多くの企業が競合との差別化や優秀な人材確保に、PR動画を配信しています。PR動画は多くの情報を盛り込めるため、印象に残るプロモーションが可能です。また、企業ブランディングもしやすく、拡散性もあります。費用対効果のあるPR動画のメリットや作り方、活用事例などを詳しく紹介します。また、動画作成におすすめのツールも紹介します。
目次
PR動画とは?
PR動画とは、企業ブランディングや商品・サービスの認知度向上などのために活用する動画です。現在、多くの企業がこのPR動画の作成に興味を持っています。その背景として、顧客ターゲットに自社商材の魅力を上手に伝えたい、競合と差別化して自社をアピールしたい、伝えたいことが多過ぎるので、動画で情報を整理して届けたいという企業の思惑があります。
また、人材採用についても求職者に対して自社の理念やビジョン、魅力をわかりやすく伝え、魅力をアピールしたい、オンライン説明会で会社やスタッフの雰囲気を伝えたいと望んでいる企業もあります。
取引先に対しても、もっとわかりやすい営業資料や情報の提供、多過ぎる情報量を整理して動画でわかりやすく伝えたい、というニーズでPR動画作成の動きが進んでいます。
プロモーションに動画を使えば視覚、聴覚両方にアプローチができて、伝わりやすく印象に残りやすいPRが可能です。また、テキスト媒体よりも多くの媒体で配信できるため、拡散性が高く、認知度向上にも繋がります。
このように、費用対効果もあり資産性を持つPR動画だからこそ、作成に興味を示す企業が多いといえます。
PR動画を制作するメリット
プロモーション用のPR動画を制作するとさまざまなメリットが享受できます。その中で代表的なものは、以下の3点です。
・情報量を多く伝えられる
・場所に捉われない伝達手法
・企業ブランドが伝えやすい
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
PR動画のメリット1.情報量を多く伝えられる
テキスト媒体、紙媒体のPR手法と比較して動画コンテンツは情報量が多い傾向があり、PRとの相性が良いといえます。動画は、テキストやBGM、ナレーションなどを入れられるため、ユーザーに情報をわかりやすく伝達できます。
また、画像素材や音楽、効果音などの工夫により、伝えたいイメージを効果的に表現できます。そのため、プロモーション動画はテキスト情報に比べて多くの情報を盛り込めます。
静止画像やテキストからなるコンテンツより、ユーザーの興味を惹きつけられるのがPR動画の特徴です。
PR動画のメリット2.場所に捉われない伝達手法
オフライン広告や電車広告、テレビCMでは配信場所がどうしても限定されてしまいますが、動画コンテンツではスマートフォンやPC、タブレットなどの端末があれば、あらゆる場所で再生が可能です。
また、動画再生用の端末として、デジタルサイネージ(電子看板)が大型施設を中心に見かけるようになりました。多種多様な映像を表示する端末としてのデジタルサイネージを活用すれば、設置場所の自由度がさらに広がります。
PR動画のメリット3.企業ブランドが伝えやすい
動画を活用してプロモーション活動を行えば、情報量が豊富であるため、テキストベースや静止画像だけでは伝わらなかったブランドイメージを強く訴求できます。そのため、PR動画は具体的な商材の宣伝だけでなく、企業ブランディングに使われることもよくあります。
例えば、老舗企業は既存のイメージが強いので、斬新な商材を打ち出してもなかなか認知に繋がりません。そういう場合に、PR動画が効力を発揮できるでしょう。
PR動画の作り方とは
PR動画の作り方は、大きくは以下4つのフェーズの組み合わせです。
・コンセプトと訴求内容を設定
・動画の構成・セリフを決める
・動画撮影・編集
・バナー作成・配信
個別に解説していきましょう。
PR動画作成方法1.コンセプトと訴求内容を設定
動画作成に着手する前に、動画のコンセプトと訴求内容を明確にします。それを決めずに作り始めると、途中で修正が発生したり、訴求ポイントがブレたりして伝えたいことも伝わらなくなってしまいます。
PR効果を狙う上で、コンセプトと訴求内容の設定は非常に重要です。コンセプトを決めるために、20文字くらいのひと言で表せる言葉でシンプルに定義すると、伝わりやすいものになります。
