成約率を上げるための営業効率化のポイントとその方法を解説

どのような企業でも、モノやサービスを売り込むための営業活動は欠かせません。しかし、いま行っている営業活動に満足していますか?もっと効果的な営業活動を行ってみたいと思いませんか?効果的な営業を行うには、「営業の効率化」が重要です。

そこで今回は、営業を効率化する意義や、その具体的な方法についてご紹介していきます。自社の営業活動に課題や営業成績に行き詰まりを感じている企業の方は、いま一度営業活動の内容を見直し、業績アップに繋げていきましょう。

なぜ「営業の効率化」が必要なのか

まず初めに、営業を効率化するとどのようなメリットがもたらされるかを確認していきましょう。営業の効率化には手間と時間がかかりますが、次の3つのようなメリットがあります。

営業の質の向上

営業の効率化は、営業の質の向上に直結します。これは、時間の使い方の変化が関係します。

例えばこれまで1つの顧客の資料作成に1時間かけていたとします。これが営業の効率化で40分に短縮できた場合、20分の余裕が生まれることになります。この20分を、これまでできなかった他の業務に充てられるようになるでしょう。

20分を使って、当該顧客の新たな課題を見つける時間に充ててもよいですし、作成した資料に付加情報を加えることもできます。すると貴社の営業内容が充実するとともに、営業担当や貴社内のご自身の評価も向上し、これまでよりもよい結果に繋がります。

売り上げ増加

営業の効率化は、売り上げの増加にも影響します。これは、先に述べた営業の質の向上と同じように、営業を効率化することで浮いた時間を有効活用できるからです。

営業の効率化により新たに生まれた時間で、アプローチできる顧客数を増やすことができます。アプローチ数が多いだけ母数も増えて結果が出やすくなると考えられるため、新規顧客の獲得や契約数の増加に繋がり、ひいては売り上げも伸びてくるでしょう。

営業担当の負担軽減

営業の効率化は、営業担当の負担を大幅に減らす効果も期待できます。営業担当が担う業務は、外回りの営業活動や売上目標の達成だけでなく、内勤での見積書や契約書の作成など事務作業も多く、肉体的・精神的ストレスも大きいのが現状です。

そこで営業の効率化によって時間に余裕が生まれると、外回り・内勤ともに負担となる時間を減らせます。これは営業担当のストレス軽減にも繋がるため、ストレスや業務量を理由とした離職のリスク低減にも効果的でしょう。

付随する業務の軽減

営業が本来するべき仕事は、「お客様との商談」「成約率を上げるための提案書作成」「成約のためのコミュニケーション」が大きな役割になります。付随する業務として、契約書類作成・締結、社内MTG、日報・報告書作成、商談の移動、接待、経費精算など、本来すべき業務とは別に多くの時間を費やしています。

関連記事:営業効率化するメリットと成功事例を紹介

営業業務が効率化できるシーン

続いては、実際に営業の効率化を行うには、どのようなシーンが考えられるか見ていきます。営業の効率化が考えられるシーンは多数ありますが、ここでは以下の4つのシーンを取り上げました。

・事前準備に時間をかけすぎている
・書類作成に時間がかかりすぎている
・会議の時間長い
・営業アプローチがワンパターン
・事前準備に時間をかけすぎている

営業活動は顧客との商談が軸となりますが、その事前準備に時間を取りすぎてはいませんか?顧客とのアポイントメント取りや営業担当リストの作成などに必要以上に時間をかけていないか、業務内容を見直してみましょう。事前準備を効率化して時間も短縮できれば、商談の機会を増やすことにも繋がります。

書類作成に時間がかかりすぎている

時間を意識していないとどんどん作業時間が伸びてしまうのが、書類の作成です。見積書や契約書など、もちろん顧客に合わせて盛り込むべき内容は欠かせません。しかし、どの顧客にも通じる内容であれば、毎回作成する必要がない営業中や営業後に作成する時間を減らし、本来かけるべき時間に集中できるように業務の役割を見直すのも大事です。

会議の時間が長い

社内・社外に関わらず欠かせない会議。この時間が冗長だと感じたことがある方は少なくないでしょう。会議内容はあらかじめレジュメなどでまとめられていることが多いとは思いますが、不必要なディスカッションや、同じような内容の繰り返しになっていることはありませんか?この議題ではこのポイントを確認する、判断を下すなど、明確な目的を持った会議内容・進行になっているか振り返ってみましょう。

営業アプローチの提案パターンが少ない

営業成績がなかなか伸びない場合は、リードを獲得するときの営業アプローチの方法や商談時の提案パターンが適切がどうか、新しいアプローチ手段が必要かも見直してみると良いでしょう。リード獲得後の見込み顧客への連絡時間が担当者の多忙な時間帯である、商談時の提案パターンが類似していて顧客にあった提案がないなど、提案内容の見直しのするのも良いでしょう。

営業効率化を行う方法

営業の効率化にはさまざまな手法がありまが、実際にどのようなシーンでどのような効率的な方法が取れるか見ていきましょう。

顧客リストの作成

企業名や担当者の連絡先だけではなく、業種や役職、獲得した経路、接触履歴といったあらゆる情報を作成することにより、各営業担当者の経験だけでなく客観的な事実に基づいた効率的な営業活動が行えるようになり、見込みを予測しづらい俗人的な営業活動を無くすきっかけにもなります。

