2025/02/05

株式会社オンワードコーポレートデザイン

社内変革を加速させる。社名に込めたリブランディング

業種: 小売

〜VB User Story〜

動画を届ける狙いは何なのか。
動画制作は、そのゴールを明確にすることからスタートします。
Video BRAIN を導入する企業は、
どのような課題を抱え、誰を動かし、何を成し遂げたいのか。
本記事では、動画制作の背景にある挑戦を紐解いていきます。


部門の壁を解消し、総合力で顧客の真のニーズに答えを届ける企業へ。
その思いを込めて、パーパスを策定し、社名、組織名を変更した、株式会社オンワードコーポレートデザイン。社内外を対象とした広報活動を通して、理念浸透を図る老舗企業の奮闘とは?

グループ2社の合併。新社名が活動を促す

「いまは、まだ名前が先行していますから、実体を伴うよう頑張らないといけない。社員同士、そう鼓舞しているところです」

と、まなじりを上げるのは、R&D課に所属する六川大河氏。グループ会社との合併による新規事業を中核で進めている一人だ。

2023年9月、オンワードコーポレートデザインは、前身2社の合併により誕生した。

一社はオンワード商事で、企業ユニフォームの企画・デザイン・生産のほか、各種プロモーショングッズの企画制作を事業としてきた。規格品を用意してカタログで販売するのではなく、一貫して企業の要望に合わせたオリジナルのユニフォーム、プロモーショングッズを提案。その企画力は広く知られている。

もう一社がオンワードクリエイティブセンター。主に、オンワードグループの店舗を中心に企画・設計・施工を行う企業だ。

両社合併の背景には、オンワードホールディングスとして、法人部門を強化したいという意向があったのはもちろんのこと、営業現場で働く担当者らの強い思いがあった。

今回は旧オンワード商事の社員として働いていたメンバーに話を伺った。

企業の考え、姿勢をデザインすることが求められた

一般企業において、ブランド力、そして従業員のエンゲージメント向上は、大きな経営課題の一つだろう。消費者の嗜好の多様化、従業員の働き方の多様化が進む今日、より強力で浸透しやすいメッセージを打ち出していく必要がある。

オンワード商事でユニフォームの企画に長く携わっていた六川氏も、顧客企業との対話のなかで、こうした課題に直面する機会が少なくなかった。そのなかでも、ある化粧品ブランドのユニフォームを手掛けたことは、強く印象に残っているという。

「百貨店で働く、コスメカウンターのスタッフが着用するユニフォームを制作したときのことです。ユニフォームから伝わる印象を通して、『お客様との距離を近づけたい』というご要望でした。何度も先方と打ち合わせを重ねたのですが、『ブランドイメージを大きく変えたい』という強い意思を感じ、その勢いに押されるように私たちも大胆にデザインしていきました」

もともとのユニフォームは、スーツスタイルだったが、できあがったユニフォームは、普段着を思わせるカジュアルなテイスト。以前とは正反対の方向性で、来店客にはもちろん、毎日袖を通すスタッフにとっても、ユニフォームを通して会社の進む方向が変わったことを強烈に感じさせるものになった。

ユニフォームは、単に見た目だけでなく、ときに企業のブランドメッセージを表現するものであり、ときに、企業と社員のつながりを深める役割を果たすこともあるーー。顧客企業のニーズにより、オンワード商事の社員のなかにこうした思いが芽生えていった。

「ユニフォーム部門だけでなく、プロモーショングッズを扱う部門も同様です。プロモーショングッズの場合、単にプロモーションに用いるだけではなく、環境に配慮した商品である点など、別のメッセージを込めたいケースもあります。そうしたお客様の考え方や姿勢をデザインしていく。我々の事業は、まさにコーポレートデザインなのです」(取締役 草薙正基氏)

これからの時代が求める、新事業へ

折りしも2015年以降、SDGsへの関心が高まっており、大手企業は相次いで持続可能な社会に向けた行動指針を打ち出していた。

その流れに沿うように、同社も2020年、サステナビリティ方針を策定。前後して、顧客企業へのヒアリングや全社員を巻き込んでのワークショップなどを通じ、これから企業としてどのようなあり方を目指すのか、パーパスの検討が進められた。

当時入社2年目で、パーパス策定事務局の一員だった三島菜々子氏は、顧客ヒアリングの多くに同席。どのようにすれば単なるユニフォームやプロモーショングッズの提案ではなく、本質的な価値提供となるのか、聞き取りを重ねた。

「ハッとさせられたのは、お客様のニーズにしっかりと食らいつき、ありとあらゆる手法で応えている担当社員の姿です。『だからこの先輩は、先方から信頼されているんだな』と実感しました。向き合い続けるスタンスがお客様の課題解決に繋がった事例として、今でも印象に残っています」

顧客から寄せられた声を持ち帰り、全社員に共有し、互いに意見を出し合いながら、パーパスとなる一つの言葉へと収斂させ、2022年1月、新パーパス『ヒトと地球(ホシ)の、明日(あした)の笑顔をデザインしつづける。』を発表した。

ついで、3月には部署名も変更。ユニフォーム事業部は、ワークスタイルデザインとなり、プロモーション事業部は、インサイトセールスとなった。インサイトセールスの山口将仁氏は「部署名が変わったことにより、実際の業務内容にマッチした」と言う。

