2022/04/14
株式会社アイジーコンサルティング
新卒の契約数が4倍に。教育体制を一新し、営業成果につなげた動画戦略
新築設計・施工、不動産仲介及び売買、総合リフォーム事業、耐震補強事業、住宅メンテナンス事業など、総合的な観点から住環境づくりを行う、株式会社アイジーコンサルティング。1899年創業の老舗企業として当初の精神を継承しつつも、新しい取り組みを積極的に取り入れて成長を続けています。
同社では、社員教育や営業活動に動画を役立てようと、Video BRAINを導入しました。導入したことで「営業の成果や品質が大きく向上した」といいますが、一体どのような変化があったのでしょうか。営業企画を行う山口朋樹さんと企画マーケティングを担当する古畑美紗登さんにお話を伺いました。
◆導入前の課題
- 属人的な教育体制で、社員によって案内の仕方がまちまちだった
- 各自の判断で案内する内容をアレンジしており、間違った情報を伝達する恐れがあった
- 外注で動画制作をした際、1本あたり数十万ほどかかる場合もあった
◆成果
- 新卒社員でも4件の契約が取れるなど、スムーズに受注できるようになった
- ベテラン社員が自身のやり方を見直せる機会になった
- 営業全体のクオリティが向上した
- 1本あたり1万円程度で動画が制作できるようになった
目次
案内の内容を動画にまとめたことで、新入社員も受注できるように
――まずは、Video BRAINで作っている動画の内容を教えてください。
山口:私が所属している建築事業部では、社員教育に活用しています。不動産業界には、知っておかなければならない知識や細かい規定が多く存在します。特に営業活動においては「この内容を案内しなければ受注につながらない」といったポイントが必ずあるんです。そこで、要点をまとめてマニュアル動画を制作しています。
古畑:また、社内で視聴するだけでなく、実際の営業現場でも動画を活用しています。弊社の営業メンバーはiPadを使っているので、お客様に動画をお見せしながら説明も行っているんです。現在、全社的にDX化を積極的に進めているので、ペーパーレスにもなりますし、よりお客様に対してわかりやすく説明できるようになりました。
――DX化にあわせて、営業資料も動画へと移り変わったのですね。
山口:特に建築事業部では、とにかく紙の書類が多かったんですよね。図面をはじめ、見積り書に提案資料……1組のお客様を契約する中で20cmほどの書類の山ができてしまうほどでした。管理するのも大変ですし、何よりも非生産的です。動画に移行したことは、営業の品質だけでなく社内の生産性アップを図る狙いもあります。
――動画にしたことで、実際の成果にもつながっているのでしょうか。
山口:圧倒的な成果を感じています。まず、新入社員が案内する営業のレベルは間違いなく向上しましたね。もちろんそのほかの要因もありますが、新入社員の受注件数は導入前後で大きく変わったんです。
私が入社した当時、「新入社員は1年目に1件でも受注をいただければすごい」と言われていたんですが、動画を導入した現在は1年間に4件の契約、仮契約では8件獲得した新入社員がいるほど。単純に比較すると、4倍もの契約数が取れている計算になります。動画によって、後から見返して復習できたのも理由の一つになっているのかもしれません。
思い通りの動画が簡単に制作可能。コスパの良さが導入の決め手に
――必要な手順がスムーズに理解できたことで成果につながったのですね。Video BRAINの導入以前は、どのような課題を抱えていたのでしょうか。
山口:特に課題だと感じていたのは、社内の教育体制でした。以前は「師匠と弟子」のような関係のもと、どちらかというと現場叩き上げで育てられていたんです。座学などの研修ももちろん行いますが、新入社員は上司に帯同して経験を積み、上司のサポートを得ながら独り立ちしていくのが通常です。
上司からしっかり学べるのはメリットがある一方、属人的になりがちという問題がありました。たとえば、会社が作成したマニュアルに対し、その上司の経験に基づいたアレンジが付け加えられ、新入社員に伝授されるケースもあります。
