社内総会は、社内の業績を共有するとともに、社員同士の親睦を深め、社内の士気を高める役割を担っています。
社員全員を一箇所に集めて行う社内総会を意義あるものにするためには、社内総会のコンテンツ面でも充実させる必要があります。社員総会で用いられる代表的なコンテンツの一つが、「動画」です。
動画は大人数に情報を伝えるのに適した媒体であり、社内総会で使うツールとしてさまざまなメリットがあります。この記事では、社内総会に動画を使用するメリットや制作・運用のコツ、工夫やトラブル時の対処法などについて詳しくご紹介します。
目次
社内総会に動画を使用するメリット
社内総会の代表的なツールに動画が用いられる理由としては、以下があげられます。
・出席者が感情移入しやすい
・社内総会をリモートで実施できる
・スムーズに社内総会を進行できる
・総会の様子を記録として残せる
具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
出席者が感情移入しやすい
社員によるスピーチなどに比べて視覚に訴える動画には、出席している社員の興味・関心を開催時間中持続させる効果が期待できます。
多くの社員を一箇所に集めて大画面で映像を見せることにより、出席した社員にまるで映画館にいるかのような感覚を与えられます。非日常的な空間で披露されるコンテンツは、観る側の心をより動かしてくれるでしょう。
会社の歴史や今後のビジョンなど、出席者の心に訴える動画を使用することで、出席者を感情移入させることが可能。会社に対して肯定的な意識を持ってもらえる効果も期待できます。
社内総会をリモートで実施できる
社内総会をリモート開催する企業も少なくありません。動画コンテンツは、リモート開催とも相性が良いのが特徴です。
スポーツや音楽ライブのパブリックビューイングなど、映像を通して参加した気分を味わう体験は、すでに社会で浸透しつつあると言えるでしょう。
スムーズに社内総会を進行できる
事前に撮影した動画を流す場合は、その場で行うスピーチや出し物と異なり「スピーチが長引いて進行に遅れが生じる」「マイクの音声が途切れる」など、不測のミスやトラブルを発生させる心配がなく、万全に準備した状態でコンテンツを流せます。
特に社員の人数が多い大企業では、社内イベントとしての総会をトラブルなくスムーズに進行することが求められます。そのため、万全な準備ができる動画の使用はメリットが大きいでしょう。
総会の様子を記録として残せる
社内総会の中で使用するコンテンツとしての動画以外にも、総会の様子を撮影して新たな動画コンテンツにし、記録に残すことができます。
従来はテキストベースで記録していた社内総会の内容を動画にすることで、記録担当者の感覚に左右されない客観的な形で残せるのもメリットです。
社内総会で使う動画を作るポイント
同じ労力をかけて動画を制作したとしても、ポイントを押さえて制作した場合とそうでない場合では、完成度や本番での反響に差が出ることは往々にしてあるでしょう。
ここでは、社内総会で効果的な動画を披露するために、押さえておきたいポイントをご紹介します。
冒頭の「オープニング動画」で盛り上げる
あらゆるイベントに共通しますが、冒頭にインパクトのあるコンテンツを用意し、観る側の心を動かすことが重要です。そのため、社内総会において「オープニング動画」を制作することは、より会場を盛り上げるために有効だと言えるでしょう。
視覚に訴えかける動画コンテンツは、会場の雰囲気を変え、参加者の心をつかむのに適しています。
オープニングを盛り上げるためのオープニング動画として、尺が短いインパクトある内容の動画を用意するのがおすすめです。
BGMを取り入れる
同じシーンを流す場合でも、BGMなしで流す、陽気な音楽をBGMにして流す、あるいはシリアスな雰囲気の音楽を挿入して流すのではそれぞれ印象が異なり、全く違う動画に感じられるでしょう。
この場面で観る側をどんな気持ちにさせたいかという点を意識し、それに合わせたBGMを挿入することで、動画の効果を高められます。
ストーリーを意識する
動画を制作する際には、「ストーリー」を意識することが大切です。ストーリーには自然に感情移入させる効果があるため、例えば「従業員の成長物語」などのストーリー形式にすることで、観る側の感情を動かす効果を期待できるでしょう。
ストーリーを考える際のポイントは、「魅力的なキャラクター=登場人物」を設定することです。社内総会で使えるストーリー性を交えた動画の例として、「創業者とそれを支えた草創期の社員たち」を登場人物としてフィーチャーしてもよいでしょう。
