2022/08/02
青山商事株式会社
店頭でしか得られなかった接客体験を提供!社員の意識改革にもつながった“YouTubeチャンネル”
ビジネスカジュアルの浸透やリモートワークの促進など、紳士服業界は大きな転換期を迎えています。
「洋服の青山」「THE SUIT COMPANY」「UNIVERSAL LANGUAGE」など幅広い年代に向けたビジネスウェアを展開する青山商事株式会社では、2019年にリブランディング推進室を立ち上げ、改革に取り組んできました。その一環としてVideo BRAINを導入し、動画制作による顧客との接点拡大を進めています。
果たして、どのような戦略で動画を活用しているのでしょうか。制作を推進する同室・平松葉月さんに伺いました。
※2022年6月のインタビュー内容です。
◆導入前の課題
- 自社のブランドを想起いただくために、リブランディングを進める必要があった
- 店頭以外で顧客と接点を持ちづらい
- 外注で動画を制作した場合、費用や制作時間が想定の3倍以上かかってしまう
◆成果
- 社内スタッフがYouTubeの動画を自由に作ることができた
- 動画制作を通じて、普段の接客についても見直せた
- 制作した動画を別の社員が視聴することで、ナレッジ共有の役割も担っている
目次
動画を通じて、店舗での接客体験を再現した
──Video BRAINを導入する前の課題について教えてください。
まずは会社全体として、お客様との向き合い方を改めて見つめ直す必要性を感じていました。紳士服業界では、競合他社を意識しすぎるあまり、各社の製品やサービスが似通ってしまう傾向にあります。
ビジネスウェアを購入したいときに当社のブランドを想起いただくには、お客様目線で考える必要があります。「仕事で着る服を買いたい」と思ったときにまず思い出していただけるよう、改めてリブランドしていくべきタイミングを迎えていました。
──どのようにして改革を進めていったのでしょうか?
お客様との接点を増やすことに重点を置きました。たとえば、セールやキャンペーンを行うと、お客様に店舗まで来ていただくことはできると思います。しかし、目指しているのは「青山に行けば、ビジネスウェアが揃ってるよね」と思っていただくことです。そうなると一過性の施策ではなく、実際に商品を手に取っていただいたり、店員と話したりする中でしか味わえない“体験”が最も重要だと考えました。
しかし、コロナ禍によってリアルな接客が難しくなってしまいました。店舗に直接訪れなくても同じような体験をできないか、と考えたときにたどり着いたのが「動画」です。動画なら、実際の接客と同じような体験を生み出せるのではないかと思いました。
──以前から動画を活用されることはあったのですか?
年に数回ほど、外注して動画は作っていました。本格的な動画制作を決めた当初も、これまでと同じように外注を検討していたのですが、費用や制作時間も想像の3倍近くかかることがわかったんです。まとまった本数の制作を目指していたので、外注は現実的でないと判断しました。
──そこでVideo BRAINの導入に至ったのですね。
制作コストをふまえると、内製化が最適だろうという結論になりました。いくつかのサービスを検討しましたが、ニーズに合ったのがVideo BRAINでした。クラウド型で複数のユーザーが使えるため、全国の店舗で導入できます。また、ひとりで制作を完結させるのは困難なので、他のメンバーが確認や修正を行える点もポイントの一つでした。
──そのほか、Video BRAINの中で魅力に感じたポイントはありますか?
機能面でいえば、Video BRAINのタイムラインには驚きました。通常、タイムラインをベースにした動画編集ソフトが大半だと思うのですが、使い慣れていない人にとっては操作が難しく、ハードルが高くなってしまいます。一方、Video BRAINのタイムラインはシンプルで誰でも操作しやすくなっています。
また、イラストやスタンプなど、多くの素材が揃っているのも魅力ですね。インターネット上には多くのフリー素材がありますが、本当に商用利用して問題ないのか、素材ごとにきちんと調べなければいけません。公式で配信する動画として、許諾をクリアした素材をすぐに使えるのはメリットです。
制作者の自主性を尊重することで、楽しさが視聴者にも伝わる
──現在、Video BRAINを導入いただいて約3カ月が経ちました。これまでどのような動画を制作されましたか?
