SNS動画広告の成功事例を紹介!事例から学ぶ成功のポイントとは

2020年、インターネット広告費がテレビ広告費を超えました。今後もさらに市場規模は拡大すると予測されており、2024年には約3.3兆円にまで伸びると予測されています。

(出典:インターネット広告市場規模推移と予測

これほどインターネット広告市場が伸びている要因の一つが「SNS動画広告の拡大」です。

今回はSNS動画広告の事例と効果をご紹介します。動画制作の具体的なフローもあわせて解説しているため、内製によるSNS動画広告運用を検討中の担当者様はぜひチェックしてください。

SNS動画広告が有効なワケ

SNS動画広告は各種SNSの普及に伴い、企業のPR・製品訴求として活用されています。具体的に、どのような効果があるのか4つご紹介します。

1)静止画の広告よりも多くの情報を伝えられる

静止画やテキストと比べ、動画の情報量は約5,000倍ともいわれています。視覚や聴覚を通じて、遥かに多くの情報を短時間で正確に伝えられる点が大きなメリットです。

2)拡散性が高い

SNS動画広告は拡散性が高く、いわゆる“バズり”効果を期待できます。シェアやリツイートといったように、SNSでは興味のある情報を気軽に共有する文化があります。多くのユーザーが共有すると、一気に拡散される可能性があります。

3)利用ユーザーが多い

代表的なSNSの月間ユーザー数は、国内でTwitterが約4,500万人、Facebookが約2,600万人、YouTubeが約6,500万人、Instagramが約3,300万人、TikTokが約950万人となっています(2021年10月時点)。

(参照:https://gaiax-socialmedialab.jp/post-30833/

アクティブユーザー(活発な利用者)が多く、その分リーチできるユーザー数が多いのもSNSの特徴です。

ユーザーの属性は様々ですが、特にアクティブユーザーは若い世代(10〜20代)が多いため、ターゲットにする場合はSNS動画広告の運用が有効でしょう。

4)ターゲットを細かく設定できる

多くのSNS広告において、細かくターゲットを絞って配信できます。例えば、年齢、性別、居住地域、学歴、興味、時間帯、デバイス環境といったように条件を細かく設定した上で配信するため、費用対効果の高さが期待できます。

各SNSの動画広告の事例と得られた成果

SNSにはそれぞれ特徴があります。特徴を把握することで、自社の動画広告を公開する際に最も適しているSNSが見えてきます。ここでは各種SNSの特徴と事例、得られた成果について解説していきます。

1)Twitterの特徴

・若年層へのアピールに適している

・大量拡散が期待できる(リツイート文化)

・特定のターゲットへリーチしやすい

・2021年5月に広告サービスがアップデートされた

(アプリをインストールさせるための広告とウェブサイトに誘導させるための広告に注力)

Twitterの最も大きな特徴、はリツイート機能による拡散性です。また

リアルタイムでユーザーとインタラクティブにコミュニケーションでき、テレビCM・番組などと連動させた動画広告でキャンペーンを行うのも効果的です。

画像を使用した広告も可能ですが、流動性の高いタイムラインでは投稿が流されてしまう可能性も。動画を活用して視認性・露出性の高いコンテンツを投稿すると、ユーザーの興味関心を集めやすくなります。

Twitterの活用事例①
日本コカコーラ(ペプシ・コーラ

コーラといえば、「コカ・コーラ」と「ペプシ・コーラ」が2大ブランドとされています。ライバル企業がいる中で、ペプシ・コーラは独自の味を売りにしながらも革新的なマーケティングに挑戦し続けています。

・課題 「ペプシ ジャパンコーラ」の認知度と売上の伸びが鈍化している

・施策 「有名サッカー選手とのじゃんけんに勝てばコーラがもらえる」というキャンペーンをTwitterで実施

・成果 フォローとリツイートが必要になるためアカウントのフォロワー数が増加。インパクトと拡散性の高さから“バズり”、認知度と売上アップにも好影響を与えることに成功した例です。

関連記事:Twitter動画広告のメリットや特徴を徹底解説!

