどのコンテンツも動画にすれば、情緒的な感情や熱量が伝わるだけでなく、より商談相手の共感や興味を高められる可能性があります。

認知段階から興味・関心をもちやすい

プレゼンに動画だけに限らず、自社の商品・サービスに興味がなく認知していない新規顧客に対しても、動画を視聴してもらうことで興味・関心を引きやすくなります。数秒のオープニングなどの短時間の内容だけでも、開始早々に視聴者の心をつかめれば、記憶に残り問い合わせや商談のきっかけになるケースもあります。

自社の商品・サービスの契約することによって課題が解決できる顧客ターゲット層に絞ったテーマや契約することでもたらされるメリットを短時間で理解できるようなイメージで表現すること、より伝えやすくなります。

また、広告のようなテレビCMやメディア発信のようにあえて少し違和感やギャップのある動画を制作し、さらにその商品・サービスが気になり続きが見たくなるようなイメージにするのも効果的です。

商談から広報まで役に立つ

プレゼン用に制作した動画は、プレゼンにとどまらずさまざまなビジネスシーンで役に立ちます。

営業活動での動画の活用例)
・商品・サービス説明
・導入事例の紹介
・デモンストレーション
・自己紹介
・ウェビナー
など

上記のように動画は商談やプレゼンでの活用だけではなく、企業のWebページで公開して顧客に視聴URLをメール案内することで、商談時の提案資料がなくても分かりやすくすることもできます。また商談やプレゼンで視聴してもらった動画を再度試聴できるようにWebページ上に用意しておけば、顧客がが動画を見返して検討しやすくなる、といった使い方も可能です。

定期的に商談やプレゼン、営業活動に必要なコンテンツを更新し、多くの人に見てもらえるよう公開することで、新規の見込み顧客を集めてくれる販促ツールとしても活用できるでしょう。

プレゼン動画の作り方とは

プレゼン動画とは、これまで主流となっていたパワーポイント等で作成した文章や画像を中心とした「読む資料」と、同じ情報を動画で構成した「視る資料」です。動画と一口に言ってもパワーポイントだけでの編集機能だけでなく、アニメーションやテロップなど、様々な表現の機能を駆使して訴求力ある魅力的な品質の高いコンテンツに仕上げることでプレゼンの成功や受注につながります。

また、その公開場所も従来の静的プレゼンテーションとは比較にならないほど幅広く、商談やプレゼン以外にも様々な活用シーンでの利用が見込めます。

プレゼン動画の制作方法は複数あり、出演者や準備する機材、必要な人員数、取り直しやすさなどが異なります。また、撮影した動画を編集する際も、ソフトによって機能や操作性が異なるため、動画のクオリティにも差が出てくるでしょう。そのため、自社の状況に応じて、最適な制作方法を選ぶことが大切です。ここでは、プレゼン動画を作る方法について解説します。

テーマに沿って主張する内容を決める

商談やプレゼンで伝えられる動画の内容は幅広くあり、主に以下のようなテーマがあります。

プレゼン動画のテーマ例)
・商品やサービスの紹介
・導入事例の紹介
・操作マニュアル
・自社PR、イベント告知

ひとつのプレゼン動画に「商品・サービスの紹介だけでなく、自社PRやイベント告知のもしたい・・・」など伝えたいことを盛り込みすぎると、本来伝えたいテーマから内容が散逸したり、視聴時間が長くなること動画全体に締まりがなくな視聴者の飽きや興味が薄くなってしまう可能性があります。

まずは、プレゼン動画を構成する企画段階で、主張する内容がわかりやすいテーマに沿っているかをしっかり確認しながら決めていくことが大切です。世界中から集まった一流の様々なプレゼンのテーマや講演内容をYouTubeで視聴できるTED TALKなどを構成の参考に閲覧してみるのもおすすめです。

プレゼン中に説明したい資料を作成する

場面が次々に移っていくプレゼン動画においては特に、情報を過度に詰め込まないよう注意が必要です。テーマや全体の構成が決まってきたら、資料1ページにつきメッセージはひとつに絞り込むことを心がけ、文字量や画像も表示時間内に視聴者が読み切れる適切なボリュームになるように作成しましょう。

