これまで社内報は、紙媒体やWeb媒体で配信されるケースが一般的でした。しかし、近年では社内報をより有効に使うための専用アプリが登場。スマートフォンの普及が進んだ現在、アプリを使うメリットは大きいものです。
また、社内報アプリによって特徴はさまざまなので、自社の社内報で実現したいことに合わせて選ぶようにしましょう。
この記事では、社内報アプリについて徹底解説。紙媒体やWeb媒体と比較した特徴や、選ぶ際のポイントをご紹介します。
目次
社内報アプリとは
社内報の利用に特化した「社内報アプリ」は、スマートフォンなどから手軽に閲覧しやすくなるのが大きな特徴。記事を更新しやすくなる、社員同士がコミュニケーションを取りやすくなるなど、アプリならではのメリットも少なくありません。
社内報アプリの運用は、アプリ単独で使うよりも、紙やWebの社内報と併用するケースがほとんどです。紙やWeb版内容をアプリでも見られるなど、アプリには社内報の利用を強化・補完する機能があります。
媒体ごとの比較
社内報を運用するにあたり、紙媒体とWeb、アプリではそれぞれ特徴が異なります。また、一つの媒体だけ使用している企業もあれば、複数を組み合わせて運用する企業も少なくありません。
自社に合った媒体を選ぶためにも、それぞれの特徴を理解しておきましょう。
紙媒体の特徴
紙媒体の社内報アプリを使用するメリットとデメリットは、以下の通りです。
<メリット>
・会社から持ち帰って、社員の家族などにも読んでもらえる
・社員同士で一緒に読めるので、話題を共有しやすい
・手で触れる媒体ならではの温かみが感じられる
<デメリット>
・人数の少ない企業では発行や管理のコストがかさむ
・過去に発行した社内報をさかのぼることが難しくなる
・社外で紛失すると情報流出につながるため、機密性の高い情報などは掲載しにくい
Webやアプリの普及が進んだ現在でも、紙の社内報はまだまだ存在感があります。例えば、パナソニックは従業員数ランキングで日本第2位の規模を誇りますが、2014年にWebの社内報を廃止し、紙の社内報を復活させました。背景には、社内報の担当部署だけでなく経営層の強い意向があったとされています。つまり、利便性の高いWebやアプリ以上に紙の価値を評価していることがうかがえます。
Web媒体の特徴
Web媒体の社内報アプリを使用するメリットとデメリットは、以下の通りです。
<メリット>
・閲覧頻度などの情報を通して社員からの反響を分析し、社内報の改善に活かせる
・発行や管理のコストが抑えられる
・過去の発行分をアーカイブ化し、古い情報でも簡単にさかのぼれる
・リアルタイムで情報を公表、修正可能
・社外への情報流出のリスクが低い
<デメリット>
・社外で閲覧できないため、社員が家族などに共有できない
・業務多忙な社員には真剣に見てもらえない可能性も高い
ネットワーク環境の整備に伴い、従来は紙媒体で社内報を発行していた企業でも、Web社内報に切り替える企業が少なくありません。特に社員数が多い企業の場合はWebに切り替えることで、大きなコスト削減効果を得られることから、Web社内報の導入に積極的な傾向が見られます。
アプリの特徴
社内報アプリを使用するメリットとデメリットは、以下の通りです。
<メリット>
・外出先でもスマートフォンを使って更新でき、社外での出来事をリアルタイムでコンテンツ化して届けられる(SNSに近い感覚で使用可能)
・プッシュ通知機能などにより、情報更新を社員へ気づいてもらいやすい
<デメリット>
・導入時、社員にアプリをインストールしてもらう手間がかかる
・スマートフォンで見れるという特性上、社外への情報流出の可能性は高い
社内報アプリは、スマートフォンやタブレットで空き時間に投稿や閲覧できることから、社内報の制作担当者・読者の両方にとって使いやすい媒体です。
社内報アプリだけで運用する企業もあれば、他の媒体と組み合わせて運用する企業もあります。特に、Webとアプリは連動性があり、Web社内報の内容を社内報アプリでも閲覧することが可能。そのため、両者を合わせて導入している企業も少なくありません。
社内報アプリを選ぶポイント
社内報アプリを選ぶポイントは以下の5つです。
・機能
・対応デバイス
・使いやすさ(操作性)
・セキュリティ
・費用
それぞれについて、詳しく説明します。
機能
社内報アプリを選ぶ基本は、自社で発信したい内容に合わせた機能があることです。機能面で重視したい主なポイントは、以下になります。
読者の反応を測定できるか
社内報アプリを読んだ読者の反応(既読数や「いいね!」など)を確かめる機能があれば、コンテンツの改良に役立ちます。
動画制作のしやすさ
文章の執筆などに比べて、難易度の高い動画制作をサポートする機能が充実していれば、社内報に動画コンテンツを盛り込みより多くの社員に楽しんでもらえるでしょう。
社内報以外の機能にも応用できるか
ツールによっては業務マニュアルなどの社内情報をインデックス式で登録できるので、社内報の運用とともに業務効率化に役立ちます。
対応デバイス
社内報アプリの導入による大きなメリットの一つが、スマートフォンやタブレットなどのデバイスで気軽に使えること。より多くの社員に社内報を読んでもらうために、AndroidやiOSなどさまざまなOSに対応することも大切です。
使いやすさ(操作性)
社内報の制作担当者にとって、アプリの方が簡単に使用できて操作も覚えやすいため、業務上の負担を抑えられる可能性があります。
