新卒採用に悩まされる企業は多いものです。条件に合う学生から応募がなかったり、新卒で入社した社員の教育が難しかったりするなど、企業によって課題に感じている点はさまざまでしょう。新卒採用が難しい状況が続く中で、どのように採用活動を進めていったら良いでしょうか。
この記事では、新卒採用が難しいワケを解説し、適切な対処法を紹介します。
目次
新卒採用が難しい3つの原因
新卒採用が難しいと思われてしまう要因はいくつかありますが、その代表的な原因としては以下のことが挙げられます。新卒採用を難しくしているそれぞれの原因について、採用活動を始める前に把握しておきましょう。
・人材が育つまでに時間がかかる
・新卒社員を教育しても離職してしまう場合がある
・採用活動の手間が大きい
・戦力になるまで継続的なフォローが求められる
将来性から見た場合の良い点と悪い点
新卒採用の場合は、最初の就職となるため、企業の文化に染まりやすく、将来的に企業に合った精神を持つ企業の中枢を担う存在へと育つことが期待できるでしょう。また、定期的な新卒採用が実施できれば、企業全体の年齢比を保ちやすくなります。
一方で、期待するほど育たなかったり、人材が育つ前に転職や退職をしてしまったりということもありえることから、長期的な見通しを立てることが難しくなっています。
採用活動から見た場合
新卒採用は、中途採用などの採用方法と比較すると、採用にかかる費用を抑えられることが良い点であるといえます。一定の期間にまとめて採用活動を進められるため、ひとりひとりにかけるコストが小さくなりやすいです。
悪い点としては、採用にかける期間が長くなってしまうことや、景気や流行の影響を受けやすく、ターゲットとする人材が得られないおそれがあることが挙げられます。
戦力として見た場合
新卒として入った社員であれば、経験者にはない新鮮な視点で物事を見られることや、若さや活力があることがプラスに働くポイントになります。
マイナスポイントには、実務経験がないため戦力になるまで時間がかかってしまうことや、教育にかける労力が大きく、新人が長く働けるように先輩社員がフォローしていく必要があることが挙げられます。
企業の新卒採用が難しいと感じてしまう3つの理由
採用活動自体や採用後の教育など、企業からみた場合に新卒採用が難しいと感じる理由のも多く存在します。これらの要因を3つに分けて、企業からみたときの新卒採用の難しさについて解説していきます。
・新卒採用の予定人数を確保するのが難しい
・人材が必要となったタイミングで採用できない
・採用までにかかる時間が長い
他社のスケジュールとの兼ね合いで必要な数を確保することが難しい
就職活動をする学生は、複数の企業の選考を並行して進めていることが多く、内定を出したとしても辞退されてしまう可能性があります。
そのため、新卒採用の予定数を確保することが難しくなっています。
自社だけでなく、他者の採用スケジュールとの兼ね合いまで考慮する必要がある点が新卒採用の難しいポイントのひとつであるといえるでしょう。
必要だと思ったタイミングで採用することが難しい
新卒採用は採用タイミングが決まっているため、人材が必要だからといってもそのタイミングで採用することはできません。
また、どのような人材が必要なのかを明確にすることや、ターゲットとなる学生が応募してくれるのかといったハードルもあり、必要な人材を必要な時に採用するということが難しくなっています。
採用にかける時間が長い
新卒採用の場合、採用までに説明会や試験・複数回の面接などを実施することが多いため、中途採用と比較すると採用にかかる時間が長くなる傾向にあります。その他にも、新卒採用は安価で雇いやすい判明、教育コストがかかることも挙げられます。
新卒採用の需要が高い4つの理由
新卒採用するのは難しい反面、需要が高いのにはいくつかの理由があります。新卒採用することで「人材コストを抑えれる」「斬新なアイデアが生まれる」「企業理念を純粋に受け止められる」「教育次第で幹部候補になれる」などのメリットがあります。
それでは、新卒採用の需要が高い理由について詳しく説明していきます。
・中途採用と比較すると採用コストが低い
・斬新なアイデアを持っている可能性がある
・初めて所属する企業となるため、企業理念を受け入れやすい
・しっかり教育すれば将来の幹部候補となる
優秀な人材を低コストで採用できる
新卒採用をすることで、将来性の高い優秀な人材を低いコストで得ることができます。通常、中途採用で優秀な人材を採用するには、能力や経歴が優秀なほど高いコストを払わなければなりません。
しかし、一括で採用を進められる新卒採用であれば、ひとりあたりの採用コストを下げながら優秀な人材を確保することが可能です。