画像の素材がなければ、フリーイラストなどで商用で利用できるものを挿入するのも、資料のデザイン性が向上できておすすめです。

動画を撮影する

動画の撮影は素人にはハードルが高いのではないかと思われがちですが、コツを押さえておけば実はそれほど難しいものではありません。以下にコツの一部をご紹介します。

動画撮影時の参考例)
・カメラは解像度の高いもの(HD(ハイビジョン)解像度720p、フルHD(フルハイビジョン)解像度1080p、4K:解像度2160p)
・照明が明るい場所で撮影する(被写体が影や逆光、暗さが影響するため)
・意図しない通行人やゲストの映り込みや音声が入らないように注意する
・撮影時は三脚や固定の机などを使用して手ブレを防ぎ、手持ちでカメラの撮影は極力避ける。
・構図は被写体に応じたものにする。空間を広く見せたい場合は対角線での撮影、人物はやや斜めのアングルからの撮影にすると美しい仕上がりとなる。
・カメラワークは1ショットの時間を長めに取り、ゆっくりとカメラを動かしながら撮影する。
・オンライン会議ツールなどで撮影する場合、バーチャル背景などを工夫して利用する
(動画の縦横比と合わせやすい1280 × 720pxまたは1920 × 1080pxに設定しておく)

撮影した動画を編集する

動画の撮影は素人にはハードルが高いのではないかと思われがちですが、コツを押さえておけば実はそれほど難しいものではありません。以下にコツの一部をご紹介します。

動画編集の参考例)
・編集時にはテロップを入れたり、必要に応じてナレーションの音声で補足をする。ただしテロップの文字数は短くし、2~3秒で視覚的に認知できるボリュームにする。
・編集ソフトのテンプレートデザインやスマートアートのグラフィックを利用してビジュアルをよくする。
・フリー音源を利用してBGMを挿入するのも効果的です。
・無料アイコンの配布サイトから素材をダウンロードして利用する。

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 ISOMETRIC

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これらのようにコツを押さえながら撮影・編集を行うことで、見やすい動画を作成できます。

関連記事:動画編集の必須テクニック7選!制作のコツも解説

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動画編集時に注意するポイント

効果的なプレゼン動画を制作しても、編集後の動画を再生する時に起こり得るトラブルを想定し、事前にしっかり準備しておきましょう。ここでは、プレゼン動画の運用時にありがちなトラブルと対処法をご紹介します。

容量が大きく再生できない

プレゼンの資料として、PowerPoint等のスライドとともに動画を用意するケースが多いのではないでしょうか。この場合、動画と資料は別々に作成し、完成した動画をスライド資料に動画を挿入しておけばスライド上でそのまま再生できるため、プレゼンの進行するのがスムーズです。

容量が大きすぎることで起こり得る再生トラブルを防ぐためにも、以下のような対策を講じておきましょう。

・あらかじめデータを圧縮しておく
・別のフォルダに格納しておく など

予め再生がスムーズに動画を再生できるかテストをしておき、難しければ別の動画ファイルで再生するなどの工夫をしましょう。

音量調整を間違える

音声付きの動画の場合、音量調整を間違えてしまい、再生した途端大音量で視聴者を驚かせてしまったり、逆に音量が小さすぎて聞き取れなかったりするトラブルが発生しがちです。

そのため、リハーサルの際に実際の会場の広さや人数なども考慮し、適切な音量で動画が流れるようしっかり調整しておきましょう。

営業活動やプレゼン動画に使うおすすめのツール

Zoomやパワーポイント、Googleスライドといった動画や資料作成ツールも非常に充実しており、作成のコツさえ押さえておけば、今や簡単に動画プレゼンが作れます。

プレゼン動画の作成でよく使われるツールを紹介します。

パワーポイント(Microsoft PowerPoint)を使う

PowerPointを用いたプレゼン動画の場合、スライドを見せながらカメラで出演者の顔を映す「人+スライド」という構成、あるいはスライドのみ(出演者はナレーションのみ)にするのが一般的です。

PowerPointの機能で「音声+映像の収録」を選択すれば、特別な設定をしなくとも「人+スライド」という構成で撮影をスタートできます。

PowerPointは、ウェビナー(Webセミナー)や社内の情報共有、社内外の勉強会、講義、教育・研修(eラーニング)などの動画制作に適しています。また、初心者でも簡単に制作できる方法だと言えるでしょう。

PowerPointでプレゼン動画を制作するメリットは以下の通りです。

・PowerPointの操作ができれば制作可能:動画制作が初めてでも簡単に制作できる
・撮り直しがきく:プレゼンの反応によって何度でも修正できる
・アニメーションで動きを追加できる:PowerPoint搭載のアニメーションを使用できる
・少ない機材で制作できる:PC内臓のカメラ・マイクがあれば特別な機材は不要

PowerPointの機能だけで撮影から編集までできるのが最大のメリット。映像挿入サイズの変更や明るさの調整、アニメーションの追加など、簡易的ではありますが内容を変更することも可能です。

Windows10の標準アプリを使う

Windows10には、「Microsoftフォト」という動画編集アプリが標準装備されています。動画制作のための基本的な機能が備わっているため、シンプルな動画を制作する場合はこのアプリを使うのもおすすめです。

