YouTubeアナリティクスでCTRなど分析するには?基本的なポイントを徹底解説

YouTubeで成功するには、動画を作って配信するだけでなく、各動画や運営チャンネル全体の分析と改善が重要です。

YouTubeに動画をアップし、PRに役立てようとしている企業の担当者も少なくないのではないでしょうか。動画に対する視聴者の評価を正しく把握できれば、次に打つべき施策も見えてきます。

本記事では、こうした分析と解析を行うために有効な「チャンネルアナリティクス」の指標の読み方と、具体的な改善方法についてご紹介します。

 

チャンネルアナリティクスの重要指標

チャンネルアナリティクスとは、YouTube Studioの機能のひとつで、アップロードした動画やチャンネル全体を分析できるツールです。視聴回数や総再生時間だけでなく、さまざまなパラメータが読み取れます。

チャンネルアナリティクスに表示されるパラメータは全てがつながっています。そのため、適切な指標を設定するにはそれぞれの関係性を把握する必要があります。ここでは、特に重要な指標について見ていきましょう。

 

1)インプレッション

インプレッション(impression)とは、動画のサムネイルが視聴者に表示された回数のことをいいます。表示されないことには、そもそも動画の存在を認知してもらえず、再生してもらえないため、インプレッションはあらゆる数値の母数となる重要な指標です。

インプレッションの増加は、動画の視聴回数とほぼ比例しているといえます。ただし、動画のクリック率や視聴維持率など、ほかの要素とも密接に関係しているので、インプレッションを増やすためには、ほかのパラメータも一緒に向上させる必要があるので注意しましょう。

インプレッションは“結果”であり、直接コントロールすることができないパラメータなのです。

2)CTR(インプレッションのクリック率)

動画が1回インプレッションした際、どれくらいの割合でクリックされるのかを示した値がインプレッションのクリック率CTR(Click Through Rate)です。CTRを向上させることでインプレッションが少なくても高い確率で再生してもらえるため、この数値が高いほど再生回数が伸びていきます。

一般的には以下の計算式で算出されます。

  CTR=クリック回数 ÷ 動画広告が表示された回数 × 100

CTRには、サムネイルが大きく影響します。視聴者の興味を引きつけ、再生したい気持ちにさせるために魅力的なサムネイルを作りましょう。

もしも動画のクリック率が低いときは、サムネイルの差し替えをすることでCTRを向上が見込めます。クリック率が低かったときのことを考慮して、動画投稿前に複数のサムネイルを用意しておくと良いでしょう。

注意すべきポイントは、動画のターゲットとなる視聴者だけがクリックしてくれるようなサムネイルを作ることです。ターゲット以外のユーザーがクリックしても、すぐに離脱してしまうので、できれば興味のないユーザーにクリックされない方が無難でしょう。再生直後に離脱されると、インプレッションも減ってしまうからです。

YouTubeにインプレッションを拡大してもらうには、動画の価値を認めてもらう必要があります。そのためには、高い再生維持率が必要です。クリックして再生直後に離脱されると、クリックされない場合よりも悪影響があるといえます。

したがって、動画内容を誤解させるような“釣り”のサムネイルはおすすめできません。センセーショナルなサムネイルを作ればクリックされやすいですが、動画の内容が視聴者の期待を裏切る傾向にあり、即座に離脱されてしまって視聴維持率が低下します。その結果、動画自体の評価が下がってしまいます。

すぐに離脱されてしまう動画はYouTubeに評価されないので、インプレッションが減ってしまい、再生数も伸びなくなるので注意しましょう。

 

3)再生維持率

再生維持率とは、動画がどれくらい再生されたかを示す指標です。Youtubeは、5秒経過すると再生スキップが可能になる動画広告が主流となっています。動画広告では、ファーストビューでターゲットの関心を引くような映像や音声、演出が必要ということです。

再生維持率が低い動画や、すぐにブラウザのバックボタンを押されてしまう動画は、視聴者が求めていない動画とみなされ、インプレッションが低下します。つまり再生維持率を高く維持することが、インプレッション増大の秘訣だといえるでしょう。

再生維持率を高く維持するためには、動画のクオリティアップを図ると同時に、イントロで離脱されないような構成を工夫するなど、視聴者の興味を引き、ターゲットに正しく届ける必要があります。

YouTubeは再生維持率の高いユーザーや、そのユーザーに近しいタイプに動画をインプレッションしてくれます。つまり、狙ったターゲットに動画を届けることができていれば、再生維持率は高い状態を保てるので、良いサイクルが回ります。

ただし、意図せず動画がバズって広くインプレッションされると、本来届けたくないターゲット層や興味がない人たちまで動画を再生してしまいます。そのため、動画再生数が増えても一時的に再生維持率が低下してしまいます。

再生維持率が低下すると、本来届けたいターゲットにインプレッションしなくなる可能性があるので、“バズは諸刃の剣”だといえるでしょう。

 

