VRと聞くと、ゲームやアートの世界をイメージする人も多いでしょう。しかし、最近はビジネスにおいてもVRを取り入れている企業が増えています。例えば、VR動画を活用することで、よりリアリティを持ってユーザーに商品やサービスの紹介をすることができるからです。
今回は、VR動画の作り方や制作に必要となる機材・サービスをご紹介します。また、おすすめの制作会社にも触れていますので、VR動画を作る際の参考になるでしょう。
目次
VR動画とは?
VR動画とは、Virtual Reality(バーチャル・リアリティ)の略語です。日本語では、仮想現実ともいわれ、その場に行かなくても、実際の現場をリアルに体験できる動画のことを表しています。
VR動画では360°見渡せる動画も登場している他、ヘッドセットを活用し、音も踏まえて体感できるため、より一層リアリティのある動画を楽しむことが可能です。このような特徴を踏まえて、VR 動画は次のような用途で使われることが多いでしょう。
VR動画の用途 |
・旅行関係のPR動画 ・不動産会社の見学 ・社内研修 ・バーシャルショッピング |
企業に限らず、観光を主産業とする自治体においてもVR動画は一役買っています。また、コロナ渦における不動産案内でも、VR動画はかなり役に立つでしょう。次にあげる動画は、VRを企業PRにうまく取り入れた事例です。
徳島の賃貸 ハウスマイル
徳島へ移住する人に向けた、徳島を体感するためのVR動画です。この他には、物件を回れる動画も用意されています。
御所坊グループ「有馬山叢 御所別墅」
有馬温泉の老舗旅館が運営するYouTubeチャンネルです。自宅にいながら、有馬温泉の魅力を堪能することができます。
360度動画との違いは
VR動画と360度動画の違い |
・VR動画はヘッドセットを活用する ・360度動画は視点がセットされるがVR動画は視点に合わせて映像も変化する ・VR動画は音やヘッドセットで没入感が高い |
VR動画と似ているのが360度動画です。しかし、この2つには決定的な違いがあります。VR動画は、360度動画ではできない視点変更が可能です。360度動画は視点が正面に定められていますが、VR動画ではヘッドセットを活用しながら、各方向を向くと視点に合わせて映像も変わります。
また、ヘッドセットがあることで音声にもリアリティがあり、現実の世界をシャットダウした状態でVRの世界へと没入できる点もVRならではといえるでしょう。サンプルを紹介します。
360度動画:熊本市動植物園
VR動画を作るときに必要な費用
VR動画の作成は、制作会社に依頼するという手段の他に、自社で制作することも可能です。最近は、カメラも高性能になり、編集ソフトやサービスも充実しているので、初心者でも十分にVR動画制作に取り組むことができるでしょう。
ただし、VR動画を制作するための機材は、専用カメラだけではなく、リアリティな表現に必要な音声収録を行う機材も必要なので要チェックです。下記のリストでは、VR動画制作に必要なアイテムやかかる費用についてまとめています。
自社で360度動画を作るときの費用 |
・制作用カメラ:5万円〜10万円 ・編集ソフト:無料〜5万円 ・音声収録機材:2万円程度 |
自社作成と外注のメリット・デメリット
項目 | 自社作成 | 制作会社に外注 |
メリット | コストが押さえられる たくさんの動画が作れる | クオリティが高い アドバイスが得られる |
デメリット | スキルを習得するのに時間がかかる クオリティが保てない | コストがかかる 意思の疎通が必要 |
どんな会社におすすめか | 動画編集に長けたスタッフがいる コストを押さえたい | 予算がある クオリティ重視で作りたい |
VR動画を自社で作成する場合と外注する場合とでは、それぞれにメリットとデメリットがあります。基本的に、制作会社に外注する場合は、一本の動画につきコストがそれぞれかかってきますが、自社で撮影すれば、機材を導入する際の費用がかかる程度です。そのため、コストをかけずにたくさんの動画を撮りたい方には自社での制作が向いているでしょう。
一方、予算が確保できてクオリティの高いVR動画を作る際には、制作会社に外注することをおすすめします。ただし、しっかりと動画のコンセプトを明確にした上で、制作会社に依頼することが大切です。
