説明動画の作り方やコツを解説|動画作成のメリットデメリットも紹介

近年では紙媒体の説明マニュアルより、説明動画を多く導入している企業を多く見かけます。なぜそんなにも多くの企業が説明動画を導入しているのでしょうか。そこには説明動画ならではの理由がありました。

この記事では説明動画の作り方をはじめ、マニュアルを動画にすることで得られるメリット&デメリットについてご紹介していきます。

作り方やメリット・デメリットを知ることで、いざ導入するということになった際、あらゆる事態に対応できるようになります。ぜひ導入時の参考にしてみてください。

説明動画の作り方

説明動画がどのような手順で作成されるのか5つのステップに分けてご紹介していきます。ステップごとにポイントや注意すべきことがあるのでチェックしてみてください。

1.情報収集

まずは情報収集から始めましょう。説明動画をどのような仕上がりにしたいのかをよくイメージし、どういった情報・資料が必要なのかを明確にする必要があります。

本当に必要な情報を明確化することで、不要な情報を集めるのに時間を費やすこともありません。闇雲に情報収集するのではなく、何が本当に必要な情報なのかをはじめにイメージすることで、必要な情報・不要な情報の整理がしやすくなるでしょう。

2.企画・構成

次の段階は企画・構成です。この段階ではターゲットを絞り、動画の方向性をしっかりと決めていきます。「誰に」向けた動画で、この動画を通じて「どういった」ことを学んでほしいのかという点を絞り込みましょう。

ターゲットの年齢層や学習内容、スキルといった点をしっかりと決めて、どのような方向性の動画を制作するのかを明確にすることが大切です。

また、動画で取り扱うテーマは1つに絞りましょう。動画マニュアルなので、さまざまなテーマを詰め込みやすくなるのも事実です。しかし、1つの動画にたくさんのテーマが入ってしまうと方向性にブレが生じ、何の説明動画なのかが、分かりにくくなってしまいます。動画の内容がきちんとターゲットに伝わるよう、1動画1テーマで進めていきましょう。

3.シナリオ作成

次はシナリオの作成に進みます。これまで集めた情報や資料、構成案などをベースに具体的な内容を決めていきましょう。

説明動画であっても最初にシナリオを作成し、どういったプロセスで作成を進めていくのかきちんと書き起こします。この作業を怠ってしまうと、必要だった素材が途中で判明したり、撮り直ししなければならなかったりと、さまざまなリスクへと繋がりかねません。

シナリオ自体はテキスト主体の台本のようなものでも、絵コンテのようなものでもどちらでも構いません。実際に作成する動画時間を考慮しながらシナリオを作成していきます。その際、以下の項目をシナリオに記入していきましょう。

・使用する資料映像
・ナレーションのセリフ
・挿入する図表やテキスト・テロップ

動画制作の肝ともなる部分なので、手を抜かず作成することが大切です。

4.撮影・ナレーション収録

いよいよ撮影・録音の段階です。前段階で作成したシナリオを基に撮影を進めていきます。まずは作業手順を撮影していきましょう。動画内に人物が出て説明する場合は、マイク・照明などをセッティングしてから撮影に臨みます。

撮影は基本的に明るい場所で行います。屋外だと昼間に、屋内だと自然と太陽光が入る場所が理想的です。撮影時には以下の点に注意しながら進めましょう。

・撮影場所の明るさは適切か
・ノイズなど余計な音が入るロケーションでないか

動画撮影のカメラアングルですが、余裕があるようであれば、同じシーンを複数アングルから撮影してください。複数カットを準備しておくことで、撮り直しというリスクを軽減し、編集時にアングルを切り替えることも可能となるので、作業しやすくなります。ハイアングル・ローアングルなどを使い分けながら変化のある動画を撮影するといいでしょう。

カメラ撮影が終わると、次はナレーション録音です。事前に作成したシナリオを用いて録音を進めていきます。ナレーターとは、読み上げるスピードや抑揚について事前にしっかりと打ち合わせを行いましょう。そのためナレーターには、少し早めに原稿を渡しておく必要があります。

5.編集

撮影が終わると編集作業に入ります。編集の段階で不要な部分をカットし、素材を繋いで1本の動画に仕上げていきます。カットした部分は削除せずにとっておきましょう。後々必要になる場合もあるので、安易に削除しないことをおすすめします。

