企業でプロモーションやマニュアルのために動画を制作することが増えています。自社で制作する広告やYouTubeの動画のクオリティは、担当者の学習度合いが少なからず影響してきます。習熟度によっては、他社の動画と差別化ができるようになります。
動画編集において求められるスキルとは、一体どんなものがあるのでしょうか。本記事では、動画編集に必要なスキル、おすすめの編集ソフト、効果的な学習方法について解説していきます。
目次
動画編集に必要なスキルは?
動画編集を行ううえで、必要とされる基本的なスキルを紹介していきます。操作の難易度は記事後半になるにつれ難しいものになるので、編集の際は記事前半のスキルから身につけていくようにしましょう。
1)カット
動画編集において、カットは最も基本的なスキルの一つで、素材の必要な部分を残し、不要な部分を削除していく作業です。この作業を行うことで、再生時間を短く調整でき、前後の素材と自然につなげることができます。カット編集によって、内容をコンパクトにまとめることができ、視聴者にとって見やすい動画になります。
しかし、シンプルな作業であるものの、素材を一から確認しなければならないため、時間がかかります。効率化のために、事前にカットしたいところを決めておくとよいでしょう。
カット編集は、主に「分割」と「トリミング」の2つの操作となります。
「分割」とは、動画を分割し、いらない部分を削除することです。素材を分けたい箇所を指定し、2つに分割できます。主に、削除したい部分の前と後ろを指定することで3つに分割し、中心のみを削除するのに使用されます。
「トリミング」とは、動画の一部分を切り出し、必要な部分だけを残すことです。動画の残したい部分の開始点と終了点を指定し、それ以外の部分を削除できます。トリミングは分割と違い、中間部分を削除することができません。
2)テロップ挿入
テロップの挿入は、動画にタイトルや字幕などのテキストを挿入する作業です。テロップを表示することで、視聴者の内容理解を助ける効果や、視覚的に飽きさせない効果があります。
テロップを入れる際に、スマートフォンで見られることを想定している場合には、テキストを大きめに表示したり、特に注目してほしいポイントがある場合には、フォントや色を変えたりするとより効果的でしょう。
また、演者が複数人いる場合は、誰が発言しているか分かりやすいように演者ごとに色分けするなどの工夫も必要です。
テロップの効果的な入れ方の関連記事はこちらも参照ください。
3)BGM・効果音の挿入
BGMや効果音の挿入は、動画のイメージや雰囲気を聴覚的に補助する役割を持ちます。作業の際、声やナレーションが聞き取りづらくならないように、BGMや効果音との音量バランスを調整しましょう。それぞれの音声素材が音割れをしていないかどうかも注意する必要があります。
BGMや効果音は、主に無料・有料のフリー素材の配布サイトでダウンロードできます。作りたい動画のイメージに合った音声を挿入することで、動画自体のクオリティを高めることが可能です。
BGMの著作権で気をつけておきたいポイントの関連記事もこちらを参照ください。
4)色調の補正・カラーグレーディング
色調補正やカラーグレーディングは、複数のカメラで撮った素材の色味を合わせる場合や、動画の雰囲気に合った色味にしたい場合に行う作業です。カラーバランスや明暗、コントラストを調整したり、フィルターをかけたりします。
この際、過度に色調を変えてしまうと、白飛びしたり、色が潰れたりしてしまう可能性があるので気をつけましょう。この作業を行うことで、暗い室内で撮影した映像を明るい雰囲気に変えたり、昼間の映像を夕方のような色味に変えたりなど、動画の雰囲気やイメージを大幅に変えることが可能です。
5)ノイズ除去&音響効果
ノイズ除去は撮影素材の音声を聞き取りやすくしたい場合に、音響効果はエコーやラジオ風の音声など演出の幅を広げたい場合に行います。
撮影の際に、室内の空調音や物音などのノイズが入ってしまうことがあります。ノイズ除去では、ノイズ自体を削除したり、ノイズの音量を小さくしたりすることによって、本来の音声を聞き取りやすくします。
音響効果は、編集ソフトにもともと用意されている音声エフェクトを使用したり、音声自体の周波数などを変化させたりすることによって、実現させたい音声に調整します。
編集ソフトによっては、細かい音声編集ができないものもあるため、音声編集機能のある編集ソフトか音声編集ソフトを使いましょう。
6)エフェクト挿入
映像の雰囲気をより効果的なものにする場合や、強調したいシーンではエフェクトを挿入します。モーショングラフィックスと呼ばれるテロップを動かしたり、素材と素材の切り替わりのタイミングでトランジションを使ったりすることでスタイリッシュにできます。
ただ、エフェクトを使いすぎてしまうと、視聴者にとって注目すべきところがわからなくなってしまうので注意が必要です。編集ソフトによってはたくさんのエフェクトがあるので、少しずつ使い方を覚えていき、シーンに適切なエフェクトを使えるようにしましょう。
動画編集ができるおすすめソフト3選!
