企業がプロモーションをするうえで、動画は欠かせないコンテンツになっています。自社で動画を制作するのも一つの方法ですが、最近は動画制作を請け負っている会社も増えているので、活用するのもおすすめです。
ただし、動画制作を依頼するには、それなりのコストがかかります。事前に動画制作にかかる予算を把握しておくことが大切です。この記事では、動画制作を依頼した際の料金プランの相場を、種類ごとに紹介します。
目次
動画制作にかかるコストとは?
動画制作でコストがかかるポイント |
・企画 ・ディレクション費 ・撮影器材費 ・撮影費 ・編集費用 ・人件費 |
上記のように、動画制作には、多くの工程が必要です。また、それぞれの工程に人が関わり、機材も必要となってきます。動画制作にコストがかかるのは、このためです。
動画制作会社の中には、価格を抑えたプランを提案しているところがあります。たとえば、少人数で工程をまかなうことで人件費を押さえて、格安プランを打ち出しているケースも多いです。
また、動画や画像の提供を依頼者に任せることで、撮影費を押さえる方法をとっている制作会社もあります。
企画・ディレクション費
動画制作を行う前段階のヒアリングや、クライアントと構成やコンセプトを決める際の打ち合わせにも費用がかかるものです。これらにかかる費用を企画費と呼んでいる動画制作会社もあります。
また、動画制作を行う際には、ディレクターが全体の指揮をとるのが一般的です。ここで必要となる費用をディレクション費といいます。
たとえば、全体的なスケジューリングや進捗管理における費用も、ディレクション費の一環となる場合があります。
企画費やディレクション費は5~25万円程度かかるのが一般的です。ただ、凝ったストーリー展開を伴う動画やVRを使った高レベルな動画コンテンツは、この相場よりも高くなる傾向にあります。
撮影機材費
動画制作を行うためには、動画や画像といった素材を用意する必要があります。素材作りは、シンプルな撮影から、ドローンや360°カメラなどを使った大がかりな撮影まで、さまざまです。
これらの撮影を行うための機材にかかる費用もカウントしなくてはなりません。撮影機材費は、どの程度のグレードを使うかによって大きく変わってきます。
最近はカメラの性能が向上しているため、ハンディカメラやiPhoneを使った撮影であれば、比較的安価で済むでしょう。
一方で、高画質なカメラやドローンのほか、VR素材を作るための360°カメラを導入すると高くなります。撮影機材費の相場は、5~25万円程度です。
撮影費
撮影機材を使って、撮影するためにはカメラマンだけではなく音声や照明が必要となるケースがあります。撮影をするにあたって、必要となるすべての費用をまとめて、撮影費として計上するのが一般的です。
撮影費は、撮影にかかるスタッフの数や時間に比例して高くなる傾向にあります。そのため、インタビュー撮影などのような一人のスタッフで行える撮影は、比較的リーズナブルなプランになります。
一方で、モデルを起用するような内容にする場合、メイクやアシスタントディレクターが必要となり、それに伴い必要経費がかかってくるでしょう。
また、カメラ以外にも多くの機材を使用した大がかりな撮影だと、高額になる傾向にあります。撮影費の相場は3~30万円程度です。
編集費用
撮影作業が完了して、動画制作は終わりというわけではありません。動画作品として仕上げる編集作業が必要です。
編集はシナリオに合わせて動画同士を繋いだり、音楽を乗せたりする作業であり、動画の長さや効果のかけ方によって、金額が大きく変わってきます。
また、アニメーションを入れたり、3DCGを導入したりすると、さらに高額になるでしょう。
動画制作会社が専用の機材を持っており、編集専門のスタッフが作業を担当するのが一般的です。作業内容によっては、複数人のスタッフが関わる可能性もあるでしょう。編集費用の相場は、5~25万円程度です。
人件費
意外と見落としがちなのが、人件費です。動画制作に関わらず、すべての生産物には人件費が必要となります。人件費は、関わった人の数に比例して高くなるため、大勢のスタッフが関わる動画制作は、自ずと高額になるでしょう。動画制作会社は、格安のプランを提供するために、限られた人数のスタッフで制作作業を回しています。
また、スタッフ以外にもキャストにかかる人件費も忘れてはなりません。たとえば、モデルを起用する場合には、モデルへのギャラも発生します。加えて、出張費や打ち合わせにかかった場所代なども人件費としてかかってくる場合もあります。
【動画の種類別】料金プランの相場
料金プラン相場 |
・サービス紹介動画 ・商品紹介動画 ・企業PR動画 ・インタビュー動画 ・採用動画 ・アニメーション動画 |
動画制作と一括りにまとめても、企業によってPRする内容が異なりますし、動画を作る目的もさまざまです。そのため、料金プランも動画の種類によって変わってきます。
数ある動画制作会社を比較したうえで、料金プランの相場をまとめてみました。どのような動画を作るかをイメージしながら、ぜひ参考にしてみてください。
サービス紹介動画
料金相場 | 動画時間 |
30万円~100万円 | 1分~2分 |
作成に必要なコスト |
ディレクション費 撮影機材費 撮影費 編集費 人件費 |
サービス紹介動画は、形のない商品である「サービス」をわかりやすくユーザーに伝えるためのツールです。
短い動画の中でサービスの内容を伝えるためには、シナリオが大切です。また、ナレーションを起用することで、よりわかりやすくなるでしょう。一方で、その分コストもかさむことになります。
