イントラネットで社内向け動画を配信するメリットと共有方法

テレワークの浸透に伴い、社内の情報共有に動画を活用する企業が増えています。しかし、情報漏洩や個人情報保護の観点から、どういった形で配信しようかとお悩みの方もいるのではないでしょうか。

動画を配信するには、イントラネットの利用も一つです。社内報を動画で作っている場合、イントラネットの活用がおすすめです。

この記事では、イントラネットで動画配信するメリットやデメリットを紹介します。動画配信の方法もまとめているので、動画で社内情報を配信しようと検討している担当者の方は参考にしてください。

イントラネットとは

イントラネットとは、直訳すると「内部ネットワーク」となります。企業内などの限られた範囲で、利用可能となるネットワーク環境を指します。イントラネットの主な特徴は、次のとおりです。

・権限のある人のみアクセス・ログインできる
・インターネットと同様の仕組みで構築される
・インターネットとは切り離されて運営される

上記の特徴から、イントラネットは多くの企業で導入されています。インターネットとは基本的に切り離されているため、第三者からアクセスされるリスクが極めて低く、社外秘の情報を取り扱うのに適した環境です。

インターネット・エクストラネットとの違い

イントラネットと似たような形態もいくつか挙げられます。インターネットやエクストラネットとの違いは、次のとおりです。

イントラネット企業や組織内のみで共有され、限られた範囲内のネットワーク環境を指す
インターネット世界規模でオープンに接続されるネットワーク環境を指す
エクストラネット複数のイントラネットを相互接続して拡張されたネットワーク環境を指す

イントラネットは閉じたネットワーク環境であるのに対し、エクストラネットはいくつかのイントラネットが接続された環境。インターネットは、制限なく接続されるネットワーク環境となっています。

イントラネットは多くの企業で利用されている

社内での情報共有手段として、イントラネットを利用している企業は数多く見られます。

技術的にはインターネットと同様ですが、外部のネットワークとは基本的に切り離された環境であるため、機密情報のやり取りでも情報漏洩のリスクは極めて低いのが特徴です。

また、イントラネットを通してYouTubeの限定公開動画を配信したり、動画配信システムを利用して動画配信したりするなど、動画を共有するシステムとしても活用が進んでいます。

具体的な活用方法としては、次のようなものが考えられます。

【イントラネット経由の動画配信の活用例】
・社内報
・社内研修
・マニュアル
・講演会やイベント
・朝礼
・営業資料 など

イントラネットで動画配信するメリット

イントラネットを利用して社内で動画配信するメリットとして、考えられるのは次の3点です。

【イントラネットで動画配信するメリット】
・社内コミュニケーションの活性化につながる
・業務の効率化が見込める
・コスト削減につながる

社内コミュニケーションの活性化につながる

動画を社内利用することで、コミュニケーションの活性化につなげられます。

テレワークの推進によって対面のコミュニケーションが減り、社員同士のつながりが希薄になったと感じる社員は少なくないでしょう。

たとえば、社内報を動画で作成してイントラネット上で共有すると、在宅勤務や遠方で勤務する社員に対しても、他の社員とのつながりを感じてもらうことが可能です。

顔を合わせたことがない社員に対しても、親しみを持ってもらったり、業務上のコミュニケーションが取りやすくなります。また、人事担当者としても、動画の視聴状況が確認できるので、社員のエンゲージメント管理もあわせて行えます。

動画の共有によって社員のモチベーションを高められ、社員同士のコミュニケーションを作り出すきっかけとなるでしょう。

業務の効率化が見込める

動画をうまく活用することで、業務の効率化を図れます。

イントラネット上で動画を共有すると、社員がどの場所で勤務していても、同じタイミングで同じ動画の視聴が可能です。事前に動画を作成しておけば、配信に人的作業はほとんどかからないため、準備の手間を省けるというメリットもあります。

動画で重要事項を配信すると、見逃したり内容が理解できなかったりする場合でも、再度見直しが可能です。それによって、内容の理解度も高められます。

結果的に業務全体の生産性向上につながり、業務の効率化が期待できるでしょう。

コスト削減につながる

動画を利用することで、さまざまなコストの削減につなげられます。たとえば、社内研修であれば、通常であれば次のようなコストが毎回発生します。

・会場の使用料
・資料の印刷費
・受付の人件費
・講師への謝礼
・受講者の交通費 など

研修動画を作成してイントラネット上で保存・配信することで、講師に対する謝礼は録画時に発生するのみで、他のコストはかからなくなります。マニュアル動画や営業資料動画などでも同様に、一度作成して共有しておくと、説明のための費用がかかりません。