動画編集スキルを身につけるうえで、使用する編集ソフトがどんな機能を備えているか把握しておくことが重要です。基本的な機能であるカット編集やテロップ挿入、音声の挿入ができるソフトであることが必須です。
また、応用的なスキルを使いたい場合はエフェクトや音響の加工までできるソフトの購入も視野に入れましょう。
1)Adobe Premiere Pro
引用元:Adobe Premiere Pro
Adobe Premiere Proは、Adobe社が提供するプロフェッショナルの現場で使用される編集ソフトです。Adobe社の他ソフトとの連携ができたり、豊富なエフェクトが標準搭載されていたりと、万能なソフトです。
カット編集、テロップ挿入、音声の挿入などの基本的な編集に必要な機能は揃っているので、クオリティの高い動画を制作できます。また、さまざまな規格の書き出し形式も豊富に用意されているため、SNSやテレビCMなどのさまざまな場面に対応することができます。
しかし、快適な動作環境が必要であり、パソコンのスペックがある程度求められるため、気軽に映像編集をしたい方には不向きなソフトです。
Premiere Proを購入すると、Premiere Rushというスマートフォン専用の編集アプリが使えるようになります。最低限の編集機能しか備えていませんが、Adobeアカウント間のクラウド保存によって、ファイルの移行作業をせずにPremiere Proで編集を続けることが可能です。
提供会社 | Adobe |
対応OS | Windows、macOS |
料金 | 年間プラン月額払い:¥2,728年間プラン一括払い:¥28,776月々プラン月額払い:¥45,936 |
2)Adobe After Effects
引用元:Adobe After Effects
Adobe After Effectsは、Adobe社が提供する高度なアニメーション表現やVFXを制作するのに特化したソフトです。同社が提供しているPremiere Proを始めとするその他のソフトとの連携ができるので煩雑な作業を効率化できます。エフェクト加工やCG・3Dアニメーション、合成処理を行うことができ、幅広い調整が可能です。
上記のPremiere Pro以上に重い処理を必要とするので、長尺の素材の取り扱いに向いておらず、パソコンも高いスペックのものが必要となります。
また、エフェクトの数が膨大なので、すべての使い方を覚えようとするのではなく、編集作業の都度使用したいエフェクトの使い方を調べながら覚えていくのがよいでしょう。
提供会社 | Adobe |
対応OS | Windows、macOS |
料金 | 年間プラン月額払い:¥2,728年間プラン一括払い:¥28,776月々プラン月額払い:¥45,936 |
3)Final Cut Pro
引用元:Final Cut Pro
Final Cut Proは、Apple社が提供するMacを使う人のための編集ソフトです。Premiere Proより機能がシンプルになっており、複雑な編集をあまり必要としない、基本的な機能があればよいという方に合ったソフトと言えます。直感的に操作できるため、最近では有名YouTuberも使用しています。
Final Cut Proは買い切り型のソフトなので、サブスクリプション制のPremiere Proと異なり、一度購入すればずっと使えます。Macユーザーの方は、求めるクオリティや利用期間の長さ、予算を考慮しつつ、Premiere Proと比較検討してみるとよいでしょう。
提供会社 | Apple |
対応OS | macOS |
料金 | ¥36,800 |
【お役立ち資料】動画編集ツール・サービスを導入する前に
必ず押さえておきたい6つのポイント
このeBookでわかること
・動画編集ツールのよくある基本機能
