店頭動画は販売促進を目的とする動画広告の一つで、インストア動画とも呼ばれます。ドラッグストアやスーパーマーケットなどで一度は目にしたことがある方も多いでしょう。
本記事では、店頭動画の活用で得られるメリットや、店舗を訪れるユーザーの心理やおすすめツールも紹介します。
目次
店頭動画とは何?
店頭動画とは、商品やサービスなどの販売促進を目的とする動画広告の一つです。
店舗に設置したモニターやデジタルサイネージなどを通じて、来店客向けに商品やサービスの紹介、説明などを動画で訴求します。訴求する目的や時期に合わせて動画の内容を自由に変更できるため、さまざまな業態の店舗で利用されるようになりました。
最近では、一般的なモニターだけでなく、人感センサーを備えたものやフレームを紙製にしたものなど、費用や用途にあわせたさまざまな種類でのデバイスが登場しています。
店舗を訪れるユーザーの心理
店舗の販促活動に店頭動画を取り入れる場合、まずは店舗を訪れるユーザーの心理を理解しておく必要があります。なぜなら、店頭動画をただ流すだけでは本来得られるはずの効果が得られない可能性があるからです。
そもそも、店舗を訪れるユーザーの心理として「オンラインにはない体験を求めている」「実際に手に取って比較検討したい」という2つが挙げられます。
それでは、上記について詳しく解説していきます。
オンラインにはない「体験」を求めている
昨今のインターネットの普及により、場所や時間に制限させることなく、オンラインでいつでも買い物ができるようになりました。結果として、ユーザーの価値観や購買におけるプロセスが大きく変化し、暮らしも豊かになっています。
一方、販売側は商品やサービスの機能や内容での差別化が難しくなりました。そこで、注目すべきが「体験」です。
店舗に訪れるユーザーは、商品やサービスの機能や内容を指す「モノ」ではなく、経験や体験を示す「コト」に価値を置き、購入するかを判断しています。つまり、オンラインにはない「リアルな体験」こそが、ユーザーが店舗に求めているものといえます。
実際に手に取って比較検討したい
ユーザーにとっての店舗は、比較検討の「場」でもあります。オンラインでは、自分の目で商品を見たり、手に取ったりすることができません。
一方、店舗の場合は購入を検討する商品やサービスが本当に自分のニーズを満たすかを実際に手にとって確認できます。よって、店頭動画にて商品やサービスを詳しく解説することは、購入を検討するユーザーの後押しとなるのです。
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店頭動画の活用で得られる5つのメリット
商品やサービスの比較検討や体験などを求めるユーザーに対し、店頭動画を活用することで次の5つのメリットが得られます。
- ユーザーの記憶に残りやすい
- ユーザーのタイミングで視聴できる
- ブランディング効果を期待できる
- 店頭の環境や雰囲気にあわせやすい
- 商品への理解を促せる
店頭動画の設置には、コストがかかります。よって、これらのメリットが自社にとってどの程度の効果をもたらすかを考慮し、導入を検討しなければなりません。ここでは、各メリットの内容を詳しく紹介します。
1)ユーザーの記憶に残りやすい
店頭動画はテキストや写真のポスター、POPに比べて、ユーザーの記憶に残りやすい傾向があります。
さまざまなパッケージの商品が陳列されるような場所で動きのないポスターやPOPは、ユーザーの目に留まりにくく、見過ごす可能性もあります。
一方、動画は「動き」を表現できるため、目立つだけでなく記憶の定着もしやすいです。さらに、店頭動画は商品やサービスの認知拡大にも効果を発揮します。
2)ユーザーのタイミングで視聴できる
ユーザーの好きなタイミングで動画を視聴できる点もメリットの一つです。買い物の最中に店員から話しかけられることを不快に思うユーザーも存在します。
しかし、動画であれば会話をせずとも商品やサービスの詳細をユーザーに知らせることが可能です。ユーザーが求めるタイミングや方法にあわせやすい店頭動画は、新たなユーザーの獲得にもつながります。
3)ブランディング効果を期待できる
店頭動画の効果は販促だけでなく、ブランディングにも活かされます。ブランディングとは、企業や商品、サービスが存在する意義を明らかにし、その意義が生み出す価値を求めるユーザーにイメージ付けすることです。
例えば、店内の雰囲気を統一するのもブランディングの方法の一つです。しかし、店内全体をリニューアルするとなると大きな費用を要します。そこで、ブランドイメージにあわせた店頭動画を流すだけでも、大きく雰囲気を変えることが可能です。
さらに、動画の雰囲気にあわせた照明やBGMを併用すれば、よりユーザーの印象に残しやすくなります。
