2024/07/02
アットホーム株式会社
“全社導入”により、誰もが動画を活用できる環境へ。動画の浸透で、業務負担の軽減を実感
不動産情報をはじめ、不動産関連業務のソリューションを提供する、アットホーム株式会社。2022年12月からVideo BRAIN を導入し、動画活用による業務の効率化を進めています。
各部署が必要に応じて活用する体制を構築されていますが、どのように動画を役立てているのでしょうか。また、大企業でありながらも、全社的な導入をスムーズに実現できたワケとは?
導入の旗振り役である部門調整部の吉村真洋さん、そしてECサイト「アットホームショップ」の運営を手掛けるビジネスソリューション開発部・企画商品開発室の新貝里沙子さんに、現状と成果をお聞きしました。
※2024年4月のインタビュー内容です。
◆ 主な制作動画
- 社内の研修動画
- ECサイトに掲載するto B向け・商品紹介
- 社内マニュアル
- 利用システムの操作説明
◆導入前の課題
- 部署ごとに動画の活用状況にばらつきがあった
- 同じ研修を何度も繰り返し行う必要があった
- 研修動画を作る際、実際に話す映像を撮影しなければならなかった
- ECサイトにおいて、商品の仕様を細かく伝えられなかった
◆成果
- 動画で研修を行うことにより、一定品質の内容を配信でき、担当者が毎回話す必要もなくなった
- AIナレーションの活用を通じて、研修のナレーションも自動で生成できた
- ECサイトでは、想定以上に商品の動画を視聴するユーザーが多かった
- 商品の使い方を動画で解説したことにより、商品に関する問い合わせ件数が減少した
目次
どの部署でも活用できる状態に。全社横断的なVideo BRAIN 導入を決断
――2022年12月から導入され、現在は様々な部署で全社的にVideo BRAIN を活用されています。そのきっかけは何だったのでしょうか。
吉村:きっかけは「面白そうなツールがあるので、話だけでも聞いてみないか」という上司からの提案でした。私が所属する部門調整部は、その名の通り、全社的に必要なツール導入の調整役も業務のひとつです。
社内の業務において、動画が求められるシーンは多岐に渡ります。その中で、「各部署がそれぞれツールを取り入れるよりも、全社的にVideo BRAIN に統一し、横断的に活用した方が有意義だろう」と考えました。
――社内の動画活用について、以前はどのような状況だったのでしょうか?
吉村:部署によっては、各自で動画編集ソフトを使っているケースもありました。
ただ、全ての部署において、動画を作れるわけではありません。たとえば、Adobe Premiere Proのような、本格的なツールを利用する場合、操作できるメンバーの存在が不可欠です。
つまり、そうした人材やリソースを持った部署しか動画を作れない状況でしたので、「もう少し、全社的に動画の活用を広めていきたい」という思惑もありました。
――すると、部門調整部から各部署へ、Video BRAINの導入をサポートする、という体制なのでしょうか。
吉村:そうですね。といっても、動画はあくまでも伝達手段のひとつですので、強制して活用してもらうものではありません。静止画で事足りている部署については、無理に紙から動画への移行を要請するつもりはないですし、紙には紙の良さがあると思っています。ただ、動画を必要とするシーンがあれば、どの部署でも簡単に制作できる状態が理想です。
そこでまず、全社向けに説明会を開き、「業務の中で、動画を使いたい場面はありませんか」と各部署にヒアリングを行いました。そしてニーズがあった部署に対し、部門調整部がVideo BRAIN のアカウントを発行する……という流れで導入を進めました。
――そうした呼びかけにより、社内で動画活用が進んだ効果は感じていますか?
