社内報で役員紹介を行う目的と取材のコツ|ユニークな企画事例を紹介

通常、一般社員は普段接点のない役員について、人となりや考え方を知る機会は多くありません。そこで、社員全員が閲覧できる社内報で役員紹介を行うことが有効です。

経営陣の考え方を社内報で効果的に伝えることで、社員のモチベーションアップの材料となりえます。真面目な内容だけではなく、人柄やプライベートが垣間見られる内容だと、役員に親近感を抱くきっかけにもなるでしょう。

この記事では、社内報で役員紹介をする目的やコツを解説します。社内報で効果的な役員紹介をしたいとお考えの担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

社内報で役員を紹介する目的

社内報において役員を紹介する目的は、主に次のとおりです。

【社内報で役員を紹介する目的】
・経営陣と社員のコミュニケーション活性化を図る
・会社の方針や理念を社員全員で擦り合わせる
・経営的な思考を周知させるきっかけとする など

社内報を作る目的のひとつに「経営理念や将来のビジョンを社員で共有する」ことが挙げられます。

一般社員と経営陣が意見交換する機会は、大きな組織になればなるほど少なくなるものです。また日々の業務に邁進する中で、企業理念やビジョンの認識が薄れることも懸念されます。

社内報を利用して役員の考えを発信すれば、一般社員へ普段あまり伝えられない役員の思いが届けられる良い機会となります。

社内報で会社の方向性や役員の考え方を共有することで、日々の仕事の目的が明確になり、社員のモチベーションアップも期待できるでしょう。

役員に取材するときのコツ

社内報で役員を紹介する際には、制作担当者がヒアリングしてコンテンツにまとめる作業が必要です。そのため、オンライン・オフライン問わずインタビュー取材が不可欠です。
「取材は準備が8割」と言われるように、事前の準備によって聞き出せる内容の濃さが大きく変わってきます。

役員に対して取材する際は、次の項目に留意して挑むと良いでしょう。

役員に取材するときのコツ】
・役員のプロフィールを徹底的に調べる
・社員が知りたい情報をふまえて質問する
・記事の結論を急がない

役員のプロフィールを徹底的に調べる

インタビューや取材では、相手の情報を調べられる限り調べてから挑むと良いでしょう。

取材を受ける側にとっては、自分へ興味関心を示してくれる取材者には親近感を抱き、心を開いてくれるものです。逆にいえば、準備を何もせずに取材しても、奥深い部分まで話を聞き出すのは難しくなります。

たとえば、次にあげる項目をできるだけ調べてインタビュー内容を考えると、普段聞き出せないような話を引き出せる可能性が高まります。

・新入社員時のエピソード
・趣味や特技
・愛読書
・好きな音楽、最近ハマっていること など

調べてもあまりわからなかった場合、最低限でも自社サイトに掲載しているプロフィールは把握しておくようにしましょう。

社員の知りたい情報をふまえて質問する

役員のインタビュー時は、読者である社員の聞きたい質問を投げかけるようにしましょう。

いくら相手の立場を考慮するといっても、役員が伝えたいテーマや事柄ばかりでは興味を持ってもらいにくい可能性があります。社内報の読者は、あくまで一般社員であるという認識を忘れずに「社員が聞きたい内容は何か」を意識するのが大切です。

質問内容に関しては自分で考えるだけではなく、事前に社員アンケートで募集してみるのも良い方法です。

ただし、社員が役員に聞きたい質問は、役員にとって最適な内容とは限りません。深い内容をうまく引き出すためには、役員の話したい内容と社員の聞きたい質問をバランスよく織り交ぜるようにしましょう。

事前に準備した質問だけ行うのではなく、役員の話をよく聞いた上でポイントとなる部分を深掘りして広げていけたらベストです。

記事の結論を急がない

社内報でコンテンツを作る際、事前に企画内容や目的などを設定する場合も多いでしょう。しかし、伝えたいことに対する結論を急ぐあまり、取材者側で内容を勝手に解釈してしまうことは避けなければなりません。

時間に制限のある中で、思うような結論がなかなか出てこないケースもよくあります。もちろん、忙しい中で時間を確保してもらっている手前、効率的に取材を進めたくなってしまうものでしょう。しかし、思い込みで取材者が勝手に内容をまとめて結論付けてしまうのはタブーです。

結論はあくまで取材される側から引き出すものであり、話の解釈を間違えている可能性も否めません。もちろん、時間が足りなくなって結論にあたる部分を引き出せない事態は避ける必要があります。時間内で知りたいことを引き出すには、事前の情報収集が肝心です。基本的なプロフィールはもちろん、質問のテーマに合った情報についてもあらかじめ知っておくようにしましょう。

役員にインタビュー・取材するときの質問項目

役員に取材・インタビューを行うにあたり、「どんなことを聞いたら良いのだろう」と悩む担当者も少なくないのでは。ここでは、質問例をいくつか挙げて紹介します。こちらを参考にして、社内報の内容に合った質問を考えてみると良いでしょう。

経営方針や業界の動向に関する質問項目】
・会社の方針・ビジョンの再確認
・今季の目標と実現に向けた施策
・短期〜中長期の会社の将来像について
・業界の最新動向や将来に向けての課題
・新規事業について など

【期待するスキルや人材など、社員にまつわる質問項目】
・現在気になっている部門
・現場で取り組んでほしい事柄
・社員につけてほしい知識やスキルについて
・社内の良い点、魅力とは
・社員に対する印象 など

【社員が知りたい役員事情や意向に関する質問項目】
・社員から届いた質問に対する回答
・経営理念や将来のビジョンに関する具体的な内容
・役員が考える、今後の会社の方向性について
・新規事業に取り組む経緯 など

【役員自身に対する質問項目】
・趣味や休日の過ごし方など、プライベートについて
・最近感銘を受けた本や映画など
・新入社員〜若手時代のエピソード
・どういった子ども時代を過ごしたのか
・現在、取り組んでいる業務内容 など

社内報に役員を登場させるユニークな企画の事例

社内報では真面目な企画だけではなく、ユニークな企画で取り上げて親近感を持ってもらうのも良いでしょう。

役員の誕生日を切り口に紹介する

役員紹介をするにあたって、誕生日や誕生月を切り口に行うのも一つです。その月に誕生日を迎えた役員をピックアップして社内報に掲載することで、コミュニケーションのきっかけとなる可能性があります。「おめでとうございます」と声をかけやすくなるので、普段よりも役員と社員が交流しやすくなるでしょう。

ただし社内報を外部に出す場合は、個人情報保護の問題もあるため、掲載にあたって本人確認は必須となるので注意しましょう。

リレー形式で各役員を登場させる

社内報では、リレーのようにバトンをつなぎながら、順番に社員を紹介していく方法があります。取材で取り上げられた人が次に登場する社員(バトンの送り先)を決めてつなげていきます。社員紹介においても有効ですが、役員紹介でも効果的な手段です。

リレー形式でつないでいくことによって、他者から見た役員の人柄や印象が伝わるようになります。役員本人に話してもらって記事化するよりも、他己紹介の方が本人のリアルな雰囲気がわかることもあります。

役員同士の関係性も知る機会となるので、特に規模の大きな企業には有効です。

まとめ

社内報に役員紹介を載せることで、経営陣の思いや会社の方向性などを一般社員へ伝えることが可能となります。とくに大企業においては経営陣と一般社員の距離が遠いため、社内報をうまく活用すればコミュニケーションや社員のモチベーションの向上も期待できます。

役員と一般社員のコミュニケーションツールとして、社内報を上手に利用してみてはいかがでしょうか。


 

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