働き方改革やコロナ禍で加速したテレワークの普及により、採用シーンではウェビナーや動画を活用する企業が増えています。
今回は社員紹介動画について、効果やメリット、制作時のポイントについて解説していきます。動画作成の「外注or内製」判断についてもご紹介します。
目次
採用シーンに欠かせない?「動画」の有用性
採用現場を中心に企業や部署を問わず、さまざまなで現場で注目を集めている「動画」を活用したプロモーション。まずはその有用性と背景にどのような要因があるのかを見ていきましょう。
採用手段の多角化
「動画」が注目されている最も大きな要因として採用手段の多角化が挙げられます。これまで当たり前だった求人メディアによる採用手段だけではなく、オウンドメディアや、SNSを活用した採用活動が盛んになっています。
就活生や求職者は、売り手市場による選択肢があることで、今まで以上に“自分に合った就職先”を探す傾向にあります。そのため、求人などの情報が少ない状態で入社した場合、求職者と企業の間にアンマッチが起こり、早期退職に繋がるケースも増えています。
この一連の動きに対応すべく、短時間で企業の魅力やあらゆる情報を届けられる採用手段として「動画」によるプロモーションが注目されています。オウンドメディアやSNSとの親和性も高く、一度制作することで企業の資産となり様々なシーンで活用できます。
コロナによるオンライン面談・説明会の普及
2020年頭から社会の在り方を大きく変えた新型コロナウイルス感染症。今まで多くの企業が実施していた合同企業説明会やインターンシップ、対面による面接などが困難となり、対応を急がれた人事担当者も多いでしょう。
対面での企業説明の減少は、就活生や求職者が企業を直接肌で感じたり、雰囲気をつかむ機会の減少に直結します。そこで就活生や求職者に少ない時間で多くの情報を伝えアプローチできる「動画」が、採用シーンでは非常に有効な手段となりつつあるのです。
企業によっては、採用面談後の補足説明やすり合わせとして動画を活用されているケースもあります。
社員紹介動画の効果とメリット
社員紹介動画の効果・メリットについて、3つご紹介します。
テキストにはないニュアンスや想いが伝わる
社員紹介動画を活用する最大のメリットは、テキストでは伝えきれないニュアンスや想いが伝えられる点です。仮にテキストでも1万字、2万字と書いていけば内容がより明確に伝わるかもしれませんが、求人サイトや紙媒体などにそれだけの文章が記載されていた場合、最後まで読み切る就活生・求職者はほとんどいないでしょう。
一方、動画であればそれだけの情報量を短時間に詰め込めます。読める文字数より聞ける文字数のほうが圧倒的に多いことに加え、雰囲気や細かいニュアンスなどの付加情報を多く発信でき、忙しい就活生・求職者の興味を引き込み印象に残すことが可能です。
特に現在のコロナ禍では、オンラインでの面談や説明会が想定されるため、就活生・求職者が実際に企業の雰囲気を肌で感じることは困難です。テキストのみの情報では伝わりきらない企業の魅力を動画で発信することで、ミスマッチのない採用活動が期待できます。
ミスマッチの防止
入社後のミスマッチを未然に防止できる点もメリットの一つです。実際に入社した方が「思っていた雰囲気と違った、自分には合わなかった」と感じることで早期退職の原因となってしまう恐れがあります。採用には多くの時間と工数を要すため、求職者のミスマッチやギャップの発生は防ぎたいものです。
動画を活用することで、採用前に社内の雰囲気やテキストでは伝えきれないオフィスの様子、先輩になる社員の人柄などが伝わり、お互いに安心感を持った状態で採用活動を進められます。
使用用途が多岐に渡りコストパフォーマンスが高い
動画はさまざまな採用シーンに活用できます。
・オンライン採用(面談・説明会など)での工数やコストの削減
これまで一般的だった、会社説明会のパンフレット作成や候補者とのコミュニケーションが、オンライン会社説明会や合同説明会といった採用手法に置き換えられます。テキストコミュニケーションに付加価値をつけた動画の活用により、対面での採用活動とのギャップを防ぎ作業工数やコミュニケーションコストの削減が可能です。
・各種SNSとの親和性が高い
最新の採用活動はSNSでのコミュニケーションが主体となっているため、自社のYouTubeチャンネルや公式Twitter、Facebook、LINEでの動画活用により親近感を演出でき、リーチ獲得にも繋がります。
動画は、一度制作すれば中長期的な会社の資産として活躍します。ランニングコストがかからず、何度でも使いまわしができるため、非常にコストパフォーマンスが高い施策といえるでしょう。
社員紹介動画の制作ポイント
実際に社員紹介動画を作成する際に気をつけたいポイントについて、3つご紹介します。
ターゲットの明確化
