5G通信の実用化をはじめ、動画配信プラットフォームの普及と多様化により、動画コンテンツは多くの方にとって身近なものになりました。動画視聴数の増加に伴い、企業はコンテンツマーケティングの一施策として動画を活用する動きを見せています。
一方で「動画制作を自社でしたいが、何を準備したら良いのかわからない」「編集スキルがなく、どのように編集したら良いのかわからない」とお悩みの担当者の方も多いのではないでしょうか?
そこで、この記事では企業の動画制作を任命された担当者に向けて基本的な動画制作のステップと目的別の動画制作ポイントについて解説します。
目次
基本的な動画制作のステップ
動画制作は以下6つのステップで行います。
・目的の決定
・予算の決定
・絵コンテの作成
・動画の撮影、素材集め
・動画の編集
・動画の書き出し
ひとつずつ見ていきましょう。
1)目的の決定
動画制作の第一歩は「目的を決定すること」です。最初により具体的な目的を決定することで、スムーズかつ内容にブレがない動画となります。制作する動画を通して「誰に」「何を」「どのように」伝えたいのかという3点を明確にするよう意識しましょう。
2)予算の決定
目的を定め、大枠の内容が把握できたら「予算の決定」を行います。予算によって「動画を外部に委託するのか内製するのか」などが決まっていきます。ちなみに外部に委託する場合、一般的な1本あたりの制作費用は20〜100万円程度が相場です。
今後も継続して複数本動画を制作する場合は、自社で制作する環境を一度整えると担当者の動画編集スキルが上がり、コストをおさえられるため、内製の選択肢も検討してみましょう。
インタビュー動画を制作するときに相場やコストを抑えるポイントはこちらも参照ください。
3)絵コンテの作成
絵コンテとは、動画の「設計図」にあたるコマ割りをした台本のことです。動画の展開を視覚的に確認する目的で作成します。知らないとついつい怠ってしまいがちなステップですが「動画のクオリティは絵コンテで7割が決まる」と言われるほど重要です。先ほど決定した目的を念頭に置き「起承転結」、もしくは「序破急」といったメリハリのある流れを意識するとスムーズな構成になります。
4)動画の撮影、素材集め
絵コンテに沿って動画を撮影し、必要な素材を集めます。インターネットで写真や動画などの素材を集める場合、著作権や使用権を侵害していないかどうかに注意してください。たとえフリー素材と書かれていても商用利用は不可というケースや、クレジットの明記を求めているケースなどがあります。素材を入手したサイトの注意書きをよく読み、把握しておきましょう。
5)動画の編集
絵コンテに沿って、撮影した動画や素材を編集します。動画編集のソフトやツールには様々なものがあり、どれを使うかによって編集方法は異なります。
編集する際のポイントについて詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
6)動画の書き出し
最終チェックが済んだら、動画を書き出しましょう。使用したいデバイスやメディアによって、ファイル形式に指定があるので注意が必要です。
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動画制作に必要なもの
自社で内製する場合、いくつか必要なものがあります。ここではその中でも使う頻度の高い3点について解説します。
1)撮影機材
まず撮影に使用する機材が必要です。具体的には、「(1)カメラorスマホ」「(2)マイク」「(3)三脚」などが挙げられます。マイクはカメラにも搭載されていますが、被写体が遠くにあるような場合、安定して音を拾えるという大きなメリットがあります。そのため、撮影の状況に応じて準備が必要です。
三脚は手ブレを防ぎ、ロケーションをあらかじめ固定できるなどメリットが多いので動画撮影には必須でしょう。
2)パソコン・スマホ
撮影した動画を編集するためのパソコンもしくはスマホが必要です。以前はハイスペックなパソコンが動画制作には必須でしたが、現在はパソコンのスペックに依存しないようなオンライン上のサービスも存在します。また、スマホでも簡単な動画編集が可能です。
3)動画編集ソフト
無料のものから3万円以上するような高額なものまで、様々な動画編集ソフトがあります。ソフトによってできることも様々です。
今まで動画編集ソフトを使用した経験がない方であれば、どのソフトを使用するにしても、最初は使いこなすまでに時間がかかってしまいます。できるだけ余裕のあるスケジュール設定をおすすめします。
導入した日からすぐに編集を始めたい場合やスケジュールに余裕がない方はVideo BRAIN(ビデオブレイン)の導入を検討してみてはいかがでしょうか。動画編集の技術がまったくない方でも操作しやすく、高品質な動画を作ることが可能です。豊富なテンプレートと動画制作のサポートもあるため、素材さえ準備すればスピーディかつ楽に動画編集ができます。
初心者向け!動画撮影のポイント
「動画を撮影する際に何を意識したら良いのか」という点も初心者の方が迷ってしまうポイントです。そこでここでは動画撮影のポイントについて3つ解説します。
1)カメラを固定する
できる限り、カメラは三脚で固定しましょう。カメラを手で持って撮影すると、思った以上にブレの激しい動画になってしまいます。ブレを避けてクオリティの高い動画を撮影するために三脚は欠かせません。
また、ベストな画角をあらかじめ決めた上で固定できるので、安定して欲しい絵が撮影できるのもメリットです。
2)1カットは10秒以内におさめる
1カットは10秒以内におさめるように意識しましょう。視聴者は長いカットが続くと集中力が切れ、飽きてしまいます。ちなみに1カットは編集で10秒以内におさめるものの、動画素材としては数秒間余白を残して撮影すると、編集時に調整が効きやすくなります。