VR動画の作成方法
作成の流れ |
・企画 ・撮影 ・編集 |
VR動画を自社で作るためには、作成の手順を押さえておく必要があります。手順がわからないままに動き出してしまうと、スムーズなVR動画作成ができません。また、撮影に必要となる360°カメラや音声収集機材は事前に用意するようにしましょう。
動画編集をするためのソフトやサービスについても、動画制作が始まる前に用意しておくことをおすすめします。続いては、動画を作る流れについての紹介です。
企画
VR動画に限らず、PRコンテンツを作る上では企画が非常に大切になります。なぜ、VR動画を作成するのかといった目的や動画を届けるターゲットについて細かく設定していきましょう。
特に、VR動画の場合は、見る側が自由に視点を変えられる特徴があります。そのため、視聴者にどのような体験をしてもらいたいのかを明確にしなければ、本当に伝えたいポイントが伝わらない可能性も否めません。
とはいえ、企画さえしっかりと立てることができれば、あとは撮影と編集のみです。すぐに撮影したくなるところですが、まずは基盤を整えることから始めましょう。
撮影
しっかりとした企画が立ったら、その通りに撮影を行っていきます。ここでは、360度カメラを活用するため、事前に準備しておくことを忘れないようにしましょう。
360度カメラは、一度の撮影で全方向の撮影ができる優れものです。しかし、写りこまない方がいいものも写ってしまうという特徴があるため、カメラマンや撮影機材などが写らないように気をつけなければなりません。
万が一、写っていることに気がつかずに編集すると、視聴者が何よりも楽しみにしている没入感を得られなくなります。また、撮影時に音声の収録もしておくようにしましょう。
編集
映像の撮影や音声の収録が終わったら、編集を進めていきます。360度動画をVR動画に仕上げるためには、専用のソフトを活用しなくてはなりません。普通の動画編集とは異なり、さまざまな角度からの動画をつなぎ合わせることで、臨場感を高めていくためです。この作業をスイッチングといいます。
合わせて、明るさの調整やブレを整える作業や、音声と合わせる作業も行っていきましょう。より臨場感あふれるVR動画にするためには、この編集作業が非常に大切なポイントとなります。
【お役立ち資料】集客力をUPするための
魅力的な店舗・施設紹介をするための動画活用のポイント
このeBookでわかること
・施設紹介動画を活用した集客が増えている理由
・動画活用のメリット
・利用シーンや活用事例
VR動画作成時の注意点
動画制作時に注意するポイント |
・イメージが固まっていない状態で制作に入る ・画質が悪い ・データが重い |
VR動画をより効果的なものにするためには、上記でまとめた注意点に気をつける必要があります。ポイントを押さえないままに作業を進めてしまうと、ブレた作品になってしまい、視聴者に対して臨場感を与えることができません。また、伝えたいことが伝わらない動画になってしまうので気をつけましょう。
特に、イメージが固まっていない段階で制作に入るのは賢明ではありません。より効果的なVR動画を撮るためにも、しっかりとイメージを固めておきましょう。また、VR動画は高いクオリティになってこそ没入感を楽しめます。画質の悪さやデータ量に関しても注意を払うことが大切です。
VR動画作成におすすめの制作会社
制作会社名 | 料金目安 | 動画の種類 |
Unimoto | 50万円〜70万円 | VR動画 360度動画 3DCG |
株式会社 Global Japan Corporation | 198,000円〜 | VR動画 360度動画 3DCG |
フロンティアチャンネル | 20~80万円 | VR動画 360度動画 ストリートビュー |
くるる360 | 20万円〜 | VR動画 |
株式会社ハコスコ | 50万円〜 | VR動画 360度静止画 |
VR PARTNERS | 要相談 | VR動画 360度動画 3DCG |