ターゲットを明確にすることで、その動画で伝えたい主張や雰囲気、内容の方向性が決まります。属性(性別・年齢・現職)や志向などの人物像を詳細に設定し、そのターゲットをしっかりとイメージしながら制作することで、企業が求める人材の心を動かす動画になるでしょう。
人選
ターゲットを設定し伝えたいメッセージが明確になったら、紹介する社員の人選が必要です。例えば「既に結果を出し社内で輝いている社員」「社風を象徴するような優しく雰囲気の柔らかい社員」「企業のビジョンや理念を明確に伝えられる経営層」など、ターゲットに近しい社員をピックアップしインタビューすると良いでしょう。
構成やメッセージングの統一
撮影する場所や画角にもこだわり、伝えたいメッセージを明確にする。ターゲットの明確化にも共通する部分ですが、とにかく大勢にうける動画を作ろうとすると、結果的に誰にも伝わらない、特徴のない動画になってしまう恐れがあります。
制作開始前には、構成や伝えたいメッセージを明確にすることが重要です。「誰に、何を、どう伝えるか」の筋道を統一しはじめて、就活生や求職者にとって印象的な動画が完成します。
外注?内製?制作方法の選定
動画制作の外注と内製は、どちらもメリット・デメリットがあります。それぞれ確認し、自社に合った制作手段を選択しましょう。
外注のメリットと注意点
・外注のメリット
外注する場合のメリットで最も大きいのは高いクオリティの動画が期待できることです。制作会社が発注に基づいた内容で、プロ仕様の機材・編集ソフト、高いスキルと技術で制作するため、質の高い動画ができる可能性は高いです。また確認作業やすり合わせなど必要最低限の工数で制作できるため、他の仕事に時間をさける点は、忙しい採用担当者様にとって大きなメリットと言えます。
・外注のデメリット
動画の内容や粒度によりますが、制作コストはひとつの懸念点です。よりハイクオリティな動画を期待する場合、相見積もりなど事前に詳細な検討が必要です。
単発の外注ならまだしも継続して動画を制作する場合、その都度制作会社をリサーチ・問い合わせしていては多くの手間と時間がかかります。先を見据えた予算を設計し、最適な外注先・パートナーを選択しましょう。
内製のメリットと注意点
・内製のメリット
長期スパンで見たときにコストの削減が期待できる点が最大のメリットです。未経験からの制作には多くの工数を要しますが、動画スキルを制作しながら身につけることで加速的にリソース・コストパフォーマンスは上昇します。
また作業は基本社内完結するため、動画の意図やコンセプトなどを関係者間で共通認識を持ったまま進行でき、レスポンスも早いため、スムーズにイメージした動画を制作できるでしょう。
・内製のデメリット
担当者に依存しやすい点が最大のデメリットです。動画編集スキルを持つ社員がたまたま既にいる。という会社以外は編集スキルを育てる必要があります。
多くの場合、動画制作は人事部・人事担当が兼ねて行うことになりますが、慣れるまで通常業務が圧迫されてしまいます。単発の動画制作であれば、リソース面・工数を考慮し外注する判断が好ましいでしょう。長期的に複数本を制作する際には、コストを考慮し内製化という選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
社員紹介動画の活用事例4選
ここでは社員紹介動画の有用性やポイントを理解していただいた上でタイプの異なる活用事例を4つご紹介します。
株式会社アクティオ
株式会社アクティオは、1967年設立の建設機械レンタル企業です。支店が全国18カ所、営業所が全国384カ所と全国展開する業界のリーディンカンパニーです。
ZOOMによる対談形式の社員紹介動画となっており、人事の二人が全国で働く先輩社員にインタビューをする構成となっています。別途本編動画があり、そちらに誘導するために動画自体は短いですが、先輩社員たちが和気あいあいと話しており、社員同士の仲の良さや雰囲気の良さが伝わってきます。
株式会社阪急百貨店
株式会社阪急百貨店は関西だけにとどまらず全国的に有名な大手鉄道系百貨店です。
先輩社員が働く一日の様子を短い時間で理解できる構成です。オフィスの様子なども伺え、全体を通して実際に働くイメージが湧きやすいような作りになっているのが特徴です。
シナネンホールディングス株式会社
シナネンホールディングス株式会社は、東証一部上場の石油製品・LPガスなどの販売を展開する総合エネルギー商社です。
会社のPVのような構成で、理念や事業全体を紹介しつつ実際に先輩社員が働く様子も散見されます。短い時間で部署を問わず会社全体の働くイメージがつかめますね。
まとめ
採用手段の多角化・コロナによるオンライン普及など、時代背景の変化に伴い社員紹介動画の有用性や注目度が高まっています。動画の市場がデバイス・通信技術の進化により右肩上がりに成長する中、環境の変化に応じた適切なコンテンツ施策を講じることで、競合他社との差別化を図れるでしょう。
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