・動画配信用途に合わせた編集機能の違い
・編集や書き出し時の著作権上の注意
動画編集スキルを身につける方法
動画編集を学ぶ際には、主に動画で学ぶ方法と本で学ぶ方法があります。自身にあった学習法を選び、効率的に編集スキルを身につけましょう。
1)YouTubeを見て学習する
YouTube上では、さまざまな動画クリエイターや制作会社の方が編集ソフトの使い方に関するチュートリアルを投稿しています。ソフト自体の使い方や編集の流れ、エフェクトごとの使い方など、その種類は多岐に渡ります。
実際にソフトを使用しながら解説しているので、自分で使うときにもイメージしやすいです。その反面、動画再生時間が長くかかるものもあるので、学習時間があまりない方にはお勧めできません。無料で実際に見て覚えたいという方に向いている学習方法です。
動画編集ソフトの公式のYouTubeチャンネルがアップしている解説動画を参考にすると良いでしょう。
2)オンライン学習サイトで学習する
オンライン学習サイトで編集ソフトの使い方を学習する場合は、YouTubeと同様に動画を視聴することになります。サイトの利用は有料で、数千円から数万円ほどかかります。しかし、実績のあるプロフェッショナルから体系的に学ぶことができ、有料であるため信頼性も保証されています。
以下は、おすすめのオンライン学習サイトです。
【Udemy】
世界最大級のオンライン学習サイトです。初心者向けの講座が多く、セールで安くなっている場合があるので、初心者でも手の出しやすいサイトとなっています。
【デジハリオンライン】
3万円代で受講することができ、Adobe Creative Cloudが付属しています。実践的に学習したい方におすすめのサイトです。
3)本で動画編集スキルを身につける
編集ソフトの運営会社や映像クリエイターによっては、ソフトの操作方法やエフェクトについての解説本を出しています。手順ごとに説明がされていたり、すべての機能やエフェクトについての解説がされていたりするので、網羅的に学習することができます。その反面、自分が使いたい機能について調べるのに時間がかかってしまう場合があります。
本を読むほうが内容理解に繋がるという方や、細かい操作について知りたいという方におすすめです。
4)初心者でも簡単にプロ用の機能が使える「Video BRAIN」を利用する
自社で広告動画やYouTube動画を制作したいと思っているものの、動画制作や編集ソフトなどの学習コストをかけたくないと感じている方も多いのではないでしょうか。
動画制作ツール「Video BRAIN」は、本記事で紹介したようなテロップ挿入、BGM挿入などの編集スキルがない初心者の方でもほとんど学習コストをかけずにクオリティの高い動画が制作できるツールです。
AIの解析により、動画や音声の素材から、自動的にひな形制作やテロップの文字起こしをしてくれます。また、国内最大級のテンプレート・フリー素材数を誇っており、簡単に高品質の動画を作ることが可能です。
学習コストをかけずに、すぐにでもハイクオリティな動画制作に取りかかりたいという際には、「Video BRAIN」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
映像編集スキルは、多少の学習コストがかかるものの、自社の動画を使った施策や個人的なスキルアップに繋がるものです。あれこれと試してみるのもよいですが、あまり学習に時間をかけ過ぎてしまうと、かえって施策の実現に時間を要してしまいます。自分に合った編集ソフトや学習法を見つけ、効率的に習得していきましょう。作りたい動画を制作するのに、どこまでのスキルが必要なのか、事前に見極めてから学習に取りかかりましょう。
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