Twitterの活用事例
サントリー(ノンアルコール オールフリー

サントリーのノンアルコールビールテイスト飲料「オールフリー」の動画広告です。
飲料の広告でありながらもメインで映っているのは、思わずビールを飲みたくなるほど美味しそうに焼き上がったギョウザです。

「昼じゃなきゃ飲めるのに~」というフレーズを加え、ノンアルコールであれば昼からビールが楽しめるという流れになっています。

2020年7月の1カ月間で約70万回再生されました。

Twitterの活用事例
サンヨー食品(サッポロ1番

定番のインスタントラーメン「サッポロ一番」の動画広告です。
人気声優の竹達彩奈さんを起用し、アニメやゲーム好きのTwitterユーザーに幅広くアピールしています。

フォロー&リツイートで賞品が当たるキャンペーンも同時に行い、2日間で約2万リツイート、1万の「いいね」を獲得しています。

2)Facebookの特徴

・ターゲティングの精度が高い

・予算が少額でも始められる

・「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」に対応した機能がある

・機械学習オプションの精度向上によってより正確なターゲティングが可能に

Facebookのユーザー層は40〜50代が多く、他のSNSと比較しても年齢層が高い傾向にあります。ビジネス利用の中堅層が多いため、toB向けの商材などはFacebookによる細かいターゲティングと動画活用が有効です。

facebookの活用事例
京都やまちや

参照:京都やまちや

「京都やまちや」は通販を主に展開している健康食品・健康用品ブランドです。京都の天然素材にこだわって作られた商品は、質の高さに定評があります。

・課題 国内にとどまらず、海外へとブランドを広め、販路を拡大したい

・施策 香港をターゲットに、年齢は25〜60歳までと広めに設定し、モバイル向けにデザインした動画広告を活用。

・成果 カートへの追加が約3倍と大幅に上昇

国内外の認知度は売上ともに大きく伸びている

関連記事:Facebook広告のメリット・デメリットを徹底解説

facebookの活用事例
ワールド・ファミリー(ディズニー英語システム他)

ディズニー英語システムを提供するワールド・ファミリー株式会社による動画広告では、当選者がもらえる教材を開封するシーンを動画で表現することで、内容の豪華さをアピールしています。
ウェブサイトでのコンバージョンが2.4倍になるなど、大きな成果を生み出しました。

参照:ワールド・ファミリー株式会社|Facebook for Business

3)YouTubeの特徴

・多くのユーザーにリーチできる

・費用対効果が高い

・縦型広告の普及

世界最大級の規模を誇るYouTubeの国内月間ユーザー数は6,500万人に昇り、高いリーチが期待できます。若年層のテレビ離れが進み、今後もYouTubeの規模はさらに拡大すると予想されます。

動画SNSのため、動画広告との相性がよく、目的に合わせたターゲティングと運用が可能です。


【お役立ち資料】YouTubeチャンネル運営を成功させる!
担当者が必ず押さえておきたいポイント

このeBookでわかること
・YouTubeチャンネルを運用する上での目標設定
・KPIで押さえておくべきポイント
・最低限やっておきたいVSEOのTips


YouTubeの活用事例①
ビズリーチ

ハイクラス人材”を対象とした転職サービスである「ビズリーチ」は、2009年よりサービスが開始されました。2016年ごろからCMや広告にも力を入れており、認知度とともにユーザー数も年々増加しています。

<取り組みのイメージ>

・課題 サービスの認知度を向上させ、さらに募集企業と転職希望者を増やしたい

・施策 就職や転職、キャリア関連の動画視聴者をターゲットに設定
現在、転職を検討している人にリーチさせた

・成果 サービスの認知度と利用者が増加

転職希望の利用者が増えたため、企業の求人数も増加する好循環を生み出した

関連記事:YouTubeの動画広告とは?広告の種類や費用などを徹底解説!