4)店頭の環境や雰囲気にあわせやすい</h3>
店頭動画は店舗の雰囲気にあわせられるだけでなく、環境にも適応させやすい特徴があります。例えば、多くのユーザーが通行するような場所では、音量を大きくすることでより広範囲にアピールできます。
さらに、動画にナレーションを加えれば、視覚では動画の存在に気づかなかったユーザーにも、聴覚で知らせることが可能です。この点もテキストや写真などを使ったポスターやPOPにない特徴といえます。
5)商品への理解を促せる
店頭動画は、テキストや写真で伝えきれない難しい内容を分かりやすく伝えられます。結果として、ユーザーの商品理解を促すことができます。
例えば、商品の組み立て方や消耗品の交換方法、保管方法などは、テキストや写真よりも実際に操作する手元を映す動画の方が正確に伝わります。商品への深い理解は、購買意欲の増加にもつながるため、重要な要素の一つです。
インストア動画を制作する際のポイント
ここでは、実際に店頭動画を制作する際に、押さえておくべきポイントを解説します。
重要なポイントは「短時間で伝わる」と「立ち止まってもらう」の2点です。
まず、店頭動画は短時間でユーザーに内容を伝える必要があります。長すぎる動画はユーザーに飽きられやすく、内容を伝えきる前にその場から離れてしまう可能性があります。
よって、短時間かつ要点を絞った内容にしなければなりません。特に、冒頭の3秒以内にユーザーがインパクトを感じると、そのまま見てもらえる可能性が高まります。ただし、短すぎると必要な情報を伝えられないため、注意が必要です。
また、ユーザーの足を止めるような工夫も凝らしましょう。動画は視覚と聴覚のいずれにも訴求できます。ストーリーやテンポに合ったBGMを取り入れることでユーザーの興味を惹き、立ち止まってもらえる回数を増やすようにしてみてください。
店頭動画の利用時におすすめする4つのツール
店頭動画を利用する際は何らかのツールを利用する必要があります。さらに、制作に関するツールも利用することで、効率化を図ることが可能です。おすすめのツールに次の4つが挙げられます。
- デジタルサイネージ
- 電子POPモニター
- 動画自動生成サービス
- 実演販売
いずれも店頭動画の導入に欠かせないツールばかりです。ここでは、各ツールの詳しい内容をみていきましょう。
1)デジタルサイネージ
デジタルサイネージとは、ディスプレイやタブレットなどの電子デバイスを使用し、さまざまな用途の情報を表示するシステムの総称です。これまで、ポスターやPOPで表示していた情報をデジタルサイネージに切り替える店舗が増えています。
スライドする静止画や動画をデジタル表示して、商品やサービスの魅力を訴求しているのです。ポスターやPOPに比べ、より臨場感のある情報をユーザーに届けられます。
さらに、時間帯や場所、時期などに応じて自由に内容を変更できるため、ポスターやPOPなどを張り替える手間も減らせるでしょう。
2)電子POPモニター
電子POPモニターとは、SDカードなどに保存した動画データを簡単に再生できる小型の電子モニターです。形状や取り付け方法は種類によってさまざまですが、専用スタンドやマグネットスタンドなどが付いているケースが多いでしょう。
よって、既存の商品棚や什器はそのままに設置できます。さらに、再生や停止はもちろんのこと、リピート設定によって同じ映像を繰り返し流すことも可能です。
3)動画自動生成サービス
店頭動画の制作を内製化する場合、ある程度の動画編集に関する知識を要します。そこで、おすすめするのが「動画自動生成サービス」です。
動画自動生成サービスとは、AIの活用によって動画編集の専門知識がなくても簡単に動画を作れるツールを指します。写真や映像、テキストなどの素材をアップロードするだけで、AIが自動でマッチングし、動画が完成するのです。
さらに、誰が制作しても一定の品質を担保できるため、動画制作に関するマニュアルの作り込みも必要としません。これから始めて店頭動画の制作にチャレンジする方は、ぜひ導入を検討してみましょう。
4)実演販売
実演販売とは、店内や店頭で試食や試飲、サンプリングなどを行う販促活動のことです。この実演販売をあらかじめ収録し、店頭動画として流すこともできます。
具体的には、料理やメイクアップ、利用マニュアルなどに活用すると有効でしょう。これまで人でしか伝えられなかった商品やサービスの価値を、動画であれば対面に近い形で訴求できます。
見本となる店頭動画の事例
ここでは、実際に利用されている店頭動画の事例をみていきましょう。「新ラガーズハイ」と「レヴール フレッシュール」の2つは店頭動画の好例といえます。
「新ラガーズハイ」は、イオンとサッポロビールが共同企画した新ジャンルのビールです。スピード感のある映像と音楽を使い、特徴である「爽やかなのどごし」を全体の雰囲気を通じてうまく訴求しています。実際にイオングループ限定の商品として、イオンの店舗内で動画が使用されました。