動画は繰り返し使用できるため、長期的に見るとかなりのコスト削減が見込めるでしょう。

イントラネットで動画配信するデメリット

一方、社内でイントラネットを利用して動画配信するにはデメリットも存在します。

【イントラネットで動画配信するデメリット】
・導入コストがかかる
・トラブル対応やメンテナンスを自社で行う必要がある

導入コストがかかる

イントラネットで動画配信するためには、イントラネットがなければ、まずはシステムを構築しなければなりません。ネットワークの構築には、規模と内容によって差はありますが、少なからず費用と時間がかかります。

【イントラネット構築に必要となる主な設備】
・個人のパソコン
・LAN接続機器(有線・無線)
・サーバー・ルーター
・社内用のシステム・アプリ

イントラネットを業者へ委託して構築するには、小規模オフィスでも20万円程度、フロアをまたぐような大規模オフィスになると400万円程度かかる場合もあります。

動画配信に使用するには、それに見合ったシステムが必要となるため、全体的な予算を元にどのような内容が必須となるか、よく検討してから導入すると良いでしょう。

自社でトラブル対応やメンテナンスを行う必要がある

イントラネットは社内でのみ使用するシステムであることから、トラブルが起きれば自社ですべて対応しなければなりません。

ネット障害などによりイントラネットにアクセスできない状態となれば、全社員の業務に多大な影響を与えます。またトラブルが長くなればなるほど被害が甚大となり、会社全体の生産効率が大幅に減少してしまう可能性が考えられます。

トラブルが起きた際、どのように対応すれば良いのか社内でルール化しておくことが大切です。

【トラブルに向けた対処例】
・定期的なメンテナンスを実施する
・外部業者と保守・サポート契約を結ぶ
・トラブルが起きた際の連絡先を周知しておく など

社内向けの配信動画をイントラネット上で共有する方法

社内向けの配信動画をイントラネット上で共有する方法は、主に次の2種類が考えられます。

【イントラネット上で動画を共有する方法】
・YouTubeの限定公開動画を共有する
・動画配信システムを導入する

YouTubeの限定公開動画を共有する

YouTubeの限定公開動画を利用すれば、イントラネットで動画共有が可能です。YouTubeの動画には、次にあげる2種類の公開方法があります。

・通常公開:アップロードした動画を誰でも自由に視聴できる
・限定公開:動画のURLを知っている人だけが動画視聴できる

動画を限定公開として、社内だけでURLを共有すれば、外部に動画が公開されることはありません。またYouTubeを利用すれば、システム導入の必要がないため、費用をおさえて手軽に導入できます。

ただ、YouTubeの社内利用には以下のリスクが伴います。

【YouTube利用で考えられるリスク】
・ヒューマンエラーによってURLが社外に出回り、情報漏洩する危険性がある
・有料コンテンツの配信は禁止されている
・無断で二次利用される可能性がある
・YouTubeのサーバーから情報漏洩する可能性がゼロではない
・利用者の意図に関係なく広告が表示される など

これらのリスクをよく考慮して、YouTubeを利用するかどうか検討するのが賢明です。

動画配信システムを導入する

自社で動画配信システムを導入して、社内利用する方法もあります。

動画配信システムとは、限られた視聴者向けに動画配信できるシステムです。

YouTubeは不特定多数に向けたプラットフォームであり、法人利用を前提としていません。一方、法人向けの動画配信システムはセキュリティレベルが高く、気密性の高い情報配信にも対応しています

イントラネットに動画配信システムを導入し、動画配信するメリットとデメリットは、次にあげるとおりです。

メリットデメリット
・情報漏洩のリスクが少ない
・広告表示がない
・無断で二次利用されない
・有料コンテンツの配信としても使える など
・システムを導入する必要がある
・導入に費用のかかるケースが多い など

導入に関してはトライアル期間などを活用し、自社の運用方法にあったシステムを選ぶと良いでしょう。

まとめ

イントラネットはクローズのネットワークであるため、守秘義務を伴う社内動画の配信に向いています。一方、導入コストやトラブル対応など、解決しなければならない問題点もあります。

すでにイントラネットを導入している企業は、情報漏洩のリスクと費用対効果を考えて、動画の配信方法を検討しましょう。


 

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