モーションタイムラプスとは?撮影技法の違いや撮影方法について

タイムラプスは時間の流れをコマ送りしたような動画のことで、今SNSなどでも話題となっている撮影手法です。そんなタイムラプスよりダイナミックさを表現できるのが、モーションタイムラプスです。

モーションタイムラプス動画では、街並みや人の動きなどの身近な風景を作品のように見せることができ、人々の興味をひく動画を作成できるため、プロモーション動画としても活用されるケースが増えてきています。
では、人々を惹きつけるモーションタイムラプスとはどのような動画なのでしょうか。

この記事では、モーションタイムラプスの解説と、実際に使われている動画事例、作成のポイントをご紹介します。

モーションタイムラプスとは

タイムラプスとは、数秒もしくは数分に1コマずつ撮影した写真を繋げて再生することで、コマ送りのような動画を作る撮影手法をいいます。
「低速度撮影」「微速度撮影」とも呼ばれ、長時間にわたる過程を短時間の動画にまとめることができます。

タイムラプスは、つなぎ合わせた写真の視点が動くとブレたように感じ動画が見にくくなるため、カメラを固定して撮影します。そのため、タイムラプスの動画は同じ場所、同じ視野になるのです。

一方、モーションタイムラプスはカメラを移動させ撮影します。
そのため、広い範囲の時間経過や動きを見ることができ、ユーザーは臨場感を感じることができます。

モーションタイムプラスが活用されている動画

モーションタイムラプスは、時間の流れを短縮して見ることができるためさまざまなシーンで活用されています。どのようなジャンルの動画に活用されているのか、事例を見ていきましょう。

メイキングや製造過程

製造過程の最初から最後まで紹介できるモーションタイムラプスは、メイキング動画や商品の製造過程などをユーザーに伝えるために活用できます。
視聴者が普段知ることのできないメイキング動画や製造過程を動画で紹介することで、製品や企業へのロイヤリティを高めるきっかけが作れるだけではなく、生産者や開発者の思いや、商品に対する理解を深めることにつながります。

イタリアの有名文房具ブランド「モレスキン」の動画では、ペンの製造過程をモーションタイムラプスで表現しています。小さなペンがどのような過程を経てユーザーの手元に届いているか、ダイナミックな動画を用いて視聴者へ伝えています。

参照:Time lapse of Moleskine pen production – YouTube

観光地や自然の景色

通常はあまり動きがない景色ですが、モーションタイムラプスを活用することで、景色の変化を伝えることができます。明け方から日没までの1日の変化、四季折々の景観など伝えられ、その土地の魅力を余すところなく伝えられます。
また、モーションタイムラプス動画にBGMをつけることで、幻想的なイメージや雄大なイメージなど具体的な印象を視聴者へ持たせることもできるのです。

モーションタイムラプスによって視聴者が「行ってみたい!」という気持ちを掻き立てることにつながり、観光サイトなどへの集客効果が期待されます。

岡山県の観光地を紹介する「時空の旅おかやま」でも、タイムラプスとモーションタイムラプスが用いられています。岡山の各観光名所の1日の変化を動画で紹介しています。ドローンも使用されておりダイナミックな動画になっています。

参照:タイムラプス「時空の旅おかやま」 Timelapse Okayama “The Landscapes of OKAYAMA beyond Time and Space” – YouTube

人や街の動き

人々の1日の動きや、街並みなどの動きなど日常風景をモーションタイムラプスで表現することができます。
視聴者は親近感や臨場感など強い印象を持ちやすくなるため、プロモーション動画としても活用されているのです。テーマパークの様子やホテルの様子などモーションタイムラプスを活用する企業も出てきています。

また実際に訪れてみないと分からないホテルの様子(人々の動き、従業員の動き)や雰囲気、部屋からの景色などを1日の流れとして紹介することも可能です。
視聴者はまるでホテルにいるかのような疑似体験ができ、行ってみたいという気持ちを高めることが期待できます。

テーマパークでのアトラクションやパレードの様子、人の動きや雰囲気などをモーションタイムラプスで表現するのもおすすめ。

東京ディズニーリゾートでは、15周年のイベント2日間の様子をモーションタイムラプスでまとめてあります。
人々の活気、昼間と夜のパーク内の雰囲気と、パレードやショーのインパクト強く、「また行きたい!」と思わせる動画となっています。

参照:【公式】150秒で東京ディズニーシー15周年の2日をまとめてみたら… | Tokyo DisneySea – YouTube

モーションタイムプラス動画作成のポイント

制作難易度の高そうなモーションタイムラプス動画。
撮影から編集までコツが必要となりますが、ポイントを抑えることで初心者でもクオリティの高い動画を作ることができます。

ブレない撮影環境に整える

モーションタイムラプス制作では、カメラを上手に移動させることが大切です。
カメラを水平に保ち、高さを変えず平行に移動させるスライダーや、回転台を利用するとより撮影しやすくなるでしょう。
カメラを移動する際は、被写体の撮影目標を1点に決め、決めた目標に焦点を当てたまま移動していくようにすると上手に撮影できます。

撮影間隔を調整する

モーションタイムラプスを作成する場合、カメラやスマートフォンなどの連写機能を使います。
被写体を連写する際に、何秒間隔でシャッターを切るのかを撮影インターバルといいます。

このインターバルを調整することが、モーションタイムラプス動画作成において最も重要です。
被写体の変化スピードが早ければ撮影間隔を狭め、変化スピードが遅ければ撮影間隔より撮影時間を重視しましょう。作成したい動画の再生時間や撮影に費やせる時間をもとに、被写体の変化スピードと照らし合わせ、インターバルを決めていくようにしましょう。

コマ数を調整する

1秒再生するために必要なコマ数(写真)を編集機能で調整することができます。これを表す単位として、フレームレートという単位が使われます。
1秒ごと再生するコマ数が多いほど、滑らかな動画を作成することができ、一般的には1秒に30枚の写真が使われて作成されるケースが多いです。被写体の変化に合わせて、コマ数の調整を行うようにしましょう。

まとめ

一般的な動画に比べ、モーションタイムラプス動画をみるユーザーは、まるでアニメーションを見ている感覚になり、非現実的で幻想的な印象を持ちやすくなります。
その結果、商品や企業に対し、より関心を高めるきっかけを作ることができます。
SNSでシェアされ、メディアで話題にもなりやすいため、動画コンテンツとしてはより高い効果が期待できるのです。詳細に伝えたいことがあれば、モーションタイムラプスを活用してみましょう。


 

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