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営業のクロージングとは?基本的な流れと受注率を上げるポイント

ビジネスにおけるクロージングとは、営業活動を締めくくる最後のプロセスです。具体的には、顧客と商談(プレゼン)して、双方に納得した上で購入や契約を決断してもらうための売上に直結する重要な取り組みの一つになります。

各事業を展開している業界内でも様々な類似サービスや競合も多くなり、顧客の商談中の購買決定に関わる比較検討が複雑になっており、簡単に購買の意思決定を促すのが難しくなっています。

本記事では、営業活動における顧客目線でのクロージングのポイントを詳しく解説します。

クロージングとは

問い合わせから成約する見込みのある顧客との商談中に自社の商品・サービスを最終的に購入(成約)してもらうために必要なプロセスになります。

クロージングまでの流れの例)

1)問い合わせ(見込み顧客の獲得)
2)アポイント獲得(見込み顧客の見極め)
3)商談
4)見積もりや契約条件の交渉
5)クロージング(購買の決定を促す)
6)成約(購入又は契約)

上記のように、主に成約(購入又は成約)前の最終段階における購買の意思決定の確認や促すことを指します。商談時のやりとりや見積もり及び契約条件のすり合わせも最重要ですが、クロージングも営業活動においては重要なプロセスになります。

クロージングの重要性

営業活動において、クロージングは受注率を決める重要なポイントの一つです。

顧客がコストや競合他社と比較して購買決定に悩んでいるときにその意思決定に関わる課題を解決したり、顧客担当者が納得できるような解決策の提示と後押しのクロージング力が高まれば、成約率や組織の生産性の向上につながりやすくなります。

以下は参考例として、各営業担当者別のクロージングの成約率をまとめた参考例です。

営業担当Aと営業担当Cは商談数は多いものの、成約率が低いのがわかります。

また営業担当Dは商談数は平均だとしても成約率が高いのがわかります。

成約に関しては様々な要因があるものの、顧客の購買決定段階でのクロージングのノウハウが高まれば、営業組織全体の生産性も上がり、結果として成約しやすい仕組みが作れる手段といえます。

また、各営業担当者のスキルに依存しやすい傾向になるため、特に失注数が多く成約率の低い営業担当のフォローを手厚くすることやスキルにあった顧客を任せるなどの判断も重要な取り組みになります。

BtoBとBtoCにおけるクロージングの違いとは?

主に「法人取引のBtoB」と「一般消費者と購買の取引をするBtoC」でのクロージングには大きな違いがあります。

BtoBの取引の場合、一般的に多くの購買プロセスの過程を経て、最終の成約に至るケースが殆どです。(契約単価が低い商材は一部例外)

BtoCの取引の場合、個人の一般消費者が購買決定をするため、複雑な購買プロセスがなく短期的に商品を購入する意思決定をするケースが殆どです。

これらの購買決定のプロセスの違いを整理すると以下になります。

<h3>BtoBにおけるクロージング</h3>

BtoB取引における購買行動のプロセス例は以下のようになります。

BtoBでは商談相手以外の決裁者(上長、役員、コストによっては代表など)が誰なのかを見極めたうえで、商談相手だけではなく、その決済者と思われる担当者の興味関心を高めるようなアプローチをする必要があります。一般的に決裁者は管理層が多いため、顧客の課題点に直結する解決策や該当部門の利益につながる点を訴求すれば成約しやすい傾向が見受けられます。

そのためには商談相手が決裁者に話を上げやすいように、顧客担当者が社内提案用に競合とのコストや差別ポイントなどの比較検討に必要な資料を提供してあげることも一つの方法でしょう。また決裁者が疑問に思いそうなことへの回答を事前に用意することで、上申しやすくするなどの工夫をするとより受注率の向上につながる可能性が高まります。

BtoCにおけるクロージング

BtoBとは大きく異なるBtoC取引における購買行動のプロセス例は以下のようになります。

上記のようにBtoCは代理店や流通先を通した法人取引においても、最終的な購買決定は個人の意思決定による短期的な判断が主になる傾向が多く、また個人の嗜好や欲求の解決などの情緒的や感覚的だけでなく、小額でもコストも重要な意思決定の要素になります。取り扱う商品・サービスによって様々なクロージングが必要になるとしても、購入者の意思決定の不安になっている要因を無くす、購入しやすいな価格設定になるように流通させて購買行動を促す、他商品よりも高くても品質や付加価値をつけた価格で販売する、といった対策も一つの手段だと言えます。