商品紹介動画
料金相場 | 動画時間 |
30万円~100万円 | 30秒~1分 |
作成に必要なコスト |
ディレクション費 撮影機材費 撮影費 編集費 人件費 |
商品の魅力を動画で伝えるのが商品紹介動画です。単に商品のサイズ感やデザインなどだけでなく、使い方や質感などを伝えられるため、重宝されるPRツールといえるでしょう。また、SNSやYouTube広告を使うことで、紙媒体での紹介よりもユーザーへ認知させることができます。
サービス紹介動画と同様、よりわかりやすい動画にするためには、ナレーションやテロップ、アニメーションを取り入れることもおすすめです。もちろんその分、コストはかかりますが、カタログや資料を使っての説明よりも、購買意欲を高める効果があるため、費用対効果としては申し分ないといえます。
企業PR動画
料金相場 | 動画時間 |
20万円~100万円 | 30秒~2分 |
作成に必要なコスト |
ディレクション費 撮影機材費 撮影費 編集費 人件費 |
企業のブランディングをするうえで欠かせないのが、企業PR動画です。商品やサービスの紹介動画とは異なり、直接的な購買には繋がらないとしても、企業の戦略の面で、大変重要な存在となります。
そのため、競合他社との違いを明確にして、自社が持つコンセプトを十分に発揮することが大切です。しっかりとしたシナリオを立てて、ユーザーへの共感を生まなければなりません。
商品やサービスの顧客を掴むための大切な動画であるのでその分、企画費や人件費にもコストがかかる可能性が高いです。
インタビュー動画
料金相場 | 動画時間 |
5万円~40万円 | 1秒~3分 |
作成に必要なコスト |
撮影機材費 撮影費 編集費 人件費 |
会社紹介をする際に、インタビュー動画を取り入れる企業もあります。経営者や実際に働いているスタッフのインタビューを動画に仕上げることで、採用活動にも役立つでしょう。
インタビュー動画は、インタビューする人の人数で料金が変わってきます。経営者一人だけを撮る場合は、5万円程度で制作できることもあります。
またインタビュー動画はロケが必要なく、定点撮影で行えるため、撮影機材費を抑えることができます。
採用動画
料金相場 | 動画時間 |
50万円~100万円 | 1分~10分 |
作成に必要なコスト |
ディレクション費 撮影機材費 撮影費 編集費 人件費 |
採用動画は、商品やサービスを紹介する動画とは異なり、企業が持つ強いメッセージを伝える必要があります。特に、就職活動をする世代に対して、心に残る映像を作らなくてはなりません。
そのため、しっかりとしたコンセプトやストーリー性が必要であり、最初の企画が重要です。企業説明会や選考時に使用する場合は、5分程度の長い動画を作るケースもあります。
アニメーション動画
料金相場 | 動画時間 |
50万円~100万円 | 1分~3分 |
作成に必要なコスト |
ディレクション費 編集費 人件費 |
近年、アニメーション動画を企業PRに導入するケースが増えています。より身近にわかりやすく商品やサービスをPRできることから、重宝されているといえるでしょう。
特に、目に見えないサービスを可視化する際に活用しやすく、オリジナルのキャラクターを取り入れて周知するのにも向いています。
費用面においては、実写を取り入れない場合、撮影機材費や撮影費がかかりません。しかし、シナリオを立てたり、アニメーションを制作したりするための人件費は必要となります。CGを使う場合は、より高額になる可能性があるでしょう。
コスパを考えるなら動画作成サービス
動画制作は動画制作会社に依頼するほかに、動画作成サービスを利用する方法もあります。自社内で動画作成ソフトを活用して、テンプレートベースに、気軽に動画を作るサービスです。最近では、SNSやYouTubeが浸透していることもあり、多くの企業が動画作成サービスの提供に参入しています。
動画作成サービスでは、次のような動画を作ることが可能です。
商品紹介動画
サービス紹介動画
インタビュー動画
企業PR動画
アニメーション動画
ただし、初心者の場合、クオリティの高い動画が作成できるか心配になる人も多いでしょう。動画作成サービスはサポート体制がしっかりしているため、素人でも伝わりやすい動画を作ることができます。
また、動画作成サービスを活用すると、下記の表でまとめたようにコストをかなり抑えられるため、多くの商品やサービスを持っている企業や、コンスタントに動画を作成したい企業に向いているといえるでしょう。
項目 | 動画作成サービス | 動画制作会社 |
料金相場 | 10,000~30,000円(月額) 60,000円〜(買切り) | 50万〜100万円(一本につき) |
納期 | 最短1日 | 1ヶ月〜3ヶ月 |
まとめ
動画制作は多くの工程を経て仕上げていくため、動画の種類によって費用が大きく変わってきます。
コストを押さえるためには、どこに重点をおいて動画を制作するかを、事前にまとめることが大切です。プロに依頼するところと、自社でまかなう部分をはっきりさせることで、予算内でクオリティの高い動画が作れるようになります。
また、たくさんの動画を制作する場合は、動画制作ツールを活用すると、自社でも十分に効果的な動画が作ることができるのでおすすめです。
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