パンフレットなどのテキストでは伝えきれない情報量を、短時間で発信できる動画は学校紹介において効果的な手段です。テキストでは伝わらない学校の雰囲気や、生徒の空気感を発信できる学校紹介動画は、「受験前の学生をターゲットにした自校のPR効果」が期待できるため、動画を活用する学校が年々増えています。
動画制作をしたことのない方にとっては「学校紹介動画が本当に効果的なのか」「どのように撮影すれば良いのか」「どのくらいのコストがかかるのか」など、不明点や不安要素も多いと思います。
今回は、自校の紹介動画制作を検討されている方に向けて、学校紹介動画の基本を紹介します。
目次
学校紹介動画のメリットや効果は?
まずは学校紹介動画にどのようなメリットや効果があるのか、それぞれの詳細について見ていきましょう。
1)ターゲット目線で多くの情報量を届けられる
動画はパンフレットなどのテキストよりも多くの情報を伝えられるメリットがあります。パンフレットのような文章で伝えようとすると、情報量が多くなってしまい、読んでもらえないこともあるでしょう。学校紹介動画であれば「授業や部活、休み時間の様子、教育方針、施設」など、進学を考えている学生や保護者にとって知りたい情報を短時間で伝えられます。
2)学校の雰囲気など、抽象的な情報を訴求できる
パンフレットなどのテキストでは伝わらない学校の雰囲気といった、抽象的な情報を動画では訴求できます。学校紹介動画は実際に学校へ訪問しているかのような感覚になってもらいやすく、「体験入学に近い情報を短い時間で伝える」ことができます。授業の様子や部活の様子を撮影すると、入学後のイメージをもってもらいやすくなります。
3)ブランドイメージの向上
動画紹介を用いることで、学校の魅力をより深く知ることができ、ブランドイメージの向上が図れます。
例えば、勉強に力をいれている様子を撮影しつつ進学先や進学率などの輩出した実績を載せる、著名な就職先の企業名を掲載することで、より進学校としての強みを訴求。
もしくは部活の様子を撮影し、大会実績などを紹介することで、部活が盛んなイメージを抱いてもらえるでしょう。このように動画で学校紹介することは、自校のブランドイメージ向上に役立ちます。
4)SNSやYouTubeでの拡散
コロナやスマホの普及によりオンラインで進学校の情報を探す学生や保護者が多く、「SNSやWebサイト、YouTubeに掲載する」ことで、多くの人の目に止まりやすくなります。動画が話題になれば、SNSでは特に拡散されやすく、より多くの人への宣伝効果が期待できます。生徒や保護者はもちろん、他の人に見てもらうことで学校のイメージ定着になり、自校の認知拡大に非常に役立ちます。
学校紹介動画の種類と必要な要素
学校紹介動画を制作するのに「何が必要か?」と悩む人もいるでしょう。そんな方に向けて「学校紹介動画の種類」と「必要な要素」を紹介します。
1)学部・学科紹介
学部・学科の紹介、そして基本的な情報を掲載しましょう。
・学部や学科のおもな活動内容
・授業の様子
・取得できるスキルや資格
・おもな進学先や就職先
基本的な情報を伝えることで信憑性が生まれ、学生や保護者に将来性を感じてもらいやすくなります。
2)部活紹介
部活は多くの学生にとって知りたい情報でしょう。学校生活の中で多くの時間を費やすひとつが部活なのです。
・部活の様子
・部活の種類
・大会の実績
上記の情報が学校選びの基準になる可能性が高いため、部活の情報は必ず伝えましょう。
3)教員紹介
教員紹介は学生と保護者どちらにとっても知っておきたい情報でしょう。「どんな人が教えてくれるのか」は、学校選びにおいて気になるポイントです。
・校長の挨拶や教育方針
・教員の実績
・資格、専門職としての勤務履歴
上記のような情報は忘れずに掲載したほうが良いでしょう。可能なら「教員へのインタビュー動画を撮影する」のも効果的です。
4)行事紹介
学校行事は学生にとって気になるポイントです。
・学園祭や体育祭
・修学旅行
・キャンプなどのイベント
行事中の様子を伝えられると、入学後のイメージをもってもらいやすくなります。そのため目玉となるイベント行事は紹介するようにしましょう。
5)施設紹介
学校の施設紹介は重要な意味をもちます。保護者にとって、子どもが通う学校の教育環境の情報は気になるポイントでしょう。
・教室
・図書室
・体育館やグラウンド
教育環境が整っているかは、保護者にとっての学校選び要素になります。
学校紹介動画の制作ポイント
学校紹介動画の基本を押さえたら、次は動画の撮影です。今回は、学校紹介動画を制作するうえでのポイントを4つ紹介します。
1)伝えたい相手を明確に設定する
学校紹介動画を制作する前に、学生に向けたものなのか、保護者に向けたものなのかなど、よりターゲットを明確に設定することが重要です。
例えば、
高校なら中学生とその「保護者に向けた情報を発信する」ことが多いでしょう。
大学や専門学校なら、保護者よりも「学生自身に向けた情報を発信する」ことの方が多いと考えられます。
伝えたい相手によって内容も大きく変わりますので、ターゲット設定は最初にしっかり行うようにしましょう。
2)知りたい情報の理解と伝える内容を設定する
