社内で動画コンテンツを作成するうえで欠かせない動画編集ツール。
動画のクオリティや制作のスピードは、どの編集ツールを使うかによって大きく左右されます。個人事業のYouTuberなどと違い、法人で使う場合には担当者のスキルに依存せずに済む汎用性や、共有のしやすさも重要だったりと、個人で編集する場合とは少し違った観点も含め検討する必要があります。
「このツールが一番素晴らしい」という正解はありません。動画コンテンツを作る目的、社内リソースや予算、求めるクオリティなどによって最適なツールは異なるからです。
「自分の会社ではどの動画編集ツールを使うべきか?」という疑問を解決するため、動画を作る目的や状況別に、おすすめな動画編集ツールを厳選してご紹介します。
目次
予算・目的別おすすめツール早見表
今回紹介する動画編集ツールは「iMovie」「Adobe Premiere Pro」「Video BRAIN」の3つです。それぞれ明確なメリット・デメリットがあるので、予算や動画をつくる目的などと照らし合わせ、一番相性のよさそうなものを選んでください。上記3つのツールの特徴を簡単にまとめると以下のようになります。順番に解説していきます。
iMovie | Adobe Premiere Pro | Video BRAIN | |
利用者イメージ | 初心者 | 中級~上級者 | 初心者 |
導入コスト | ◎ | ○ | △ |
学習コスト | ○ | △ | ◎ |
編集自由度 | △ | ◎ | ○ |
サポート | △ | △ | ◎ |
製品特徴 | Apple社が提供する無料ツール | YouTuberからTV局まで広く使われる万能ソフト | 法人の動画制作に特化したクラウドツール |
動画編集を快適にするために用意しておきたいPCの推奨スペック
まず動画編集を行うには、通常のPCの搭載されているGPU(グラフィックボードのこと)では不十分なケースが多く、「GoForce」「Radeon」といった表記がPCのスペックにあれば、動画編集ができるグラフィックボードが搭載されているということが分かるなど、選ぶ上でも注意が必要です。
またPCの作業領域を増やすための「メモリ」、処理速度を早くするための「CPU」、動画の読み書きなどデータ保存に影響する「ストレージ」など、以下の推奨するスペックを参考にすると良いでしょう。
<推奨のPCスペック>
GPU(グラフィック):GeForceかRadeon、内蔵型はNG
CPC:最低でもIntelならCore i5、AMD製ならRyzen 5(intel Core i7・Ryzen 7であれば十分)
メモリ(RAM):最低でも16GB以上を推奨(増設できるかもチェックしておくと良いでしょう)
ストレージ:高速処理できるSSD&HDD
画面サイズ:最低でも15インチ以上
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必ず押さえておきたい6つのポイント
このeBookでわかること
・動画編集ツールのよくある基本機能
・動画配信用途に合わせた編集機能の違い
・編集や書き出し時の著作権上の注意
まずは無料で動画編集を試してみたい場合におすすめな編集ツール
1.「iMovie」

動画編集が全くの未経験で、そもそもどんなものなのか試してみたい…という場合には、Apple社が提供している無料ツール「iMovie」がおすすめです。
Apple製品であるMACのPCやiPhoneでしか使用できないという制限はありますが、無料なので個人利用からお試しで動画編集を学習したい方は気軽に体験することができます。
基本的な編集機能は揃っており、非常に優れたツールではありますが、やはり作れる動画のクオリティには限界があります。「カット」「テロップ」「BGM」をつけるだけ、といったシンプルな動画には十分なのですが、「短時間でインパクトを与える動画広告を作る」といったクオリティを出すにはセンスが問われるため、「個人向けのツール」と言えるでしょう。
ただ、とにかく気軽に動画編集に触れることができるので、予算を取る前に学習のためにお試しで利用してみると良いでしょう。
<おすすめな利用シーン>
・iPhone、MACなどのApple製品を使いたい
・とりあえず動画編集を体験してみたい
・カットだけ、テロップだけ、BGMだけなど最低限の編集をしたい
・短尺でデータ量が少ない編集をしたい
<注意したいポイント>
・動画編集は、容量の大きなデータを取り扱うため、「編集ソフトが起動しない」「編集途中で動かなくなる」といった現象が起こりやすい。
・取り込める画像や素材のフォーマットが限られている
引用:macOS 用 iMovie の互換性のないメディアについて
スマホであればストレージ容量が十分に残っているか、MACであればメモリやストレージ容量が十分にあるかを見ておきましょう。
高クオリティな動画を作りたい場合におすすめな編集ツール
2.「Adobe Premiere Pro」

