動画教材のメリットや作成のポイント、活用方法について紹介!

「詳しい人に聞く」「本を読む」「インターネットで検索する」といった従来からある方法に加えて注目を集めているのが、「動画教材」です。この記事では、学習・教育に動画を使うメリットや活用方法について、実際に公開されている動画教材と一緒にご紹介します。

 

動画教材とは

動画教材とは、動画を使って学べる教材全般のことを指します。
動画で学ぶコンテンツといえば、NHKのEテレ(教育テレビ)を思い浮かべる人も少なくないでしょう。
子ども向けの歌や体操、英会話、囲碁・将棋、園芸など、幅広いジャンルの学びを網羅しているチャンネルです。

Eテレの例からも分かるように、かつて動画や映像はテレビなどのごく限られた業界でのみ扱われるものでした。しかしブロードバンドが普及してからは、「インターネットを利用して動画を見る」という文化が定着しました。
さらに、スマートフォンさえあれば手軽に動画を撮影できるようになり、YouTubeなどのプラットフォームを通して配信も行えるようになりました。

こういった流れを受けて、動画教材の分野が大きく変化したのはいうまでもありません。一般企業や個人による配信も増え、新しい学びの手段として注目されています。

 

教材に動画を用いるメリット

まずは、学習の場において動画を使うメリットを具体的を交えてご紹介します。

 

1)分かりやすい

例えば、手話を学ぶことを考えてみましょう。これまで画像とテキストで表現されていた内容を動画に置き換えれば、分かりやすさが格段にアップします。学習に用いられる「教材」とは、知識や技術を身につけるためにあるものです。内容が正確で分かりやすいことが重要であり、不可欠でもあります。

 

2)繰り返し閲覧・配信できる

何度でも繰り返し再生できる動画は、理解できなかったことを復習したいという学習ニーズに応えられます。
また、運転免許更新の際に受ける講習など、同じ内容を数万人、数十万人という多人数に伝える際にも非常に有効な手段です。
もしも同じことを人間が行うとなれば、人材の確保や講師ごとのクオリティの差がでてきてしまいます。

 

3)表現の幅が広く情報量が多い

映像、ナレーション、効果音、テロップなど複数の要素を組み合わせることができる動画では、これまでにない多彩な表現が可能です。例えば、アニメーションやSNSなどで人気の「動くグラフ」を取り入れれば、楽しみつつ理解が深まる教材をつくることができます。

 

 

実際に活用されている動画教材の例

動画教材 例

それでは、実際に公開されている動画教材をいくつかご紹介します。

 

【Illustrator入門】イラストの描き方

ベクターグラフィックソフトウェア「Illustrator」でのイラストの描き方をレクチャーする動画です。
Adobeの公式チャンネルで公開されています。手描きのイラストをもとにデータを完成させていく過程が、ソフトウェアの操作方法とともに丁寧に解説されています。

多彩な機能を持つIllustratorは初心者にはやや敷居の高いソフトウェアであり、「Illustratorを使ってみたいけれど、まず何から始めればいいのか分からない」と悩むユーザーが少なくありません。この動画では、ソフトウェアの画面を表示しつつ機能を1つずつ紹介しているため、初心者でもわかりやすい構成になっています。

さらに注目すべきポイントは、動画の冒頭で完成したイラストを見せていること。
ゴールが明確に見えることで、学ぶ意欲をかきたててくれます。

参照:【Illustrator入門】イラストの描き方 1/10 ブラシの基本|-アドビ公式- – YouTube

 

赤ちゃんも大喜び「体も使った童謡・手遊び歌」

保育士や幼稚園教諭向けに、幼児や子どもとできる体を使った遊びを紹介する動画です。
童謡に合わせてスキンシップを取る遊び方が、アニメーションや実写で表現されています。

この動画のポイントは、「歌」と「映像」がセットになっていることで、メロディーに合わせた体の動かし方や歌うときの抑揚のつけ方などがすぐに理解できる点です。動画のメリットを最大限に活かした教材だといえるでしょう。アニメーションはかわいらしくカラフルで、幼児に見せながら一緒に遊ぶといった使い方も可能です。

参照:赤ちゃんも大喜び「体も使った童謡・手遊び歌」メドレー10曲9分 – YouTube

 

【初級編】ネット上での悪口被害(小・中学生向け)

インターネット上で起こるトラブルを、子どもに向けて分かりやすく教える動画で、YouTubeの愛媛県警察公式チャンネルで公開されています。

この動画では、「SNSに友人の画像や名前を投稿したところ、画像が第三者の手によって誹謗中傷とともに拡散されてしまった」という内容のミニドラマが展開されます。誹謗中傷の表現は辛らつで、大人が見てもかなりショッキング。さらに、実際に子どもが出演し、役を演じていることがよりリアルです。テキストでの説明よりも印象に残ることは間違いありません。

参照:【初級編】ネット上での悪口被害(小・中学生向け) – YouTube

 

動画教材を制作する際の重要なポイント

実例からもわかるように、動画教材は学習という目的に向けたさまざまなアプローチや表現が可能なのが特徴です。ここでは、ジャンルを問わず押さえておきたい基本的なポイントをご紹介します。

 

教える内容と合った表現方法を取り入れる

何を教えたいのかによって最適な表現方法は異なります。例えば、ソフトウェアの操作を説明したいのであれば、実際の画面を映しながらナレーションやテロップで説明するスクリーンキャストが適しています。
ダンスを教えたいのであれば、スローモーションやストップモーションを駆使しましょう。

 

ストーリー要素を盛り込む

答えだけを提示するのではなく、スタートからゴールまで順を追って解説するなど、ユーザーが理解に至るまでのストーリーを意識します。
上からものをいうのではなく、ユーザーと併走することが共感を呼び、深い学びへとつながるのです。

 

1動画につき1テーマに絞る

1本の動画にいくつものテーマが入っていると、「知りたいことだけをピンポイントに学びたい」というユーザーのニーズを逃してしまいます。
そのため動画1本に盛り込むテーマは1つに絞り、テーマごとに別の動画を制作しましょう。
動画を複数本つくる際は動画編集ツールがおすすめです。

 

まとめ

教材動画の目的はユーザーの学びを助けることあり、優先すべきは正確性と分かりやすさです。
そのため、プロモーション映像のような凝った演出は必要ありません。高度な撮影機材や編集技術も不要で、制作難易度としては低めだといえるでしょう。

イメージを万人に正しく伝えられる動画教材のニーズは、今後ますます高まっていくと思われます。


 

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