クロージングの基本的な流れ

クロージングで成約するためには、流れに沿って顧客の心理を変化させ、双方に納得をして最終的な成約につなげることが大切です。

ヒアリング

ヒアリングの目的は、顧客が抱えている課題や潜在的に抱えている課題・ニーズを明確にすることです。課題が明確になることで、解決に向けて的確に提案できるようになるため、営業担当者が一方的に話さないようにするのが良いでしょう。

相手の状況から問題を明確にし、問題解決の必要性を認識してもらったうえで、自社の商材で解決できることを理解してもらいます。また、多くの顧客は通常業務で忙しいため、課題を整理する時間が無い内容をわかりやすく整理したり、自社のサービスのメリットを交えながら資料で見せられるようにするのも一つの購買決定の後押しになるポイントと言えるでしょう。

ヒアリング時に顧客が抱いた懸念点は、その場で解消することで商品・サービスに関する興味や購買検討への意欲が無くならないようにするといいでしょう。但し、各営業担当などの個人のヒアリングや対応スキルに依存しやすいため、契約内容や売上に関わる内容は持ち帰ってすぐにでも回答できるようにするなどの意欲を継続させるための工夫をすると良いでしょう。

テストクロージング

テストクロージングとは、特に自社の商品・サービスに対する認知や理解の高さやどのような購買検討の状況かによって、実際に「顧客が契約する意思がどれくらいあるか」を商談の中で事前に確かめるための手段の一つです。

商談時の会話例)

「商品・サービスにご興味や気になる点はありますでしょうか?」
「費用感としてはいかがでしょうか?」
「検討するにあたって気になる点などはありますか?」

上記のように、なるべく回答しやすいように短く質問します。相手の反応から興味の度合いを見ながら、反応が良ければ具体的にクロージングへ、まだ悩んでいるようなら課題や懸念点を確認しながら、顧客が納得できるような懸念している点を無くすことや次回の追加提案に持ち帰るなども検討しながら進めていきます。

商談内容の状況に応じて、複数の合意ポイントを設けることで、顧客の意思を確認しながらスムーズにクロージングへつなげられるように工夫しましょう。

クロージング

テストクロージングで顧客が購入や契約の意思があると判断できれば、いよいよクロージングに入ります。クロージングでは、顧客にすぐに契約決定の判断を求めるのではなく、「いつ頃から契約の手続き進めるのが良さそうですか?」などの顧客内での契約の対応にかかる期間も探りながら聞くようにしましょう。

コスト面で迷っている場合、「プランA」「プランB」を再度提示をして、「どちらの方が良いでしょうか?」と顧客の選択肢を増やした提示をして選んでもらう方法も有効です。

テストクロージングで予め顧客の意思が確認できていれば、クロージングは顧客の背中をそっと押すだけで、気になる点があれば後押ししたり、払拭するための解決策を提示するだけで成約につながりやすいでしょう。

また、BtoBでは商談した顧客担当が、上長や決裁者の承認を得なければならないケースが多いため、購買検討の温度感が高ければその場で、具体的な決済や成約に必要な流れを確認するようにしましょう。

契約締結

クロージングで契約の意思が確認できたら、これまで伝えた取引条件に双方で相違がないか確認しましょう。契約金額や納期、納品数、支払方法などを細かく確認し、問題が無ければ正式な契約書を取り交わします。

この時に注意すべき点は、事務的になりすぎないことです。それまでフレンドリーに話していた営業担当者が契約の際、突然事務的になると、顧客は違和感を抱き不安に感じてしまいます。

契約後も継続する取引の商品・サービスを提供している場合、サポート担当者が変わる場合、丁寧な引き継ぎができるように工夫すると良いでしょう。

商談時のクロージングで受注率を高めるポイント

クロージングは、各営業担当者のスキルやテクニックによる購買判断を促すものではなく、顧客の購買意欲や心理に合わせて、適切なコミュニケーションや潜在的な課題も含めて顧客が求めていることを理解し、適切に対応するのが重要だと考えられます。

法人取引(代理店や流通業者を経由した場合も含む)だけでなく、一般消費者との取引も最後の購買決定に関わるタイミングだけを意識して対応すれば良いというものではありません。

自社商品・サービス/契約事例/競合情報を把握する

事業会社に限らず、自社の強みになるアピールポイントや競合他社や類似サービスと比較した時の優位性をしっかりと各営業担当者や社内関係者が把握しておくことが重要です。

自社商品・サービスの訴求例)

「弊社のサービスであれば、他社よりも○○についてのメリットがあります」
「他社よりも○○%コストが削れます」
「○○という独自のサービスがあり、御社だと○○の用途でメリットがあり、他社では利用できません」
「御社と同様の○○社が契約して頂いており、○○という実績を具体的に上げています」