さらに、ノンシリコンにもかかわらず泡立ちが良いと評判の高い「レヴール フレッシュール リペア」は、女性誌の美容ジャンルで得た高い評価をアピールすることで、訴求したいターゲットを明らかしています。
さらに、ターゲットと年齢の近い使用者の声を紹介したり、他の商品と異なる点を「進化」と表したりすることで、商品の価値をアピールしているのです。女性が思わず足を止めるような工夫がさまざまな部分に凝らしてあります。
店頭動画の作成はVideo BRAINにおまかせ
店頭動画には「ユーザーの記憶に残りやすい」や「商品への理解を促せる」など、さまざまなメリットがあります。しかし、ユーザーが店舗に訪れる「心理」を正しく理解していないばかりに、その効果を発揮できていないケースも多くあります。
まずは、ユーザーの深層心理を正しく理解することが、思わず立ち止まってしまうような店頭動画を作成する近道です。ただし、動画の作成に大きな時間や手間、コストがかかっていては、量産が難しいでしょう。
そこでおすすめするのが、動画自動生成サービスの「Video BRAIN」です。Video BRAINを利用することで、高品質な店頭動画を手軽に作成できます。
これから店頭動画を活用したいと思っている方や、効果的な施策に悩んでいる方はぜひVideo BRAINの導入をご検討ください。
店頭動画を活用するメリットや導入する理由
実際の店舗でもデジタルサイネージで動画を再生している場面をよく見かけるようになりました。
店頭動画を取り入れることで、どのような効果やメリットを得られるのでしょうか。
ポスターなどの静止画より目に留まりやすい
街頭や店頭にはさまざまな静止画広告が掲示されており、ポスターなどでは通りかかった来店客の目を引き付けることは難しいです。
しかし動きと音声でアピールできる動画は目に留まりやすく、商品やサービスに対する興味・関心を引くきっかけ作りになります。
店内の雰囲気を簡単に変えられる
アパレルなどファッション関連店舗では、季節ごとに異なるプロモーションを行う必要があります。
しかしそのたびに店舗を改装して、イメージチェンジを図ることは容易ではありません。
店頭で再生する動画の内容を変えることで、改装せずとも店内のイメージや季節感などに変化を持たせられます。
店頭の環境に即した活用が可能
店頭ごとの環境に合わせた活用ができる点も、店頭動画のメリットです。
例えば人が多くざわついていることの多い店頭では音声のボリュームを上げたり、動画に字幕をプラスしたりするなどして内容を理解しやすくする工夫が可能です。
商品を詳細に説明できる
動画といってもテレビCMなど尺が決められている広告では、限られた時間の中でどれだけ商品を効果的に訴求するかが重要になります。店頭動画の場合も冗長になってはいけませんが、時間の尺の自由度は比較的高く、商品の使用法などを余すことなく詳細に説明できます。
売り場をにぎやかにし、人を集めやすくする
人の話し声や音楽が流れている場所には、自然と人が集まってきます。店頭で動画を再生することで「あそこには何があるのだろう」と、ついふとお店に立ち寄ってしまうお客を増やすことにもつなげられます。
効果的な店頭動画を作成するポイント
店頭動画を実際に作成する場合は、どのような点に気を付けると良いのでしょうか。
販促に効果的な店頭動画を作成するためのポイントを、以下にご紹介します。
商品紹介やデモンストレーションを取り入れる
動画は「消費者目線での訴求」がしやすいという利点があります。
実際に商品を使った人の体験や感想を含むなど、デモンストレーション的な要素を含めると効果的です。動画内のストーリーを来店客が「自分ごと」としてとらえ、「使ってみたい」と思ってもらえる内容を工夫しましょう。
ターゲットを絞り込んだ内容にする
対象顧客をある程度絞り込み、「〇〇でお悩みの皆さん!」など、そのターゲットに向かって呼びかけるような内容を含めると良いでしょう。その呼びかけに心当たりがある来店客は自然と動画に目を留めてしまうため、興味を持ってもらえるきっかけになります。
まとめ
店頭動画の目的は、店舗の特徴によって異なる場合もあります。
日用品などの場合は使い方の説明や便利さを強調した内容とする必要がありますし、アパレルなどファッションブランドならイメージ向上を目的とした動画が求められます。
店頭動画を取り入れる際は、店舗ごとに動画でアピールしたいターゲットや店頭の環境などを必ず考慮しましょう。その上で、来店客に商品などの必要性を意識してもらえる内容を工夫して動画を制作することが重要です。
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