社内報の記事を作成する際、社員や関係者に取材やインタビューが必要な場合があります。しかし、取材を行うにあたって、何も知らないままに実施すると、うまくいかない恐れも。しっかりと事前に情報収集を行い、質問事項をまとめておくことが重要です。
この記事では、質問事項の作成について詳しく説明しています。取材準備の方法も解説していますので、制作担当者の方はぜひ参考にしてください。
目次
ベストな社内報向けインタビュー・取材とは
時間を確保して行う以上、有益な取材にさせることが肝心です。取材を行うコツとして、まずは次にあげる点を意識しましょう。
【取材を成功させるポイント】
・記事の目的を理解した上で取材に挑む
・読者の求めることや知りたい情報をふまえて質問する
・取材相手に興味を持ち、相手の返答に対して深く掘り下げていく
一方、せっかくの取材が生かせない場合もあります。
【もったいない取材の例】
・取材相手を事前に調べずに取材へ訪れる
・質問内容を掘り下げない
・当たり障りのない質問しかしない
取材では、記事の目的と読者の目線に立つことを意識しましょう。
取材・インタビューは事前準備が重要
「取材の8割は準備」といわれるほど、取材やインタビューを行う上で事前準備は欠かせません。事前準備の有無によって、取材の質が大きく変わります。
事前の準備を行う際は、以下を必ず行いましょう。
【取材前の事前準備】
・取材相手について情報収集を行う
・構成のイメージを考える
・事前に質問事項は取材相手に共有しておく
取材相手について情報収集を行う
取材やインタビューを行う際は、取材相手の情報を調べることが第一です。取材のテーマに関する情報はもちろん、テーマと関連のない内容もおさえておくと良いでしょう。
特にあまり接点がない相手だった場合、いきなり質問を始めても取材が弾まないこともあります。事前に知った情報は、アイスブレイクとして活用することもできます。取材相手が社員だった場合、同じ部署のメンバーなど、近しい社員に聞いてみるのも一案です。
ただし、テーマと関連のない内容は、取材中はあまり深掘りせず、あくまでも事前知識として留めておきます。
【取材相手について事前にリサーチしたい内容例】
・これまでの経歴
・現在の業務内容と取り組み
・社内から見た印象(どういった人物か)
・趣味や特技 など
構成のイメージを考える
ざっくりでもいいので、記事を書く目的は何かを考え、どのような記事にしたいか全体のイメージを考えます。ざっくり考えた上で徐々にブラッシュアップしていき、構成を考えましょう。
目的を持たない取材では、取材相手も戸惑ってしまいます。具体的には、次の準備をしておきましょう。
・記事のテーマ・目的を決める
・想定読者を考えておく
・掲載する媒体を考える
・レイアウトのイメージ
・仮タイトルを考える など
これらの内容を準備する中で、どのようなことを聞けばよいか質問内容も徐々に固まってきます。
動画を活用するのであれば、どこで撮影するかも検討し、事前に撮影許可を取るのも忘れないようにしましょう。
事前に取材相手へ質問事項を共有する
質問内容を考えたら、事前に取材相手へ共有するようにします。
自分が取材される側と想定して考えるとわかると思いますが、いきなり質問されて答えを返すのは案外難しいものです。事前に質問内容を共有しておけば、事前に回答を考えて置いてもらえるので取材がスムーズに進みます。
また、可能であれば簡単でもよいので事前に書面で回答いただければベターです。取材側も深掘りするための質問を考えておけるため、さらに充実した取材となるでしょう。
良い取材につながる質問事項の作成方法
良い取材につなげるには、事前に考えた質問内容がポイントとなります。作成の優先順位としては、次のとおりです。
まずは聞きたい内容を洗い出す
その中から優先順位をつける
深掘りできる質問を用意しておく
1.まずは聞きたい内容を洗い出す
まずは、テーマに沿って聞きたい内容を細かい部分まで洗い出しましょう。
仕事内容だけではなく、プライベートの質問も交えると深みのある取材となります。この段階ではそれほど深く考えず、質問項目を思いつくままあげていくのがよいでしょう。
【質問内容の例】
・相手の経歴
・仕事内容
・所属チームの基本情報
