読まれる社内報とは?作り方のコツとコンテンツ事例を紹介!

社外だけでなく、社内向けの広報活動に力を入れる企業が増えています。その一環として、社内報を制作している場合も少なくないのではないでしょうか。例えば、各社の社内報の取り組みを審査して表彰するコンクールやイベントも登場します。

この記事では、社内報作成のポイントや実際のコンテンツ例、そして社内報作成の実例をご紹介しますので、社内報用のコンテンツ作成にご活用ください。

社内報の目的

社外向けに発行する社内報は、自社商品やサービスなどの販促やブランディングなどが主な目的です。一方、社内報は「組織力の向上」に重点を置く広報活動です。社内報の目的について詳しく見ていきましょう。

経営理念・ビジョンの共有

多様なバックボーンを持つ従業員たちを団結させるきっかけとなるのが、「経営理念・ビジョンの共有」です。社内報を活用して企業の経営理念やビジョンを共有することは、企業が従業員に期待する点を伝えると同時に、社員間の意思統一につながります。

従業員間のコミュニケーション促進

従来は飲み会や社員旅行などがコミュニケーションを促進していましたが、コロナ禍の影響もあり、そうした機会は減少しました。社内報を通じて社員の様子を紹介し、社内でシェアすることにより従業員間のコミュニケーションを促進できます。

従業員のモチベーション強化

「業務上の活躍や功績を表彰する」ことは、従業員のモチベーションを高める方法の一つです。社内報を通じて表彰の様子を紹介することにより、掲載された社員が誇りを持てるのはもちろん、周囲の従業員も「自分も頑張ろう」と奮起するきっかけとなります。

「読まれる社内報」を作るコツ

社内報を発行する以上、できるだけ多くの従業員に読んでもらいたいところでしょう。ここでは、読まれる社内報を作るコツをご紹介します。

現場の従業員をクローズアップする

社内報を制作する際、従業員にインタビューして記事化するケースは少なくありません。しかし、一部の部署や管理職などインタビュー対象者の人選が偏ってしまうと、該当しない従業員からは他人事だと感じられる恐れがあります。

そうした事態を避けるためにも、花形の部署だけでなく「縁の下の力持ち」のような役割を果たしている部署を積極的に取材対象に入れるよう心がけることが大切です。

身近なテーマを織り交ぜる

社内報の企画内容には、従業員にとって身近なテーマを入れることも重要です。例えば、社内報に経営陣のメッセージなどを載せるケースは多いでしょう。

経営陣からのメッセージは重要ですが、従業員とは縁遠いテーマばかりになりかねず、社内報に載せても読まれない可能性があります。読まれる社内報を制作するためには、従業員にとって身近なテーマを織り交ぜることが大切です。

例えば、職場紹介などは従業員にとって業務に関わる身近なテーマなので、関心を持ってもらえるでしょう。また、最新トピックスや季節の話題を取り上げる記事を入れることで、より従業員から注目されやすくなります。

“参加型”の企画を取り入れる

社内報を自分事としてとらえてもらうためには、参加型の企画を取り入れるのもおすすめです。例えば、「読者アンケート」などは参加型企画の代表格。「社員が選ぶおすすめの本ランキング」といったテーマを設定して投票を行ったり、社員座談会を開いて自由に語ってもらったりするなどの企画を実施するといいでしょう。

企画として取り上げてもらいたい内容についてアンケートを実施するのも良い方法です。「どのような企画なら従業員が参加したくなるか」といった声を集めてみてはいかがでしょうか。

社内報に載せるコンテンツの例

社内報に載せるコンテンツに迷ってしまう制作担当者の方は少なくありません。実は、従業員に受け入れられやすい社内報のテーマにはいくつかパターンがあります。

ここでは、社内報のネタとして使われることが多く、多くの従業員に「面白い」と感じてもらいやすいテーマ例をご紹介します。

若手社員インタビュー

フレッシュな若手社員のインタビューは、社員の注目を集めやすいコンテンツです。実際に、新入社員が入社して研修を受ける春の時期などに各社の社内報で若手社員インタビューを目にする機会も少なくありません。

若手社員インタビューでは、入社後の抱負に加え、趣味や出身地など身近な話題についても語ってもらい、先輩社員に共通点を探す、あるいは若き日の自分と重ね合わせて共感してもらうきっかけを作るのがおすすめです。

ベテラン社員の「失敗談」

多くの一般社員にとって、職位や年次の高いベテラン社員は少し遠い存在に感じられるかもしれません。そんなベテラン社員の若き日の「失敗談」や「悩んだエピソード」は、「あの人にもそんな時期があったんだ!」という驚きと新鮮さ、そして共感を呼び起こすでしょう。

コンテンツとしてのインパクトの強さに加えて、従業員を奮起させるきっかけにもなります。

社内イベントの発表

社員旅行やボランティアへの参加など、社内イベントは社内報を制作する上でぜひ取り上げたいテーマです。イベント参加者にとっては当日を思い出すきかっけになり、またイベント自体を他のメンバーに周知してもらうことにもつながります。