ただし、Microsoft OfficeのWordやPowerPointなどの既存のツールと使い方が似ているかどうかという点は操作性に大きく影響するので、しっかりチェックしてください。
セキュリティ
社内報では社内情報を発信するわけですから、情報漏洩のリスクを考慮してアプリを選ばなければなりません。セキュリティの観点から、IPアドレス制限などの機能があるかどうかを基準にして選ぶといいでしょう。
費用
社内報アプリは種類によって価格差があり、同じアプリでもプランによって価格が異なります。使える機能の違いやユーザー数によって料金が変動する場合もあるので、自社に合ったアプリを選ぶためには、費用面も事前にしっかり確認しておかなければなりません。
社内報アプリ・サービスのおすすめ6選
ここでは、おすすめの社内報アプリやサービスをご紹介します。有料・無料がありますので、自社の状況に合わせて適したアプリを選ぶのがおすすめです。
TUNAG
社内SNSとして開発された「TUNAG」は、社内報アプリとしても活用が可能。SNSのように投稿された内容の既読数を確認できるため、どのコンテンツがどれだけの従業員に読んでもらえたのか簡単にチェックできます。
従業員同士で感謝の気持ちを伝え合う「サンクスメッセージ」の機能も、TUNAGの特徴の一つです。サンクスメッセージは、従業員同士の連帯強化にも役立つでしょう。
なお、感謝を伝え合う取り組みを制度として導入している企業として、東京ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランドが挙げられます。優れた接客を行ったスタッフを他の従業員が讃える習慣は接客レベルの向上にも役立つため、接客業を営む会社にとってTUNAGの機能は便利に利用できるでしょう。
料金プランは月額7.5万円~です。
◆TUNAG
https://tunag.jp/ja/
Solanowa
「Solanowa」は、Wordを操作するような感覚でコンテンツの作成・編集ができるため、操作方法を覚える負担が少なくて済み、スムーズに社内報を作成できる点が特徴です。文章や写真のみならず動画・音声も同様に操作性が良いため、コンテンツが充実した社内報を作成するのに適しています。
また、ユーザー数による従量課金制を撤廃し、定額制を採用しているため、利用者数を無制限に増やすことも可能です。利用人数が多くなりやすい大企業はもちろん、海外に複数の拠点がある企業の利用にも適しているでしょう。
「基本プラン」の料金は月額4.8万円~です。
◆Solanowa
https://solanowa.jp/
TSUTAERU
「伝える」という名前の通り、チャットのように手軽に使える操作性を実現しています。円滑なコミュニケーションができるように、工夫されt設計されています。
「簡単動画制作機能」では、数百種類にもおよぶ動画フォーマットの中から秒数や使用する素材を選び、月2本まで制作可能。社長のメッセージなどを半月ごとに配信するなど、さまざまな用途に動画コンテンツを活用できます。
動画作成機能なしの場合、初期費用は11万円〜、月額費用は4万9,280円~となっています。
◆
Knowledge
オープンソースの情報共有サービスである「Knowlegde」は、完全無料で使用できるのが大きな特徴です。公開されているソースコードを活用すれば、誰でも自由に使えます。
また、機能の追加についてもGithub上で無料公開されているコードを使うことで、新たに料金を払うことなく拡張可能です。
Knowledgeは、自社サーバーにダウンロードして使用できます。コードを使いこなせる技術力を持った人材が多い企業なら、Knowlegdeを活用して社内報運営にかかるコストを抑えることも検討すると良いでしょう。
ザ社内報
「自社の経営理念ってなんだろう」「毎月配る社内報はきちんと読まれてるのだろうか」といった社員や広報担当者の疑問・課題を解決できるのが「ザ社内報」です。ソリューションであるザ社内報は、ブログのような感覚で記事を作成できるのが特徴です。
また、運営会社の株式会社スマートメディアが独自開発した分析ツールを活用し、記事の反響をチェックできます。
基本料金は別途見積もりが必要ですが、要望に合わせてオリジナルデザインを作ることも可能。そのため、デザインにこだわりたい企業にも適した社内報アプリです。
使用料金は月額5万5,000円~です。
NotePM
「社内版ウィキペディア」を掲げる「NotePM」は、社内報として使うほか、社内マニュアルやノウハウにも役立つアプリです。社内報としての使用に合わせて、業務情報などのデータベース構築を並行して行いたい企業にぴったりのツールとなっています。
使用料金は編集に関わるユーザー数などに合わせて、月額4,800円(ユーザー数8名)から使用可能です。
まとめ
スマートフォンが普及した現在、社内報アプリを導入する企業は増加しています。紙媒体やWebと置き換えるケースもありますが、併用している企業も少なくありません。
アプリで社内報を閲覧できれば読者を増やす効果を期待でき、いつでもどこでも編集が可能です。制作の負担はもちろん、社内報の浸透も期待できるでしょう。
機能や利用人数によって料金は変わりますが、無料で使えるツールもありますので、自社の課題や利用人数、予算などに合わせて検討することをおすすめします。
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