カメラ用スタビライザー・ジンバルの選び方と基本的な使い方について解説

カメラ用スタビライザー・ジンバルを使えば、動画撮影を行う際に手ブレを補正しなめらかで安定したカメラワークの動画が撮影ができます。現在、手持ちカメラで被写体を撮影時に起こる手ブレに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。目的や用途にあったスタビライザー・ジンバルを選択し、購入するときの選び方や基本的な使い方のコツをつかめば、誰でもかんたんに動画のクオリティは向上します。

そこで、本記事ではスタビライザー・ジンバルの選び方を解説します。すぐに実践できる撮影テクニックもあわせて紹介しますので、撮影に困っている方や利用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

カメラ用スタビライザー・ジンバルとは

そもそもカメラ用スタビライザ・ジンバルについて知らない方も多いと思います。
まずは事前に知っておきたい知識とスタビライザとジンバルの違いについてもかんたんに説明していきます。

スタビライザとジンバルとは

スタビライザーとは「安定させるもの」という意味で、英語の「stabilizer」が語源となっています。カメラ用のスタビライザーは、撮影時の手ブレや振動をおさえ、なめらかできれいな動画を撮影するために使われるアイテムです。カメラの持ち手になる形状をしており、カメラ本体に固定して使用します。

ジンバルとは、撮影者が動いてもカメラを一定の向きに保ち、揺れや傾きを軽減できます。ジンバルは、スムーズな映像を撮影するためのものです。スタビライザと同意語に解釈されることも多いですが、大きな違いは回転台を搭載しているかの違いによって正確には区別しています。

スタビライザとジンバルの違い

撮影時の揺れを軽減するジンバルとスタビライザーのそれぞれの機能の違いをかんたんに説明すると以下のような違いがあります。

・スタビライザ
モーター付きジンバルや重り付きのグリップ、機械式や電動式などの種類があり、カメラを安定(スタビライズ)させ、手ブレを防ぐための道具全般

・ジンバル
スタビライザーの中でも、特にモーターを搭載した電動のものが対象回転台を搭載しており、カメラの手ブレを防ぐスタビライザーの一部の機能

スタビライザー・ジンバルの種類

上記のようにスタビライザー選ぶ上での種類が2つあります。
二つの商品によっての機能の違いや選び方のポイントについて解説していきます。

・機械式
機械式のメリットは手動で手ブレ補正を行うため、電源が不要で使うことができます。
機械式のカメラ用ジンバルでは手動で手ブレの補正を行います。本体に取り付けた重りの数や位置を調節することで重心を操作して、振り子の原理で手動でバランスの調整を行うため、いつでも気軽に利用できるのがメリットです。安価な商品のバリエーションがありますが電動式と比較して重たくかさばりやすい傾向にありますが、まずは使ってみたいという方やコストを抑えたい動画クリエイターなどにはおすすめです。

デメリットとしては、機械式はお守りのバランス調整が慣れるまでや道具によって難しいことがあります。安価で利用はできますが、初心者の方には向かないため、利用する上ではよく使い方を調べた上で検討すると良いでしょう。

・電動式
電動式のメリットは、撮影時の手ブレの安定感の高さが特徴と言えます。機械式とは異なり、内蔵されているモーターによって軸を中心に手ブレの方向とは反対に駆動させることで、自動的に揺れやブレが補正され、撮影者の動き影響せずに水平を保って撮影できるため、長時間の撮影が必要で固定する腕の疲れが出やすい時などの撮影にも適しています。

また予め初期設定でセットアップしておけば電源を入れるだけで適切な手ブレ補正ができるため、高度なバランス調整やカメラワークの操作、手ブレが気になる方など初心者には高度なスキルを必要とせずおすすめです。ただし、機械式と比べて高価な商品が多いため、これから動画制作を始める方や検討している方はよく商品毎の機能性や使いやすさをみた上で選ぶと良いでしょう。

スタビライザの撮影シーンと形状

スタビライザーの形状は「ハンドヘルド」「ボディマウント」「ショルダーマウント」に分かれています。形状によって得意な撮影シーンが異なるため、用途にあわせて使い分けるのがおすすめです。

