動画制作をする際、撮影から始めると完成までに時間がかかってしまいます。自社で広告動画などを作る場合には大量にバリエーションのある動画の制作が求められ、ゼロから作るのは非効率です。
現在は映像制作に役立つサービスが多く存在します。特に、映像や画像、音声などのフリー素材を使用すれば、制作の手間を簡略化しつつ、魅力的な動画を作ることが可能です。
本記事では、フリー素材を扱うときの注意点、おすすめのフリー素材サイト等について紹介していきます。フリー素材を使って、自社の動画を効率的に作りましょう。
目次
動画編集でのフリー素材サイト利用の注意点
フリー素材サイトを利用する上で、いくつかの注意点があります。素材の制作者やサイトの利用規約によっては、使用できないこともあるので、ダウンロード前に確認しましょう。素材の不正利用が発覚した場合には、自社のイメージダウンや罰則に繋がる恐れがあります。
また、サイトによっては1日のダウンロード回数に上限が設定されていたり、ダウンロード可能な画質や利用方法が制限されていたりするので気をつけましょう。
1)商用利用が可能か
商用利用が可能かどうかを確認しましょう。つまり、素材を使用して利益を得ることが問題ないかどうかです。基本的にフリー素材サイトは、無断での使用が許可されていますが、商用利用に関しては、規約が存在する場合があります。サイトや素材ごとに、利用規約が明記されているため、使用前に読んでおくようにしましょう。
広告収益であってもクライアントワークであっても、お金のやり取りが発生する場合には商用利用にあたります。素材を利用した動画を販売する行為もサイトや素材によっては禁止されています。また、個人利用は許可されていても、法人での利用は禁止されているサイトも存在するので気をつけましょう。
2)素材の動画編集が可能か
素材の切り抜きや加工ができるかどうかを確認しましょう。素材によっては切り抜きや色調補正などの加工が禁止されているものがあります。フリー素材とはいえ、他人の著作物です。知らずに加工をしてしまうと、著作権侵害にあたる可能性があります。
商用利用と同様に、サイトや素材ごとの利用規約を確認してから使用してください。
3)クレジット表記が不要か
クレジット表記、つまり素材の提供元の表記が必要かどうかを確認しましょう。提供元とは、素材を提供している制作者や団体のことです。クレジット表記が必要であるにもかかわらず掲載していない場合、罰金などの問題に発展するケースがあります。
一般的には、素材の表示中に掲載したり、動画の最後でまとめてクレジット表記したりします。YouTube動画であれば概要欄に記載するのもよいでしょう。
4)画質のバラつきはないか
画質のバラつきがないかを確認しましょう。同じサイトが提供していても、素材ごとにばらつきがあるため、プレビューやサンプルなどを事前に確認してください。画質サイズは一般的にピクセルやpxと表記されています。画質が大きい分には編集でサイズを合わせることができますが、サイズが小さいものだと、拡大したときに画質がさらに荒くなってしまいます。
無料のサイトの場合、ダウンロードできる画質が制限されていることがあります。予算に余裕がある場合は有料のサイトを利用してもよいでしょう。
動画編集で利用できるフリー素材サイト16選
動画編集の際に利用できるフリー素材サイトはさまざまです。よく利用されているフリー素材サイトを16個紹介していきます。
1)Pixabay
引用元:Pixabay
Pixabayは海外のフリー動画や画像、音声を配布しているサイトです。自然をモチーフにした素材が多く、4KやフルHDなど高画質な動画も数多く掲載されています。
素材はすべて商用利用や加工が可能で、クレジット表記も不要なので、安心して利用できるサイトです。豊富な画像サイズが用意されているため、多くの画質に対応できます。
海外らしいおしゃれな素材が多いので、国外に向けた動画やスタイリッシュな動画を作りたい場合に向いています。
2)Mixkit
引用元:Mixkit
Mixkitは高画質な動画素材や音声素材を配布しているサイトです。文字を入れやすい画角の動画素材が多いため、テロップを多用する方におすすめです。
商用利用が可能で、クレジット表記も特に必要ありません。画質もフルHDで統一されているので、ダウンロードするにあたり画質のバラつきを心配せずに利用することができます。
また、Adobe Premiere ProやAdobe After Effects、Final Cut Proなどの編集ソフトで使用できるテンプレートもダウンロードできるため、演出表現の幅が広がります。
3)Pexels Videos
引用元:Pixels Videos