VR動画が浸透している昨今、VR動画の編集を請け負う会社も軒並み増加傾向にあります。それぞれの会社によって得意分野があり、サービス内容にも違いがあるため、VR動画制作を依頼する際には、コンセプトや撮影内容に合わせて会社選びをすることが大切です。
会社選びを間違えると、思ったような動画ができない可能性もあるため、各社がどのような特徴を持っているのかをしっかりとチェックしてから選びましょう。
【費用が安い】株式会社 Global Japan Corporation
株式会社 Global Japan Corporationは、大手企業のPR動画も制作している実績のある動画制作会社です。それでいて、1分以下の短いVR動画の政策であれば、「カジュアル360度動画」というプランにて安く提供しています。
また、動画制作において欠かせない、YouTubeのアップロード方法やウェブサイトの掲載方法なども無料でアドバイスしている点も魅力でしょう。
株式会社 Global Japan Corporationで対応している動画は、次の通りです。
・VR動画
・360 度動画
・3DCG
・アニメーション
・空撮
制作実績
【クオリティが高い】ユニモト
2011年からVR動画を手がけている動画制作会社がユニモトです。その実績の通り、VR撮影や編集を豊富に行っており、特許技術も持っています。企業におけるVR動画では、観光や施設案内に加えて、イベントや水中撮影なども取り入れており、幅広い展開が可能です。
また、撮影時の揺れを軽減させるための処理や、再生環境に合わせて編集するなど、クオリティの高さにも定評があります。ユニモトで対応している動画は次の通りです。
・360 度動画
・3DCG
・アニメーション
・水中撮影
・空撮
制作実績
【CG制作】VR PARTNERS
VR PARTNERSでは、VR動画制作に特化した動画制作会社です。特徴は、VR制作に加えてVRを体験するためのイベントも手がけている点でしょう。さらに、実写だけではなくCG映像のVRも取り扱っており、充実したサービスを受けることが可能です。
また、企画から編集までを一貫して行うため、安定した作品作りに定評があります。自社のサイト内にもバーチャルブースを設けており、実際に体験することができるのも魅力です。VR PARTNERSで対応している動画は次の通りです。
・VR動画
・360度動画
・3DCG
制作実績
https://www.360ch.tv/video/show/14
VR動画の作成におすすめのカメラ
VR動画を作成する上で欠かせないのが360度カメラです。最近は、スマホに装着するタイプも出ているほど各社からのラインナップが豊富にあります。
その中でもおすすめなのが、「GoPro MAX」です。大手カメラブランド「Go Pro」から出ている360 度カメラであり、安心して使えるアイテムといえるでしょう。
また、機能性も十分にあり、例えば「水平維持機構HEROモード」はかなり重宝します。この機能によって、手振れが補正され、どんな角度でも安定した映像が撮れるためです。そのため、素人でもプロのような動画を撮ることができます。
VR動画の編集におすすめのサービス
動画編集でおすすめしたいサービスが、スペースリーというVR動画を手軽に編集できるクラウドサービスです。パノラマ写真を撮って、スペースリーのクラウドにアップロードするだけという工程の簡単さが魅力でしょう。
スマホと360度カメラさえあれば、登録したその日からすぐにVR動画を作ることができるので、急ぎで作成したいという人にもおすすめです。また、クラウドで管理されるため、どこにいても作業ができるのもポイントだといえるでしょう。
まとめ
動画の世界はどんどん進化しており、VR動画も私たちの生活に浸透しつつあります。昨今ではコロナ渦ということもあり、より一層VR動画の活躍が期待されているでしょう。
企業のPRにおいてもVR動画は欠かせない存在であり、リアリティを届けられる魅力的なツールでもあります。企業が持つ本当の魅力を伝えるためにも、VR動画を賢く活用していきましょう。
最近は、性能のいい機材を手軽に使える時代になっているので、自社での作成もできるのではないでしょうか。まずはクラウドツールも活用しながら、簡単なVR動画を作成してみることをおすすめします。
関連記事
この記事をシェアする