商品やサービス、企業の価値を高めるうえで、ブランディングへの取り組みは現代のマーケティングに欠かせない要素です。
ここでは、ブランディングとはどのようなものか、どういった効果があるのか、また実際の成功事例についてまとめてみました。
目次
「ブランディング」の概要を事例と共に紹介
まず、「ブランディング」という言葉が何を表すのか、その概要を紹介します。
ブランディングとは
「ブランド」とは、他の商品やサービスとは一線を画す価値を持つものを指す言葉です。デザイン、ロゴマーク、商標、ネーミング、キャッチコピー、イメージ、宣伝戦略など、さまざまな要素が組み合わさってブランドのかたちが出来上がります。
そのような「ブランド」を消費者に認知させ、市場における商品のポジションを明確化するのが「ブランディング」です。
ブランディングの種類
ブランディングの対象にはさまざまなものがありますが、ここでは大きく3つのブランディングを事例と共に紹介します。
商品・サービスのブランディング
商品ブランディングの好例の一つとして、ユニクロのインナーブランド「ヒートテック」が挙げられます。
「ヒートテック」はご承知の通りユニクロの大ヒット商品で、他と明確に差別化された肌着ブランドとして広く世間に浸透しています。成功要因として挙げられるのは「流行に流されず普遍的な定番商品を追求し続けた」点です。スタンダードでありながら高機能であることも、ブランド確立のポイントといえるでしょう。
次に、サービスのブランディング例としてよく挙げられるのが「スターバックス」です。
スターバックスはカフェでありながら、ロゴから「Coffee」の文字をあえて削除しました。これは「スターバックスは単なるコーヒービジネスではなく人間ビジネスである」ことを明確にするためであるとされ、質の高いくつろぎ空間と店員の高いスキルが相まって、顧客から高い親近感と支持を得ています。
企業のブランディング
企業のブランディング例として有名なものに「ジョンソンエンドジョンソン」が挙げられます。
同社のミッション・行動指針は「我が信条(Our Credo)」。かつて主力商品である鎮痛剤「タイレノール」に何者かが青酸化合物を混入したことにより、死亡事件へと発展する出来事がありました。
このとき同社は「我が信条(Our Credo)」において最優先とされる顧客の安全のため、必要な情報をすべて開示して十分な社内体制を整備した上で、現役だけでなく退職した元従業員の協力も得てすべての商品を店舗から回収しました。その勇気と行動は今なお高い評価を受けています。「我が信条(Our Credo)」は、同社の誇りとしてブランディングを象徴する言葉となっています。
リブランディング
「リブランディング」とは、ブランド資産を時代のニーズに合わせて再構築していくことを意味します。
好例となるのが、子供向けのノートを大人向けにリブランディングし販売した文具メーカー「ショウワノート」です。
少子化で子供の数が減少するなか、新たな市場を開拓するため、子供向けのノート「ジャポニカ学習帳」を大人向けにデザインし直し展開しています。2018年3月に「大人のジャポニカ学習帳『愛されつづける名作シリーズ』」を発売。2019年2月には文具卸エムディーエスとのコラボレーション製品「オトナジャポニカ」を発売しました。「ものを知る喜びや学びに対する意欲といった子供の頃の体験を思い出してもらう」ために大人にも使えるノートにしたというそのストーリーも魅力的です。
動画によるブランディングの成功事例とメリット
この他にもブランディングの成功事例は多くありますが、動画を活用したブランディングも最近では増えています。
スマートフォンやタブレットによって動画が身近になり、YouTubeのような動画プラットフォームが普及したことで一般人でも動画を簡単に投稿できるようになりました。そのため、インターネットにおける動画数は飛躍的に増加し、圧倒的な情報量と影響力を持つに至っています。
特に若い世代へのSNSの浸透を背景として、ブランディングにおける動画の役割は一層大きくなっています。機能や生活シーン、コンセプトやミッションをユーザーに伝え、認知度アップや親近感の醸成を図る上で、動画はブランディングに高い効果を発揮します。
ここで、動画によるブランディングの事例を紹介します。
一般社団法人石巻圏観光推進機構様では、以前は観光情報を画像とテキストのみで配信していましたが、動画制作ツール「VIDEO BRAIN(ビデオブレイン)」を導入して動画を内製化。
石巻市、東松島市、女川町の石巻エリアの観光商品や旅行プランを紹介した動画をFacebookやTwitterで発信すると、「いいね」やシェアが増加。Facebookのエンゲージ数は以前より5倍に伸びたということです。
また、石ノ森萬画館で開催されている「はじめの一歩大原画展」を紹介した動画は、Twitter で配信して固定ツイートにもしたところ多くのPV数を獲得し、リツイートも通常の数十倍に増えました。動画ブランディングがSNSで大きな効果を発揮した一例といえるでしょう。
詳しくはこちら:動画の内製化を行い、SNS のエンゲージメントが上昇
ブランディングが生み出す価値と動画の重要性
ここまで紹介してきた事例を総合し、あらためてブランディングというものを考えると、それは商品やサービス、企業に対して何らかの「価値」を付与することでユーザーを満たし、市場や社会で確固とした地位を築くことであるといえます。その価値は、大きく以下の4つに分けることができます。
経済的な価値
品質や性能、ユーザビリティ、用途などにおいて他の商品にはない独自性をユーザーにもたらします。
感性の価値
ライフスタイル、デザイン、イメージ、思想が自分の感性にフィットすることによる満足感をユーザーに与えます。
情緒の価値
実感や体験によってユーザーにポジティブな感情をもたらします。
共感の価値
自己実現や社会実現を通してユーザーの参加意識や自尊心、共感願望を満たします。
「ブランディング」とは、これらの価値を企業が発信・提供し、ユーザーがその価値に共鳴することで、世の中に広く認知されることだと考えられます。また、現代においてそれらを実現する最も確実な手段はFacebookやTwitter、InstagramといったSNS、YouTubeなどの動画共有サイトであるということは間違いありません。
動画を用いたブランディングは、現代のマーケティングにおいては欠かすことのできない手法なのです。
まとめ
ここでは、ブランディングの種類と効果、またSNSの時代にあって動画がブランディングにおいて重要な役割を担うようになってきていることについて解説してきました。動画コンテンツを制作する際はプロに頼ることも良いですが、自社で内製化するなどコストを抑える工夫が必要です。その際は動画編集ツールを導入してみてはいかがでしょうか。
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