2024/08/13

名鉄EIエンジニア株式会社

社内のノウハウを残すために、Open BRAIN を活用。情報を浸透させる体制づくりの裏側

2003年名古屋鉄道の信号、通信、電路・変電部門を担っていた3社が合併し誕生した名鉄EIエンジニア株式会社(旧社名:メイエレック)。「安全・安心・安全輸送」という社会的責務を背負う一方、慢性的な人手不足と高年齢化などから、若手社員の育成が急務とされています。

若手の早期戦力化のため、研修の効率化や技術継承を進めていくためOpen BRAINの活用を始めました。活用状況や運用体制について、総務部のOさん、鉄道部信号課のTさん、同・Gさんに詳しくお聞きしました。

▼導入の経緯に関する詳しい記事はこちら


◆導入前の課題

  • ベテラン層の定年退職が近づいており、技術の継承ができない
  • 若年層へ指導する中堅層が不足している
  • 若手の戦力化に時間がかかっている

◆見込まれる成果
・技術やノウハウを動画で記録することで、正確な技術継承が可能になる
・いつでもどこでも何回でも動画を視聴できるので、時期や会場を選ばず研修・教育が可能
・紙での管理と比べ、印刷する手間や紛失リスクが減らせて管理面がラクに
・マニュアルの情報などのメンテナンスが容易にできるとともに、水平展開がスムーズに
・若手自身で疑問を解決するなどスキルアップにつながると共に上司への確認もスムーズになる
・若手の早期戦力化が進んだ


定年によるベテラン層の退職に備え、社内の技術継承が急務に

人事・総務に関連する情報発信を行うだけでなく、Open BRAIN の推進を担う総務部のOさん

――御社では、若手社員の育成に注力し、その一環でOpen BRAINを導入されています。まずは、その経緯から教えてください。

O:若手を早期戦力化するために教育計画や階層別教育を見直ししたことがきっかけです。その一つの策として動画を使った教育を取り入れれば、効果的に若手を成長させることができるのではないかと考えました。
そんな中、展示会でOpen BRAINの存在を知り、様々の会社のサービスを比較検討した結果、育成に必要な機能が充実している点や手厚いサポート体制、運用面での使いやすさなどから導入を決めました。実際に使ってみて、何か質問するとすぐに担当者の方に対応していただけ非常に助かっています。

――導入した背景には、具体的にどのような課題があったのでしょうか?

O:一番は社内の技術継承です。弊社は現在、ベテラン層が厚く、中堅層が少ない人員構成になっており、近い将来定年による退職者が増え、技術伝承が間に合わない懸念が現実的になってきました。ベテラン層のいるうちに、培ったノウハウを次世代に伝える方法、施策が必要だと考えました。
さらに、従来のやり方ではなく、若手のニーズに合わせた育成を行うべきだという意見を受け動画で伝えていく方法にたどり着きました。

▲現場での作業風景。鉄道設備の信号設計を行なっている鉄道部信号課では、高度な技術力が求められるため、担当者の知識やスキルの維持向上は欠かせません

失敗できない領域だけに、マニュアルで知識を補完することが重要に

――鉄道部信号課は、技術継承が求められる部署の一つですが、現場から見て、従来の指導における課題は何だったのでしょうか。

鉄道部信号課のTTさんは、自身の技術やノウハウのコンテンツ化を進めている

T:我々の世代は業種に関わらず、目で見て覚え、失敗を繰り返すことで技術を習得するのが当たり前でした。しかし、社会インフラの世界では、そもそも失敗することが許されません。現場で技術を身につけていくのではなく、現場に出るときには一人前の状態になっていなければならないのです。

そのために、これまでは長い時間をかけて技術を習得していきましたが、”大量退職時代” が迫ってくることを考えると、社員育成の効率化が必須となります。 その点、 技術者が実際に手を動かしている様子や、機械の動きなどを見せられる動画素材を作り、いつでも確認できる状態を作ることはベストな方法だと感じます。

G:私は入社8年目になりますが、新人時代は現場で直接見て学ばなければならないことが多い半面、失敗できないために新人では手を付けられない作業も少なくありませんでした。しかし、見ただけでは、なかなか身につかない部分も存在します。実感として、マニュアルとなる教材で自主学習することで、補完できる点は大きいと思います。

――確かに、失敗が許されないという重圧は、この分野では殊更大きいですよね。

新卒で入社し、いちから業務を学んでいったと言うGさん。Open BRAIN でマニュアルが公開されて以降、積極的に活用中

G:そうですね。あらかじめ上司から指摘を受ける分にはまだしも、不備のある図面が現場に届いてしまうような事態は、絶対に避けなければなりません。

――そこで、学習できるコンテンツを作り、Open BRAIN で業務に必要な知識を浸透させるという狙いですね。Open BRAINの活用により、作成するコンテンツ内容に変化はありますか?

