社内掲示板で業務効率化!活用するメリットやおすすめのオンラインツールも


新型コロナウイルスの影響によりリモートワークを導入するなど、働き方が変わった企業も多いです。これまでアナログな情報共有を基本としていた場合、社員同士の情報共有が難しくなったという企業もあるでしょう。そんなときに役立つのが、社内掲示板です。

今回は、社内掲示板を導入するメリットや運用するポイントについて、詳しく解説していきます。おすすめのツールについてもご紹介。社内の情報共有を正確かつスピーディーに行うことで、職場のコミュニケーションにも一役買ってくれるでしょう。

社内掲示板とは

社内掲示板は、連絡事項を社員間で伝達・共有するためのツールのことです。これまでの主流はホワイトボードやプリントなどを用いたアナログな方法でしたが、リモートワークが普及し顔を合わさず仕事をすることも増え、従来の方法では連絡事項の伝達や共有が難しくなりました。そのため、現在は多くの企業で社内掲示板のデジタル化が進んでいるのが現状です。

社内掲示板の役割

社内掲示板の役割は、社内で通達が必要な情報を社員間に伝達・共有することです。社内掲示板で広報されるのは、以下のようなことが挙げられます。

・管理部門による連絡事項やメッセージ
・マニュアルや資料の共有
・社内イベントなどスケジュールの共有
・アイデアの共有
・近況発信

社内掲示板で重要なのは、全員の目に届くという点。全社員に知っておいてもらいたいことが、社内掲示板を通して共有されます。共有された内容を社員全員が閲覧、把握することで、業務の効率化や生産性を高める役割があるでしょう。社内掲示板にはアナログ版とデジタル版があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

アナログ版・社内掲示板

アナログ版の社内掲示板は、通達したい内容をホワイトボードに記載する、情報が記載された書面を壁に掲示する、書面を回覧するといった方法が挙げられます。社員の通る場所や休憩室といった全員が目にする場所に掲示することで、意図しなくとも自然と情報を得られるのがメリットです。普段パソコンを使わない業務であっても、情報伝達がしやすいでしょう。手書きであれば温かみを出すこともでき、デジタル面に疎い社員でも確認しやすいというメリットもあります。

デメリットは、出社しないと情報が得られないことです。誰がいつ掲示板をチェックするかわからないため、リアルタイムの伝達・共有がしにくいでしょう。リモートワークを導入している企業には不向きです。拠点の多い企業では情報共有しにくいこともデメリットです。また、書面を掲示したり回覧したりする場合、印刷コストもかかるでしょう。

デジタル版・社内掲示板

デジタル版の社内掲示板は、オンライン上で社員が閲覧できる掲示板です。デジタル版にはパソコンやスマートフォン、タブレットなど様々なデバイスからアクセス可能なクラウド型と、大型ディスプレイに表示するサイネージ型があります。デジタル版社内掲示板のメリットは、一斉送信できるため情報の伝達・共有にタイムラグが少ないことや、どこにいても確認できること、過去の情報をストックできることです。

どこにいてもチェックできるため、リモートワークを導入している、営業活動で社外に出ている社員が多いといった企業にとって、大きなメリットになるでしょう。反対にデジタル版社内掲示板のデメリットは、導入時や運用上のコストです。初期費用に加え、サーバー運用やメンテナンス費用などのランニングコストも発生します。

クラウド型

多くの企業で導入されているデジタル版社内掲示板は、クラウド型です。ネット上で情報の伝達・共有を行い、パソコンやスマートフォン、タブレットなどで確認することができます。いつでもどこでも時間や場所を問わず情報共有できる点が、クラウド型社内掲示板の大きなメリット。リモートワークでもオフィスでも、働く場所を問わず共有することができます。

普段パソコン業務でない、デジタルに詳しくないといった場合には、デジタル版社内掲示板に慣れない可能性もあるかもしれません。また、日常的にパソコン業務でない場合、すぐに確認ができない点もデメリットのひとつです。

サイネージ型

デジタル版社内掲示板とアナログ版社内掲示板を組み合わせたサイネージ型社内掲示板もあります。大型のディスプレイに伝達事項を発信し、情報を共有する方法です。工場や倉庫で働くなど、普段の業務でパソコンを使わない社員へ情報共有がしやすくなります。

目につきやすい場所に設置し、目的達成の意識づけなどに役立てることもできるといったプラスの機能もあるでしょう。アナログな社内掲示板と比べ、更新の手間もそうかからないというメリットもあります。ただし、社内に設置するため、リモートワークなどで社内にいないと効力がないというデメリットもあるでしょう。

デジタル版・社内掲示板を導入するメリット

デジタル版社内掲示板の導入は、メリットも多いでしょう。なお、ここで解説するデジタル版社内掲示板とはサイネージ型ではなく、広く導入されているクラウド型を対象としています。

情報を検索しやすい

デジタル版社内掲示板の大きなメリットは、検索ができるようになることです。アナログ版社内掲示板の場合、掲示物をファイリングしたり、その中から必要な書面を探したりといった手間が発生します。情報をツール内にストックしていくため、必要に応じて検索し、すぐに呼び出すことができるでしょう。社員それぞれが検索できるため、問い合わせの手間も減ります。情報が多ければ多いほど、検索できることのメリットは大きくなるでしょう。

業務の効率化に役立つ

デジタル版社内掲示板は、業務の効率化にもつながります。デジタル版社内掲示板には、掲示板機能以外にも業務に役立つツールが用意されています。スケジュール管理機能に書き込みをすれば、ほかの社員にも動きが共有できるでしょう。

