昨今、授業動画のニーズが高まっています。まずコロナで学校が閉鎖されてしまったことを皮切りに、オンラインで学習をしたいというニーズが高まり、それに呼応するように授業動画の供給も増えているのです。
また、動画で勉強したいと考えるのは学生だけではありません。学習意欲が旺盛な社会人・ビジネスパーソンもスマホ片手に勉強をしています。資格を取ったり、ビジネスそのものを学んだり、意識を高めたりするだけでも仕事はモチベートされるものであり、有意義です。
では、その授業動画を作りたいと思ったとき。どのような方法があるでしょうか?今まで動画撮影や編集をしたことが無い方からすると、とても難しいものと感じるかもしれません。
しかし、「動画」と一口に言っても求められるクオリティは様々です。「学びたい」というニーズに応える授業動画に、ミュージックビデオのような高度なエフェクトは求められていません。
今回は、授業動画を作るにはどうやってやればいいか?何から始めればいいか?についてお伝えします。
目次
授業動画は簡単に作れる
いきなりですが授業動画の作成はそれほど難しくありません。なぜなら、激しいテロップ入れやバラエティ番組のような演出は必要なく、あくまでも主役は授業だからです。
つまり、動画撮影や編集によるテクニックよりも、どのような情報を発信するか、がはるかに大切になるのです。
多くの人が知りたい、学びたいという情報を動画にして正しく発信するのであれば、高度な加工は必要ありません。コンテンツ自体に魅力があれば、視聴する際にストレスとなる無駄なものを削り、簡単なテロップなどで補佐をしてあげるだけも十分なのです。
顔出しする場合
さて、肝心の動画づくりに際して、ふたつの選択肢があります。顔出しするか、しないか。最初は顔出しするケースです。
ホワイトボード、黒板を使う
授業動画と聞いてまずイメージするのが、顔出しで黒板やホワイトボードに向かって授業している様子をそのまま撮影し動画にしたものです。
ホワイトボードや黒板を駆使しながら、学校や予備校の感覚で伝えていくと、先生としても学校を経験しているのでイメージしやすいですし、また授業を受ける側も、座学には親しんでいるはずの層がみているので、しっくりくるはずです。
最初は照れくさいですが、清潔感があってはきはきとした話しぶり、人を不快にさせない好感度があれば、問題なく授業は進めていけるはずです。
ただ、ここが難しく、最初は第三者に話している自分の姿をみてもらい、猫背になっていないか、「えーと」「あのー」のようなクセがついていないか、目が泳いでいないか、不快な口ぶりがないかなどを客観的にチェックしてもらうと、気をつけるべきポイントを気をつけて、よりストレスのない動画に仕上がります。
この「えー」「あのー」がどうしても取れないときや、動画に”間”が生じてしまいテンポが悪くなるとき、噛んでしまい言い直したときなど、編集でそのノイズを切り取れます。それが「ジェットカット」と呼ばれる編集技法で、かなり間を削って情報を詰め、結果としてテンポを生み出すという技法です。そのジェットカットを駆使して、無駄なものを切り取って詰めていくと、スピード感とテンポが出るので、「飽き」への予防として一定の効果を発揮します。
無限に豊かなコンテンツが楽しめる現代において、視聴者の時間を無為に奪うと全く評価されなくなってしまいます。できる限り不要な時間や情報をカットして、時間のコスパよく視聴者が学べる動画を作るよう意識しましょう。
プレゼンスライドを使う
パワーポイントのスライドを表示しながら、その前に動画配信者が陣取ってマイクで語りかけるというプレゼンテーションスタイルもあります。これなら、あまり登壇人物が動かないので、視聴者は集中できますし、演者にも負担がかかりません。パワポの内容と「語り」がすべてになるので、資料の準備が大変といえば大変ですが、それほどパワポのグラフィックに凝らないスライドでいくのであれば、かなり手軽に授業動画が作れます。
スライドを回しながら、話が順番に流れていくので、編集点もつくりやすく、スライドで大きく躓いたりすればそこをもう一度リテイクして差し替えることも、比較的容易です。そもそも先生側はスライドの前で話すだけなので”絵”もそれほど動かず、多少流れがぎこちなくとも、見ている側にストレスを与えません。
