企業のPRに「動画」を活用するのは非常に効果的です。企業が広報活動を行う際、広報動画を制作するケースが増えています。広報動画は自社サイトに掲載するほか、プレスリリースに取り入れるなど、さまざまな活用法があります。
ここでは、広報動画を活用するメリットや活用手法をふまえ、作成時におさえたいポイントを解説します。
目次
広報動画を制作するメリット
広報動画は、テキストや画像のみのプレスリリースにはないメリットがあります。
効率的な情報伝達が可能
消費者は、大量の広告を日々目にしているものです。その中で消費者の記憶に残すためには、限られた時間の中で効率的に情報を伝えることが重要です。動画はテキストに比べ、効率的な情報伝達が可能です。
関心・共感を得られやすい
広報活動では、「ストーリー性」が重要視されます。
ストーリー(物語)は、文字が発明される以前のはるか昔から私たち人類の中で親しまれてきた情報伝達形式であり、老若男女を問わず耳を傾けてしまうものです。ある種、本能的ともいえる「ストーリーへの親しみ」を広報活動に活かさない手はありません。
もちろん、画像や文章だけでストーリーを伝えられますが、動画であれば聞き流せるため、文字や画像のみで構成されたものよりユーザーの負担を軽減できます
文字媒体と異なる層の見込み客へアプローチできる
活字を好むかどうかには個人差があり、特に近年では「活字離れ」という課題も指摘されています。一方、動画媒体を親しむ層は着実に増えており、「動画を活用することで新たな購買層をつかむチャンス」が訪れている状況です。
広報動画を活用できるかどうかは、「文字よりも活字を好む層」を取り込めるか否かに直結すると言っても過言ではありません。
SNSとの相性が良く、拡散力が高い
近年、SNSにおいてはTikTokをはじめ、動画コンテンツをメインとする媒体が台頭してきている状況です。SNSが強力な集客ツールとして脚光を浴びる中、動画コンテンツを有効活用することは商品の売れ行きを直接的に左右することも少なくありません。
広報動画はSNSとの相性が良く、視聴者の間で自発的に拡散される性質があります。
広報動画のデメリット
広報動画は企業の広報活動にさまざまなメリットをもたらしてくれますが、デメリットもあります。
・制作に手間がかかる
・コストがかかる
広報動画はクオリティが効果を左右するため、制作に手間がかかります。企画を練る時間が必要ですし、撮影・編集にも時間を割かなければなりません。
また、広告動画はバナー広告やテキスト広告に比べて制作費用が高額になりやすい傾向にあります。自社制作の場合、制作に人的リソースを割く必要もあるため、コスト面がネックになることもあり得るでしょう。
広報動画の活用法
広報動画を活用するための具体的な方法としては、いくつかの代表的なパターンが存在します。
SNSに投稿
広報動画をSNSに投稿するというのは、有効な活用方法です。SNSやYouTubeなどは動画の拡散が期待できるため、幅広い年齢層のユーザーへのアピールが可能。また、ネット上で影響力のあるインフルエンサーの目にも留まりやすくなるでしょう。
会社の公式Webサイトに掲載
会社の公式Webサイトに掲載することで、メディアだけでなく投資家や株主の目にも情報が留まりやすくなります。動画であれば、会社の現状や成果が簡単に分かるので、株主や投資家のさらなる信頼へとつながるでしょう。
プレスリリースやメディアに載せる
プレスリリースやメディアの報道で動画コンテンツを取り上げてもらうことは、短時間で情報伝達ができるだけでなく、アイキャッチ効果やWeb上のプレスリリースページの滞在時間が長くなるというメリットもあります。
PR TIMESなどプレスリリース配信メディアでも動画の掲載が可能になったため、テキストに合わせ動画でアピールできます。
広報動画の事例
実際に広報動画を活用して成果をあげた企業の成功事例を参考にし、自社の広報に活かしましょう。
SNS活用の事例〜楽天証券〜
楽天証券はLINEに動画広告を掲載することで、従来の静止画によるバナー広告を上回る資料請求数を実現しています。
動画で映し出される「節税できる年金」「iDeCoなら楽天証券」といった文字は強いインパクトを感じさせます。バナーに込められた強いメッセージが視覚効果を伴うことで視聴者の心を動かした事例です。
Webサイト活用の事例〜川邊組〜
土木工事を手掛ける株式会社川邊組は、自社サイトに求人用として『レッツ!ドボク(土木)サイズ!』と銘打った動画広告を掲載しています。