3)ズームはあまり使わない
ズームを多用するのは避けましょう。ズームは遠くに見えるものを撮りたいときに便利な機能ですが、映像がブレやすくなってしまいます。視聴者が酔ってしまうような焦点の定まらない動画になってしまいかねません。アップの動画がほしいときは、なるべく自分が近づくように意識し、ズームの使用を避けましょう。
4)カメラワーク
また、撮影時の構図もしっかりと確認しましょう。「映すべきもの」と「映してはいけないもの」を意識しながら、撮影場所を確保することが大切です。また、屋外での撮影の場合、季節や天候を動画に効果的に活かせる場合もあります。
最後に意識してほしいポイントは、カメラワークです。「手元をアップにする」「右から左に流すように撮影する」など、撮影の流れも企画時に決めておくことでスムーズに撮影を進められるでしょう。必要以上にカメラを動かすと目的のものを撮影しづらくなるため、動きのつけ方には工夫が必要です。
編集時にカットすればよいと考えるのではなく、「撮影だけで大まかな部分を作ってしまう」という意識が大切です。
初心者でもカンタン!動画編集の手順
動画編集と聞くと、難解なイメージを抱いてしまいますが、実は手順を一つずつ踏むだけで誰でも簡単に動画が作れます。ここでは初心者の方向けに、大まかな動画編集の手順について解説します。
1)カット・トリミングをする
撮影した動画素材を編集ソフトに取り込んだら、まずは「カット」や「トリミング」をしていきます。「カット」とは、一つのクリップを分割したりつなぎ合わせたりする編集のことです。カットして不要な部分を落としたり、動画ファイルを2つに分割したり割り込んだりできます。
一方「トリミング」は、クリップの最初と最後を切り取る操作のことです。カットとトリミングで動画素材の順番や長さを調整しつつ、あらかじめ用意した素材を組み合わせることで動画の大まかな流れが完成します。
2)テロップを入れる
必要に応じてセリフや説明などのテロップを入れていきます。「テロップ」とは動画内に表示されるテキストのことです。「強調したい箇所はテロップの大きさや色、枠を調整して派手にする」「現在進行中のテーマをテロップで表示する」など、少しの工夫で視聴者の集中力を長く保ち、内容の理解を促せます。
3)エフェクト(BGM・効果音)を入れる
BGMや効果音を入れていきます。効果音は、動作や場面転換時などに使用することでポップ感やテンポ間の演出が可能です。エフェクトがない自然音だけの動画と、エフェクトをしっかり使った動画では印象に大きな差が出ます。
4)データを書き出す
ここまで問題なければ、動画を書き出すと完成します。先述の通り、書き出す際はファイル形式に注意が必要です。また、完成物を動画ファイルとしてパソコン内で使用する場合は、書き出した後に再生ができるかしっかり確認しておきましょう。
動画編集の方法とおすすめアプリについてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
目的別!動画制作時のポイント
動画制作の目的によってポイントはそれぞれ異なります。ここでは特に企業で使用される頻度が高い3つの目的別に動画制作時のポイントを解説していきます。
1)営業(商談の効率化)
営業ツールとして用いるための動画制作ポイントは「課題解決」を意識することです。
商品の魅力やメリットを伝えようとするあまり、そのスペックや機能に動画内容が偏ってしまうケースがあります。しかし、顧客が最も知りたいのは「それを使ってどんな課題が解決できるのか」という一点です。視聴者となる営業先の課題まで綿密に想定して動画制作することで、より有効な動画が制作できます。
関連記事:能率アップに効果的!営業シーンを支える動画活用のメリットや事例を紹介
2)認知・リード獲得(マーケティング)
マーケティング用の動画制作ポイントは「視聴者の行動ゴール設定」です。動画を見た後、視聴者にどのような行動を促したいのか、ゴールは何なのかを強く意識することが重要です。
また、動画コンテンツはSNSで拡散されやすいというメリットがあります。面白い、勉強になる、役に立つ……といったように見た人の心を動かす動画は拡散されて一気に認知度を上げられます。自社のノウハウや専門知識を使ってチャレンジしてみても良いでしょう。
関連記事:動画マーケティングの手法を徹底解説!事例や成功のコツもあわせて紹介
3)人事・採用(人材の獲得)
採用活動に使用する動画制作のポイントは「ターゲットの絞り込み」です。採用においては自社にマッチした“求める人材”をいかに集められるかが重要です。いくら求職者を多く集められても、その中に採用したい人材がいなくては意味がありません。求める採用ターゲットをしっかりと絞り込んだ上で、その対象者に刺さるアプローチとは何かを明確にすべく、社内でブレストするなどの準備も必要です。
ターゲットに応じて訴求する内容が決まったら、動画の企画もおのずと方針が固まります。新卒採用の場合、事業の目的やビジョンを社長からメッセージングする動画、新卒で活躍する社員のインタビュー動画などが適当です。
▼企業動画の制作・活用アイデアはこちら▼
まとめ
この記事では企業動画の作り方と目的別のポイントについて解説しました。動画制作は難しいイメージがどうしてもありますが、ひとつずつ手順を理解してポイントをおさえていくことで誰でも簡単に取り組めます。
今後ますます動画を利用して情報収集する求職者や購入者は増加していくと考えられます。大きなリターンが期待できる投資として、動画制作を自社で内製化できる体制を整えてみてはいかがでしょう。
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