YouTubeを社内向けに利用するメリットと注意点|社内報配信の最適な方法を紹介

テレワークの浸透により、オンラインのコミュニケーションが主流になってきています。そんな中で、オンラインの情報共有にYouTubeを利用する企業も増えていました。

社外に公開するだけでなく、社内向けに活用するケースも見受けられます。たとえば、動画の社内報を作る際にYouTubeにアップするような使い方もあります。

この記事では、YouTubeを社内利用するメリットと注意点を解説します。「YouTubeに社内報を載せたい」「社内の情報共有としてYouTubeを使いたい」という方は参考にしてみてください。

YouTubeを社内利用するときは限定公開が鉄則!

YouTubeを社内利用する際は、「限定公開」とするのが鉄則です。

【通常公開と限定公開の違い】
・通常公開:アップロードした動画を誰でも自由に視聴できる
・限定公開:URLを知っている人だけが視聴できる

限定動画では、URLを知らなければ動画を視聴したり検索したりすることはできません。動画を限定公開し、社内でURLを共有することで、外部に動画が公開されることなく情報を共有できます。

YouTube限定公開動画を社内利用する目的

昨今では、在宅勤務を取り入れる企業が増えています。

リモートで働くのはメリットも多い一方、顔を直接合わせて話すことが難しくなりました。その結果、情報共有の仕方に課題を感じる企業も多くなりました。その解決策として、動画による情報共有が増え、YouTubeの社内利用が進んでいます。

動画であれば、文字や画像よりもわかりやすく情報を伝えられるのが大きな特徴です。

YouTubeを社内利用する例としては、主に以下が挙げられます。

【YouTubeの社内利用例】
・社内報
・社内研修
・マニュアル動画
・講演会やイベント
・朝礼
・営業資料 など

単なる情報共有だけでなく、コミュニケーションの手段としてもYouTubeを活用できます。

YouTubeを社内利用するメリット

YouTubeおよび動画を社内利用するメリットは、主に次のとおりです。

【YouTubeを社内利用するメリット】
・コストを削減できる
・業務を効率化できる
・情報を理解しやすい
・場所や時間に関係なく配信・視聴できる

コストを削減できる

動画にまとめてYouTubeで公開することによって、コストが抑えられます。社内報を例にとると、これまでは以下の費用が必要となっていました。

・制作費
・紙の印刷代
・制作時間
・配布の手間

紙媒体で社内報を作成する場合、動画と比較して制作時間や印刷コストがかかります。動画制作も時間がかかりますが、紙媒体は印刷にどうしても時間がかかってしまいます。また配布する作業も必要なため、YouTubeで共有する場合よりも手間が発生します。

業務を効率化できる

動画の利用によって、さまざまな業務の効率化を図れます。先述のとおり、第一に配布の手間は削減できます。

また、YouTubeのURLを共有すれば、全国各地で働く社員にも一斉に展開することが可能です。さらに、動画は繰り返して視聴できるため、マニュアルや研修などを配信したい場合にも最適でしょう。

情報を理解しやすい

動画によって得た情報は、理解しやすいのも大きな特徴です。

文章と比較した場合、画像では7倍、動画では5,000倍の情報を伝えられると言われています。また人対人のコミュニケーションにおいて、言語情報が7%に対して聴覚が38%、視覚が55%の影響を与えるといった研究結果もあります。

これらから考えても、動画による情報共有は「わかりやすく伝達する」という面で非常に優れているといえるでしょう。

また、動画では話す方の雰囲気や熱意もあわせて伝わるため、記憶に残りやすいといったメリットもあります。

参照:https://www.konishi-p.co.jp/column/2021/12/10/86

場所や時間に関係なく配信・視聴できる

場所や時間に関係なく配信や視聴が可能な点も、動画利用のメリットです。

YouTubeであれば世界中どこでも視聴可能であり、国内であればスマートフォンから視聴するのも容易です。また後から確認できるのも、動画利用の特徴となります。

YouTubeを社内利用するときの注意点

YouTubeを社内利用する際、特に以下には注意しておかなければなりません。

YouTubeを社内利用するときの注意点】
・情報漏洩に気をつける
・利用規約に沿って運用する

情報漏洩に気をつける

YouTubeの限定公開であれば、外部には公開されません。しかし、人的な不注意によって、外部に情報漏洩する危険性があります。

【YouTube限定動画が外部に漏れてしまう例】
・動画のURLを第三者に知られた
動画のURLが記載されたものを見られるなど、何らかの理由でURLが知られてしまうと動画を閲覧できるようになります。