「何と言うか、気が楽になりましたね。これまではお客様の悩みを聞いても、ユニフォーム事業部ならば、ユニフォーム。プロモーショングッズの部門ならば、プロモーショングッズを提供する……という、業務内容の範囲でお客様の課題を解決してきました。

しかし、よくよく話を聞いていたら、『別にプロモーショングッズでなくても良いのでは?』『もっと別の手段を取った方がお客様の課題解決に繋がりそう』と感じる瞬間もあったんです。部門を超えて相談することもありましたが、それだと自分の部署の売上にはならないので、少々気が引けるところがあった。

それが、パーパスの策定と組織名変更により、私たちの事業の目的が『ソリューションを提供する』と定義付けられました。そこで、ユニフォームやプロモーショングッズいった”モノ”を提供するだけでなく、課題解決までしっかり伴走することができるようになりました。ファッションビジネスを展開するオンワードグループの持っているノウハウを駆使して、お客様や社会にどれくらい貢献できるか、もっと挑戦していきたいですね」と笑みを浮かべる。

策定したパーパスの浸透を図るアクションにも挑戦した。その一つが「Re-make-upプロジェクト」である。

同プロジェクトは、アパレル業界における大量廃棄の問題に向き合うために、部署横断型の専門チームを発足して開始した取り組み。

▲動画では、ルームシューズの制作過程を紹介

後に、全日空と連携し、廃棄対象となっていた座席のシートカバーをルームシューズに生まれ変わらせて商品化を実現させた。また、同時期に三島氏は広報部門を立ち上げ、こうした社内の活動をメディアに積極的にアピールしていく体制も整えていった。

変わることを恐れない

一連の企業変容の総仕上げが、合併と社名変更だ。

「これまで私たちは、顧客企業の『らしさ』や『ありたい姿』を、ユニフォームを通してデザインしてきました。言葉や概念だけではなかなか伝えきれないブランド感やパーパスを、ユニフォームという目に見える形にすることで、より広く伝えることに寄与してきたという自負もあります。

さらに、ここにオンワードクリエイティブセンターの空間デザインのノウハウが加わって、トータルで働く環境をデザインできるようになれば、こんなに面白いことはないと。

そうなれば、コーポレートデザインのあり方として、ひとつの理想形」と草薙氏は振り返る。

一方、新社名をどうするか、社内では意見が割れた。

「全社員にアンケートをとったのですが、実は半数以上が『オンワード商事という名前を変えてほしくない』というのです。

社員にとって愛着のある社名だったからこそ、変えたくないという気持ちも強かったのでしょうが、それじゃ、ダメだろうと。私たちは変わろうとしている。新しい文化を作ろうとしているタイミングなんです。

組織を変え、事業内容も変えていかないといけないというときに、かつてのままである社名が残っていたら、進むものも進みません。紆余曲折ありましたが、最終的に私たちの考えを理解してもらって、現在の社名に落ち着きました」(草薙)

ファッションは時代を反映する鏡

現在、合併から1年あまり。「ようやく噛まずに言えるようになった」(六川)という社名とその社名に込められたコンセプトは、徐々に社内外に浸透している。

「最初は長い社名だと思っていましたが、お客様と名刺交換したとき、『すごくわかりやすくて良いですね』と言っていただいてから、自分たちの進む方向は、間違ってないんだと自信を持てるようになってきました」(三島)。

併せて、コーポレートデザインの実例を動画で配信する取り組みも始めている。

顧客に対し、新しい価値を提供したプロジェクトにフォーカスして、社長とプロジェクト担当者が対談。全社に対して発信している。プロジェクト担当として起用されている入社2年目のワークスタイルデザイングループ ユニフォームセールス寺山莉央氏は、出演することで自身の成長にもつながっていると語る。

「その時々のお客様のニーズに合わせて、それぞれの部署の担当者がヒアリング内容や、業界の流れを持ち寄って一つのものを作りあげるというまさに社名の通りの事例も目にしてきました。私も型にはまらず提案できるよう、柔軟に動いていきたいです」

また、社外に向けた発信だけでなく、社内の情報共有においても動画が活用されている。六川氏は、動画を取り入れたメリットについて、こう語る。

「今年度より、新規事業の進捗や成功事例について、動画で共有するようになりました。事業に対し、よりイメージを持ってもらえるようになったからか、営業側から『新しくこんなことをやりたい』といった提案がされるようになったんです。こちらが働きかける前に、営業サイドが積極的にアクションしてくれるようになった点は、個人的にもうれしいと感じています」

ファッションは、いつの時代も、その時代に求められるものを反映してきた。力強さだったり、自分らしさだったり、社会への不満、環境への配慮だったこともある。

時代のニーズは常に移り変わるが、ファッションを核としたソリューションを通して、時代の課題解決を支援するというオンワードコーポレートデザインの姿勢は、これからも変わることはない。

株式会社オンワードコーポレートデザイン

事業内容:
1. ユニフォーム、セールスプロモーショングッズ、メンズウェア、ジュエリー、レディスウェア、雑貨、健康関連商品の企画・生産・販売、催事販売会の開催・運営
2. ブランディング業務、コンサルティング、広告の企画制作
3. 土木・建築工事の請負施工、店舗事務所のデザイン・空間利用およびディスプレイデザインに関するコンサルティング業務の受託

本社所在地:
〒102-8115 東京都千代田区飯田橋二丁目10-10 https://onward-cd.co.jp/

株式会社オンワードコーポレートデザインロゴ

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