Pixels Videosは主に動画と画像を配布しているサイトです。細かいジャンルにカテゴライズされており、使いたい動画や写真が探しやすくなっています。縦型の素材もあるため、スマートフォン用の縦型動画に使用する素材が欲しい方におすすめです。
商用利用可能であり、クレジット表記も一切必要ありません。動画や写真に加工を加えることも許可されているので自由度が高くなっています。
4)ニコニ・コモンズ
引用元:Pixabay
ニコニ・コモンズは株式会社ドワンゴが提供している動画やイラスト、BGMなどを配布しているサイトです。同社サービスである「ニコニコ動画」のクリエイターが素材を投稿し、ユーザーがダウンロードできるようになっています。アニメーションやサブカルチャー系の動画を作る際に向いています。
素材によって商用利用が不可能であったり、ニコニ・コモンズに対応しているサイト以外で使用不可のものがあるので注意が必要です。また、クリエイターによってはクレジット表記を必須としている場合もあります。
5)PIXTA
引用元:PIXTA
PIXTAはピクスタ株式会社が提供している動画や写真、音声、イラストの配布・販売を行っているオンラインマーケットプレイスです。日本人や日本の風景などの素材を取り扱っているため、国内に向けた動画を制作する際に重宝します。
素材の無料配布は毎週火曜日に期間限定で行われ、点数も限られています。そのため、頻繁に素材を使用したい場合は定額プランに加入するか、直接購入する必要があります。
商用利用や改変は可能ですが、クレジット表記は必須事項となっています。また、会員登録をしないとダウンロードできない点にも注意しましょう。
6)NHKクリエイティブ・ライブラリー
引用元:NHKクリエイティブ・ライブラリー
NHKクリエイティブ・ライブラリーは日本放送協会が番組で使用した映像や音声の素材を配布しているサイトです。生物や風景、CGなどのNHKが権利を持つ素材を取り扱っています。番組で使用された素材であるため、使い所としては限定的になりますが、特徴的な素材が欲しい場合に利用するとよいでしょう。
素材を加工することは可能ですが、商用利用が許可されておらず、利用にはクレジット表記が必須となっています。
7)Adobe Stock
引用元:Adobe Stock
Adobe StockはAdobe社が提供する2億点を超えるさまざまな素材を無料配布・販売しているサイトです。豊富な素材数に高度な検索機能を備えているため、欲しい素材が揃いやすくなっています。同社が提供するソフトとの連携に優れているため、Adobeのソフトを頻繁に利用する方におすすめのサイトです。しかし、素材数hは多いですが、日本国内に向けた素材が少ないことがデメリットです。国内に向けたコンテンツや日本イメージの素材を使いたい方には不向きです。
商用利用や加工が可能となっており、クレジット表記についても必要ありません。
1か月間のみ10個の素材がダウンロード可能なトライアル期間が存在します。無料トライアルを試してみて、有料プランを検討するのもよいでしょう。
継続的に複数の素材を購入したい場合は、月額料金でダウンロードできるプランへの加入がおすすめです。ユーザー数登録無制限でグループ全体にサブスクリプションを共有できる法人向けのプランもあるので、頻繁にフリー素材を利用する会社におすすめです。
8)動画素材.com
引用元:動画素材.com
動画素材.comは、VJやCG・映像を制作している日本のクリエイターによって運営されている無料ストック素材配信サイトです。実写の映像素材だけでなく、VRやエフェクト系の背景素材などバラエティに富んでいます。実写映像以外の抽象的な映像を作りたい方におすすめです。
商用利用や加工も可能となっています。クレジット表記については、必須ではありませんが、掲載する際にリンクを載せることが推奨されています。画質サイズやファイル形式も多く用意されているので使い勝手がよいです。
9)ハイビジョン映像素材集
引用元:ハイビジョン映像素材集
ハイビジョン映像素材集は個人の方によって運営されているフルHDや4K、8Kなどの高品質な映像素材、モーショングラフィックスを無料配布しているサイトです。日本の自然風景やアニメーション背景などのクオリティの高い動画素材が多く掲載されています。
商用利用や加工が可能であり、クレジット表記についても特に必要ありません。形式やフレーム数が定められているため、制作したい動画によっては利用しづらい場面もあります。
10)Distill
引用元:Distill
DistillはCreate the Bridge社が提供するHDの素材を無料配布しているサイトです。人物や自然、建造物の映像が多く掲載されています。メールアドレスの登録で10日おきに10個の動画素材が送付されるので、特に使いたい素材が決まっていないものの、ストックが欲しいという方におすすめです。