T:Open BRAINに格納するということは、「多くの社員が視聴するコンテンツになる」ということです。つまり、人に“見てもらう”コンテンツを意識しなければなりません。
たとえば、我々は「沿線ビデオ」という、始点から終点までの沿線映像を撮影しています。ただ延々と沿線ビデオを流すのではなく、区間ごとにサムネイルを作るなど、理解しやすいコンテンツづくりを心がけています。Open BRAIN では、作成した動画を埋め込むだけでなく、テキストの記載や資料の挿入なども簡単にできるため、誰でもわかるような記事の作成を目指しています。

内容のアップデートも簡単。管理者にとっても運用がスムーズ

――現在、活用を進めている中で、成果や手応えを感じた点について教えてください。

T:現場で運用を行う立場からすると、教育資料を展開するにあたり、紙よりもオンライン上の方が圧倒的に省力化できるという実感があります。紙のマニュアルでは、印刷して配布を行って……と、様々な手間と無駄が生じますから。

オンラインで共有すると、印刷する手間や紛失リスクなども無くなります。また、内容に過不足があれば、簡単に再編集してアップデートできるのもメリットでしょう。マニュアルの場合、膨大な量になりますから、資源の節約にも繋がります。

――今後の課題についてはいかがでしょうか。

O:総務部の視点からいえば、500名ほどいる全社員に、こうした新しい取り組みを定着させるのは、簡単ではありません。まずは各部署にOpen BRAINの用途をはじめ、活用して実現できることを地道に説明し、初回ログインを促すという、最初のハードルをクリアすることに注力しています。

Open BRAIN 上に新しい記事がアップされると各社員に通知が行くので、一度アクセスして役に立つと実感してもらえたら、引き続き自発的に活用する社員は多いと思いますから、まさに最初が肝心、ということですね。

G:確かに、新しいツールはどうしても最初は少しとっつきにくいのですが、いざ見てみたらOpen BRAINは非常にわかりやすく、何よりも「会社がこういった学習コンテンツを用意し、育成に力を入れているんだ」という、気づきにもなりました。個人的には現在、かなり頻繁にOpen BRAINを使っています。

――Open BRAIN を積極的に活用することで、日頃の業務にポジティブな影響も?

G:そうですね。たとえば、先ほど話題にあがった「沿線ビデオ」にしても、信号機の図面を起こす際、実際の場所や作業内容をすぐにチェックできるようになったのはありがたいです。これまでは上司に質問する必要があったので、そこに心苦しさを感じていました。忙しいベテランの先輩方の手を煩わせてしまうのは、申し訳ないというか。

事前にマニュアルを見て学習できるため、“質問の質”も向上する側面も

上司に教えを請うにしても、あらかじめ動画を見て理解を深めた上で質問する方が効率的です。Open BRAINの浸透は、スムーズなコミュニケーションが取れる効果も期待できると思います。一度では理解できなかったり、時間が経ってわからなくなってしまった作業内容も、繰り返し確認できる点も役に立っています。

――今後、御社におけるOpen BRAINの活用はどのように広がっていく予定でしょうか。

O:業種的に必要となる資格がありますから、試験の受験者を管理するほか、合格までのサポートにも使えると思っています。覚えるべき知識のレクチャーからテストの実施まで、これまで研修で行なっていたことを一貫してできるのは便利ですね。

――では最後に、Open BRAINを通して今後目指すものは何でしょう?

O:会社全体の推進としては、信号課のように、すでにOpen BRAINの運用が進んでいる部署はこのまま突き進んでもらいながら、全社的に活用してもらうことが目下の課題です。活用を推進するためにどうすべきか、何がネックになっているのかをヒアリングするなど、統括する総務部としてサポートできることはたくさんあると感じています。

T:まずは活用してもらわなければ始まらないですから、今後は重要なコンテンツをOpen BRAINにあげたら、社内に改めて拡散するなどの工夫はしていきたいです。今後、コンテンツのバリエーションが増えるにつれ、検索性も求められるようになるでしょうから、タグやカテゴリの区分を整えるなど、まだまだやれることはたくさんあります。
実際に利用する若手社員の意見なども聞きながら、自社にとって使いやすくカスタマイズしていけたらと思います。

終わりに

ベテラン層から若手社員への技術継承を第一の目的に、Open BRAINの活用を進めている名鉄EIエンジニア。技術を受け取る側の世代であるGさんは、「自分の知りたい情報に、すぐにアクセスできる環境が必要」で、その鍵を握るのがOpen BRAINの活用だと語ります。

まだ道半ばであると話されるお三方ですが、技術承継が急務である状況は変わりません。他にはないノウハウが多くある同社だけに、効率的な育成体制を構築する運用が期待されます。

名鉄EIエンジニア株式会社

主な事業内容:
1.鉄軌道の電力、信号及び通信設備その他の電気設備等の設計、施工及び保守
2.鉄軌道のシステム設計及びコンサルタント
3.電気、電気通信、建築、大工、石工、屋根、管、タイル・れんが・ブロック、舗装、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上、建具、解体、土木、とび・土工、鋼構造物、機械器具設置、水道設備及び消防施設工事の設計、監理、施工、調査、測量、点検、整備及び修理
4.空気調和設備、昇降装置及び自動化機器の設計、施工及び保守
5.電気設備、電子計算機設備、建設機械、運搬機械及び自動給油装置、ポイント融雪器等鉄道関連機器の製作、販売、修繕、据付及びメンテナンス
6.電気設備、電子計算機設備及び各種機械のシステム設計、技術販売及びコンサルタント
7.ビル、百貨店、ホテル及び研究施設等の施設管理
8.動産、不動産のリースに関する事業
9.土地建物の売買、賃貸借、管理及び仲介
10.労働者派遣事業に関する事業
11.前各号に付帯関連する一切の事業

本社所在地:〒456-0031
名古屋市熱田区神宮四丁目3番36号
https://mei-ei.co.jp/

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