特に、ボランティアやCSR活動など社会貢献性の高い取り組みへの参加を報告することは、今後の会社全体の取り組みとして積極的にアナウンスしたいところ。また、これから開催される社内イベントを発表し、関心を持ってもらうことも社内報の大切な役割です。

社内表彰

MVPといった形で活躍した従業員を表彰する「社内表彰」の場面を紹介するのも、社内報の大きな役割です。同僚の活躍を紹介することで従業員の奮起を促し、「頑張りが評価される」という企業風土を浸透させるきっかけになるでしょう。

また、ノルマ達成などの定量的な成果以外の「数値に表れにくい活躍」をテーマにして紹介するのもおすすめです。後輩への熱心な指導にフォーカスするなどの企画で写真付きで従業員を紹介するとより共感を得られる内容になるでしょう。

お客様の声

自社が展開している商品やサービスについて、お客様がどのように感じているかは、従業員にとって最大の関心事ではないでしょうか。帰属意識を高め、モチベーションを向上するためには、自社に対する評価を共有することが大切です。

商品やサービスに対する評価だけでなく、お客様が困ったときの従業員の対応などエピソード付きの声を取り上げるのもおすすめです。顧客満足度を高めるヒント・ノウハウとして社内に蓄積すれば、より魅力的な商品やサービスを展開することにもつながるでしょう。

社内報の実例

効果的な取り組みを行っている、あるいは独自性の高いコンテンツを載せている社内報は、社内のみならず社外からも注目を集めています。自社の社内報をより魅力的な内容にするためにも興味深い社内報の事例は役立つでしょう。ここでは、社内報の実例をご紹介します。

株式会社あつまる

DXソリューションを提供する・株式会社あつまるの社内報は、「社内報アワード2022(株式会社ウィズワークス)」の紙社内報部門でブロンズ賞を受賞しました。従業員だけでなく従業員の家族にも配布。同社では、社内報を「サポーター(従業員の家族や、社を応援してくれる人々)」にも楽しんでもらうためのコンテンツとして位置付けています。

福岡で創業した同社は、「若さ」が特徴の活気あるベンチャー企業。DX企業として最先端をいく存在でありながら、紙媒体の社内報を発行している点も特徴的です。同社の社内報は「1冊が20ページ以上」という量。ボリューム面での充実からも制作担当者の熱量の高さが伺えますし、内容の充実にも寄与している実例だと言えるでしょう。

コンテンツは、「社内イベントの裏側」や「勉強会の様子」など、社内で活躍する従業員の様子が伝わる内容。また、福岡本社にちなんで福岡県内のグルメや歴史スポットなどローカルな情報も取り扱っています。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000092.000069702.html

株式会社TMJ

セコムグループ傘下のコールセンター・株式会社TMJは、自社の経営理念である「誰もが暮らしやすい社会を創る」に沿ってダイバーシティ&インクルージョンを推進しており、特に障がい者雇用に力を入れている企業です。

TMJのWeb社内報「TMJ Times」では、障がい者や障がい者の働く部署の従業員の声を取り上げています。生の声や、障がい者の就労に関する具体的なデータをふんだんに盛り込み、本人だけでなくサポートする立場の従業員からも高く評価されています。

従業員同士の相互理解推進を目標とするコンテンツは、TMJと同様に障がい者雇用を推進する企業や海外出身の人材を採用する企業にとって参考になり得る事例です。

参考:https://www.tmj.jp/news/20220907_18804/

学校法人聖学院

幼稚園から大学院まで擁する「学校法人聖学院」が発行する社内報「聖学院NEWS LETTER」は、「社内報アワード2022」でも表彰され、中高一貫教育の魅力を掘り下げる内容。教職員以外にも生徒や保護者などを対象として、3ヶ月に1度発行されています。

聖学院NEWS LETTERには、聖学院のOB・OGが数多く登場。在校生にとって、OB・OGは「自分達の未来の姿」です。その活躍は自身の未来をイメージさせ、受験勉強や就職活動をはじめとしたさまざまなハードルを乗り越えるための励みになっています。

一般企業にとっても、例えば「定年退職後のOB・OG」などを紹介することは、従業員たちに一つの指針を示すことになるため、聖学院の社内報は一般企業にも示唆を与えてくれる事例です。

なお、聖学院NEWS LETTERは、インターネットからもダウンロードできます。このことも、社内外で注目を集める理由だと言えるでしょう。

参考:https://digitalpr.jp/r/62517

まとめ

社内報には、経営理念・ビジョンを従業員に浸透させる、また従業員同士のコミュニケーションやモチベーションの強化など、さまざまな効果があります。そんな社内報をより多くの従業員に読んでもらうためには、従業員が興味を持てるコンテンツを取り入れることが第一歩です。

社内報に載せるべきコンテンツのテーマは制作担当者の方の悩みになりがちですが、「読まれる社内報」にはある程度のパターンがありますので、独自性の高い取り組みを行っている他社の事例を参考にすることでヒントを得られるでしょう。ぜひ他社の成功事例を収集して、読まれる社内報づくりの参考にしてはいかがでしょうか。


 

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