ナレーションの部分は分かりやすいようにテロップや字幕を挿入し、ミュートでも理解してもらえるように工夫しましょう。図表やグラフの挿入も必要に応じて行います。

編集作業は途中で第三者にも見てもらい、意見をもらうことをおすすめします。自分以外の人に観てもらうことで、不自然な点の確認を行えるためです。

▼企業における説明動画の制作・活用アイデアはこちら▼

説明動画の事例

実際に説明動画を導入している事例を3つご紹介していきます。すべて説明動画なのですが、内容やジャンルは全く異なるものです。それぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。

Dr.Arrivo Zeus II


美顔器Dr.Arrivo Zeus Ⅱの扱い方法を紹介している説明動画です。使い方や特徴などを実演してくれているのでとても分かりやすく、どのように使用するのかが一目瞭然の内容になっています。

適度に説明テロップが挿入されており、音声がないにも関わらず、見ているだけで内容が分かる動画に仕上がっています。

美顔器の使い方というのは、自分のやり方が本当に合っているのか不安になることがありますが、実際にやって見せてくれると、とても分かりやすく安心して続けられるのではないでしょうか。

KURS新人研修用ビデオマニュアル「工程①製造」


KURS(コース)の新人研修用に作成された説明動画です。研修用ビデオなのでナビゲーターが出演し案内してくれる内容になっています。新人研修用のビデオマニュアルは、動画を視聴するだけで仕事大まかな流れが分かるようになります。

これまでは社員が業務時間内に時間を割いて研修するのが主流でした。しかしこの作業を動画で賄うことで、社員の仕事時間を奪うことなく新人を研修することが可能となります。

研修用の動画なので、より分かりやすくなるように図表やテロップなどが多数挿入されているのが特徴です。いかに視聴者に仕事内容を理解してもらえるかが考えられた動画内容となっています。

3M™ダイノック™フィルム施工_出隅編1

3Mダイノックの出隅におけるフィルム施工の方法を動画で紹介したものです。施工内容はテキストで紹介されてもなかなか理解を深めるのは難しいものです。このように職人が実演してくれる動画があれば、手順や注意点などがとても分かりやすく理解できます。

この動画自体は出隅へのフィルム施工方法のみを紹介しているので、あまり長い動画にはなっていません。しかし伝えたい内容を1つに絞って作成されているので、視聴者は目的の動画が探しやすく、知りたい内容をすぐに知ることができる動画内容となっています。

説明動画作成の3つのコツ

説明動画を作成するにはコツがあります。ここでご紹介する3つのコツを押さえることでより分かりやすい説明動画を作成することができるようになるでしょう。

どれも難しいわけではなく、少し意識するだけで取り入れられるコツなので、説明動画を作成する際にはぜひ参考にしてみてください。では早速見ていきましょう。

テロップの挿入

テロップの挿入はとても大切な編集作業の1つです。説明動画はあくまで「動画」なので、もちろんミュートで視聴するユーザーも存在します。

音が出せない状況で閲覧する場合でも、テロップが挿入されると音を聞かなくても画面を見ているだけで内容を理解してもらえます。

挿入するテロップも、説明のセリフをすべて文字起こしするのではなく内容を簡潔に記載した内容にしましょう。テロップを上手に活用することでより分かりやすい説明動画を作成することができるのです。

時間を長くしすぎない

動画の時間はあまり長くしすぎないようにしましょう。長々と説明が続く動画は、視聴していても途中で飽きてしまい離脱に繋がりかねません。

伝えたいことだけを詰め込んで、簡潔に分かりやすい動画に仕上げることを意識します。目安として、1つの動画は5分程度に収まる長さで調整しましょう。

もし伝えたいことが複数あり、動画が長くなってしまいそうな場合は、項目ごとに分けて動画を作成するようにしましょう。そうすれば長々とした動画にはならず、視聴者も知りたい部分を簡単に見つけることが可能となります。

閲覧する画面に配慮する(PC・スマホ)

閲覧する環境がスマホかPCかという画面のサイズでも必要な要素が大きく変わってきます。PCだと細かい文字でも比較的読みやすいですが、同じ文字サイズでもスマホ閲覧の場合は、小さすぎて読みづらいという結果になってしまいます。

閲覧するデバイスによって、文字サイズや画のサイズなどを考慮して動画制作を進めると、見やすい動画を作成することができます。

▼企業における説明動画の制作・活用アイデアはこちら▼

説明動画を作成する3つのデメリット

便利なことが多い印象の説明動画ですが、デメリットについても確認しておきましょう。導入を検討する場合は、デメリットの部分も理解したうえで決めた方がよいはずです。では早速見ていきましょう。