4)トラフィックソース

トラフィックソースとは、視聴者が動画に流入(クリック)した経路のことです。視聴者が自発的に特定のキーワードを検索した結果、
 

・動画が表示されてクリックしたのか
・YouTubeが自動的に視聴者へインプレッションしたのでクリックしたのか
・ほかの動画を見たら関連動画として表示されたのでクリックしたのか

 

などがわかります。

トラフィックソースをチェックすると、YouTube外からのアクセスが増えていて、知らないうちにTwitterなどのSNSで拡散されていたことが判明するといった場合もあります。トラフィックソースを確認することでアップした動画と近い属性の動画もリサーチできるので確認しましょう。
 

5)視聴者の分析

視聴者の分析のパラメータでは、視聴者の年齢、性別などユーザーの属性がわかります。例えば、想定していた動画のターゲットと同じ属性に届けられているかチェックできますが、予想外の結果になる場合も。

想定以上に中高年に見られている、男性が多かったなど、新たなターゲットが発掘できる場合もあるでしょう。また、視聴者の属性がわかれば、次の動画づくりの指針にもなるので、とても重要なデータになります。

 


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YouTubeチャンネルを分析する3つのステップ

指標の読み方と関係性について把握したところで、実際にYouTubeチャンネルの運営を開始する際に行うべき分析について解説します。以下の3つのステップをおさえるようにしましょう。

 

1)市場規模をリサーチする

例えば、検索ボリューム数の少ないキーワードは市場規模が小さく、検索流入から再生回数を獲得しにくいものです。分析をはじめるにあたり、まずは「Googleキーワードプランナー」などのツールを使って、キーワードの検索ボリュームを調べましょう。

Youtubeの検索窓にキーワードとスペースを入れると関連ワードが表示される「オートコンプリート機能」もユーザーが検索しているキーワードの参考として調べると良いでしょう。

 

2)競合チャンネルを分析する

次に、狙っているジャンルで先行しているチャンネルや、競合となるチャンネルを分析しましょう。個々のチャンネルアナリティクスを覗くことはできませんが、どんなタイトルの動画があるのか、それぞれの再生回数やコメント欄の様子などを一覧表にまとめると整理しやすいです。

 

3)競合チャンネルの視聴者が見ている動画を分析する

競合の動画をリサーチする際は、できるだけ最後まで再生しましょう。何度もそのチャンネルの動画を最後まで再生すると、そのアカウントは競合チャンネルのファンとみなされます。すると、YouTubeは関連動画として競合チャンネルを見ている人が興味を持つ動画をインプレッションしてくれます。

そこで表示された動画が、非常に重要なので一覧表にまとめましょう。

競合チャンネルがある場合、その動画を再生している視聴者に関連動画としてご自身が作成した動画を表示してもらえるように意識しましょう。競合チャンネルの視聴者に、自社の動画を見てもらうことで市場に参入するのです。

 

YouTubeチャンネルの改善方法

チャンネル全体を改善する上で重要なのは、誰のために動画を作っているのかを明確化し、アナリティクスで確認して適宜修正することです。
 

・ターゲットに正しく届けられているか
・動画をきちんと最後まで見てもらえているか


まずはこの2点をふまえ、徹底的に分析しましょう。
 

そして指標を設定する際は、総合的にチェックするのが重要です。最終的な目標として再生回数や広告収益であったとしても、それらをKPIに設定するのはNGです。同じようにインプレッションもKPIとしては不適切だといえます。

なぜならどちらも個別にコントロールできず、CTRや再生維持率に影響されるからです。再生数や広告収益はあくまでも動画を投稿する時点までに講じた、さまざまな施策の結果でしかありません。

KPIの指標には、CTRと再生維持率を設定するのが一般的です。CTRは、サムネイルやタイトルを工夫して改善でき、再生維持率も動画内容次第で工夫できるため、両方をあわせてKPIに設定すると良いでしょう。

また、コントロールできる指標として、アップした動画の本数で作業量を評価しようという動きもあります。しかし、本数よりも内容が重要です。すぐに離脱されてしまう動画を大量に作ってもチャンネルは成長しません。

できるだけ最後まで見てもらえる動画を作ること。そして、動画を届けたい相手に再生してもらうこと。これらがチャンネル運営の指標としてふさわしいでしょう。ターゲットへのインプレッションとCTR、動画維持率を高く維持すれば、チャンネルは成長していくのです。

 

まとめ

動画の分析には、さまざまな指標を個別に見るのではなく、関係性の把握が重要です。しかし、チャンネルアナリティクスを見ながら、数多くのパラメータの関係性を読み解いていくのは大変です。

動画に関する知識やスキルがない場合、分析まで行える動画編集サービスの導入がおすすめです。「Video BRAIN(ビデオブレイン)」は、動画制作から配信、効果計測までを一貫して行えます。分析機能を使えば、運営するチャンネルの不足しているところがわかりますし、動画制作の省力化にもつながります。

また、クオリティの高い動画が作れるので、最後まで視聴してもらえるような見応えのあるコンテンツができます。こだわりの動画を作りながらきちんと分析してチャンネルを運営していくなら、動画編集ツールを検討してみることをおすすめします。

 


 

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