3カ月で20本ほど制作し、YouTubeの公式チャンネルで配信してきました。主に製品の機能や着心地、ビジネスウェアの着こなしなどを紹介しています。現在は、全国のVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング/売り場の装飾担当者)のスタッフ8名がクリエイターとなって制作しています。
※掲載している動画は全てVideo BRAINの配信システムを利用しています。
──どのようにして制作メンバーを選出されたのでしょうか?
VMDスタッフの中から希望者を募り、制作チームを立ち上げました。メンバーは他の業務もある中で、動画を制作します。もしも会社側で担当者を指名してしまうと「通常業務の合間を縫って、なんとかして作る」ような運用になってしまいかねません。
担当者が負担に感じながら作った動画を見ても、視聴者は楽しい気持ちにならないと思います。しかし、担当者が楽しみながら作った動画なら、その前向きな気持ちが伝わるはずです。お客様はもちろん、社員にも「面白そうだな」という想いが伝われば、「自分もやりたい」と制作を希望するスタッフも今後増えるだろうと考えました。
──動画の内容もスタッフの方が企画されているのでしょうか。
ある程度テンプレートを定めているほかは、基本的に各自の判断に委ねて進めています。それぞれの個性が出た企画を生み出せるからです。
ただ、面白い企画も必要ですが、やはりベースとして大切なのは接客の意識です。VMDのスタッフは、お客様に製品の魅力を効果的に伝えられるプロです。実際の接客と同じように、動画でも視聴いただくお客様の目線に立って考えるという姿勢に変わりはありません。動画においても、製品の魅力が伝わるような見せ方を追求しています。
さらにいえば、動画制作を通じて普段の接客についても見直せます。動画を作るには、「どのようにすればお客様に伝わるのか」を改めて考える必要があります。これまで感覚的に行っていた接客を振り返り、きちんと棚卸しすることで実際の現場でも活きるのではないかと期待しています。 実際に動画を見て「接客の参考になった」と話す社員もおり、ナレッジの共有につながったと感じました。
制作本数を増やし、ビジネスウェアの情報を発信することが目標
──Video BRAINでは専属の担当者がつき、運用のサポートを行っています。担当者とのやり取りにおいて、印象に残っている出来事やアドバイスはありますか?
担当者の方には定期的に動画の内容を精査いただき、助言をもらっています。「話者によってテロップの色を変えた方が良い」など、いただいたアドバイスをもとに少しずつ改善してきました。
Video BRAINはとても使いやすい上に、表現できる演出も幅広いですよね。一方、使いこなせていない機能もあるので、「この機能を使えば、こういった演出もできますよ」と教えていただけるのはありがたいです。
──これから公開する本数が増えるにつれて、成果や反響なども大きくなるかと思います。今後、どのような動画の戦略を考えていますか?
今後3カ月で、倍以上の制作本数を目指したいと考えています。そして制作本数とともに、内容を充実させていきたいです。
現状、たとえばYouTubeで「ビジネスウェアの着こなし方」と検索しても、なかなか当社の動画が検索結果に上がってこない状態です。現在は製品紹介がメインですが、ビジネスウェアにまつわる情報や知識なども紹介できたらと思っています。
最終的には社員全員が動画を作れる体制を作り、店頭でお客様に接客するのと同じ感覚で動画制作に関わっていくのが目標です。
まとめ
動画の内製化を進めてわずか3カ月という短期間でも、十分な手応えを感じていると言います。動画の作り手を着実に増やし、顧客との接点を拡大していきたいと展望を語ってくれました。
リブランディングを行う上で、全社的に動画を制作・発信する体制を目指している同社。それを実現するためには、「クラウド上で複数人が携われる」「パワーポイント感覚で作れる」「素材が搭載されている」という、Video BRAINの機能がフィットしているようでした。
これからますますYouTubeチャンネルが本格化する中で、Video BRAINを使ってより接客体験が味わえるような動画が生み出されそうです。
青山商事株式会社
主な事業内容:
各種衣料品の企画・販売に関する事業
所在地:
〒721-8556
広島県福山市王子町1-3-5 青山商事株式会社 本社ビル
従業員数:
10,308名(連結)/5,268名(単体)
(パートタイマー含む)
※2022年3月31日現在
https://www.aoyama-syouji.co.jp/