社員総会の動画事例
社員総会で動画を活用し、成果を挙げている企業は多数存在します。ここでは、自社の動画制作の際のヒントになり得る、取り組みの事例をご紹介します。
株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ
株式会社テイクアンドギヴ・ニーズはウェディング事業を手がけ、社員数は約2,300人、日本全国で60以上もの店舗を運営している企業です。
同社は創業20周年の節目に流した社内総会の動画は、草創期の社員たちの若い頃の姿と現在の姿を交互に映し出し、「20年間の会社の歴史とともに社員も成長してきた」ことを実感させる感動的な内容でした。
新しい映像ばかりでなく、過去の映像も会社の歴史を感じさせるポイントだと実感できる事例です。
株式会社TRUST
株式会社TRUSTは、建物の設計施工などを手がけている企業です。
創業後の第1回社員総会冒頭で流したオープニング動画では、会社を立ち上げる前の一会社員(職人)だった時代の社長と、社長を支えてきた従業員の姿を中心に映し出し、「仕事は最大の遊びです」「皆さん楽しんでますか?」などの印象的なセリフのテロップが踊りました。
「人を大事にする会社」というイメージを印象付けるとともに、社員を鼓舞する印象的な言葉の散りばめられたオープニング動画は、これから始まる社内総会を盛り上げる印象的な内容に仕上がっています。
株式会社GENOVA
株式会社GENOVAは、医療業界向けのWEBマーケティングサービスを展開している企業です。
株式会社GENOVAの社内総会で公開されたオープニング動画では、賑やかなBGMと「努力」「友情」など馴染み深いフレーズとともに、一般社員の写真を一人ひとり加工して掲載していました。
試聴した社員が感情移入できる内容となっており、オープニング動画を制作するうえで参考になる事例です。
社内総会用動画を企画・運用する際のコツ
社内総会用の動画撮影に着手する際に押さえておきたいコツを4つご紹介します。
動画の目的を明確化する
動画を作り始めてから方向性を決めるよりも、まずは動画の目的を明確化し、「誰に何を届ける動画なのか」を明らかにしたうえで、動画の制作に取り組むことが大切です。
例えば、「愛社精神を高める」ことが目的の動画であれば、創業期に大変な状況を乗り越えてきたことをストーリー仕立てで感動的に演出する切り口が考えられます。また、「社員の士気を向上させる」ことが目的であれば、現場社員の奮闘にスポットを当てる切り口が有効でしょう。
セキュリティ保護を優先する
動画は情報量が多いのが媒体です。登場する社員の顔などをはじめとしたプライバシーに関わる情報が多く含まれるため、外部に漏洩することのないよう、万全のセキュリティ保護を優先しなければなりません。
例えば、自社の割り振られているIPアドレスのみ接続できるようアクセス制限をかけるなど、セキュリティ保護対策を施しましょう。
他企業を参考にする
公開されている他企業の社内総会の動画を参考にする、また動画をうまく活用している他企業の取り組みを参考にするのもおすすめの方法です。
特に、自社と同じような業種や創業年月が近い企業の動画なら、背景や課題意識が共通している可能性も高いため、多くのヒントを得られるでしょう。
外部ツールを用いて制作を効率化する
動画制作を業者に外注せず自社内で行う場合は、動画制作ツールを活用することで効率的に制作することが可能になり、社員の負担を軽減できます。動画制作に習熟していない社員であっても、ある程度プロの腕前に近づけるようなツールもあるため、活用を検討するといいでしょう。
例えば、パワーポイントのような感覚で操作できて未経験者でも動画を作りやすいと評判の「Letro Studio」や、簡単にプロレベルの動画を制作できるという特徴を打ち出している「PowerDirectors 365」などがあります。
まとめ
企業にとって、社内総会は社員のモチベーションを刺激し、組織としての連帯を強めるとともに、企業のビジョンを社員へ共有する重要なイベントです。そんな社内総会で社員の心を動かすために、動画を活用して成果を挙げている企業が存在します。
大勢の社員を一同に集めて行う社内総会を確実に成功させるためにも、事前に万全の状態で用意できる動画コンテンツは心強い存在です。
BGMの活用やストーリー性を入れるなどのコツを押さえ、社内総会を成功に導く動画コンテンツを制作することをおすすめします。
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