そうすると、人によって教わる内容が微妙に異なってしまうんですよね。新卒社員が上司以外の社員から指導を受けた際に「今まで上司から聞いていたことと違った」と感じてしまったこともあり。もちろん現場は混乱しますし、お客様に対する案内の品質はまちまちで成果が上がりにくい側面もありました。
古畑:実は、その解決策として10年ほど前から動画の導入を進めていたんです。ただ、そこではさまざまな問題がありました。
まずは、業務の負担です。自分たちで動画を制作すると、莫大な作業量になります。また、コストの問題で有料ソフトを使用できる社員の数も限られていたので、一部の社員に負担がのしかかってしまいました。最近ではスマホアプリで動画を作る社員も増えましたが、今度は各自が好きにデザインして、社内で統制が取れなくなってしまって。
とはいえ、制作会社に外注すると、今度はコストの問題が発生します。外注で動画を制作したこともありますが、内容によっては1本あたり数十万円というコストがかかりました。そこで、社内で統一して使用できるツールを探していたのです。
――動画で課題が解消できると感じていた一方、トータルコストの問題があったということですね。さまざまなツールがある中で、Video BRAINを選んだ理由を伺えますか。
古畑:コストパフォーマンスが良かったことが最大の決め手です。導入前に制作したい動画の内容を洗い出しており、Video BRAINなら1本あたり1万円程度で作れる計算でした。日常的に使用するツールとしては十分なコスト感だと判断しました。
また、機能面では「端末への依存性」「操作の難易度」の2点を重視しました。特定のパソコンでしかインストールできないと、また一部の社員に業務が集中してしまったり、外出する機会の多い営業メンバーは作業しにくかったりします。そのため、クラウド上で動画が作れるVideo BRAINは魅力的でした。
また、動画の編集経験がない社員でも、ExcelやWordを使うような感覚で使えるのも大切なポイントでした。いくつか比較検討した結果、Video BRAINにたどり着いたんです。
わずか1~2時間で動画を制作。サービスの品質向上につながった
――実際に動画を制作したことで、社内の教育体制はどのように変わりましたか。
山口:上司と部下の1対1の関係というよりも、チームが一丸となって育成していく体制に生まれ変わりました。
また、新卒や中途で入社した社員だけでなく、個々の方法論を持つベテラン社員にとっても、新たな学びがあったと思います。動画を通じて、自分たちが長年やってきたやり方を見直すきっかけにもなったんです。
――なるほど、全社員に対してサービスの品質を向上させられたのですね。
古畑:そうですね。営業の場面においても、全員が一定以上のクオリティでご案内できるようになりました。今までであれば各自の判断により、お客様に合わせて勝手に資料を作成するケースもあったんです。臨機応変な対応は悪いことではないのですが、間違った情報をお伝えしてしまう恐れがあるために対策が必要でした。
お客様にご案内するプロセスを全て動画にまとめたことで、どの社員でも正しい情報をわかりやすく伝えられるようになったんです。
――通常業務がある中で、新たに動画制作を行う作業が発生したかと思うのですが、負担ではなかったでしょうか。
山口:実際に使ってみたところ、Video BRAINなら想像よりも簡単に動画を制作できました。あらかじめ決めたテンプレートに沿って量産しているので、そこまで負担も大きくありません。文章を入力すると自動で音声に変換してくれる「ナレーション生成機能」もあるので、非常に助かっています。10分程度の動画であれば、1時間から2時間ほどで作れてしまいます。
どちらかといえば、苦労したのは動画制作の前段階である情報の整理でした。これまで属人化されてきたので、どのやり方を会社として正しいとすれば良いのか、精査しなければなりません。
会社のマニュアルは現場に即していない部分もあったので、私と営業課の課長、店長の3名が中心となり、徹底的に議論して棚卸ししていきました。実際に現場の社員がお客様に案内しているようすを撮影し、各社員のやり方や共通点を分析し、どのような案内を行うべきなのかを見直しました。
かなり大変な作業でしたが、中長期的に見れば絶対に取り組むべきことです。いま一度、動画にすることのメリットを振り返り、その目的に向かってやっているのだということを振り返るのも重要なのではないかと思います。
