インタビュー動画を上手に撮影する方法とは?流れやカメラの配置について解説

企業で動画コンテンツを作成する際にまず取りかかりやすいのは、関係者のインタビュー動画だと思います。
しかし、動画の作成経験がないと準備や段取りに戸惑うことも多いです。

ここでは、インタビュー動画の撮影で用意したいものや、インタビューの方法、撮影のコツなどを解説します。
万全の撮影体制を整えて、ベストなインタビュー動画を作り上げましょう。

インタビュー動画の撮影に必要な機材

インタビュー動画撮影のためには、最低限まず以下の3つの機材を用意しましょう。

カメラ

インタビューの撮影に使うカメラは、画質がフルHD以上のものがベストです。
ビデオカメラと一眼レフカメラがありますが、動画撮影に際してそれぞれのメリットとデメリットに留意して使用しましょう。

ビデオカメラ

ビデオカメラのメリットといえば、長時間の撮影に向いていることです。
また、コンパクトなものであれば片手で簡単に撮影することができ、手ブレ補正やオートフォーカス性能が高いものが多いのも特徴です。

デメリットとしては、室内や暗い場所での撮影には不向きな点です。
また、ピントは常に画面全体に合わせた状態になっているため、一眼レフのような背景をぼかすといった動画を取ることはできません。

一眼レフカメラ

一眼レフカメラは一般的なビデオカメラと比べ、圧倒的にクオリティの高い映像が撮影できます。
背景をぼかしたり、レンズが光を取り込みやすいため、室内や多少暗くてもきれいな動画を撮ることができるのがメリットです。
また、さまざまなレンズを使用し工夫を加えることでオリジナルの動画撮影が可能になります。

一方、デメリットとしては、動画は30分程度の時間しか撮影できなかったり、内蔵マイクの音質が悪いことがあげられますが、撮影時間の上限に関しては休憩を挟むなどして回避することも可能です。

マイク

インタビュー動画の音質が悪く内容が聞き取りずらいと視聴者が離れてしまうため、予算はかかりますが外部マイクを用意するようにしましょう。
インタビュー撮影には「ピンマイク」もしくは「ガンマイク」が適しています。
ピンマイクは、インタビューされる人の襟元や胸元に装着するマイクで、ガンマイクは、一眼レフに取りつけたり横に配置して使います。

三脚

それほど重さを感じないカメラであったとしても、インタビューの間常に手ブレさせることなくカメラを持ち続けるは非常に難しいことです。
三脚を用意し、しっかりと固定した状態で撮影を開始しましょう。

最低限この3つがあれば、インタビュー撮影は可能ですが、他にあると良いものとしては「照明」が挙げられます。撮影時間によっては日の差し込む方向や日光の量が急激に変わり、照明が必要になることがあるためです。

インタビュー動画の作り方

インタビュー動画の撮影にあたっては、以下の4つに留意して臨むようにしましょう。

様々なアングルで撮影する

インタビュー動画では、インタビューされる人は基本的にその場を動きません。
そのため、一つのカメラの映像だけでは単調な印象になります。それを回避し飽きずに見てもらうには、複数のアングルで撮影することが有効となります。
インタビュー動画のアングルで多いのは、人物の「引き」と「寄り」の2つです。
周囲の様子も含めた俯瞰的なアングルと、人物の表情がわかるズームアップを効果的に使いましょう。

台本を作成しておく

カメラが回ると緊張のあまり相手がうまくしゃべれなくなったり、聞き手側が聞きたかったことを忘れてしまったりと中々スムーズに進まないことがあります。
そのような失敗がないように、あらかじめ台本を作成しておくと良いでしょう。
インタビューの流れと聞き手のセリフを決めておき、撮影中に確認しつつ進めれば、スムーズにインタビューを進行できます。
またインタビューを受ける側の人にとっても、答えるうえでの心の準備ができるなど、お互いにとって有益なことが多いはずです。

相づちは打たない

インタビュー動画では、よほどの理由がない限り相づちは不要です。
普通に会話しているのであれば相手への共感を示したり、話を聞いていることを示すために相づちを打つべきでしょう。

しかし、視聴者はインタビュー動画を見て自ら感じたり、心を動かされたりします。
インタビューする人の反応は視聴者にとってノイズとなる可能性もありため、動画内に余計な声が入らないように注意しましょう。

しかしインタビューの場においては、インタビューされる人はあくまでインタビュアーと話すわけですから、相手が無反応では不安を感じてしまいます。
インタビュアーは自己の反応の痕跡を動画に残さないよう、うなずくなどのジェスチャーで対応するようにしましょう。
また、撮影やインタビュー慣れしていない相手には「サイン」を決めて注意を促すのもいいでしょう。
たとえば「声が小さい」ときは「手の平を上に向けて振る」といったことです。

質問の内容次第で成否が決まる

魅力のあるインタビュー動画にするためには、インタビュー相手に投げかける質問がとても大事です。
インタビュー動画では、見ている人にとって参考になったり、面白いと思えることを話してもらえるかが重要です。インタビューする人が質問し、ただ相手が答えるだけでは魅力ある動画にはなりません。
制作目的に沿って、欲しい答えを引き出せるよう上手に質問を投げかけていきましょう。

たとえばイベントに参加した人にインタビューをするような場合、ただ「感想をお聞かせください」とだけ聞いたのでは、返答が短くなり有益な回答にたどり着くことは難しくなります。
「イベントのどのようなところに興味を持ち、どう行動し、どう感じたか」など、動画を見ている人もイメージできるように問いかけるのも一つの方法です。

インタビュー動画の撮影におけるポイント

インタビュー動画のポイント

インタビュー動画の撮影には、注意しておきたいポイントが他にもいくつかあります。
ここでは、動画の印象を良くするちょっとしたコツを紹介します。

目線

インタビュー動画では、インタビュー相手の顔が一番長く映ります。
話している人の目線がうつ向いてばかりであったり、あちこち動いてばかりだと、動画を見ている人は違和感を持ち、どんなに話が面白くても内容に集中してもらえなくなってしまいます。
インタビューを受けながらカメラ目線で話せる人はあまり多くないので、インタビュアーをカメラのそばに配置して質問させるなどの工夫をしましょう。

背景

インタビュー動画は動きがないため単調になりがちです。
無地の壁を背にせず、できるだけ動画のテーマに沿った背景を用意するようにしましょう。
たとえば、話し手のイメージを補完してくれる職場の風景を背にしたり、テーマの雰囲気に合う絵や壁紙、アイテムを配置するのも良いでしょう。

背景を設定する際の注意点としては動画を見る人が話に集中できるよう、主張を抑えたものにしましょう。
また、話し手の背後に空間を広く取り背景との距離を保つのも、話し手に注意を向けさせる一つのテクニックとなります。

カメラは2台使う

インタビュー動画の編集で余計な部分をカットするとき、1台のカメラの映像しかないとつながりが悪くなる場合があります。
それでは不自然で見にくいので、できれば2台のカメラでアングルを変えて撮影し、映像を2パターン撮っておきましょう。
編集で不要な箇所をカットするタイミングで別アングルのカメラの映像にチェンジすれば、自然にカットが切り替わり、見ている人にも違和感を生じさせません。

まとめ

ここまで、インタビュー動画の撮影方法や効果を上げるテクニックなどについて紹介してきました。
インタビュー動画は、ふさわしい機材の準備や段取り、ちょっとした撮影テクニックを使うことで、見違えるほど高品質なものに仕上げることができます。
企業のブランド力を高めるうえでも効果を発揮しますので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。


 

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