YouTubeは、無料で動画の視聴や投稿ができるサービスですが、動画投稿により収益を得る方法が広告収入です。YouTubeの広告収入の仕組みや設定方法を知ることで、YouTubeにおける収益獲得や企業が動画投稿するときのポイントを知ることができます。
また、企業がYouTubeへ動画投稿することには他にも多くのメリットがあるため活用する価値が高いでしょう。
この記事では、YouTubeの広告収入の仕組みや企業が動画投稿をするメリットを紹介します。YouTube広告の収益構造を理解することで、より効果的に運用できるように必ず押さえておきたいポイントを知っておきましょう。
目次
【YouTube】広告収入の仕組みとは?
YouTubeの広告収益は「広告主が支払う広告掲載料」から発生します。広告主からYouTubeへ広告料が支払われ、YouTubeから動画投稿者へと支払われる仕組みです。お金の流れとしては「広告主→YouTube→動画投稿者」となります。
お金の流れを見てわかるように、YouTube側も広告収益を受け取ります。広告主から得た広告掲載料を、YouTubeと動画投稿者で分けるシステムです。動画形態を取る広告はテレビCMが主流でしたが、近年のYouTube需要増加の伴いYouTubeに広告を出稿する企業が増えています。
収入を得られる5種類のYouTube広告
YouTubeで収益を獲得できる広告には主に「企業案件」と「Google AdSense広告」の2種類がありますが、この記事で紹介するのは後者です。一般的にYouTubeにおける広告といえば「Google AdSense広告」を指します。
Google AdSense広告には5種類あり、それぞれ広告形態や単価・収益発生の条件などが異なります。自社の目的や動画に合った広告選びが重要です。
それではそれぞれの広告について具体的に解説します。
1)インストリーム広告
インストリーム広告とは動画形式広告の1つで、比較的長めの動画です。5秒再生されればユーザーによるスキップが可能な広告がありますが、広告収益発生には30秒以上の再生が必要です。30秒に達する前にスキップされた場合には一切の収益が発生しません。
スキップ不可のインストリーム広告も存在します。こちらは広告が表示されるたびに収益が発生する仕組みです。スキップできないという点が後述するバンパー広告と共通していますが、インストリーム広告の方が広告時間は長いのが特徴です。
2)バンパー広告
バンパー広告も動画形式広告の1つですが、こちらは6秒以下と非常に短時間です。スキップ不可のインストリーム広告と同様に、動画再生によって広告が表示されればその都度広告収益が発生します。
表示回数が多くスキップされないため確実な収益を得られますが、1再生あたりの単価が低いのが特徴です。具体的な金額は広告の内容などによって異なりますが、平均的には広告表示回数1,000回ごとのインプレッションで500円前後の広告収益が発生します。
3)オーバーレイ広告
オーバーレイ広告とは、動画の画面下部に表示されるバナー形式の広告です。こちらは動画ジャンルに近い内容の広告をGoogleが自動でプログラムして表示させるため、ユーザーが求めている広告が表示されやすくなっています。
オーバーレイ広告は、広告バナーをクリックすることで広告収益につながる仕組みです。すなわち動画形式の広告とは異なり、ただ表示されているだけでは収益が発生しません。また、ユーザーが必要に応じて表示・非表示の切り替えをできます。
4)ディスカバリー(サイドバー)広告
ディスカバリー広告とはPCでの視聴時に表示される広告で、関連動画一覧の上に表示されます。ディスカバリー広告もオーバーレイ広告と同様にクリックされないと広告収益の実現になりません。
ユーザーのクリック数によって収益が実現する広告は能動的なアクションが必要なため収益発生率は低めですが、その分単価は高めです。さらにGoogleがユーザーのサイト閲覧履歴などを分析してパーソナライズされた広告を表示するため、興味を惹きつける可能性があります。
5)アウトストリーム広告
アウトストリーム広告とは、サイトやアプリなどYouTube外で表示されるモバイル専用の広告です。画面に広告が表示され、音声ミュートの状態で自動的に再生が始まります。
インストリーム広告・バンパー広告と同様に再生されれば収益が発生しますが、以下の条件があります。
・画面の50%以上を占めた状態で表示される
・2秒以上再生される
YouTube内に設定する広告ではありませんが、収益発生までの再生時間が短いためYouTube広告の中ではハードルが低めです。
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YouTubeで広告収入を得るための条件