――以前、動画制作を行った際には「一部の社員に負担がかかった」といいますが、今回、多くの社員を巻き込んで推進するために工夫したポイントはありますか。
山口:最初の導入時は現場からではなく、マネージャー層から浸透させていきました。若手に過度な負担がかかることを防止するためです。その際も、いきなり業務に直結する内容に着手するのではなく、マネージャーには簡単な自己紹介動画を作ってもらいました。Video BRAINの使い方を学びながら、まずはどのようなことができるのかを理解してもらったんです。
そして運用がある程度軌道に乗った後は、各社員の自主性を尊重しながら進めています。コーポレートアイデンティティを保つために、動画のオープニングとエンディングだけは統一しています。
しかし、社員には楽しみながらアイデアをどんどん出してもらうことが大切だと考え、そのほかはあえてお任せするようにしています。
導入から運用まで、Video BRAINの専任チームが伴走
――計画的に導入を進めたことも成功の秘訣だったのですね。そのほか、実際に運用して気づいた点などありますか。
古畑:Video BRAINのサポートが充実していることに驚きました。毎月、担当者の方と定例会議があるのですが、他社の事例をふまえてアドバイスをくださるので非常にありがたいです。
会議の場で使いにくい点や搭載してほしい機能などを伝えると、「他の企業さんからも同じようなご意見をいただいたので修正しました」と、毎月のようにアップデートされるんです。どんどん使いやすくなっていくのは、買い切り型にはないメリットだと感じます。
また、動画制作だけでなく、SNS運用や動画の効果測定についてもレクチャーしてもらっています。現在、広報でも動画活用に向けて準備を進めているので、今後はSNSを使った施策を練っていかなければなりません。単純に動画を作ってアップするだけではなく、動画施策としての有効性や投資対効果を考える必要があります。
他社の事例や自社に最適な施策を提案いただきながら、SNS配信分析ツールの「Insight BRAIN」を使い、どのように計測していけば良いのかなど、具体的なアドバイスがあったのは印象的ですね。
――それでは最後に、今後の展望についてお聞かせください。
山口:まずは社員が早く、確実に成果を出せる環境を整えたいですね。Video BRAINで作ったマニュアル動画はわかりやすく、まねして作りやすいのが魅力の一つです。引き続き動画を内製する体制を構築し、より良いサービスをお客様に提供できるようになっていけたらと思います。
また、現在は私の部署が中心となって動いていますが、今後は他部署にも横展開し、会社全体の品質や生産性を上げたいです。自分たちの部署・会社・お客様が永続的により良い関係を築けるよう、動画を活用して改革を進めていきたいです。
古畑:会社の情報発信力を高め、広報活動を強化したいと考えています。たとえばYouTubeやInstagramなどを通して、オーナー様の暮らしを動画にするなど、ステークホルダーの皆様に情報を発信することを検討しています。
またVideo BRAINを導入したことで、eラーニングの仕組みを一元管理できるようにしました。新人教育のみならずベテラン社員の再教育も含めて動画を活用し、さらに一丸となって成長することが今年の目標ですね。
まとめ
営業では、社員の経験や知識によってクオリティが左右される要素も少なくありません。そんな中で、正しいやり方を動画に落とし込み、サービスの質を高めていったといいます。
とはいえ、ノウハウをまとめる作業は想像以上に難しいものです。しかし、これまでの課題をきちんと出し、対策を講じたことで着実に結果へと結びつけていった成功例でしょう。今後は広報活動といった別の場面でも積極的に活用し、まだ数多く企業で紙媒体が使われている不動産業界でのますますの先進的なDX化のお取り組みが期待されます。
株式会社アイジーコンサルティング
事業内容:新築設計・施工、不動産仲介及び売買、総合リフォーム事業、耐震補強事業、住宅メンテナンス事業
従業員数:215名
本社所在地:〒430-0906 静岡県浜松市中区住吉4-9-5