YouTubeにはいくつか広告の種類があり、それぞれ訴求対象や手法を変えることでリーチできる人数や効果が変わります。YouTube広告の1種であるTrueView ディスカバリー広告は他の広告とは異なる特徴があるため、運用方法に困っている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、YouTube広告の種類と効果的な運用方法についてご紹介します。ディスカバリー広告のメリットや運用の注意点が分かり、フォーマット別の効果的な使い方が理解できるようになるでしょう。
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目次
YouTube広告の種類
YouTube広告の種類は以下の4つです。
・インストリーム広告
・ディスプレイ広告
・オーバーレイ広告
・バンパー広告
広告を大きく2つに分けるとCMのような受動的な広告と、自らクリックする能動的な広告に分かれます。
視聴者の商品やサービスの認知、もしくは購買意欲の有無で最適な手法が異なるため、広告内容を訴求したい対象に合わせて変更が必要です。
インストリーム広告(スキップ可、不可)
インストリーム広告とは、動画再生前や再生の途中で流れる動画広告を指します。また動画再生後にも広告を流せるので、視聴者に訴求しやすいタイミングで広告の配信が可能です。
インストリーム広告はスキップできる「スキッパブル広告」と、スキップできない「ノンスキッパブル広告」に分かれます。
動画再生前に流れる「プレロール広告」は5秒でスキップができます。対して動画再生後に流れる「ポストロール広告」はノンスキッパブル広告です。動画の途中で流れる「ミッドロール広告」は、スキップの可能と不可能を選択できます。
ちなみにYouTubeの規約では、15秒を超えるノンスキッパブル広告は流せないので注意が必要です。広告動画は30秒以上視聴されてから課金されます。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは再生画面の右横の、おすすめ動画一覧の最上部に表示される広告です。クリックされるたびに課金されるので、表示されるだけだと費用が発生しません。
YouTubeは連続で動画を視聴される傾向が強いので、おすすめ動画に表示させることで広告が視聴者の目につきやすくなります。
例えばYouTube動画内で紹介された商品ページが掲載されていると、再生した後に商品の購入や契約などの行動に移りやすいので、動画の内容で興味を引いた後の視聴者の心理に訴求する内容が適切です。
動画で商品やサービスのイメージを持たせると広告がクリックされやすくなるため、ディスプレイ広告は動画視聴後の行動を誘導することがポイントです。
オーバーレイ広告
オーバーレイ広告とは、再生画面の下部に表示される横長の広告です。動画の再生中でも表示されるため、視聴者の目に止まりやすい特徴があります。
視聴者に広告を閉ざさない限り表示は続きます。1クリックごとの課金と、1,000回動画視聴されるたびに費用が発生する仕組みです。
しかし画面を見ずに視聴する音楽やラジオのような音声の動画などは、広告効果を出せずに費用だけが増えてしまうので注意が必要です。
バンパー広告
バンパー広告とは、6秒間の長さで流れる広告動画です。広告が流れる6秒間はスキップできないので、視聴者に最後まで広告を見せることができます。
広告の再生時間が短いので視聴者に不快感を与えにくいですが、インパクトを感じる内容で商品やサービスを訴求する必要があります。
例えばキャッチコピーや音楽などを駆使して、6秒以内で視聴者に商品やサービスを印象づけなければなりません。
バンパー広告は再生されるたびに課金される仕組みなので、短時間で強いインパクトを残せる動画を制作できると広告の効果を高められます。
TrueView ディスカバリー広告とは?
TrueView ディスカバリー広告はYouTube広告の1種ですが、他の広告とは異なるユニークな特徴があります。掲載場所や広告費用の発生条件が独特なので、うまく運用するには事前に特性を把握することが大事です。ここではディスカバリー広告の特徴や掲載場所、他のYouTubeの広告との違いについて解説します。
ディスカバリー広告の特徴
多くのYouTube広告は動画ページに表示されますが、ディスカバリー広告はYouTubeの検索関連のスペースに表示される広告です。テキストとサムネイル画像で構成するバナー広告と動画広告で構成されており、ユーザーがバナー広告をクリックすると動画が再生されます。
「カスタムインテントオーディエンス」というターゲッティング機能を備えており、ユーザーのGoogle検索結果を参照して関連がある広告が優先して表示されるのも特徴です。
掲載される場所は3箇所
ディスカバリー広告は、YouTubeの動画検索結果画面と動画ページの関連項目スペース、モバイル版YouTubeのトップページの3箇所に表示されます。例えば、ユーザーが「英会話 学び方」と検索すると、ニーズに合わせてこの3箇所に英会話の教材などのディスカバリー広告が表示される仕組みです。
モバイル版ではYouTubeのトップページにも表示されるため、アプリを起動した際に必ず目に入るというメリットもあります。
他のYouTubeの広告との違いは?