自社やサービスのブランディング目的など、高いクオリティを担保しアーティスティックな表現をしたい場合や、テレビ番組のような高度な編集をしたい場合は本格的な編集ツールが必要です。
「Adobe Premiere Pro」は最もメジャーな動画編集ツールのひとつで、テレビ番組やミュージックビデオなどの編集にも使用されています。まさに「プロ仕様」のツールと言えるでしょう。複雑な色補正や凝ったトランジションなど、高度なエフェクトをかけることが可能です。

Adobe Premiere Proは月額数千円で利用することができるので、金額的に大きなコストがかかるわけではありません。しかし高度な編集ができる代わりに初心者にが操作するのが非常に難しく、ある程度使いこなせるようになるまでそれなりの学習コストや1本動画編集するのにかなりの期間を必要とします。
学習コストをかけられない場合は、外部から経験者を採用する必要があるため、人的コストは高いと言えるでしょう。また自由度がとても高いため、担当者の技術やセンスによって仕上がりが大きく左右されてしまうことや、ソフトウェアなので複数端末で使用しにくい点がデメリットです。
<おすすめな利用シーン>
・ブランディングや演出の凝ったハイクオリティな動画編集をしたい
・社内にAdobe Premiere Proの経験者がいる
・制作期間をかけてもツールのコストを低く抑えたい
<注意したいポイント>
・Adobe Premiere Proの経験者が必要になる(他の動画編集ツールよりも操作が難しい)
・1本あたりの編集に時間がかかるため、マニュアルなど量産には向いていない
・端末インストール型のため、複数メンバーでの利用はできない
手間をかけず誰でも簡単に動画を作りたい場合におすすめな編集ツール
3.Video BRAIN

「Video BRAIN」は、法人向けの動画制作に特化した編集ツールです。
「商品紹介・サービス」「マニュアルを作りたい」「採用向けのPRをしたい」といった利用目的に合わせた2,700種類以上の動画テンプレートが用意されており、動画編集をしたことがない人でもプロが利用するような機能を簡単に利用できるツールです。
とにかく動画編集に時間や人的コストを割きたくない、学習コストが少なく誰でも簡単に動画を編集したいという場合におすすめです。

まず利用目的や画角から動画テンプレートを絞り、イメージに合うものを選びます。センスやデザイン知識に自信がない人でも、既に完成された動画から編集できるため安定したクオリティの動画を作れることができます。
また、クラウド型であるため端末のスペックに依存せずにWeb上での編集や共同での作業や完成した動画の共有もしやすいため、インストール型のツールにはない機能が備わっています。
法人利用向けのツールのため、専任のカスタマーサポートが継続的に動画制作や動画マーケティングのアドバイスや導入時の運用体制の構築に不安がある場合でもサポートがあるため安心して導入することができます。
クラウド型のため、「新機能のアップデート」「より使いやすくするため改修」も定期的に行われるため、機能要望や新しい編集機能が利用できるようになるのもメリットです
簡単な動画しか作らなくていい、少ない本数しか制作しない、社内に優秀な動画クリエイターがいる場合、簡易的な他のツールを選んだ方が良いかもしれません。
機能や運用体制も含めたコストが自社に見合っているか、まず検討する上で各動画編集ソフトの資料を見て検討していただくことをおすすめします。
<おすすめな利用シーン>
・担当者のスキルに依存せず、最低限の学習コストと制作する工数で動画を作成したい
・外出先での編集や担当者間での情報共有を行いたい
・数多くの業務マニュアルを見やすく量産化したい
・SNS投稿や動画広告など、定期的な運用をしたい
<注意したいポイント>
・動画編集する担当が最低でも1人は必要なため、運用体制が必要となる
・他動画編集ソフトよりも高額であるため、少ない制作本数や簡単な動画だとコストが合わない
・快適に編集するために最低限のPCスペックは必要
「Video BRAIN」についてより詳しく知りたい方はこちら
ツールとのマッチングが重要
動画を内製で制作するうえで、どのような編集ツールを使用するかによって、「学習コストがかかる」「制作時間がかかる」といった実質のコストや「クオリティが低い」「制作数が少ない」といった配信後の効果に大きく影響します。
高い頻度で動画コンテンツを制作し、すばやくPDCAを回すために、利用目的や実質のコスト、クオリティ、直感的に操作がしやすいなど自社にマッチしている機能があるツールを選びましょう。
「とりあえず動画をつくってみないと分からない!」という場合、まずは資料請求やトライアルで利用してみて検討すると良いでしょう。
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