YouTubeでの広告収入は誰でも得られるわけではなく、一定の条件を満たす必要があります。再生時間やチャンネル登録者数などに厳しい条件があるため、動画を投稿し始めたばかりの人やYouTubeにあまり力を入れていない人は広告収入を得られません。
それでは、YouTubeへの動画投稿における広告収入を実現させるために必要とされる具体的な条件を紹介します。
1)YouTubeパートナープログラムに参加する
広告収入を得るにはYouTubeパートナープログラムへの参加が必要です。パートナープログラムに参加すると動画の収益化のほかにも、サポートチームへの問い合わせなどの機能が可能になります。パートナープログラムへ参加するための条件のうち、特にハードルが高いのは以下の2つです。
・総再生時間が4,000時間以上
・チャンネル登録者数が1,000人以上
これらを達成するには、クオリティの高い動画を複数投稿しなければなりません。チャンネル登録に至るファンも作る必要があります。チャンネルを開設したばかりの段階や、活動に精力的でない人には達成できない基準です。
2)18歳以上である
YouTubeで広告収入を得るには基本的に18歳以上である必要があります。これはYouTubeの広告収益受け取りのために連携する「Google AdSense」というサービスの条件が18歳以上であることも関係しています。
ただし、18歳未満であってもGoogle AdSense経由の支払いに対応できる18歳以上の法的保護者がいれば登録可能です。チャンネルの運営者本人が18歳未満であっても、連携するGoogle AdSenseアカウントが18歳以上の法的保護者のものであれば広告収入を得られますので、必ずしも不可能なわけではありません。
3)コンテンツガイドラインに準拠している
YouTubeで広告収入を得るには、投稿している動画がコンテンツガイドラインに準拠している必要があります。広告収入を得るためにYouTubeパートナープログラムへ参加申請をするとYouTubeによる審査がおこなわれますが、その際に投稿した動画にガイドラインに違反した動画がないかチェックされます。広告掲載に適さないコンテンツの例は以下のとおりです。
・暴力や銃器・危険行為など
・薬物やタバコ
・物議を醸す問題・デリケートな事象
・アダルトコンテンツ
法律や倫理に反する内容や危険な内容などは広告掲載に適さないと判断され、広告表示ができない、もしくは制限されます。
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YouTubeで広告収入を得る4つのコツ
YouTubeで広告収入を得るにはYouTubeパートナープログラムへの参加が必要であり、そのためには再生時間とチャンネル登録者数の壁をクリアしなければなりません。特に意識せずに動画投稿をしても達成できる可能性は低いです。広告収入を実現させるには、コツを押さえた活動が必要です。そこで、YouTubeで広告収入を得るコツを4つ紹介します。
1)ハイクオリティな動画を作る
ハイクオリティな動画は再生時間・チャンネル登録者数に繋がりやすいです。編集や動画内容のポイント・企画で工夫できる点の例は以下のとおりです。
・見ていてストレスのかからない編集
・面白い・わかりやすい・感動するなど、なんらかのメリットがある動画内容
・企画段階で動画制作の目的を明確化
再生途中で離脱されない、最後まで見たくなる動画を制作するのは前提条件です。動画で満足感を与えられれば、ファン獲得やチャンネル登録にも繋がります。そしてしっかりとした動画を制作するためには、企画段階で目的を明確化させ方向性を定める必要があります。
2)動画のターゲットを定める
動画のターゲットを定めるのも、広告収入実現に効果的です。動画をどのような人に届けたいかを決めることで、チャンネルに投稿する動画の傾向が定まります。結果としてユーザーのチャンネル登録に繋がります。チャンネル自体にも1つ~3つ程度のテーマを決めると効果的です。
幅広い層にアプローチしようとバラバラなジャンルの動画を投稿する人もいますが、それではチャンネル自体のファンとなるユーザーは少なくなってしまいます。「この動画をまた見たい」「このチャンネルの動画を見続けたい」と思わせるには、ジャンルを絞りテーマを明確化したほうが確実です。
3)SEO対策をする
SEO対策とは、「検索エンジン最適化」のことで、検索エンジンにおいて上位表示させるための対策です。検索キーワードからGoogleの動向を分析してコンテンツを作ることで、検索上位に表示させやすくさせます。
キーワードは、動画タイトルや説明文・タグなどに入れるのが効果的です。
例えば、野菜の飾り切りに関する動画であれば「飾り切り」というキーワードを入れます。ユーザーはメインキーワードだけでなく別のキーワードと組み合わせて検索することも多いため、「人参 飾り切り」「飾り切り 初心者」「飾り切り コツ」など検索されやすい組み合わせを意識するのも大切です。
4)動画を継続して投稿する
