2023/08/22
ロート製薬株式会社
各社員にあわせた動画研修を行い、コンプライアンス強化を推進!動画による、研修効果に期待
昨今、人的資本経営が重要視されるようになり、その一環としてコンプライアンス強化に努める企業が増えています。
経営の最重要課題の一つに「コンプライアンスの推進」を掲げているのが、ロート製薬株式会社です。現在、従業員の研修・トレーニングやコンプライアンス情報の発信強化を行う中でVideo BRAIN を導入し、研修動画を制作されています。
Video BRAINの活用により、コンプライアンス研修の現場はどのように変化したのでしょうか? 現在の活用状況と目指す今後のあり方について、コンプライアンス推進部・コンプライアンス担当マネージャーの氷見憲司さんに伺いました。
※2023年7月のインタビュー内容です。
◆ 主な制作動画
- コンプライアンス研修用の教材
◆課題
- 社会的なニーズを受け、コンプライアンス対策を強化する必要があった
- 正しい成果を出すために、各社員に応じた研修のコンテンツを用意したかった
- 静止画の資料では研修内容が伝わりにくく、本質的な理解が得られにくかった
◆成果
- 社員のコンプライアンスに対する関心が高まった
- コンプライアンスに関する用語が社員に浸透しつつある
- 研修で扱った内容の理解度・定着度が向上した
目次
社会的責任や関心の高まりを受け、コンプライアンス対策を強化
――コンプライアンス研修にあたって、Video BRAINを導入されたのが2022年9月のことです。まず、そのきっかけと狙いから教えてください。
コンプライアンスというと、法令遵守は大前提ですが、特に昨今は社会的な倫理観やモラルに基づいた言動が求められるようになっています。
会社側がコンプライアンス対策として、研修資料を渡して「この内容を覚えるように」と伝えるような従来のやり方は、社員側もどこか“やらされている感”が生まれてしまう気がしており、個人的にも違和感を持っていました。コンプライアンスとは、一人ひとりがその本質を理解して腹落ちしなければ意味がないですからね。
コンプライアンスの尺度や捉え方は、社員の立場や場面によっても異なります。つまり、会社側も一人ひとりにあったアプローチを行うことが求められます。
コンプライアンス研修に動画を取り入れたのは、そのためです。一律の動画教材を配信するのではなく、各社員に合わせたコンテンツを動画で作ることになりました。
――本格的にコンプライアンスの推進を行うようになったのは、なぜでしょうか。
従来、製薬企業のコンプライアンス違反といえば、品質にかかわる問題が中心となっていました。弊社としても、薬機法の遵守や薬害教育など、どちらかと言うと品質管理に意識が向いていたように思います。
※薬機法:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
しかし、現在では、企業のコンプライアンス問題は多様化しており、社会的にもコンプライアンス強化が重要視されるようになっています。品質だけでなく、あらゆる事案を防止するためにも、全社的な対策を講じる必要が出てきました。
▲同社では、2020年にコンプライアンス委員会を設置。社員が守るべき倫理、価値観をまとめた行動指針を作成するほか、社内の意識調査や全従業員に向けた研修を行うなど、全社一丸となってコンプライアンス防止に取り組んでいる
Video BRAIN なら、社員に応じたコンテンツを配信しやすい
――コンプライアンスを強化する中で、動画研修を始めた理由は?
最初はセミナーや勉強会、展示会の類いに参加するなど、積極的に情報収集を行なっていました。Video BRAINの存在を知ったのも、展示会でブースに訪れたのがきっかけです。話を聞いて「なるほど、動画を使ってみるのは良い方法かもしれない」と、ピンときたのを覚えています。
コンプライアンスは「100社あったら、100通りの考え方がある」と言われており、会社ごとに重視するポイントも変わります。ロート製薬には、ロート製薬の社風にあった表現や防止策が求められるため、一般的な研修教材を流用するだけでは成り立ちません。自社で必要な研修内容を考える必要があります。
またその際、パワーポイントで作成した静止画の資料よりも、動画で表現した方がわかりやすいだろうと考えました。
――Video BRAIN を導入後、具体的にどのような動画を作られていますか?
最初は「動画制作サポート」のサービスを活用し、2本の動画を代わりに作っていただきました。以降はそれをテンプレートとして利活用しながら、動画制作に取り組んでいます。
各社員の課題や状況に応じたコンテンツを作るために、現在は「経営陣」「部門長」「マネージャー」「一般社員」という4つの階層に区切り、それぞれに応じた教材を定期的に配信しています。社員の役割によっても必要な知識は異なるので、内容を分けています。
Video BRAIN では、制作した動画を複製したり、再編集したりすることが簡単にできるので、コンテンツを出し分けやすいと感じています。
堅くなりがちなテーマだからこそ、表現に工夫が求められる
――配信後、研修内容の理解度に変化はありましたか?