インストリーム広告やバンパー広告が条件を満たすと自動的に再生されるのに対し、ディスカバリー広告の動画広告はユーザーが自分からアクションを起こさなければ再生されません。
広告動画を再生するのにユーザーの自発的なアクションが必要という違いは、ディスカバリー広告のメリットでありデメリットでもあります。利用する際は特にこの違いは把握しておきましょう。
TrueView ディスカバリー広告のメリット
ディスカバリー広告にはどのようなメリットがあるのでしょうか。広告は用途や目的に合わせて選ぶことが重要です。メリットを把握して効果的に活用できるようになりましょう。ディスカバリー広告のメリットは大別して3つあります。
費用対効果が高い
ディスカバリー広告はユーザーがクリックしなければ広告費用が発生しないため、費用対効果が優れています。不特定多数に自動で表示する広告は多くの層に訴求できるメリットがありますが、全く興味がないユーザーにも表示されるため広告費が無駄になるリスクがあるのが難点です。
ディスカバリー広告は掲載コンテンツに興味がある質の高いユーザーのみに向けて、効率的にアピールできます。
エンゲージメント率が高い
検索結果を参考にして広告が表示されるため、比較的エンゲージメント率が高いことが挙げられます。ユーザーの興味に合わせたコンテンツが選ばれるので、ランダムで評される広告よりも効率的なマーケティングが可能です。
多くのユーザーを対象に認知度アップを図るよりも、質の高い限られたユーザー相手に効率的に訴求するのに適している広告と言えるでしょう。動画を長く見てもらえる可能性も高いので、動画でじっくりと紹介するのにも向いています。
チャンネル登録や動画再生回数の増加も見込める
広告動画は自社のチャンネルに投稿した動画が配信されます。広告として配信された分も動画の再生数にカウントされるため、動画の再生数が高くなりやすいのもメリットです。動画で興味を持ってチャンネル登録してもらえる効果も期待できるでしょう。
動画の再生数が伸びてチャンネルの規模が大きくなると、おすすめや検索結果で上位に表示されやすいというメリットがあります。多くの方に目に入りやすくなるので、広告費用をかけずに自然にマーケティングを行えるようになるでしょう。
TrueView ディスカバリー広告の注意点
自社コンテンツに興味を持ってくれるユーザーに費用を抑えて効率的にアピールできるディスカバリー広告ですが、注意が必要なポイントもあります。注意点も把握すればより広告を活用できるようになるので、ぜひ確認しておきましょう。
ユーザーの興味を引かなければ視聴されない
ディスカバリー広告はユーザーが自分からクリックしないと再生されないため、掲載しても動画広告まで見てもらえない可能性があります。インストリーム広告やバンパー広告は自動で再生されることに加え、冒頭の数秒はスキップ不可なので最低限の情報は伝えられます。
ディスカバリー広告は視聴してもらえるかがユーザーの判断に委ねられているので、多くのユーザーに視聴してもらえるようにバナー広告で興味を引くことを心掛けましょう。
ユーザーにアピールする手法が限られる
ディスカバリー広告の動画広告を視聴してもらうにはクリックしてもらう必要があります。しかしアピールする手段であるバナー広告はテキストとサムネイル画像で構成するため、訴求する手法が限られる点も注意が必要です。
動画よりもはるかに少ない情報量で興味を持ってもらう必要があるため、構成やデザインに工夫が求められます。
YouTube広告フォーマットの選び方・効果的な運用方法
YouTube広告は、配信するフォーマットによって効果が変わります。例えば商品やサービスに詳しい人と、詳しくない人に向けて同じ広告で訴求しても効果は出にくいです。
動画を配信する際は、視聴する人の商品やサービスに対する理解度や欲求を考慮し、訴求効果が高まる運用を行いましょう。
ちなみにYouTubeはスマートフォンの視聴が70%以上を占めているため、短さと理解のしやすさを基準にフォーマットに適した配信が必要になります。
インストリーム広告の活用シーン
インストリーム広告は、商品やサービスを幅広い層に認知してもらうために有効です。イメージを伝えやすい動画なので、宣伝やブランディングにも活用できます。