営業活動の振り返りをする

営業活動では、営業日誌をつけてその日の営業活動を振り返ることが効果的です。営業活動には結果がつきものですが、結果に繋げるための過程を振り返ることを疎かにしていませんか?1日の課題を見つけることは、翌日からの業務の効率化に直結します。

午前中の内勤時間が多く外回りの時間が少なくなってしまった、商談が長引いて明日のアポイントの資料作成の時間が十分に確保できなかったなど、課題を明らかにし、改善するとより良い営業活動を進められます。また、日誌を上司が確認することで適切なアドバイスが行われ、より効率的な営業活動に繋げることもできるでしょう。営業活動を終えて帰社してからの少しの時間で構いません。ぜひ振り返りの時間を設けましょう。

書類作成をテンプレート化する

営業活動で欠かせない書類作成は、テンプレート化することで大きな時間削減が見込めます。営業担当の方が作成する書類の中には、テンプレート化できるものが多数あります。見積書や契約書などはその代表格で、ひな形を作っておけば、そこに顧客名や依頼に沿った内容を差し込めば良いだけとなり、作業工程も大幅に短縮。

もちろん適宜オリジナリティを出したりや企画力を上げたりするために、情報の追加やテンプレートに手を加える必要性はあります。しかし、基本情報部分がテンプレート化されていると、かなりの負担減となるでしょう。時間を掛ける部分に注力するためにも、できるものはテンプレート化しましょう。

事前準備をルール化する

事前準備に時間がかかっている場合、準備にかける時間をルール化してみましょう。タイムスケジュールをルール化すると常に時間を意識するようになり、資料作成に時間を取りすぎるといったことも減らせます。

例えば、商談日の近い顧客の情報収集の時間は1時間だけにするといった日単位のルールでも良いですし、週単位で考えるのも良いでしょう。5月15日にアポイントがあるため、「その3日前」の12日までに見積書を作成。「2日前」の13日中に上司のチェックを受け、顧客に事前メールを送るなどです。また、スケジュールを上司などと共有しておくと周りも進捗状況が把握できるため、より効率的に準備が進められるのではないでしょうか。

事前準備をルール化して時間を有効に使い、無駄なく営業活動を進めていきましょう。

営業支援システムを導入する

営業活動では、ときには営業支援システムを活用することも有効です。「営業状況の報告」「顧客リストや見込み顧客の作成」「営業活動の日報や商談履歴」といったこれまで各営業担当者が行っていたものをシステムに移行することで無駄な時間を大幅に削減でき、効率的に営業活動を進められるようになります。

特に営業では、「顧客リストを作成する」「事前準備をルール化する」でも少し触れたとおり、営業に関するデータを可視化し、共有することも大切です。営業支援システムとして代表的なのは、CRM(Customer Relationship Management)や、SFA(Sales Force Automation)があります。

日々行っていた活動状況をSFAやCRMを利用して、各営業担当の活動の管理だけではなく、商談率や受注率、受注要因のデータを蓄積し、ある傾向の顧客は訪問回数や商談回数が多いのに受注に繋がっていない(又は受注までの活動量が多過ぎる)、問い合わせから商談と受注までの期間が短い、といった問い合わせ自体のリードの質や成約に繋がるまでの要因の分析や検証を行いましょう。

さまざまな種類のシステムがサービス展開されているので、自社の営業体制に合ったシステムを選び、ぜひ活用しましょう。

営業ルートを最適化する

営業活動において効率の良いルートを選ぶことは、営業の効率化でも大きな意味を持ちます。営業の外回りの際の営業ルートは、最適なものを選べているでしょうか。営業は顧客との面会ありきのものなので、アポイントメントがあればそれを優先することが第一ですが、それも含めて最適なルートを選ぶことで、時間などの削減に繋がります。

例えば、今日はA地区の顧客とアポイントメントがあるのに、最近訪問できていなかったからといって、片道30分も離れたB地区のルートセールスを行うのは効率的なのでしょうか。できればアポイントメント先のあるA地区内でルートセールスを行う方が、時間やガソリン代なども節約できるのは明らかでしょう。また、A地区の中でもどのように回ると効率的かを把握できるとベストです。

最近は地図アプリやシステムなどを使って効率的な営業ルートを見出す方法もあります。ぜひこのようなツールを用いて常に最適な営業ルートを選べるようにしましょう。

営業スキル・ノウハウを共有する

企業全体として営業成績を上げるには、経験豊富なトップセールスマン1人よりも全体の底上げを考えるほうが賢明です。そして、営業スキルやノウハウの共有は不可欠です。例えば、商談の方法などは社内で積極的に共有し、現場で活かすことが大切。そのためには、システムやツールを用いるのが効果的です。

関連記事:クロージングのコツは営業の成約率を向上させる方法

まとめ

営業の効率化がいかに大切で、営業活動に大きな意味を持つかお分かりいただけたでしょうか。効率化のためにはこれまでの営業活動を振り返り、課題を明らかにすることが大切ですが、その課題を解決するための方法も重要です。適宜その内容にあったシステムやツールを導入することは、課題解決はもちろん、人的コストを削減してより効率的に営業活動を進めることに繋がります。ぜひさまざまなシステムやツールを活用し、貴社の営業活動をより効果的なものにしていってください。


 

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