掲載数が少ないものの、すべて著作権による制限がありません。
11)coverr
引用元:coverr
coverrは短編の動画素材を無料配布・販売しているサイトです。無料でダウンロードできる素材はフルHDでMP4の動画で画質や形式が限定されているものの無料とは思えないクオリティの素材が多いです。毎週月曜に新しい動画が7個追加されています。
こちらも掲載数が少ないですが、すべて著作権による制限がありません。
12)Videezy
引用元:Videezy
Videezyは、HD〜4Kの高画質動画を無料配布・販売しているサイトです。動画の他にベクターイラスト、写真、Adobe After Effectsのテンプレートも掲載しています。映像のプロによる素材が多く、さまざまなシーンに使用できる映像や背景素材があります。
商用利用が許可されており、クレジット表記は一部の素材で必要です。
13)videvo
202111_21_13
引用元:videvo
videvoはHD〜4Kの動画を始め、さまざまな種類のフリー素材を無料配布・販売しているサイトです。実写映像やモーショングラフィックス、テンプレート、BGM、効果音など、素材のジャンルは多岐に渡ります。タイムラプスを利用したゆったりとした映像や早送りしたスタイリッシュな映像など、使えるシーンも幅広くあります。
商用利用が可能かどうかや、クレジット表記が必要かどうかは素材によって異なるので注意してください。
14)Mazwai
引用元:Mazwai
Mazwaiはプロによって撮影された素材を無料配布・販売しているサイトです。HD〜4Kの画質の風景動画が多く、22のタグからシーンに合わせた素材を見つけることができます。ドローンで撮影したりと、シネマティックな映像が多いので、印象的な映像を作りたいときの利用におすすめです。
商用利用については、クレジット表記をすることで利用できるものと、表記せずに利用できるものがあります。
15)Life of Vids
引用元:Life of Vids
Life of Vidsは海外の有志のクリエイターによって提供されている動画素材の無料配布サイトです。掲載数は多くないものの、さまざまなシーンで使用できる映像があります。形式はMP4で画質は素材によって異なります。
また、著作権が放棄されているので、商用利用も問題なく、クレジット表記の必要もありません。
16)Dareful
引用元:Dareful
Darefulは高いクオリティの風景動画が無料配布・販売されているサイトです。すべてMP4の形式、4Kの高画質素材で揃えられており、品質の高さを求めている場合に利用するとよいでしょう。
商用利用は可能ですが、クレジット表記は必須となっています。
【お役立ち資料】動画編集ツール・サービスを導入する前に
必ず押さえておきたい6つのポイント
このeBookでわかること
・動画編集ツールのよくある基本機能
・動画配信用途に合わせた編集機能の違い
・編集や書き出し時の著作権上の注意
H2:フリー素材を活用し動画のバリエーションを増やそう
動画制作の際、フリー素材を活用することで撮影などの時間がかかる作業の工数を削減し、動画のバリエーションを増やすことができます。また、撮影にかかる機材や外注費などの予算を削減することにも繋がります。
広告動画など、高品質の動画を大量に作りたい場合はフリー素材を積極的に活用しましょう。
フリー素材サイトは、それぞれ配布している素材の種類やテイスト、イメージが異なっているため、制作したい動画に合った素材サイトを見つけることが大切です。素材の加工が許可されている場合は自身でエフェクトを挿入してオリジナリティのあるものに改変することで、他者との差別化にもなります。また、形式や画質についてもクオリティにかかわってくるため、注意しながら利用しましょう。
事前に制作する動画のイメージを把握しておき、主に利用するサイトを共有しておくと、制作に取りかかる際に作業がスムーズに進められます。
BGMの著作権で気をつけておきたいポイントの関連記事もこちらを参照ください。
まとめ
企業の広告動画のように、多くの動画を制作する必要がある場合は、フリー素材の活用が有効です。フリー素材サイトは無料で利用できるものが多く、種類もジャンルもさまざまです。有料プランがあるサイトでも、トライアル期間が設けられている場合もあるので、有料版の利用を検討してみるのもよいでしょう。
商用利用やクレジット記載などの利用規約を確認した上で、自社が作りたい動画の雰囲気にあったサイトを選び、動画制作の効率化やクオリティアップに役立ててください。
関連記事
この記事をシェアする