・ブログや会社のサイトなどに限定公開の動画が埋め込まれていた
誰でも閲覧可能なサイトに限定公開の動画が埋め込まれていた場合、クリックすれば視聴できてしまいます。

・公開設定されている再生リストに限定公開の動画を入れてしまった
限定公開の動画であっても、公開設定されているリストに入れると誰でも視聴可能となってしまいます。

上記の例は、すべてヒューマンエラーによって起こります。「URLの管理を徹底する」「情報漏洩した動画は削除してアップしなおす」など、何らかの対策が必須となるでしょう。

利用規約に沿って運用する

企業がYouTubeを使用する際は、利用規約の内容を把握しておくことが重要です。

YouTubeに掲載する動画の責任は企業側にある】
動画をアップする際は、著作権の侵害に注意が必要です。利用許諾を得ていない著作物(被写体・音楽・場所など)を無断で利用すると、著作権侵害で問題となる可能性があります。

社内限定動画だからと安易に考えず、コンプライアンスにのっとった動画を作成するのが大切となるでしょう。

YouTubeによって二次利用される可能性がある】
利用規約内に、次のような一文があるので引用します。

“本サービスにコンテンツを提供することにより、お客様は YouTube に対して、本サービスならびに YouTube(とその承継人および関係会社)の事業に関連して当該コンテンツを使用(複製、配信、派生的著作物の作成、展示および上演を含みます)するための世界的、非独占的、サブライセンスおよび譲渡可能な無償ライセンスを付与するものとします。これには、本サービスの一部または全部を宣伝または再配布することを目的とした使用も含まれます。”

捉え方によっては、YouTubeが勝手に二次利用できるような内容となっています。アップする動画の内容については事前に有識者の判断を仰ぐといった、何らかの対策を打つのが賢明な判断だといえるでしょう。

【削除した動画もYouTube側では残っている可能性がある】
ユーザー側で削除した動画であっても、YouTubeのサーバーにデータの残っている可能性があると利用規約には明示されています。上映されることはないと記載されていますが、その情報が外部に漏えいする可能性はゼロではありません。

そういったリスクがあるのも、動画の担当者としては知っておくべきだといえるでしょう。

【広告表示が発生する】
利用規約の中に、コンテンツの収益化に関する権利をYouTubeに付与するという一文があります。これはユーザー側の意図とは関係なく、動画に広告が表示されるといった解釈ができます。

広告を非表示にする条件は内容が非常に厳しいため現実的ではなく、意図しない広告が出てくるケースを許容できるかも利用のポイントといえるでしょう。

【有料配信としての利用は禁止】
YouTubeにアップした動画を使って、金銭を直接得ることは利用規約で禁止されています。社内利用のみであれば有償となるケースはほとんどないでしょうが、もし有償としたい場合は他のプラットフォームを利用しましょう。

引用・参照:YouTube「利用規約」
https://www.youtube.com/static?template=terms&hl=ja&gl=JP

社内報はイントラネットや社内ポータルの利用がおすすめ

社内向けの動画配信はYouTubeも選択肢の一つではありますが、利用規約が曖昧であり、あくまでも企業向けではなく一般向けのプラットフォームである点が懸念されます。運用上、適さないと判断した場合は、他のプラットフォームを検討するのも一つです。

そこで、社内向けの動画配信の運用は、イントラネットや社内ポータル上で行うのがおすすめです。

イントラネットとは、企業内などの限られたネットワーク環境を指します。インターネットとは切り離された環境のため、外部の人間はイントラネット内にアクセスできません。そのような環境下で動画を社内利用することで、セキュリティ上の安全性が高められます。

社内報は、機密情報が多く含まれたコンテンツです。「オープン社内報」として一般向けに公開するケースもありますが、社内だけにとどめておきたい情報はイントラネットや社内ポータルにあげるようにしましょう。

イントラネットや社内ポータルの利用がおすすめな理由

イントラネットや社内ポータルで動画配信を行うことは、以下の点からおすすめです。

【利用するメリット】
・情報漏洩のリスクが少ない
アクセス制限があるため、外部へ情報漏洩するリスクが減らせます。

・ビジネス向けの細かいニーズに対応できる
社内イントラネットやポータルサイトであれば、自社に合ったシステムが利用できます。

イントラネットや社内ポータルで動画配信を行えば、無許可で二次利用される心配もなくなります。

まとめ

社内での情報共有のために動画を利用すれば、業務の効率化やコスト削減につながります。配信方法としてYouTubeの限定公開を利用することで、さらにコストの削減と視聴の促進につなげられるでしょう。

ただしYouTubeは動画の拡散を目的としたプラットフォームであるため、限定公開を利用していても外部に情報漏洩してしまうリスクは避けられません。

イントラネットや社内ポータルを利用して動画を配信すれば、二次利用やセキュリティの問題も解決できます。YouTubeの利用だけにこだわらず、あわせて他の方法を検討するのも一案でしょう。


 

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