吉村:説明会を機に、動画の活用を始めた部署は少なくありませんし、動画という手段へのハードルを下げる効果は間違いなくあったと思います。やはり「使用できるツールがあれば利用したい」「簡単にできるなら動画を作りたい」と、潜在的なニーズが高かったのでしょうね。
新貝:私が所属する企画商品開発室でもまさに、新卒が入社する際にAdobe Premiere Proで研修の動画を作っていましたが、どうしても制作が大変で。「研修以外のシーンでも、動画を活用できたら」という話は挙がっていたものの、実現できていませんでした。
会社側で簡単に動画を制作できる手段が用意されたことにより、これまで取り組めていなかった場面でも動画を活用できるようになりました。
――具体的には、どのような用途で動画を活用されていますか。
新貝:研修動画のほか、主に商品紹介の動画を制作しています。ECサイトである「アットホームショップ」の運営を担当しており、扱う商品の特徴や使用方法等を動画にまとめて掲載しています。
吉村:他の部署では、同様に研修の用途をはじめ、経費精算システムといった社内で利用する業務ツールのマニュアル制作にVideo BRAIN を活用しています。
――社内で動画活用が進んだ効果について、どのようなところに感じていますか。
吉村:たとえば、経費精算にしても、これまでは新しいシステムを導入した場合、対面で説明会が実施されていました。
しかし、どうしても語り手の口調や話の構成によって、説明の仕方にばらつきが出てしまいます。もちろん良し悪しではなく、個性ではありますが、動画であれば一定品質の内容を何度でも視聴できますし、担当者も毎回話す必要がなくなるというメリットは大きいですよね。
ECサイトに動画を掲載し、商品の訴求力がアップ
――ECサイトの「アットホームショップ」では、Video BRAIN 導入前にはどのような課題を抱えていたのでしょうか。
新貝:「アットホームショップ」の場合、これまでは文章と画像でしか商品情報を伝える手段がありませんでした。商品の仕様を伝えるだけなら、文字だけでもある程度は説明できますが、詳しい使用方法や組み立て方など、複雑な解説は限界があります。
一方、動画はそうした細かな点までカバーできます。たとえば、自分たちで実際に商品を組み立てている様子を撮影し、編集して公開しています。
弊社の場合、商品を手にとって見られる実店舗がないため、オンラインで訴求する上で動画は最適な方法かと思います。
――なるほど。動画によって商品の魅力を伝える幅が広がった、と。
新貝:そうですね。また、ECサイトだけでなく、研修の動画を作成する際なども同様です。これまでは毎年、メンバーが交代交代で文章を読み上げて撮影していましたが、カメラの前で話すのが苦手なので、実は抵抗感があったんです(笑)。
しかし、Video BRAIN で動画編集を行うようになり、AIのナレーション生成機能が使えるようになったため、実際に話した映像を撮る必要がなくなりました。また、研修内容を一部修正したり追加したりするケースも定期的に発生します。その場合でも、最初から撮り直さなくて良いですし、メリットしかありません。
省力化や業務負担が軽減。社内の情報共有を行い、さらに連携を深める
――動画の反響について、具体的なエピソードや事例があれば教えてください。
新貝:「アットホームショップ」では、商品ページへのアクセスの中で、動画まで見ていただいた割合がある商品の場合、現状13.4%と、想定よりも見られている印象があります。
さらに付け加えると、サイトの問い合わせ窓口には、「このファイルには書類が何枚入るんですか?」といった商品に関する質問がよく寄せられますが、動画で仕様をご紹介しているものについては、そうした問い合わせが全くなくなりました。
――つまり、省力化や業務改善にも繋がっている、と。
吉村:それは間違いないと思います。ECサイトだけでなく、説明会など何度も実施していたものが、一度の撮影で済むことになったのは、業務改善以外のなにものでもないでしょう。
新貝:研修の用途においても、以前よりも短時間で研修動画を作れていますので、単純に業務負担が軽減したと感じます。
――動画活用のさらなる推進のために、何か工夫されている点はありますか。
吉村:Video BRAIN を導入した1年目は、各部署から一名ずつ担当者を集めて定例会を毎月行っていました。
他の部署ではどのような使い方をしているのか、どんな新機能があるのかなど、情報共有を行ったことにより、結果的に利用促進に繋がったかと思います。