同動画では、土木現場を背景に、作業員の服装をした男性たちのユニークなダンスとともに「肉体労働最高!」などの印象的なフレーズが踊り、「肉体労働を通して体を鍛えることの素晴らしさ」を訴えかける動画となっています。
プレスリリース等活用の事例〜赤ちゃん本舗〜
先端テクノロジーの子育てへの活用、「BabyTech」を体感してもらうために開催した展示会の模様について、プレスリリースの代表的メディアであるPR TIMESにて公開された広報動画です。
この展示会は株式会社赤ちゃん本舗が中心となり、大日本印刷株式会社・株式会社パパスマイルが共同開催したものであり、子育てに関するさまざまな課題に対して最新テクノロジーを活用したソリューションを提案する内容でした。
動画を通して流されるのは、子育ての課題を最新技術が解決していくシーンであり、視聴者に対してインパクトを与えます。「近未来のソリューションへのイメージ」を表現するのに最適なツールとして動画を活用した事例です。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000205.000018863.html
広報動画を作成する際におさえておきたいポイント
次に、広報動画を作成する際の注意点を3つご紹介します。
ターゲットを明確にする
動画制作を始める前には、ターゲットを明確化することが重要です。誰にどのような動画を見てもらいたいのかを事前に決めておくと、目的がぶれることなく動画を制作することが可能。また、動画を見た後にどう行動して欲しいのか考えておくことも大切です。
ストーリー性を持たせる
動画制作においてストーリー性を持たせることは非常に重要です。短編映画やドラマのような動画を作ってみたり、開発担当者のインタビューやイベントレポートなどのドキュメンタリー要素を盛り込んでみたりすると、ユーザーは関心を持ちやすくなるでしょう。一つの作品として見ることで、感情移入しやすくなるからです。
動画冒頭は特に注力する
ユーザーは、動画の冒頭を見て動画の価値を判断します。冒頭部分がつまらないと離脱の原因になるので、動画の始まり方には特に注意しながら制作しなければなりません。ユーザーを引き込む要素を考えることが大切です。
BGMにこだわる
動画は視覚情報のみならず音をのせることが可能な点でテキストなどの情報と異なります。また、同じシーンでも「楽しげな音楽」と「シリアスな音楽」では受け手の印象がまったく異なることが知られています。
動画制作の際に伝えたいメッセージなどにこだわることはもちろん重要ですが、BGMを効果的に活用することも意識しましょう。
動画の長さを工夫する
人間の集中力が持続する時間には一定の限度があることを考慮した上で、「最後に伝えたいメッセージ」を確実に視聴者へ見せるよう工夫する必要があります。そのためには、動画の長さを工夫することが不可欠です。
製作者の「より多くのメッセージを伝えよう」という狙いから動画の尺が長くなってしまうこともしばしばありますが、「視聴者に最後のメッセージを観てもらうこと」を重視するのであれば、「最小限の尺で動画のメッセージを伝えきる」ことも意識する必要があります。
最適な動画の長さは、発信するメディアの種類によって異なります。例えば、SNSとオウンドメディアを比べた場合、オウンドメディアの方に長い動画を割り当てるのが賢明です。なぜなら、自社サイトを訪問する人は、SNSで偶然情報に触れた場合と比べて、自社製品・サービスに関心を持っている可能性が高いからです。
また、SNSにも種類があり、どのSNSに掲載するかによって動画の時間を調整する必要があります。
まとめ
動画によるプレスリリースによって、広報活動を成功させている企業は少なくありません。その多くは動画にストーリー性を持たせ、人気のあるストーリーはシリーズ化するなど、商品紹介に留まらず一つの作品として広報動画を配信しています。
このような広報動画の制作にはプロが関わるケースもありますが、今では初心者でも簡単に動画が作れるツールが数多く存在しています。自社での動画制作はコスト削減に加え、アイディアを思い通りに実現することができるのがメリットです。今回ご紹介した情報を参考に、ぜひ広報動画の制作を検討してみてはいかがでしょうか。
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