「弊社は他社サービスと同じサービスで低価格で利用できます」といった安売りして、サービス価値を下げるクロージングはおすすめしません。市場に対してのブランド力や営業力の課題が解決できない場合、最終手段として行うかどうか、というタイミングで検討するのが良いのではないでしょうか。

顧客の相場感や比較対象を把握する

多くの顧客は、BtoBやBtoBに限らず購入しようと思っている「予算感」「相場感」があるケースがほとんであ、あらかじめ把握しておくと商談中に交渉や相談があったときのクロージングの判断材料になりやすくなります。

例1)同様のサービスにおける比較例

・導入後に見込まれる効果(コスト削減、業務効率化、売上アップなど)
・他社や類似サービスと比較したときのメリット
・現在利用しているサービスと比較した時の改善メリット
・サービス内容や機能面
・購入後のサポートや機能アップデートなどの充実度

例2)コスト面での交渉になりやすい例

・導入時にかかるコスト
・顧客担当者の権限内又は上長の権限内で決済できるコスト
・導入時のコストと導入後に見込まれる利益

顧客がいくつかのプランを選択できるようにする

えば、元々提示したプランが一つしかなかったとして、営業担当者で判断できる権限内のプラン変更の提示や上長に確認すれば何とか検討できる範囲の交渉になりそうな場合、顧客に新たなプランの可能性を提示するのも成約につながる一つの例です。

複数のプランを提示する例)

「これまで○○というプランを提示していましたが、特別に○○という価格を抑えたプランもあります」
「ご提示した○○プランでは、御社の用途に合わないので、○○というプランはどうでしょうか」
「初回○○期間は無償でご利用頂き、○○月の支払いは発生しません」
「初期の契約(導入など)に必要な費用は不要です)

顧客に率直に購買意欲やコスト感を聞く

商談中にある程度の温度感が高まってきた段階に限って、契約してもらうための条件の限度を率直に聞くのも一つの手段です。

クロージングの会話例)

「ご提示したコスト感でご契約の検討いただけそうでしょうか」
「御社で取引しやすいコスト感はありますでしょうか」
「契約する上での必要な申請での課題はありますか」

これは、実際に大手企業など決済できる金額の上限が決まっているケースが多いため、自社が販売したい価格と顧客が契約したいコストとのすり合わせに重要なやりとりになります。

商品・サービスを契約しない理由を無くす

談中に顧客担当者及び上長が成約にしない理由としては以下の要因が考えられます。

成約に至りづらい例)

・同じような商品・サービスでもっとコストが低いものはないか
・上記同様にもっと良い商品・サービスはないか
・導入後の運用イメージができていない
・社内決済上の限度額に合わない
・どの営業担当が提示している契約内容が信用できそうか

上記のような検討段階を払拭できてない状態で、クロージングをかけても成約には至りづらい、又は他社に契約を取られやすいことがわかります。

これらは一例ですが、顧客の課題・悩みや不安を解決できるように丁寧な提案を行い、契約すべき理由を提示した上で顧客が納得をして成約にいたる状態でクロージングするのが良いでしょう。

付加価値を示す

冒頭で説明した通り、類似サービスや競合も多くなり、顧客の商談中の購買決定に関わる比較検討だけで契約を取るのが難しくなっています。その中でも顧客が付加価値や情緒的に契約に至る例として以下が考えられます。

付加価値で成約に至る例)

・購買決定における対応を営業担当が丁寧に対応やサポートしてくれた
・契約後の運用やサポートに信頼ができる
・契約企業の導入事例の多さや自社の用途にあった実績が多い
・他社よりも良い商品・サービス内容や契約条件を提示した

上記はあくまでも例になりますが、商談中の顧客の購買意欲の変化を常に把握しながら、適切なタイミングで納得頂けるクロージングをするの良いでしょう。

まとめ

営業活動において、クロージングは受注や成約に直結する重要なプロセスです。

クロージング力は、顧客からの問い合わせから受注に至るまでの重要な商談時のクロージングのポイントを理解しているか、していないかで大きな差がつきます。商談の流れの中で成約につながりやすいパターンをノウハウにすることで、営業組織全体の営業力アップにも繋がりますが、顧客担当者も人である以上は営業個人への信頼性も重要な要素になるので、各営業担当者のクロージング力アップも重要な取り組みになります。

クロージングに課題のある方は、まず自社の現状を把握した上で取り組めることから着手していくと良いでしょう。


 

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