それを軸としてコンセプトの肉付けを行いましょう。肉付けは、その訴求がターゲットに響く理由や、ターゲットのニーズや課題をあらかじめまとめておき動画に盛り込むことで、より一層訴求力が高まります。
PR動画作成方法2.動画の構成・セリフを決める
コンセプトと訴求内容が決まったら、次は動画の構成やセリフを決めるフェーズです。実写動画であれば、全体の構成とともに、セリフをまとめた動画シナリオを作成しましょう。シナリオがあると撮影がスムーズに進みます。
プロの俳優を起用する場合は、キャスティングをこのフェーズで行います。アニメ動画であれば、全体のフローを描いた絵コンテがシナリオの役割を果たします。絵コンテを作成し、クリエイターに依頼するのが一般的です。
PR動画作成方法3.動画撮影・編集
PR動画のシナリオが完成したら、いよいよ撮影です。
撮影のコツは以下の3つです。
・アングル
・カメラワーク
・安定感
アングルやカメラワークは、動画の品質を担保する大切な部分です。安定感に欠ける動画は、閲覧者が離脱しやすくなります。三脚を使用したり手ブレ補正のあるカメラを使ったりして、なるべくブレのない画面を作るのがコツです。
撮影後は編集へと移ります。動画データや音楽・効果音、画像素材をPCに取り込み、動画編集ソフトを使って編集します。不要な部分をカットしたり、画面をトリミングしたりしながら動画を仕上げていきましょう。テロップや字幕、トラジィションなどを用いることで、動画の品質もアップします。
PR動画作成方法4.バナー作成・配信
動画完成後、バナーを作成してどの媒体に自社のPRをしたいターゲットがいるか選定します。これにはマーケティングの視点とセンスが必要です。
配信先が決まったら、完成した動画を狙った配信チャネル(シーン)でさっそく流しましょう。主に以下のような選択肢が考えられます。
【YouTubeに公開】
YouTubeに自社チャンネルを作って、動画を公開する方法です。チャンネルを持つことで、過去の配信動画も一覧で見ることができ、固定ファン作りにも役立ちます。
【自社サイト・ブログ】
自社公式サイトやブログにPR動画を埋め込む方法です。動画データ自体を埋め込むことも可能ですが、YouTube動画を埋め込むこともできます。サイトやブログに訪れる視聴者は自社に関心のある人が多いといえます。PR動画でそうした層に自社の動画を観てもらえば、自社や商品・サービスへの理解度がより深まり、顧客離れの防止に繋がるでしょう。
【SNSアカウント】
TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSでPR動画を発信し、拡散を狙う方法です。SNSは拡散性が高いツールなので、複数のメディアで効果的に活用すれば、高い拡散力が得られます。特にTwitterはRT機能があるので、バズりやすいプラットフォームです。
【イベント】
イベントのオープニングなどでPR動画を流すような方法です。人目を惹くので非常に効果的な手段です。
例えばコンテストや表彰式、会社のグローバルイベントなど、その企業に関心のある大勢の人が集まる場所で流すと、コンテンツによっては一体感や臨場感を生み出せます。
【取引先との打ち合わせや商談】
取引先との打ち合わせや商談で動画を見せることにより、多くの情報が正確に伝わりやすくなります。動画ならメールで後日お届けするという対応もできるので、参加できなかった人にも観てもらえるのがメリットです。
【企業説明会】
企業説明会でPR動画を観てもらえば、情報が早く的確に伝わり、企業のイメージも伝わりやすく、入社意欲の向上に繋がります。
【セミナー・展示会・見本市】
セミナーや展示会、見本市でPR動画を流せば、印象に残りやすく、伝えたい重要な情報が適切に発信でき、企業ブランディングにも役立ちます。
【紙媒体(QRコードを掲載)】
デジタル媒体だけがPR動画の舞台ではありません。紙媒体の広告や記事であっても、QRコードを掲載することで動画を届けられます。
国内企業のPR動画活用事例
国内企業でのPR動画活用事例を、目的別に2つ紹介します。