プレゼンスライド方式は、視聴者の集中力を阻害しないよう、適度に集中をもたせながら、休みを与えつつ、話題を転換していくなど、語りの技法も必要になってきます。それでも、一度身につけた語りの技術は、さまざまな場面で役立ってくれることでしょう。
顔出ししない場合
YouTubeなど多くの人が視聴する可能性があるプラットフォームに動画を投稿したい場合、顔出しに抵抗が強い方も多いかもしれません。
顔出しをしないパターンでは以下のような政策手法があります。
手元のノートを写す
まず、手元のノートを写すというやり方。手書きでノートに思考整理の結果を書き出し、アウトプットしたノートを順に説明していくもの。真上から定点で撮影できるようカメラを設置します。
手元しか映らないので、精神的な障壁は大きく下がるはずです。
この手法の最大の利点は、とにかくノートとペンがあればだれでもすぐにコンテンツを作れる点です。
マーカーなどを使って解説しながらハイライトをしたりなど、工夫次第で分かりやすい授業動画をつくることができます。
プレゼンスライドを使う
顔出しはしなくとも、プレゼンスライドだけを画面に映し、声だけで解説をしながら淡々と進めるという方法もあります。顔の表情やリアクションといった情報がないかわりに、純粋にコンテンツ力だけで勝負です。
先述した顔出し+スライド形式との大きな違いは、カメラが必要ない点です。PCやスマートフォンなどの画面録画機能を使って撮影し、それに声を乗せるかたちで動画を作っていきます。きわめて低コストで作れるため、初めて授業動画をつくる方にもおすすめです。
授業動画を、どのスタイルで撮影するか希望は決まったでしょうか?続いて、撮影した動画の編集についてお話していきます。
編集は必要?
では、授業動画に編集が必要かどうか、みていきます。一発撮りで素のままアップロードするのが一番工数がかからない方法ですが、授業動画は多少の編集を入れるのがおすすめです。
派手な加工は必要ないが、大切なこと
ただし、それほど派手な加工は不要だと考えられます。過剰な効果音やびっくりするようなテロップなど、疲れてしまうような演出は、逆にないほうが集中しやすくなります。難しいことをかみ砕いて解説するとっつきやすさはとても重要ですが、あまりにも軽くてふざけた印象にすると、「この動画の情報は正しいのだろうか」と不安になってしまう可能性も。
よって、授業動画の編集で大切なことは、「余計なものをできる限り排除して、コンテンツに集中してもらうこと」。コンテンツが優れていれば、編集はジェットカットだけでも十分魅力的なものになりえます。余裕ができてきたら、テロップなどを入れるとより情報処理がしやすく優れた授業動画となります。
明るさ、音声のクオリティは最低限必要
いくらコンテンツが命と言えども、明るさや音量といった、視聴しやすさへの最低限の気遣いは必要です。光量を調整して、スライドにせよノートにせよ、見づらさをなくします。また、音量は小さすぎると集中できず、大きすぎてもうるさいので、イヤホンのあるなしで確認したり、第三者に一度意見を聞くのも有効です。
明るさに関しては、ライトを使ったり昼間に撮影したりなどで解決できますが、ある程度であれば編集で明るさを調節することも可能です。
音声は雑音が入って聞きにくくなったりどうしても声が小さくなってしまう場合は、そこまで高級なものでなくてもいいので専用のマイクを購入することをおすすめします。
撮影器具には何が必要?
では、授業動画の撮影器具には何が必要でしょうか。
画質はスマホで十分
高機能な専用カメラは、動画の性質上必要ないと思われます。理由としては画質というより中身の情報そのものに価値があるからで、よほど美しくみられたいという願望がない限りは、スマホで十分にきれいな動画が撮影できます。スマホのカメラはかなりの高精度ですから、授業動画はスマホで視聴に耐えうる動画が完成します。
ただ、先述した通り、明るさや音声に問題がある場合は照明やマイクの購入が必要になります。まずはスマホだけで撮影してみて、必要なものを適宜買いそろえていくのがいいでしょう。
最後に
定点の撮影で十分なため、動画撮影、編集未経験の人であっても、意外と簡単に作れる授業動画。
学生からビジネスパーソンまで、ターゲットは様々です。
授業動画を作成したいと考えている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
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