コンプライアンスの意識調査を行った結果を見ると、動画を毎月配信している効果は表れていると感じています。少なくとも、パワポの資料だけで実施していたときと比べれば、その啓発効果は段違いです。
ーー配信した動画の効果や反響を感じる瞬間はありますか?
何気ない瞬間にも、動画の効果を感じることがあります。たとえば、私がオフィスを歩いていたときに「それって、同調圧力になりませんか(笑)」などと冗談めかして雑談する社員の声が聞こえてきたことも。
あまり日常で使わない言葉だからこそ、研修動画を視聴したことで、定着したのではないかなと思っています。やはり、音声で聞くほうが言葉は頭に残りますから。
普段からコンプライアンスの意識が浸透することによって、より社内のムードも良くなるはずであり、社内の人材を守ることにもつながるかと思います。
ーー動画を制作する中で、大事にしているポイントはどんなところですか。
法令遵守にまつわる話は、どうしても堅くなってしまいがちです。そこで、できるだけわかりやすい動画に仕上がるようには意識しています。
我々は、あくまでも知ってほしいポイントを記憶に残すことが目的で動画を作っているので、視聴者の印象に残るような表現のテクニックなどは今後、勉強が必要だと感じています。
どのような見せ方や表現をすれば理解しやすくなるのか、内製で作るからこそ、少しずつチューニングしながら模索していけたらと思います。
――動画の活用を続けられている中で、最もメリットを感じている点について教えてください。
短時間で内容をわかりやすく伝えられるのは、動画の良さだと思います。たとえば、集合研修で20分かけて説明していた内容でも、動画なら3分ほどのコンテンツにまとめることも可能です。
押さえておいてほしい各テーマや内容について、まずは気軽に触れてもらうことがコンプライアンス教育の第一歩です。最初のタッチポイントとして、動画は非常に最適なんです。
制作した動画の「ライブラリ化」が目標
――Video BRAINの操作性や機能については、どのように感じていますか。
パワポのデータを取り込み、動画素材として再編集できるので、これは便利な機能の一つでした。有り物でパワポの資料があれば、そのまま構成の骨子として使えます。
そのほか、ナレーションを生成できる点も気に入っています。「内容を記憶に残す」という主目的に立ち返ると、音声と動画の組み合わせはやはり大切ですから。
――Video BRAINのサポート体制はいかがでしょうか。
動画制作は未経験なので、わからないことや迷う場面は多いですが、とにかくレスポンスが早く、丁寧なので助かっています。また、時にはCS担当者の方に、制作スケジュールまで管理していただくなど、同じチームメンバーのような動きをしていただくこともあります。
また、こちらから何らかの要望を出すと、いろいろと知恵を絞っていただいたり、上層部の方と掛け合ってくれたりするので、納得感がありますね。
――導入からちょうど1年。最後に今後の目標を聞かせてください。
まずは、従業員のリーチ数を向上させることです。配信した動画をいかに多くの社員に見てもらうかは、大きな課題となっています。制作した動画をライブラリ化し、継続的にアクセスを促すことが理想形ですが、そのためにはまとまった本数が必要です。まずは引き続き動画を作り続けることが目標となります。
企業全体として、「社会の期待を裏切らない会社でありたい」という思いがあります。そのためにはコンプライアンス違反の防止は欠かせませんが、動画は予防策として強力な武器の一つになるはずです。まだまだ道半ばですが、やれるところから手をつけていきたいと思っています。
終わりに
Video BRAIN導入からまだ1年ながら、動画ならではのインパクトを強く実感しているようすの氷見さん。コンプライアンスは製薬企業の命綱でもあり、今後の動画活用の成果が期待されます。
通常、数千人規模の大組織において、コンプライアンス意識の周知を徹底するのは簡単なことではありませんが、だからこそ動画が果たす役割も大きいはず。これからどのような発展が見られるのか、引き続き、弊社CS担当者が伴走しながらサポートできたらと思います。
ロート製薬株式会社
事業内容 :医薬品・化粧品・機能性食品等の製造販売
本社所在地:大阪本社
〒544-8666 大阪市生野区巽西1-8-1
https://www.rohto.co.jp/