企業ブランディングが目的のプロモーション動画として「霧島酒造株式会社」、採用ブランディングが目的のプロモーション動画として「セキ株式会社」を紹介します。
事例1.霧島酒造株式会社
焼酎メーカー、霧島酒造のプロモーション動画は焼酎造りへのこだわりを感じさせます。
霧島連山の深い自然が生み出す水に焦点を当てて動画がスタート。霧島酒造の焼酎は、霧島の地域に深く根差した焼酎であることを強く印象付ける工夫をしています。
美しい霧島の自然、焼酎の製造プロセス、人々の暮らし、そして焼酎とともにある活気溢れる地域住民の風景を切り取り、臨場感溢れるBGMでまとめ、とても力強い動画に仕上がっています。霧島酒造が風土に根差した商品作りをしっかり行っていることが伝わります。
事例2.セキ株式会社
「セキ株式会社」ではターゲットを新卒に絞り、会社が求める人材を端的にまとめたプロモーション動画を公開しています。自社を前面に打ち出してPRするのではない手法に好感が持てます。
ナレーションを一切挟まずに会社が求める人材を明確に伝えています。
動画と静止画に映し出されたテキストがBGMのリズムに合わせて交互に映し出される構成も特徴的です。1回に映し出されるテキストはワンフレーズ。一瞬で目に飛び込んでくるように、文字の配置や大きさも調整されています。
わずか短い2文のテキストに、会社がどんな人材を求めているのか、なぜそのような人材を求めているのか、企業からのメッセージがしっかり受け取れます。さらに、若く明るい従業員の生き生きとした様子を映すことで、会社が求める理想の人物像と映像の中の従業員が違和感なくマッチングしています。
PR動画を多くの人にリーチさせるには?
PR動画をひとりでも多くの人に届けるためには、マーケティング視点を持ってSNSやデジタル広告、YouTube広告に活用しましょう。それぞれのチャネル別に解説します。
1.SNSを活用する
SNSを上手に活用してプロモーション動画を配信することで、バズ・拡散を狙えます。タイムラインのスクロールスピードが速いSNSにおいて、視認性の高い動画クリエイティブはユーザーの目にとまりやすいでしょう。
Twitterのシェアやリツイートなどの拡散機能を拡散キャンペーンと組み合わせて、認知度を一気に高めるのもおすすめです。動画投稿にフォーカスしたTikTokや短尺動画投稿向けのInstagramリール機能を利用したり、業種によってはInstagramライブなどを活用したりもできます。ライブは、定期的に行えばファン層の拡大も期待できるでしょう。
2.Facebook/インスタ広告を配信する
ターゲティングの性能が優れているFacebook広告やインスタ広告を活用して配信することで、ターゲットに効率よくリーチできます。Facebookのユーザーはビジネスパーソンの30〜50代が多く、とりわけ50代男性の約半数が利用しています。
匿名性が低く公式性が高いFacebookは、炎上もしにくいという特徴があります。そのため、企業としての社会的な取り組みや姿勢などの情報発信に向いているプラットフォームといえるでしょう。こうした企業の公的な発信も豊富な情報を挿入できる動画を活用すれば、閲覧者の記憶に残るように届けられます。
3.YouTube広告を活用する
企業の公式サイトやブログの代わりに動画投稿プラットフォームのYouTubeアカウントを活用する企業が増えています。YouTube広告を積極的に活用することで、多くの潜在顧客層に動画を届けられます。配信の単価も比較的安価なのが魅力といえるでしょう。
Webサイトの埋め込みコンテンツと同じように、ブランドストーリーや製品・サービスの紹介を映像で紹介できます。また外部のプラットフォームを利用することにより、新たな顧客接点を生み出せる可能性もあります。
チャンネル登録者を増やしていくことで、継続的に多くの潜在顧客層に情報を送り届けることが可能です。
PR動画は資産性が高く、プロモーションに効果的
PR動画は資産性が高く多様なターゲットに訴求可能です。広告や採用、商談への活用をおすすめします。活用にあたっては優れた動画編集ツールを使いましょう。
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