いくらターゲット層を明確に意識したハイクオリティな動画を投稿しても、それが少ない本数や単発での投稿であれば効果はあまり期待できません。大切なのは、動画を継続的に複数本投稿することです。継続してコンテンツが投稿され続けることでより強固なファンになりやすいだけでなく、新規参入の機会も増えます。
ただし、動画作成には時間も労力も必要です。無理に毎日投稿しようとはせずに、長く続けることを意識しましょう。定期的な投稿リズムも、ユーザーに期待感を与えるので効果的です。
企業がYouTubeに動画投稿をするメリット
YouTubeで広告収入を得られる仕組みを知っておくと、特に企業の場合はYouTubeの運用によって事業に繋がるさまざまなメリットを得られるため、動画制作や投稿をしていなければすぐにでも始めるべきだと考えられます。
それでは、企業がYouTubeに動画投稿するメリットを紹介します。
1)幅広い層にアプローチが可能
YouTubeを運用することで、より幅広い層へのアプローチが可能です。これまで自社を認知していなかった層までアプローチできる可能性が高く、知名度向上や売上拡大に繋がります。
数ある動画サービスの中でも、YouTubeに代表されるオンデマンド型動画共有サービスの利用者数がもっとも多い傾向です。10代~20代という若い世代から、60代・70代といった高年齢層にも利用されています。
Wi-Fiスポットの増加や5Gの実装などにより、動画を視聴する人はより増える見込みにあります。利用者数の多さと年齢層の幅広さから、幅広い層へのアプローチが可能と考えられます。
2)訴求力が高い
動画は、文字や静止画のみのコンテンツに比べて訴求力が高くなります。短い時間で多くの情報を伝えることができるうえ、音や動きなども活用できるため、説得力の高いコンテンツとなります。
さらに動画は、受動的に情報を得やすい点も魅力的です。一度再生すれば自動で情報が流れるため、考え込むことなく見ていられます。ユーザーが活用しやすい媒体でありながらも訴求力が高いため、他のコンテンツに比べてより強いアピールが可能です。
3)ファン獲得に繋がる
YouTubeへの動画投稿は、自社のファン獲得にも繋がりやすくなります。YouTubeのユーザーは気に入った動画をブックマークするには、チャンネル登録が必要です。投稿者は、チャンネル登録をさせることで情報を与える機会が増えます。
もともとコンテンツに好感を持ってチャンネル登録をしたユーザーであるため、ファンとして引き込みやすいでしょう。結果としてチャンネルを超え、企業そのもののファン獲得に繋げやすくなります。
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動画編集ツールを利用して、チャンネル登録者数が 3倍になった事例
YouTubeの活用には非常にメリットがあるとはいえ、動画編集や高頻度での投稿に高いハードルを感じる人は少なくありません。そこでおすすめします。動画編集ツールの活用です。
企業向け動画編集ツール「Video BRAIN」を導入した結果、チャンネル登録者数がなんと3倍になった企業があります。その事例について解説します。
企業名 | 株式会社ZIP-FM(FMラジオ放送局) |
動画の制作体制 (導入前) | 外注・内製どっちもおこなう。内製は20秒~30秒程度の動画をスマートフォンで撮影してそのまま投稿、編集作業はできるときだけ。YouTubeへの定期的はしていなかった。 Video BRAIN導入後: 週に4本ほど動画撮影・編集。1本あたりの撮影かrYouTubeへの投稿まで1時間未満。 |
動画制作の目的 | SNS とラジオを融合したプロモーションのため |
動画の活用方法 | ラジオ番組内のコーナーを動画化し、視覚的な情報を与える |
動画を取り入れた結果 (導入後) | Video BRAINを活用した動画を取り入れ投稿するようになり、YouTubeのチャンネル登録者数が3倍に。登録者数は毎日増加傾向で推移。 |
まとめ
企業のYouTube活用には、広告収入以外にもさまざまなメリットがあります。より広い層へのアプローチによる知名度向上や、高い訴求力によるアピール・ファン獲得など、企業の発展に繋がる可能性が高くて魅力的です。
YouTubeへの動画投稿による効果を最大限に発揮するには、ハイクオリティな動画の継続を求められます。しかしさまざまな業務がある中で、動画投稿のために時間を割くのは難しい人も多いのでしょう。
動画編集ツールを利用すると、素材の用意や簡単な操作をするだけで自動で最適な動画を制作します。動画にかかる時間が短くなるため、大きな負担を感じることなく動画制作・投稿が実現可能です。
YouTubeでのより効果的な動画を配信したい方は、動画制作サービスを検討することをおすすめします。
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