型にはまらない斬新なアイデアを持っている
新卒社員は、型にはまらない斬新なアイデアを持ち、提案してくれることが期待されます。同じ業界や企業に長く勤めていると出てきにくいような、新鮮な視点が新卒社員の魅力のひとつです。
企業にとって新しい活動を進めたいときや、変革したいときなどは、新卒採用の社員が活躍してくれるでしょう。新卒採用をすると、会社に今までにない変化をもたらしてくれます。
企業理念を純粋に受け入れてくれる
新卒社員は、初めて勤める企業になるため、企業の文化や理念を純粋に受け入れやすいというメリットがあります。
中途採用で入社する社員と比べると社風に馴染みやすく、教育しやすかったり、今後企業文化を後輩へと伝えていく役割を果たしたりといったことも期待できるでしょう。
教育次第で幹部の候補になる
新卒社員の方が企業理念を受け入れやすいということから、教育次第では将来の幹部候補となることも期待できます。
他の会社で経験を積んだ中途採用よりも企業への愛着も持ちやすく、しっかり成長してくれれば企業の中枢を担うような人材となる可能性があります。
新卒社員を幹部候補へと育てるには、入社以降の教育体制を整え、ポテンシャルの高い社員の教育に力を入れていくことが重要です。
企業の新卒採用が難しいと感じてしまった際の6個の対処法
新卒採用を実施していくために、新卒採用が難しいと感じる場合の具体的な対処法について見ていきましょう。新卒採用が難しいと感じてしまった場合は、以下のようなことを心がけて採用活動を進めてみましょう。
・待つだけでなく、企業側から動いていく
・企業の情報発信は継続的に行う
・採用活動の優先度を上げ、社員に協力してもらう
就活生に知ってもらうための広報活動を行う
まずは、企業を就活生に知ってもらうことが大切なため、広報活動を行うといいでしょう。
FacebookやTwitterなどのSNSのほか、自社メディアのような媒体を運営することで、学生が企業を知る機会を増やすことができます。学生の訪問を待つのではなく、企業側から発信していくことが求められます。
企業サイトやSNSでの継続できる情報の発信を行う
企業サイトやSNSで発信していくのにあたり、継続して情報を発信することが大切です。
興味を持った就活生が企業サイトやSNSアカウントを閲覧した時、最終更新から時間が経っていたり、更新頻度があまりに少ないと不安感を与えることになりかねません。継続して情報を発信していくことで、学生に企業への信頼感を持ってもらいやすくなるでしょう。
入社へのメリットは対象学生にあわせて最適なものを選ぶ
企業に入社するメリットを紹介する際は、ターゲットとなる学生にあわせて最適な条件を提示するといいでしょう。
学生によって重視する条件は異なりますので、給与面や福利厚生などの待遇・企業の雰囲気や仕事内容といったカテゴリ別にメリットを整理してアピールポイントを選択すると、効果的なアプローチができます。
人材を見つけるための行動を起こしていく
よりよい人材を見つけるためには、待っているのではなく企業側から行動を起こしていくことが大切です。
企業サイトやSNSでの広報活動も、まずは企業の名前を知ってもらうことから始まります。企業の名前を広く知ってもらうために、就活イベントや合同企業説明会などの学生が集まる場所に参加することが大切です。
求人媒体への公開や対象者へのメールなどをする
学生に企業を知ってもらう方法のひとつとして、求人媒体への公開やダイレクトメッセージの送信などが挙げられます。
求人媒体に公開することで、色々な学生に企業を知ってもらうきっかけになり、また、直接メッセージを送ることで学生が応募してくれる可能性があります。
企業を知らない状態の学生に知ってもらい、応募の機会を増やすのに公開や直接メールは有効な手段であるといえます。
選考の際に就活生への連絡等をスピード感を持つ
学生の採用率を上げるためには、選考中の就活生への連絡に対してスピード感を持って取り組むことが大切です。
特に採用したいと考えている学生に対しては、面接の回数を減らしたり、日程などの連絡メールをすぐに送ったりすることで、ほかの企業との差をつけやすくなります。早めの連絡を心がけることで、応募してくれた学生の満足感を高められるでしょう。
まとめ
新卒を採用するには難しい状況が続いています。良い人材を確保するには、採用活動に工夫が必要です。学生に対して中長期的にアプローチを続け、自社にポジティブな印象を持ってもらえるように注力しましょう。
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