YouTubeの活用事例
ペットウェアの動画広告

手術後の犬に装着するエリザベスカラーの代わりに使えるペットウェアの動画広告です。
従来のエリザベスカラーは、食事や睡眠の際に邪魔になってしまうという欠点がありました。
ここで紹介されているペットウェアは、そういった不便を解消できる実用性とファッション性を兼ね備えていることが、動画によって明確に表現されています。
動画広告により、世界中の獣医から注文を受けるビジネスへと成長した事例です。

YouTubeの活用事例
スキーツアー会社の動画広告

ヘリコプターでアラスカの高地まで連れていってくれるスキーツアー会社の動画広告です。
アラスカの壮大な景色や雪原を颯爽と滑り降りるスキーヤーの映像は、このツアー会社が非日常の体験をもたらしてくれることを雄弁に物語っています。
新規顧客のうち約50%をYouTubeの動画広告経由で獲得するなど、動画の魅力をフルに生かした事例であるといえます。

4)Instagramの特徴

・細かくターゲット設定ができる

・若い女性へのアピールに最適

・昨今、「インスタ映え」から「情報獲得・疑似体験」に変化

利用率が年々伸びているInstagramは、画像や動画を投稿できる視覚的要素の強いSNSです。

「インスタ映え」というワードが流行するなど、これまでは不特定多数のユーザーからリアクションしてもらえるような非日常的でセンスのある写真が多く投稿されてきました。しかし、近年は情報獲得や擬似体験を目的としたユーザーが増えています。スポットやサービスなどを調べ、リアルな情報を得るためのツールと変化しつつあります。

それに伴い、Instagramの活用に積極的な企業が増えています。画像や動画を用い、自社ブランドの世界観や商品開発の背景を発信できるのが大きなメリットでしょう。動画広告との相性が良く、特に若い女性ユーザーをターゲットにしたい場合におすすめです。

Instagramの活用事例①
NETFLIX

定額制の動画配信サービスである「NETFLIX」。所有アカウントで配信中の番組を紹介するほか、ストーリーズ広告にも力を入れています。

<取り組みのイメージ>

・課題 NETFLIXの登録者を増加させるため、ブランドの認知度を上げたい

・施策 ブランドロゴを前面に押し出し、それ以外のテキストをあえて表示しないことで視聴者に強く印象づける広告を展開

・成果 認知度が向上した結果、登録者も増加して売上アップにもつながった

関連記事:Instagram広告の種類別!それぞれの特徴やメリットをご紹介

Instagramの活用事例
ゼスプリ(キウイフルーツ)

キウイフルーツのメーカーですが、「キウイブラザーズ」というキャラクターが人気でキャラクターグッズやキウイフルーツの画像とコメントを投稿するファンを多く獲得できています。

Instagramの活用事例
GROOVE X(LOVOT)

家族のように一緒に過ごせるロボット「LOVOT」の活用事例です
まばたきをしたり首をかしげたりするかわいらしいしぐさを、動画によって余すところなく見せています。

「#lovotとの暮らし」など多くのタグでファンを獲得しています。

5)Tiktokの特徴

・ターゲティング精度が高い

・若年層にアプローチできる

・生活様式の変化による「Tiktok売れ」

15秒〜60秒のショート動画を手軽に制作・投稿できるTikTokは、流行りの音楽に合わせたダンス動画やエンタメ・美容系など幅広いジャンルの動画が人気です。

TikTokには、「ハッシュタグチャレンジ広告」という種類の広告があり、ユーザーの拡散を促した認知拡大が可能です。

日経トレンディの「2021年ヒット商品ベスト30」では、TikTokで商品が売れる「TikTok売れ」が1位に選ばれました。今やTikTokは、動画で消費を動かすプラットフォームにまで成長しているのです。