2年目となる現在は、もう少しレベルを上げ、より高品質な動画を作る手法や表現などのレクチャーを定期的に行っています。
――動画の浸透から、クオリティ向上のフェーズに向かいつつあるんですね。
吉村:そうですね。やはり社内でも新しいツールですし、動画の編集自体が未経験という人が多い中で、少しずつステップアップしています。
新貝:操作自体は使っていれば慣れてきますが、表現手法や他社の事例などは社内の定例会や御社とのミーティングから学ぶ機会が多いです。レクチャーいただいたことを部署内で共有し、全体的なレベルアップに繋げられればと思っています。
――ここまで、社内で順調に動画の活用は広がっているのでしょうか。
吉村:私の役どころとしては、Video BRAIN を誰でも使える体制を整え、利用を希望する社員に順次対応するスタンスでしかありませんが、実際に利用者は増えており、契約したプランのアカウント数が足りなくなってきている状態です。
活用している社員が広めてくれたり、社内の成果を知って興味を持ってもらったりしているからではないかな、と。
――現在、御社における動画活用について、課題があるとすれば何でしょう。
新貝:「せっかく『アットホームショップ』のリッチコンテンツとして動画が確立しつつあるのだから、異動などでメンバーが入れ替わっても、同じクオリティを維持できるようにしなければならない」という点はチーム内で意識しています。
そのために、ある程度はテンプレ化しておき、運用方法を言語化するなど、蓄積したノウハウを残す工夫をしなければなりません。スムーズな制作体制を構築することにより、さらに効率化にも繋がるのではないかと考えています。
吉村:全社的に統一したツールを使っていることにより、たとえば別部署から異動したメンバーも同じクオリティで動画を作りやすいかもしれません。
あとはとにかく、使ってくれる人を自然に増やすこと、これに尽きると思います。ただ、こちらからVideo BRAIN の活用を求めるのではなく、各部署の利用状況を見ながら「最近どうですか」「何か操作に困っていませんか」と、それとなくサポートするようなことを、地道にやっていくのが私の立場だと考えています。
新貝:確かに、いつも良い距離感で吉村さんから見ていただいているように思います(笑)。
吉村:我々の部署は、自分たちが動画を作るというよりも、良いツールを広めていくのが役割ですから。ミッションが明確だからこそ、「気にしています」というのは伝えていくようにしています。各部署の業務に良いインパクトを生む手段の一つとして、浸透していくと良いのかなと思います。
――ありがとうございます。動画活用によってさらなる業務改善、効率化が進むことを期待しています。
終わりに
Video BRAIN の全社的な導入を行い、各部署が動画を自由に制作できる背景には、サポート機能を持った部門調整部の存在があります。
理想は「社内の動画編集をVideo BRAIN に統一し、ノウハウを共有しながら高め合うことで、さらなる業務改善に繋げたい」と語る吉村さん。しかし、あくまで制作環境の提供に徹することで、自然な活用を促す姿勢が印象的でした。
また、実際に動画制作を担当する新貝さんは、必要なシーンに動画を取り入れ、着実に成果を上げられています。動画を作ることが目的ではなく、あくまでも業務の効率化や売り上げといった結果にこだわり続けている点が成果を生む秘訣といえるのかもしれません。
同社の全社導入の裏には、各部署と連携をはかり、動画という一つの手段を通じて、さらなる業務課題の解決へと推進していく姿がありました。
アットホーム株式会社
事業内容:
◆不動産会社間情報流通
ファクトシート・リスティング・サービス(図面配布サービス)
ATBB(不動産業務総合支援サイト)
◆消費者向け不動産情報
不動産情報サイト アットホーム
不動産情報アプリ「アットホーム」
お部屋探しアプリ アットホームであった! など
◆不動産業務支援
「ホームページ作成ツール 」など、ホームページ運営支援
「不動産データプロ」「地盤情報レポート」など、不動産調査支援
「VR内見・パノラマ」「おすすめコメント」など、集客支援
「賃貸管理システム」「スマート申込」「スマート物確」など、業務支援
「セミナー・研修会」など、知識習得支援
「集客、店舗・物件プロモーションツール」など、不動産業務用ツール
※一般財団法人不動産適正取引推進機構賛助会員、公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会賛助会員
本社所在地:
〒144-0056 東京都大田区西六郷4-34-12