高額な費用がかかる

やはり一番のデメリットは作成費用が高額になるという点です。動画の規模や長さなどにより金額の幅は異なりますが、やはり動画制作には一定の金額が必要になります。

自分で作成すればかなりのコスト削減となりますが、動画制作会社に依頼すると金額は大きくなるでしょう。

なるべく費用を抑えるためにも、必要・不必要な工程などをしっかりと洗い出し選別する必要があります。しかし説明動画は作成する際には費用が発生しますが、一度作ってしまえば、その後の費用はほとんど発生することなく、多くの人と共有しながら活用できるという点も兼ね備えているのです。

動画作成の工程が多い

動画を作成するとなるとやはりその工程は多くなります。企画から撮影・編集まで数々の工程を踏んでやっと1本の動画が完成するのです。動画制作に慣れていない場合は特に大変に感じるのではないでしょうか。

また、編集作業ではワードやエクセルといった一般的なパソコン操作とは少し違う操作が必要となります。普段パソコンを使い慣れている方でも、初めて編集作業をするとなるとやはり少し戸惑うかもしれません。

動画制作の専門知識が必要

分かりやすい説明動画を制作しようとした場合、専門的な知識が必要になるのもデメリットの1つです。とても簡単な短い動画を作成するのとはわけが違い、説明動画は視聴者に内容を理解してもらえるように分かりやすく作成することが大切です。ターゲットを絞り撮影・編集するという段階では、やはり専門知識が必要になるでしょう。

紙媒体とは異なり、専門の技術・機材・知識を用いて初めて1本の説明動画を作り上げることができるのです。これには多大な時間とコストと手間がかけられ、専門知識を持ち合わせているプロに依頼すると、それなりにコストがかかるというデメリットが発生してしまいます。

説明動画を作成する3つのメリット

次にメリットを見ていきましょう。説明動画を作成することでデメリットが生じるという点はお分かりいただけたかと思います。しかし説明動画にも、動画での作成を選択したくなるようなメリットがあります。それはどういったメリットなのでしょうか。詳細を見ていきましょう。

視覚や聴覚からの情報を伝えられる

動画は視覚や聴覚から情報を伝えることができます。字幕などが入っている動画であれば、ミュートにしていても内容を理解してもらえます。

複雑な手順がある場合では、動画で実際に人が行うことで理解度を深めることが可能となるのです。それにテキストだと曖昧な表現になってしまう場合でも、動画だと実際の状態を見て学ぶことができます。

時間や場所を選ばずに視聴できる

動画は視聴者の見たいとき・見たい時間に視聴してもらうことができます。社内向けの説明動画の場合は、いつでも見返すことができるため、業務効率の向上に繋がるでしょう。

ちなみに一般向けに制作された説明動画ですが、近年ではYouTubeに投稿している企業も少なくありません。説明書だと記載個所を探したり、ページを繰ったりするのに時間を費やした割には、テキストだらけでいまいち内容が理解できないという事態も考えられます。しかし説明動画だと、自分が知りたい事項を探すのに手間取りません。また人物が実演して解説してくれる動画は、とても分かりやすく理解しやすいものなのです。

コスト削減に繋がる

説明動画にすることで、テキストマニュアルでかかっていた印刷コストを大幅に削減することが可能となります。必要に応じて印刷が生じた紙マニュアルとは異なり、動画マニュアルだと一度作成してしまえば、その後の費用発生はありません。また簡単操作で多くの人に共有できる点も説明動画のメリットといえるでしょう。

まとめ

説明動画ではいかに分かりやすく視聴者に内容を伝えるかが、とても重要です。分かりやすい動画作成にはテロップの活用方法や動画の長さなど、気を付けるポイントもたくさんあります。

一番伝えたい内容がきちんと視聴者に伝わるような説明動画を作成しなければ、動画を作成した意味がありません。何の目的で誰に向けて作成した説明動画なのかを明確にし、視聴した多くの人が理解を深めてくれる説明動画を作成してみてはいかがでしょうか。


 

関連記事

Premiere Pro(プレミアプロ)を使った動画編集方法【基本操作】

Premiere Proはプロ動画編集者の90%以上が利用しているソフトです。どんなジャンルの動画でも対応できるため、企業のPRや広告動画にも使われています。 しかし使用方法がわからずに動画制 ...

この記事をシェアする