動画制作における画像比率(アスペクト比)と解像度は変更できる?

動画制作者が動画を作るとき、避けて通ることのできないのがアスペクト比や解像度です。
動画を配信する媒体により、理想されるアスペクト比や解像度が異なります。

この記事では、アスペクト比と解像度について分かりやすく説明していきます。

画像比率(アスペクト比)と解像度について

まず、画像比率と解像度について見ていきましょう。

画像比率(アスペクト比)とは

動画制作において、一つの要となるのが画像比率や解像度です。
画像比率はアスペクト比ともいわれており、よく使われているアスペクト比は「4:3」や「16:9」です。
左の数字は横、右の数字は縦の比率になります。

例えば、4:3(スタンダード)は正方形に近い横長、16:9(ワイド)は横に長い長方形のイメージです。
また、これら以外にも「16:10」のWXGA、「2.35:1」のシネスコもあります。

現在、動画の上映に使用するスクリーンやプロジェクターは、これら2つの比率が混在しています。
そのため、自分の制作物をイメージ通りに見てもらうには、制作する前にどのタイプのスクリーンで映すのかをしっかり把握しておく必要があります。

解像度とは

解像度とは、動画のピクセル数もしくは画素数のことです。「640×480」や「1280×720」のように表示され、解像度も左の数字が横の長さ、右の数字が縦の長さを表しています。

アスペクト比と解像度は、とても強いつながりがあります。
例えば、「4:3(スタンダード)」のアスペクト比と相性がいいのが「640×480」の解像度、「16:9(ワイド)」と相性がいいのが「1280×720」の解像度のようになっています。

アスペクト比は簡単に変更できない

制作後にアスペクト比を変更すると、修正に時間をとられてしまいます。
映像が縮むもしくは伸びるだけではなく、余白ができることもあります。
そのため、制作前に適切なアスペクト比を決めておくことが大切です。

 

 

主要サイトの推奨サイズ

主要サイトの推奨サイズ

次に、動画がアップされる主要サイトを取り上げ、それぞれの媒体で推奨されているアスペクト比を紹介していきます。

YouTubeの推奨サイズ

まずは、YouTubeから見ていきましょう。パソコンでのYouTubeプレーヤーはアスペクト比が「16:9」です。
ただし、アスペクト比が16:9以外の動画であっても、自動で上下左右に黒い帯が追加されるため、16:9でなければ表示がおかしくなるということはありません。
そのため、16:9のアスペクト比以外の動画をYouTobeにアップするとき、あえて動画に余白や黒い帯を追加する必要はないのです。

YouTubeプレーヤーの画面を余すことなく使いたい場合、アスペクト比16:9で推奨されている解像度は、「3840×2160」「2560×1440」「1920×1080」「1280×720」「854×480」「640×360」「426×240」です。

また、Android/iPhone/iPad上で再生するYouTubeアプリは、動画サイズに応じて、プレーヤーのサイズが自動調整され、動画が縦向き、横向きにかかわらず、画面全体に表示されるようになります。

参照:動画の解像度とアスペクト比 – パソコン – YouTube ヘルプ

Facebookの推奨サイズ

次にFacebookの推奨サイズを見ていきましょう。
Facebookでは、用途に応じてアスペクト比を変更することが勧められています。
使用できるアスペクト比は「1.91:1」「16:9」「1:1」「4:5」「9:16」で、このうち4:5と9:16は縦長になります。

フィード投稿では「4:5」、ストーリーズ配置は「9:16」、動画カルーセルフォーマットは「1:1」、インストリーム動画は「16:9」が推奨されています。

アスペクト比が推奨されているものと異なっていても、動画サイズがサポートされているアスペクト比に自動的にトリミングされます。

参照:各配置のアスペクト比のベストプラクティス | Facebook Businessヘルプセンター

Instagramの推奨サイズ

Instagramはスマートフォンで視聴することが前提となっており、アスペクト比は横型・縦型両方をアップロードすることができます。
推奨されているサイズを用途別にご紹介します。

フィード投稿の推奨アスペクト比は「1.91:1」「1:1」「4:5」です。
1.91:1の解像度は「最小600×315」、1:1は「最小600×600」、4:5は「最小600×750」、推奨「1080×1350」です。

ストーリーズ投稿の推奨アスペクト比は「9:16」で、解像度は「最小600×1067」、推奨「1080×1920」です。

参照:Instagramフィード広告のデザイン要件 | Facebook Businessヘルプセンター
参照:Instagramストーリーズ広告のデザイン要件 | Facebook Businessヘルプセンター

Twitterの推奨サイズ

Twitterに投稿する動画は、アスペクト比が「1:2.39~2.39:1」の範囲内であれば、縦型・横型どちらでも問題ありません。最小解像度は「32×32」、最大解像度は「1920×1200」、もしくは「1200×1920」です。

参照:Twitterで動画を共有および視聴する方法

LINEの推奨サイズ

LINEの場合は、広告の配信先によりアスペクト比が異なります。

「16:9」と「1:1」のアスペクト比を使えるのがLINE NEWS、ライムライン、LINEマンガ、LINEBLOG、LINEポイント、LINEショッピングです。「縦長」の9:16のアスペクト比はタイムラインのみ使えます。

公式アカウントの配信面は、リッチビデオメッセージとタイムラインですが、どちらも「16:9」、「1:1」、「9:16」のアスペクト比動画を設定できます。

16:9の解像度は「240×135~1920×1080」、1:1の解像度は「600×600~1280×1280」、9:16の解像度は「125×240~1080×1920」です。

参照:LINE広告入稿規定
参照:LINE Business Guide(Summary)

アスペクト比による見え方の違い

ユーザーはスマートフォンを縦向きにして見ることが多いため、アスペクト比1:1の正方形動画を制作すると、スマホを横向きにした場合黒帯が左右に追加されます。
また、正方形では高画質の動画が作成されないため、デバイスを横向きにしたときに画質が悪くなることがあります。アスペクト比が16:9であれば、縦向きでも横向きでも画質を落とさずに視聴することが可能です。

アスペクト比によって見え方が変わってくることも踏まえて、動画制作を行いましょう。

フレームレートについて

フレームレートとは、1秒間に再生されるフレーム数のことをいいます。
30fpsが標準で、これは1秒間に30枚の画像を再生することを意味しています。
60fpsは30fpsの2倍の量のフレームを使っているため、よりリアルな動きを表現できます。
制作する動画のデータ量の大きさを考えるとき、フレームレートを考慮することも重要です。

まとめ

今まで多く使われていたアスペクト比は4:3と16:9の横長タイプでしたが、9:16や1:1のような縦型のアスペクト比も使用され始めています。
縦型のタイプは、スマートフォンを縦向き状態で視聴するのに適しているため、わざわざ横向きにする必要がありません。

また、動画のアスペクト比とスクリーンのアスペクト比が違う場合、映像の見え方に大きく影響します。
制作後のアスペクト比の変更は手間がかかるため、制作前に適切なアスペクト比を決めておきましょう。
YouTubeのように動画とプレーヤーのアスペクト比が異なっている場合でも自動調整してくれる媒体や、LINEのように配信面によりアスペクト比の条件が決まっていることもあるので注意しましょう。


 

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