・ハンドヘルド
弓上の形状をしたスタビライザーです。小型のため、室内での撮影や出先で気軽に撮影したいときに適しています。グリップの延長上にカメラを装着するようになっており、3kg程度までのミラーレス一眼など、軽量カメラを用いた撮影に向いています。

軽量設計で作られているものが多いため、片手での扱いやすく、持ち運びしやすいのが特徴です。

長時間の手持ち撮影に最適な反面、風などによって揺れやすいといったデメリットも。価格も他のスタビライザーと比較して手ごろなので、初心者の方におすすめです。

・ボディマウント
重量のあるデジタル一眼レフや、ビデオカメラを使った撮影にも対応できるボディマウントは、身体に直接装着して使うため安定性の高さがあります。より本格的な撮影を行う場合に適しており、大型で重さもあるため簡単に持ち運べない点はデメリットといえるでしょう。上下・左右・前後におもりがあるため、小さな映像のブレまで補正してくれます。

被写体や撮影者が動いて撮影するシーンだけでなく、撮影時に強風の影響を受けにくいため、安定感のあるハイクオリティな動画が撮影できます。身体に取り付けて使うため、機材の重さを分散して支えることができ、長時間の撮影時でも疲れにくいのがメリットです。

・ショルダーマウント
ハンドヘルドの手軽さとボディマウントの安定性をあわせ持つのがショルダーマウントです。肩から背負うように利用するため、機材の重量を全身に分散できます。撮影者は自由に動けるため、臨場感のある動画を撮影できます。幅広い用途で活用できる利便性の高いスタビライザーです。

まずはハンドヘルドから入門し、より本格的な動画作成に取り組む段階で、ボディマウントやショルダーマウントへとステップアップしていくと良いでしょう。

<このeBookでわかること>
動画撮影時に必要な機材や撮影のポイント
撮影後の動画編集のポイン

機械式と電動式の商品例

機械式と電動式は、見た目は同じように見えて大きく機能が異なります。
これから利用や検討されている方は以下の人気とされている商品例を参考に選んだり試してみると良いでしょう。

機械式の商品例

例1)UTEBIT

UTEBITはU字型のスタビライザーで、子供やペットなどのローアングル撮影に適したハンドル部分には滑りにくいスポンジを使用しています。ローアングルでの撮影時の負担とストレスや本体も約290gのため長時間の撮影でも快適に利用できます。上部に照明やマイクといったアクセサリーを取り付けてカメラと同時に使用した撮影ができます。

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例2)Neewer SR101

Neewer SR101は、重いカメラも長時間肩に乗せて撮影可能なスタビライザーです。両手と肩に乗せて重さの負担を分散できることや支える位置が多く安定しやすいため、長時間の撮影をすることができます。

各パーツは分解が可能なので持ち運びにも便利で、同じようなショルダーマウント型としては安価な部類に入るため、利用の仕方によっては撮影しやすいでしょう。

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電動式の商品例

例1)WEEBILL-S

WEEBILL-Sのスタビライザは、さまざまな撮影シーンに対応しており、ローアングルでの撮影も難なくこなせます。モーションセンサーコントロールを搭載しており、スマホの移動をするだけでジンバルの制御も可能です。バージョンアップなども繰り返しており、様々なカメラに対応したりA4サイズの紙に収まるサイズや重量も1kigと軽量で持ち運びや長時間の撮影にも負担なく利用しやすい特徴もあります。

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例2)DJI OM4 スマートフォージンバル

DJI OM4は安定性に優れており、歩くときだけでなく走ってたりジャンプしながらでも映像ブレや揺れがない安定した動画が撮影できます。被写体が人でもおもちゃでも対象物をしっかりと補足して追従してくれますので、人の振り返りや顔の動きで顔が見えなくなっても、撮影対象として認識・追従し続けてくれます。旅行などでの撮影シーンはもちろん、企業でのオフィスや施設紹介やインタビューなどの動きのある撮影でも初心者でも手ブレによる影響を気にせずに動画制作がしやすくなります。

機械式や他商品と比べて重くはなりますが、本体が折りたためる構造のため、持ち運ぶにくさは感じにくいでしょう。

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カメラ用スタビライザー・ジンバルの選び

スタビライザーのサイズや機能はさまざまです。たとえば、被写体を自動で追従してくれる自動追尾機能、早送り映像を撮影できるハイパーラプス機能、特定の動きに反応してシャッターを操作できるジェスチャー操作機能など、製品によって搭載された機能は異なります。

