営業活動の効率化をするのは企業の業績に直結する取り組みです。
「外回りをして、内勤も頑張っているけど、なかなか売上がアップしない」
「営業本来の仕事をする時間が確保できない」
と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。本記事では、営業の効率化が求められる理由や具体的な効率化の方法を段階的に解説します。
目次
営業の業務効率化はなぜ必要?
営業の効率化とは、営業活動を効率的に進めるためにムダな業務を省き、改善することです。では、なぜ営業には業務効率化が必要なのでしょうか。
営業の業務は外回りだけでない
外回りのイメージが強い営業の仕事。しかし、営業担当者が抱える業務は、商談などの外回りの仕事だけではありません。オフィスでの見積書、契約書などの書類作成や、プレゼンテーションの資料作りなど、事務作業も多くあります。
事務作業も重要な業務ではありますが、営業の本来の仕事は、売上を伸ばすこと。より顧客への提案に時間を割けるようにするなどの業務効率化を図ることで、外回り以外の業務のムダを省く必要があるでしょう。
売上アップが狙える
売上を伸ばすためには、顧客との商談が欠かせません。商談時間を確保するためには、営業効率化が必要なのです。
業務時間の中で、いかに顧客との商談を増やし、それ以外の業務の時間を減らせるかが売上アップのカギになります。
営業担当者の負担を軽減できる
営業の業務効率化は、営業担当者の負担軽減にもつながります。営業担当の仕事は、外回りから事務作業と多岐にわたります。多忙な毎日の中で疲労がたまると、商談の質が落ちたり、新たなアイディアが浮かばなくなったりすることもあるかもしれません。業務の効率化で、営業担当者の負担が減れば、疲労やストレスも減り、営業の質の向上にもつながるはずです。
顧客対応の満足度を高める
業務のムダを省くことで、特に売上に繋がる可能性が高い顧客担当者との密なコミュニケーションがとれる商談の機会が増えると、顧客満足度向上や売上アップにもつながるでしょう。顧客のニーズを汲み取る余裕ができれば、顧客の課題の発見や新たなアイディアの創造、次回以降の提案の改善にもつながるはず。商談以外にも、顧客に対してより丁寧なフォローができることで他社と比較した対応の差別化や会社の信用度のアップに繋がり顧客対応の満足度が上がるきっかけになるでしょう。
多様化する働き方に対応する
コロナ禍で働き方の多様化が進む現在、営業業務の効率化は欠かせません。営業担当者がオンライン商談などの営業業務を在宅ワークで行うケースも増えているため、それに対応する働き方の改革や効率化するための営業プロセスを確立しておく必要があるでしょう。
業務フローを確立することによって、新卒や中途の入社する営業員への研修・OJTや業務の引継ぎもスムーズになり、早い段階での売上アップが見込める可能性が高くなります。
効率化できる可能性のあるシーン
営業効率化といっても何から始めればいいかわからないという人もいるでしょう。営業効率化には、取り組みやすいシーンがあります。
営業方法
営業活動の中で重要な商談。初めて商談をする相手の場合、事前準備に時間を費やしてしまうという営業担当者も多いでしょう。しかし、事前準備に時間がかかりすぎてしまうと、商談時間が短くなったり、アプローチ自体ができなくなったりすることもあります。そのような状況を避けるため、
「新規顧客の下調べは20分まで」
「予めサービスサイトに提案内容が分かるコンテンツやホワイトペーパーを用意しておく」
「商談相手のお客様の課題に合わせた解決するコンテンツのページを案内する」
など、ルールを設けておくと業務の効率化につながります。
商談の確度によってどのくらいその顧客対応に時間をかけるかは変わってくるとは思いますが、事前に相手の理解を促すコンテンツなどを電話や商談などの直接的なコミュニケーション方法以外で行うことで業務の効率化だけでなく、営業プロセスの効率化にもつながります。
書類作成
営業業務でも、時間を割いてしまう書類作成。見積書や契約書などの書類作成や、法務担当からの確認、社内決済までのフローに時間がかかるという人は多いのではないでしょうか。書類作成は大切な業務ではありますが、フォーマットを作る、クラウドツールを活用し自動作成する、他営業アシスタントなどに依頼するなど、業務を確立してしまえば、かなりの手間を省くことができます。
また、電子捺印などを導入すれば、書類を印刷する手間や捺印してもらう手間も省けるでしょう。移動時間や郵送コストの削減にもつながるはずです。月末月初などの請求書や納品の検収まで対応している場合、他間接部門や事務処理をメインで行っている部門に依頼することでより売上を作る顧客への提案業務に集中できます。
会議
販売戦略や全体の売上報告などの重要な会議以外で貴重な業務時間をムダにしているという企業も多いでしょう。定例会議など、ひとりひとりの結果や進捗状況を発表する会議を毎回実施するととくに時間を割いてしまいます。会議が長引くと、その分商談できる時間も短くなるので、予め各営業員の活動報告を行える仕組みを用意するなど避けたいところです。
また、内容次第では、わざわざ会議を開かなくてもビジネスチャットなどを利用して、テキストコミュニケーションで済むこともあります。会議を開催する場合は、「販売戦略についての会議」「各営業員の活動報告・共有」といった必要なテーマ・アジェンダを決めた会議に限定し、本当に全員を集める必要があるのか、人数を限定して行えないかなども考える必要があるでしょう。
営業の業務効率化のステップ
業務の効率化は、闇雲にやってもうまくいきません。まずは、現状を分析し、何が必要か優先順位を考え、仕組みを考える必要があります。
現状を把握する