ただし、PowerPointとは異なり、Microsoftフォトには録画機能がありません。そのため「人+スライド」の構成にするためには、ディスプレイに「プレゼン資料」と「出演者の顔」を表示した状態で、別のカメラでそのディスプレイを撮影する必要があります。

Microsoftフォトでプレゼン動画を制作するメリットは、以下の通りです。

・Windows10に標準搭載されているため、無料で利用できる
・動画編集の機能が厳選されており、スキルがなくても制作しやすい
・ビデオカメラと三脚などの固定機材だけで手軽に撮影できる

Microsoftフォトの編集機能の例は、以下の通りです。

・カット編集
・テロップ挿入
・BGM挿入
・動画のトリミング
・音量調整
・速度調整
など

必要な機能が最低限そろっているため、まずは試してみたい場合におすすめです。

動画編集ソフトを使う

視聴者により強い印象を与える本格的な動画を制作するなら、多彩な表現を加えられる動画編集ツールの活用がおすすめです。

動画編集ソフトにはさまざまな編集機能が搭載されているため、プロ仕様でクオリティの高い動画を制作可能。例えば、競合他社に差をつける動画を制作したい、パワーポイントや標準アプリの機能では満足できないなど、クオリティにこだわりたい場合に向いています。

動画編集ソフトを使ってプレゼン動画を制作するメリットは、以下の通りです。

・プロに外注するよりも、低コストで内製化できる
・他の制作方法に比べ、プレゼンで差がつく多彩な表現やインパクトのある動画を編集できる
・いつでも手軽に編集できるため、常に最新の情報に更新してプレゼンに使える

動画編集ソフトにはさまざまな種類があり、それぞれ特色や搭載機能が異なるため、経験値などに合わせて使いやすいソフトを選びましょう。トライアル期間を設けているソフトも多いため、まずは試しに利用してみるのもおすすめです。

関連記事:社内で動画を内製化するメリット・デメリットを紹介

営業活動やプレゼン動画を活用している企業事例

業種や企業の特色によって、プレゼン動画の活用方法はさまざまです。ここでは、プレゼン動画の活用事例についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

DICライフテック株式会社

DICでは自社で製造しているスーパーフード「スピルリナ」を広く知ってもらうため、スピルリナを使ったレシピ動画を作成。わずか30秒ほどの短い動画にもかかわらず、思わず引き込まれてしまう動画に仕上がっています。

商品名である「LINABLUE(R)(リナブル―)」のイメージを打ち出す工夫として、全体のトーンをブルーイッシュに統一。おしゃれで洗練されたイメージを伝えるために、写真は本物のBarで撮影。小道具や雰囲気の演出にも統一感があります。

ナレーションを一切入れず、テキストだけでレシピを紹介。軽快なインストゥルメンタルジャズをBGMとして流しています。こうすることで、まるで視聴者本人が夜のBarにいるかのような臨場感が生まれます。音楽、統一感のとれた画像、画像と画像をつなぐ視覚的な演出がうまくかみ合い、いっきに視聴者を甘美な世界に誘うことに成功しています。

株式会社ルネサンス

全国でフィットネスクラブを運営しているルネサンスでは、お客様へのトレーニングマシンの使い方マニュアル動画を提供しています。フィットネスクラブで初めてマシンを使用するお客様には、インストラクターが一人ひとりに使い方を直接指導するのが一般的です。特にトレーニングマシンは使用前にアタッチメントやレバーなどの取り付けが必要など、設定方法がマシンによって異なります。

動画ビデオではマシンごとに必要な取り付け方や注意点などを、インストラクターの動作とテキスト(字幕)の両方で紹介。インストラクターは口頭では一切説明せず、取り付ける動作だけで方法を紹介しています。こうすることで視聴者は、どのように取り付けるかをテキストと映像に集中して確認できます。

映像では、マシンごとに取り付ける場所にフォーカスし、拡大撮影したり、取り付けるインストラクターの手元を撮影したりしながら、わかりやすさを最優先させています。取り付け後は簡単な使用シーンも紹介。これによって、初心者でも使用前にだいたいの準備方法とマシンの使い方がすぐに理解できます。さらにインストラクター自らが動画に登場することで、その施設に親近感、安心感を持ってもらうことにも成功しています。

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まとめ

プレゼン動画の活用は顧客への伝わりやすさなど多くのメリットがあることから、商談やプレゼンだけでなく様々な営業活動での利用が見られるようになっています。

また「Video BRAIN」などの法人利用のサポートも充実した動画編集ツールを利用することで、パワーポイント他の簡易的なソフトではできない様々な伝わりやすい表現ができ、ビジネスの場で差をつけることのできる魅力的な動画プレゼンを作ることができます。

これからプレゼン動画の活用を検討している方は、本記事を参考にして取り組んでみてはいかがでしょうか。

 


 

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