さらに、専用アプリがあるスタビライザーも多く、解像度を簡単に調整できたり、より現実に近い色合いを再現するホワイトバランスの調整ができたりするものもあります。

初めて購入する場合、何を基準に選んだら良いのか悩んでしまう方も少なくないのではないでしょうか。ここでは、カメラ用スタビライザーの選び方について解説します。

カメラ用スタビライザー・ジンバルの基本的な使い方

カメラ用スタビライザー・ジンバルは、両手で操作する大型のものから片手で扱える小型のものまで、多様な種類があります。

カメラへの取り付け方は簡単です。スタビライザーの「雲台」と呼ばれる取り付け部分にカメラをセットし、ネジと軸を調整して固定します。次に、ゆっくりと動かしてカメラが揺れないかどうかを確認し、撮影モードを設定したら完了です。

では、ここからは実際の動画撮影におけるコツをふまえ、動画のクオリティを上げるためにおさえておきたいポイントを紹介します。

移動しながら撮影する場合

撮影者が被写体と一緒に移動しながら撮影すると、迫力のある動画が撮影できます。しかし、どうしても撮影の際にカメラが揺れてしまうのがデメリットです。そうすると、視聴者が酔ってしまうような乱れた映像になってしまいがちです。

スタビライザーを使用すれば、揺れが極限まで軽減されます。まるで映画のような、滑らかな動画に仕上がるでしょう。たとえば、子どもやペットを追いかけながら撮影するようなシーンも対応できます。

ただし、スタビライザー・ジンバルを使ったとしても、すべてのブレを補正できるわけではありません。スタビライザーが性能を最大限に発揮するには、撮影者のテクニックも必要です。移動しながら撮影する際に意識したいポイントは、「腕の動かし方」「歩き方」。腕はできるだけ水平移動させるようにしましょう。このときに腕だけでなく、身体全体で向きを変えるように動かすとブレを最小限におさえられます。

また、振動がカメラに伝わりにくいように歩くことも重要なポイントのひとつ。中腰でかかとから歩くように意識するだけで、バランスを保ちやすくなります。とはいえ、どれだけ注意していても、多少の振動は生じてしまうものです。歩く範囲は最小限で済むようにできるだけ調整しましょう。また、身体全体を使って方向転換したり、腕を曲げ伸ばしたりすると、多少ブレをカバーできます。

腕を上下に動かす必要がある場合

スタビライザーを持って高く手を上げたり、地面のギリギリまで低い位置に下げたりすれば、普段の目線とは異なった映像が撮れます。たとえば、高層ビルなどの高い建物を足元から撮影すると、被写体の高さをよりリアルに表現できるでしょう。被写体をフルショットで撮影したい場合などにも、よく用いられるカメラワークです。

ただし、上下にカメラを揺らすため、どうしてもブレやすくなってしまいます。まずは立ち位置を固定し、シンプルに腕の動きだけで撮影するようにしましょう。

また、高い位置から背景のみを撮影し、腕をゆっくりと下げていくタイミングで被写体をフレームインさせると、場所の雰囲気や時間の流れがより伝わりやすい動画に仕上がります。下から上へとカメラを動かせば、空がどんどん広がっていくような映像に。

そのほか、被写体の周りをぐるりと旋回するようなカメラワークも定番のテクニックです。少し難易度は高めですが、被写体を足元から見上げるようにカメラを向けて旋回すると、格段に表現力の豊かな動画に仕上がるでしょう。

このように、映画やドラマの現場ではクレーンやレールを使って撮影されているようなシーンでも、簡単な動作と工夫で実現できるのがスタビライザーの魅力です。

まとめ

手持ちでの撮影はブレがつきものですが、スタビライザー・ジンバルをうまく活用すれば、動画初心者でも簡単にプロカメラマンのような滑らかな映像を撮影できます。また、自身で編集するだけでなく、「Video BRAIN」などの動画編集ツールを利用することで動画の品質を高めるために不可欠なのが編集作業です。撮影した映像をより魅力的なものにするには、音や細かいエフェクト、テロップ、アニメーションを加えると効果的です。より配信する視聴者に魅力的で効果のある動画制作を行い方はぜひ一度検討してみる良いでしょう。


 

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