Tiktokの活用事例①
ロレアル パリ

「ロレアル パリ」は世界有数の化粧品ブランドです。110年以上もの歴史をもつ老舗でもありますが、時代にあわせて最新のマーケティング手法を取り入れています。若い女性にリーチする目的でTikTokを選択しています。

「#髪を咲かせよう」「#ロレアルパリ」といったタグで多くのユーザー投稿で若い女性にリーチしており、20M回以上も視聴されます。

<取り組みのイメージ>

・課題 自社ブランドのヘアオイルを若い女性に広めたい

・施策 若者に人気の女性アイドルグループをアンバサダーとして起用し、オリジナルの音楽とハッシュタグを活用して拡散を狙った

・成果 一般ユーザーもキャンペーン動画をまねして動画をアップしたことで拡散された

認知度とともに売上も向上した

Tiktokの活用事例②
ハーバー研究所(ラベンダースクワラン)

新しいインフィード広告プロダクト「Reach&Frequency」の活用と人気クリエイター「やみちゃん」を起用した動画クリエイティブで配信

期間限定販売の香り付きスクワランは、毎年SNSで非常に人気の高い商品で、限定発売時期に、新規ユーザー様からの認知拡大を目的とし、商品の良さを認知してもらうことで、興味関心を高めることを目的にTiktok動画広告を活用。

ブランドリフト調査も行い認知獲得を実現した。

動画広告の制作フロー

動画広告を成功するために、具体的な制作フローは以下の5ステップです。

1.動画広告の目的やターゲット、配信メディアを設定する

2.ターゲットに合わせたメッセージを複数決める

3.動画の構成・脚本を制作する

4.配信メディアに応じて動画サイズを合わせる

5.配信の成果をもとにPDCAサイクルを回す

1)動画広告の目的やターゲット、配信メディアを設定する

動画広告の目的をはじめ、誰に伝えたいか、どこに掲載するのかを決定します。この工程を疎かにしてしまうと、これ以降の全工程で軸がブレてしまいかねません。

中でも動画広告を打つ目的(ゴール設定)を最初に明確にすることでターゲットが決まり、どこに掲載するのかも決まっていきます。

2)ターゲットに合わせたメッセージを複数決める

設定したターゲットに合わせて、伝えたいメッセージを複数検討します。伝えたいキーワードと訴求できそうなキーワードを複数出した上で、かけ合わせる方法がおすすめです。

3)動画の構成・脚本を制作する

目的、ターゲット、配信メディアを設定し、伝えたいメッセージを決めたところでそれらをもとに、動画の構成・脚本(絵コンテ)を制作します。このとき、テキストだけではなくコマ割りされた絵コンテを作るのが重要です。完成した動画のイメージがしやすくなり、スムーズに制作が進められます。

4)配信メディアに応じて動画サイズを合わせる

構成・脚本をもとに動画を制作したら、投稿メディアに合わせて動画サイズを調整しましょう。例えばYouTube、Twitterは横型動画、TikTokやInstagramは縦型動画というようにフォーマットがそれぞれ異なります。

関連記事:【最新版】各SNSの動画サイズまとめ

5)配信の成果をもとにPDCAサイクルを回す

動画広告を配信したら、終わりではありません。成果をもとにPDCAサイクルを回しましょう。継続して結果を出し、より成果をあげるためには、きちんと分析して改善することが重要です。SNSによって特徴や視聴者層が異なるため、一概には言えませんが「インプレッションされているか」「広告が見られているか」「設定した目的にどれだけ到達したか」に着目しましょう。

まとめ

SNS動画広告は、商品やサービスの認知から購買までの大きなきっかけになりえます。しかし、広告を載せただけでうまくいくとは限りません。きちんと成果を出すには各SNSの特徴を把握し、適切な制作フローを経た上で何度もPDCAサイクルを回すことが求められます。

そのため、目的にあったクオリティの高い動画を作るだけでなく、きちんと分析するスキルが必須でしょう。

 


 

この記事をシェアする