しかし動画の質によって訴求効果が左右されやすいため、動画制作に取り組んだことがない企業にとってハードルが高くなってしまいます。
他にも動画の内容によってはネガティブな印象を与える可能性があるので、よくも悪くも動画の質によって効果が変わる手法です。
ディスプレイ広告の活用シーン
ディスプレイ広告はおすすめ動画の一覧の最上部に配置されるので、広告に関心の高いユーザーが次の動画を探す際にクリックしやすくなります。
自分が興味関心を引くサムネイルを見つけると、文字だけでは伝わりにくい部分を理解できてイメージをつかめるので、動画からサイトやLPまでの誘導を作りやすくなるのです。
ただし関心の低いユーザーに対しては効果が低いので、動画の内容によってリーチする効果が左右されやすいです。
オーバーレイ広告の活用シーン
オーバーレイ広告は動画再生画面上に表示されるため、視聴者が広告の内容を認知しやすくなります。
コンテンツと親和性を持つ内容を訴求することで、視聴者の欲求を刺激してクリックされる確率が高まります。ただし訴求する範囲が狭いので、コピーライティングなどの短文での訴求が必要です。
ちなみにオーバーレイ広告は、視聴者の欲求とずれた内容には嫌悪感を持たれやすくなるので、入念なリサーチを行ったうえで広告を乗せる動画を選びましょう。
バンパー広告の活用シーン
バンパー広告は6秒の制限時間が設けられているため、認知度を上げる広告動画として有効です。
例えば、誰でも口ずさめるような歌や覚えやすいダンスなど、広告の効果を最大限に高めるにはシンプルでキャッチーな訴求が欠かせません。
他にはタレントや著名人などに出演してもらい、広告を物語にしてシリーズ化する動画なども有効です。動画は短くなるだけ訴求の方法が限られてしまうので、広告動画の質によって効果が変わります。
TrueView ディスカバリー広告の活用シーン
TrueView ディスカバリー広告のターゲットは、商品やサービスを認知して購買や契約に迷っている層です。他の広告と違ってイメージを伝える必要がなく、詳細が理解できる具体的な内容が求められます。
なにより広告の無駄な出稿が少なくなるメリットは大きいです。ターゲティングにより視聴者を絞ることで、コスを抑えながら広告の効果を高めやすくなり、かつ効果検証が円滑に進みやすくなります。
他には見込み客を集めることで、チャンネル登録からの購買や契約にも繋がるため、リストを集める目的でも活用できるでしょう。
YouTube広告はどんな人におすすめ?
YouTube広告は商品やサービスを伝えやすくなるため、より多くの人に認知してもらいたい人におすすめです。幅広いターゲティングが可能なので、テレビCMや新聞よりも効果検証をしやすく、広告の訴求効果を高められます。
しかし広告動画の制作や検証は時間がかかるため、長期的な取り組みになりやすいです。そのため動画広告は、認知や見込み顧客を獲得に適した手法といえます。
今後は5Gの普及などで動画広告の市場が拡大するため、企業のPRや採用などに応用しやすいです。広告による認知や購買層に訴求したい人は、動画広告を用いることでビジネスの可能性を広げられるでしょう。
まとめ
YouTubeの広告動画は、うまく活用できれば商品やサービスの認知から購買までのきっかけになります。しかし動画を作成するだけで、効果を出せずに諦めてしまう企業は少なくありません。成果を出すにはYouTube広告の種類や特徴を把握し、適切に運用することが求められます。
ディスカバリー広告は対象ユーザーを限定することで優れた費用対効果を実現しており、興味を持ってくれそうなユーザーにピンポイントでアピールできるのがメリットです。エンゲージメント率も高いため、限られた予算で効率的に訴求したい場合に利用するとよいでしょう。
Video BRAINを使うと自動の動画作成から分析・効果検証までを効率化でき、動画クリエイティブの効果を高められるのがポイントです。自動で広告動画を作成し、自社の商品やサービスのPRに利用してみてはいかがでしょうか。
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