営業効率化を行う場合、まずは現状の営業業務をフローとして振り返りましょう。営業担当者から、
「何に時間がかかっているのか」
「困っていることはないか」
「要望はないか」
などを聞いてみると、
「営業リストの作成に時間がかかる」
「オンライン商談のアポイントが取りづらい」
「商談時の提案書のコンテンツの訴求が弱く有効商談を取りづらい」
「新規リードの減少や有効な商談が減っている」
などのさまざまな課題が見えてくるはずです 。
課題解決をするためにまずは、現状を正確に把握しましょう。
「どのような業務に時間がかかるっているのか、原因は何か」
「売上アップの課題となっている要因が何か」
「どのような対策ができるか」
を現状の課題に合わせて考えることが大切です。
またこれまでの営業手法や顧客への提案や対応するプロセスで無駄だとわかっている社内のしきたりや、これまでの風習を課題としてあげる事によって、売上に繋がりづらいやらなくてもよい業務を改善することによって効率化することも大事です。
優先順位をつける
現状を把握したら、効率化のために改善する業務に優先順位をつけていきましょう。
自社だけでは、効率化できない業務もあります。そのため、改善すべき業務を把握したら、
「自社ですぐ対応できる業務」
「自社の計画を変更する必要がある業務」
「外部に依頼する必要がある業務」
「情報システム部門への相談やITツールの導入が必要な業務」
に分類しましょう。
すぐに対応できる業務は、なるべく早く改善することで、営業業務の効率化につながります。情報システム部門への業務効率化の相談やITツールを使って自動化できそうな業務がないかも確認しましょう。
効率化する仕組みを考える
改善する業務に優先順位をつけたら、業務を効率化するための仕組みを考える必要があります。どの部署がどんな方法でいつまでに行うのか決めていきましょう。業務ごとに、業務改善を実施する担当者を決めておくと、仕組み作りや進捗のヒヤリングもスムーズです。
ITツールを導入する場合には、いくつかのサービスを選定し、自社の課題にあった業務改善や効率化ができるかどうか、無料お試し期間などを利用して成果に結びつきやすいものを選ぶとよいでしょう。ITツールを導入すると、これまでかなりの時間を費やしていたものが、自動的に行えるのでとても便利です。各営業員も利用する場合、実際のITリテラシーで簡単に入力などの対応ができそうかも、お試し期間中に利用してもらったり、確認しておくと良いでしょう。
具体的な効率化の方法
業務効率化のステップがわかったところで、次に考えたいのがその方法。業務効率化のためには、具体的に何をすればよいのでしょうか。
自社サイトの充実
業務効率化の最大の目的は、売上アップ。自社のサイトを充実させ、営業員が提案や説明をしなくても情報を知ってもらいやすくなれば、自社サービスへ興味がある顧客からの問い合わせも増えるはずです。ホワイトペーパーを用意するなどのダウンロード資料や顧客からよく質問のあるFAQを掲載しておくことによって、より自社のことやサービスの理解が深まるでしょう。
また、自社のサービス内容のコンテンツを充実させることによって理解が深まると、に課題・ニーズ(又は導入を検討している)サービス内容と合わない顧客からの問い合わせを減らすこともでき、これまで対応に要していた時間を削ることもできるはずです。自社サイトで事前に情報収集しておいてもらえれば、商談もスムーズに進むでしょう。
インサイドセールスの導入
例えば各施策から入ってくる対応するリード(問い合わせ)数が多い場合、各営業員が対応できるスピード感や対応数に限界があります。より商談確度の高い案件の対応に絞って優秀な営業員に引き継ぐための活動として、インサイドセールスの導入(又は体制構築)も営業活動の効率化に役立ちます。そもそも、インサイドセールスとは、顧客のもとに訪問せず、電話やメール、オンラインツールなどでWeb上のサービスサイトや展示会など各種施策から問い合わせがあった顧客が受注に繋がる有効な商談かどうかを把握するための行う営業活動のことです。インサイドセールスを導入すると、受注につながりづらい問い合わせに対する営業員の対応を減らして、より受注に繋がりやすい商談数をも増やせるため、営業活動を効率的に行えます。
コロナ禍でオンライン商談なども増える現在、インサイドセールスの役割は、大きくなっています。顧客のもとへ出向く移動時間や移動コストの削減にもつながるでしょう。
一部業務の外注化
例えば展示会で獲得した名刺データや手入力が必要な顧客情報などの入力作業を顧客管理ツールの導入や外部に依頼したほうが、スムーズに行えるデータ入力やDM発送するような業務を実際に社内で行う工数や売上アップにつながりづらい業務を得意な企業に依頼するのも一つの手です。
外部に委託することで、これまで費やしていた売上に直結しないような間接的な業務の時間を営業本来の時間に使うことができるようになります。自社や各営業員のみで行うよりも、業務のスピードや売上に繋がる有効な商談にかけられる時間の改善にもなるでしょう。
まとめ
営業効率化は、社員の負担軽減や顧客満足度の向上、そして売上アップを目的として行います。しかし、何から始めたらいいかわからないという企業も多いでしょう。まずは、営業業務の現状を把握し、改善する業務に優先順位をつけてから、営業効率化の仕組みを作りましょう。
営業担当の業務は、外回りから事務作業まで多岐にわたります。ITツールの利用や外部への外注化も大きな役割を果たしてくれはずです。営業効率化により、新たに生まれた時間は、顧客との商談に費やすことで売上アップを狙いましょう。
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