セミナーや勉強会、研修会などの動画撮影は、年々需要が高まっています。映像と音声で記録しておくことで内容の復習に役立つほか、DVDなどに収録したり、インターネットで配信したりといった二次利用も可能になるからです。
今回は、セミナーを動画で撮影するときに必要な機材や、押さえておきたいポイントをご紹介します。
目次
セミナー動画とは
セミナー動画とは、講師が講演を行うセミナーの様子を動画で撮影・編集したものです。映像で一部始終を残すことにより、繰り返し見返して理解を深めたり、セミナーに参加できなかった方も見ることができたりと、さまざまなメリットがあります。また、実際に人を集めて行うセミナーを撮影したもののほか、映像を視聴してもらうことを前提としたテレビ番組のような動画もあります。
必要な機材と選び方
セミナーの撮影に必要な機材は次の通りです。
ビデオカメラ(複数台)
よほど大規模なセミナーでない限り、家庭用の機材で十分です。機材トラブルが起きたときのために、複数台設置しておきましょう。
三脚・雲台
ビデオカメラを固定するために用います。実際のセミナー会場で撮影する場合、講師やホワイトボードなどが参加者の頭で隠れてしまわないよう、高さのあるものが必要です。最高全高が160cmから180cm程度のものが適しています。
ワイヤレスマイク
講師の胸元に装着し、音声をクリアに収録するために使用します。長時間使う場合は、替えの電池も準備しておきましょう。
SDカード(撮影機材に対応した記憶媒体)
できるだけ容量が多く、動作が安定しているものが必要です。動画撮影はデータの書き込み速度も重要ですので、容量と速度の2点をチェックします。
ACアダプター・電源ケーブル
内蔵バッテリーのみで撮影するのはあまりおすすめできません。ビデオカメラはACアダプターにつなぎ、常時電源に接続するようにしましょう。
延長コード・養生テープ
会場によってはコンセントが遠いこともあるため、念のため準備しておくといいでしょう。
セミナー動画の制作手順
実際にセミナー動画を撮影するための手順を解説します。
撮影の目的を決める
セミナー動画の撮影方法は、参加者を集めて開催する実際のセミナーの記録が目的なのか、それともDVDへの収録やインターネットでの配信を目的とするのかによっても異なります。まずは「当日の記録」「ライブ配信」など、撮影の目的を明確にしておきましょう。セミナー内容や撮影目的の大枠が決まったら、会場(撮影スタジオ)の確保、タイムスケジュールの設定、必要機材の選定といった詳細を詰めていきます。
機材を準備する
セミナーの詳細が決まったら、それをもとに必要な機材を準備します。ビデオカメラや照明などはレンタルすることも可能です。撮影途中でズームを使うなどカメラを操作するときは、あわせて撮影スタッフを手配しておきましょう。
撮影する
開演前に会場(スタジオ)にカメラをセッティングし、講師にはワイヤレスマイクを装着してもらいます。本番前には必ずテスト撮影をして、映像や音声に問題がないかどうかを確認します。
編集する
撮影が終了したら、編集ツールを使って不要なシーンをカットしたり、テロップや画像を入れたりして完成です。
セミナー種類別の撮影方法
セミナー動画は、伝えたいことや撮影の目的によっていくつかのパターンに分類されます。
実際に参加者を集めて開催するセミナーの撮影
実際に参加者を集めるセミナーの撮影は、参加者の後方などにビデオカメラを固定し、プロジェクターやホワイトボードなどを含めて会場全体を撮影します。単調なぶん、撮影や編集の技術はさほど求められません。映像に変化を持たせたい場合は、複数台のビデオカメラで別々の方向から撮影できるようにセッティングしておくといいでしょう。
実際のセミナーを撮影する際は、撮影用のワイヤレスマイクのほか、会場用のマイクも必要です。また、参加者からの質問コーナーなどがある場合は、参加者の声もマイクに入れる、聞こえづらい部分はあとから編集で字幕をつける、といった工夫が求められます。
視聴者に語りかける撮影
講師にカメラ目線で話してもらい撮影する動画です。YouTubeの解説動画などによく見られる手法ですので、今や多くの人にとってなじみ深いスタイルだといえるでしょう。広い会場や専用スタジオが必要なく、短いものであればスマートフォンで手軽に撮影することもできます。親しみを感じる雰囲気の動画に仕上げたいときに有効な撮影方法です。
番組風の撮影
講師を画面の右下などに映し、編集時に背景に動画や静止画、グラフなどを合成する方法です。編集に手間がかかるため、高い編集技術が求められます。本格的な動画に仕上げたいときは、グリーンバックを使いクロマキー合成をするなど、撮影にも機材と技術が必要になってくるでしょう。
セミナー動画撮影のコツ
セミナーの動画撮影はやり直しが難しいため、極力トラブルなく成功させたいものです。そこで、失敗しないためのコツをご紹介します。
自動で撮影できるようにあらかじめセッティングしておく
セミナーの途中でカメラの設定を変えたり、バッテリーを入れ替えたりするのはかなりの手間です。ある程度放置しておけるようにビデオカメラはオートモードに設定して三脚に固定し、電源コード(ACアダプター)をつないでおきましょう。
複数台のビデオカメラで撮影する
ビデオカメラが1台のみだと、機材トラブルが起こったときに対処できません。ビデオカメラを複数台用意し、保険をかけておくと安心です。
音声の収録に注意を払う
動画の撮影で難しいのは、実は映像よりも音声の収録です。ノイズが入ってしまったり、マイクが切れたことで音声が途切れてしまったりというトラブルも少なくありません。音声収録用のマイクはなるべく高性能なものを選ぶと安心です。また、音声がまったく入っていなかったなどの最悪の事態に備えるには、複数のビデオカメラで撮影する、ボイスレコーダーで音声のみ別に録音しておくといった対策が有効です。
まとめ
セミナー動画は、受講者の復習やオンラインでの配信など、さまざまな方法で役立てることができます。動画コンテンツとして公開することで、セミナーの参加者を増やしたり、問い合わせにつなげたりすることも可能です。これからのコンテンツマーケティングに、セミナー動画を役立ててみてはいかがでしょうか。
関連記事
この記事をシェアする