・職場独自のルール
・職務中の秘話・苦労話
・職務中の苦労話
・商品やサービスにかける思い
・会社の好きなところ
・趣味・特技
・休日の過ごし方
・食堂のおすすめメニュー(会社周りのおすすめカフェ) など
社内報に掲載する記事なので、他の社員との関わりがよくわかる質問、パーソナリティを引き出せる質問などを意識的に交えて考えていきます。
2.その中から優先順位をつける
上記であげた質問項目を、記事の目的に合わせて優先順位をつけてリスト化します。
この段階で、必ず聞かなければならない質問をピックアップし、あまりにも目的と外れた質問は除外しましょう。
取材は時間が限られているため、あれもこれも質問していると時間の足りなくなる可能性があります。必要な質問を聞き逃すことのないように、優先順位の高い質問を設定して聞く順番を考えておくとうまく進められます。
たとえば仕事内容にフォーカスした記事なら仕事に関する質問、開発商品にフォーカスした記事なら商品に関する質問を多めにするとよいでしょう。
3.深掘りできる質問を用意しておく
質問に対して、どのような答え方をしても話を広げられるように、深掘りできる質問を事前に考えておくと、話を広げやすくなります。
一例ですが、下記のようにいくつかパターンを想定しておくとよいでしょう。
【深掘り質問の一例】
質問:今回のプロジェクトで、何か苦労したことは?
【パターンA】
回答:「今すぐに出てこない」「思いつかない」
深掘りした質問:「たとえば、納期が短かった部分もあったと思いますが、スケジュールを調整する際に苦労したところはありましたか?」
【パターンB】
回答:「苦労したことは特になかった」
深掘り:「苦労せずに乗り越えられた秘訣として、どういった要因が考えられますか?」
印象に残したいなら、社内報取材は動画がおすすめ
社内報に使われる媒体としておもに利用されるのは、紙とWebの2種類です。
Web媒体を使用する場合、文章で書くのもよいですが、動画を利用すると印象に残る取材記事となります。
【社内取材は動画がおすすめの理由】
・テキストだけでは伝えにくい情報を伝えられる
・インタビュー対象者の雰囲気がわかる
・イラストや図解など効果的に使える
・飽きさせないように演出がしやすい
テキストだけでは伝えにくい情報を伝えられる
動画を利用すれば、文章だけでは伝えにくい情報を視覚で伝えられます。たとえば次にあげる内容であれば、動画を使えばさらに効果的です。
【動画で紹介するとわかりやすい例】
・オフィスや工場の紹介
……広さ・設備・周辺環境など
・新商品の紹介
……実際に使っている場面・大きさ・質感など
インタビュー対象者の雰囲気がわかる
文章のみで伝えるより、インタビュー対象者の人となりがよく伝わります。目の前で話している動画を見ることで、全体的な雰囲気が視覚と聴覚からも見えてきます。
【動画で紹介するとわかりやすい部分】
・声
・仕草
・表情
・熱意や意気込み など
イラストや図解などが効果的に使える
イラストや図解を動画内で使用することで、効果的に内容を伝えられます。話している内容に合わせて、みてもらいたいイラストや図解がタイミングよく表示できるメリットもあります。
視覚と聴覚を利用することで、イラストや図解を単独で見るよりもさらに理解が深まり、印象深い動画となるでしょう。
飽きさせないように演出しやすい
文章だけだと、長文など途中で読むのに疲れる可能性がありますが、動画だと飽きさせないような工夫が内容に盛り込めます。
【飽きさせない動画の工夫例】
・ズームや別アングルなどカット割りを変える
・テロップや効果音を入れる
・白黒画像やイメージ画像などを差し込む
・間を詰める
・短時間でまとめる など
まとめ
取材やインタビューをするには、明確な目的がなければよい内容にならず、取材相手にも失礼に当たります。
取材やインタビューに挑むには、事前準備が非常に大切です。事前準備の内容で、できあがる記事の内容に大きく差が出てしまいます。目的をはっきりさせて、質問内容を事前に精査しておくことで、よい取材記事となるでしょう。
条件がそろえば、動画を使った社内報も印象に残るためおすすめです。ぜひ、取材やインタビューに取り組む際の参考にしてみてください。
関連記事
この記事をシェアする