ターゲットを設定した後は、ターゲット分析をしましょう。ターゲット分析することで「何に興味があって、どんな情報が知りたいのか」を具体的にイメージしやすくなります。
・大学進学を目標にしている学生なら、「進学や教育方針、環境に関する情報」
・部活を目的としている学生なら、「大会実績や活動情報」
・就職を目指している学生に対しては、「就職実績や就職サポートに関する情報」
上記のようにターゲット理解ができると、動画内容の方向性が決められます。
3)コンテンツの構成を決める
ターゲットを明確にできたら、ターゲットに合わせた構成を考えましょう。
事前に全体の流れと構成を考えておくことで撮影忘れを防ぎ、スムーズに最後まで見てもらえるような動画を意識し、かつ伝えたいメッセージも盛り込むようにしましょう。
構成を考える上でのポイントとして、
・動画時間やスタイル(紹介形式・インタビュー形式)
・紹介する順番(学部・学科、部活、教員、行事、施設)など
決める項目の多さによって予め構成を決めておくと、撮影をスムーズに行うことができるでしょう。
3)制作方法の検討【外注・内製化】
学校紹介動画の制作の段取りができたら、外注もしくは内製化するのかなど、どのように制作するのか検討しましょう。
内製化する場合は制作費用も抑えられ、代理店や制作会社に伝わりづらいイメージを再現しやすい動画を制作ができるメリットがあります。
しかし動画制作は担当者の動画編集スキルや撮影場所の確保、インタビューする人のスケジュール確保など、多くの作業工程と人手が必要になります。
動画制作初心者であれば、編集作業には莫大に時間がかかってしまうので、「Video BRAIN」などの動画制作ツールを導入することも検討すると良いでしょう。
制作会社や代理店に依頼する場合、多くのコストや制作期間がかかりますが、より演出の凝った訴求性の高い動画だけを作る場合は良いでしょう。
ターゲット別、訴求ポイント
学校紹介動画のターゲット別、訴求ポイントについて見ていきましょう。
1)学生がターゲットの場合
学生がターゲットなら授業や学校行事の様子など、学校生活に関する情報を訴求しましょう。学校生活を紹介することで、入学後のイメージが掴みやすくなります。生徒が動画に出演すればリアル感を演出できます。
ここでのコツは、生徒に話してもらうとき台本を用意しないことです。台本を用意してしまうと「言わされている感」が出てしまい、信憑性に欠けてしまうことにも。そのため生徒自身の言葉で話してもらうようにしましょう。
2)保護者がターゲットの場合
保護者がターゲットなら教室や図書館などの施設、教員の実績といった教育環境に関する情報を訴求しましょう。
就職先に関する情報を伝えるのなら、知名度のある就職先実績についても紹介したほうが良いです。いくら就職サポートに力をいれていても、実績を紹介できないと信憑性が低くなり、マイナスイメージになってしまうでしょう。
教育環境にメリットを感じてもらえれば、学校選びにおいて保護者の後押しをもらえるようになります。
またマイナビ進学が公表した「2021年 高校生の進路に関する保護者調査」によると、子どもの進路選択・学校選びに関して欲しい情報は「入試の種類」「学部で学べる内容」「就職実績」といった回答が多いことがわかります。
保護者の不安やニーズに応えるためにも「教育方針」「力を入れている学部や学科」「就職実績」などを踏まえたメッセージ動画の活用も検討しましょう。
引用:マイナビ進学「2021年 高校生の進路に関する保護者調査」
学校紹介動画の事例を紹介
ここでは魅力的な学校紹介の動画を展開しているいくつかの高校や専門学校、大学の事例を紹介します。
明治大学付属明治高等学校・明治中学校
在校生のナレーションによる校内案内や、テロップを中心とした施設紹介がされています。
また在校生の1日も紹介していますので、学校全体を紹介しつつ、「どんな学校生活を送れるのかイメージしやすい」内容になっています。
東京都立大学
学部・学科の紹介から、各キャンパスの紹介までを網羅した動画などを配信しています。
学生がイメージしやすいキャンパスライフのシーンや設備紹介と合わせて学習環境の高さを訴求。運動部などのPRでは競技場や体育館などの環境面も紹介もされています。
資生堂美容技術専門学校
学校周辺の立地環境から専門学校ならではの設備紹介、就職率や資格取得率がそれぞれ100%である事実をグラフなどで訴求。
入学することで得られるさまざまなスキルや知識を魅力的に発信しつつ、実際の学校生活をイメージしやすいように在校生のインタビューも盛り込んでいます。
まとめ
動画ではパンフレットなどのテキストでは伝えきれない情報や、学校の雰囲気や空気感のような抽象的な情報を、短時間でより分かりやすく伝えることができます。
よりクリエイティブや演出の凝った動画でなくても、内製で自分達で撮影をして編集し、「相手に伝わるメッセージ性のある内容になっている」ことが学生や保護者に向けての情報発信には重要だと考えられます。
学生の誘致や学校のプロモーション活動に課題のある担当者の方は、ぜひ動画の活用を検討してみることをおすすめします。
関連記事
この記事をシェアする