新入社員や派遣社員からのよくある質問は回答をまとめてデータ化しておくことで、新人教育にかかる時間を削減できます。特定の社員に確認しないと業務が進まない、というような属人化も防ぐことにもなります。上手く活用することで、業務をより効率的に進めることができるでしょう。

社内の情報を迅速に共有できる

デジタル版社内掲示板を使えば、一度の送信で全社員に情報を共有できるため、情報伝達が迅速になります。個人の知識やノウハウは、その社員が退社すると会社のものではなくなってしまいます。業務上必要なノウハウや知識をクラウド内にデータとして共有することで、会社の財産としてストックしていくことができるでしょう。

データ化されることにより、異動や退職に伴う引き継ぎもスムーズです。情報共有が容易になる、これはデジタル版社内掲示板の大きなメリットです。

社内掲示板に掲載する内容とは

社内掲示板により、会社についての理解を深める、横のつながりを強化する、モチベーションを向上するといった効果が期待できます。そこを踏まえつつ、社内掲示板には掲載する内容を検討してみるといいでしょう。具体的には、社内ニュース、社内FAQ、経営陣によるメッセージ、業務の進捗状況といった情報を掲載します。

社内ニュースやイベントの周知

社内ニュースやイベントの周知に、社内掲示板は便利です。

・人事異動
・表彰式
・ボランティア活動
・健康診断
・年末調整
・社内勉強会やセミナー
・メディア掲載情報
・自社商品の情報
・システムに関する情報

開催されるイベントや新商品の情報など、担当部署しか把握していないような内容も、全社員に共有することで、部署を超えてつながるきっかけにもなります。また、感染症や自然災害などへの対策など、緊急の指示を出す際にも、すぐに発信できる掲示板が役に立つでしょう。

社内FAQ

人事や総務部門からの社内FAQを掲示板で発信しておくのもいいでしょう。企業には組織として運営するためのさまざまなルールが設けられており、どう手続きや申請をすればいいかわからないこともあるかもしれません。ルールや制度を管理する部門には、社員からの問い合わせが多いこともあるでしょう。

よくある質問とその回答をまとめて社内掲示板に提示しておけば、それを各自に確認してもらえるため問い合わせ業務の削減につながります。説明が難しい内容でも、画像や動画、表などを活用することで、わかりやすく工夫することもできるでしょう。

経営陣からのメッセージ

社内掲示板を通して経営陣からのメッセージを全社員に共有するのもいいでしょう。経営理念やビジョンを社員に浸透させることで組織としての足並みがそろい、一体感が生まれます。そのほか、企業の財務状況や新商品発売にかける想い、今後の目標などを経営陣の言葉で説明してもらうのも効果的。また、自社が出すプレスリリースや決算情報、業界のニュースなど、最低限知っておいてもらいたいことを掲載し、組織作りに役立てていくのがいいでしょう。会社に愛着を持ってもらうことも、組織を強くする重要なブランディングのひとつです。

売上の進捗状況

売上や受注状況といった進捗状況を掲示し社員に共有、数字の「見える化」をするのもいいでしょう。細かいことは記載せず、グラフなどにして一目でわかるようにするのがおすすめです。業績を共有することでメンバーへ声をかけたり進捗状況について話し合ったりするきっかけにもなるでしょう。掲示板を活用することで、社員の意識向上にもつながります。

社内掲示板を運用するポイント

会社についての理解を深める、横のつながりを強化する、モチベーションを向上するといった効果を得たい場合、社内掲示板をうまく運用する必要があるでしょう。ここからはそのポイントについて押さえていきましょう。

最新情報を掲載する

アナログ版にもデジタル版にも言えることですが、常に最新の情報を得られるようにしておく必要があります。社員は基本的に「掲示板に掲載された内容=最新情報」という認識のもと、情報を確認します。そのため、掲示されている情報が古い場合、混乱を招いてしまう恐れもあります。

業務状況によってはアナログ版社内掲示板の方が伝達速度が早くなる可能性もあるため、自社に適しているのはどちらかきちんと検討し導入する必要があるでしょう。また、あまり新しい情報が更新されないと、掲示板が活用されなくなってしまうかもしれません。定期的に掲載することも大切です。

運用ルールを決める

アナログ版社内掲示板であってもデジタル版社内掲示板であっても、ルールを決めてそれに基づき運用することが大切です。きちんとルールを決めておくことで、社内掲示板を有効活用することができるでしょう。ルールの一例としては以下のような内容が挙げられます。

・掲載期間を記載
・内容についての問い合わせ部署や担当者を明確にする
・担当部署の役職者が最終確認する

運用ルールを決めておくことで、情報の整理がしやすくなったり、問題点や疑問点をすぐに確認できたりと、掲示板によるトラブルの発生の防止につながります。

機能性・使いやすさを確認する

デジタル版掲示板の場合、導入するツールにより機能性が異なります。自社の掲示板に求める機能が備わっているかどうかは、導入前にチェックしておきましょう。社内掲示板で利用できる機能には、以下のようなものが挙げられます。

  • 未読・既読がチェックできる
  • 公開範囲を設定できる
  • コメント投稿ができる

また、さまざまな部署が利用する場合、使いやすさも重視したいところです。外出先でも確認ができるようモバイル端末にも対応しているか、投稿がしやすいかという点にも注目してみましょう。

セキュリティチェックを行う

社内掲示板に掲示する情報は、クライアントの情報や社員の個人情報など、外部に漏れると問題になるような情報も含まれているでしょう。社内情報の流出を防ぐため、ツールを比較検討する際は、セキュリティ面の比較も重要です。対応するセキュリティ対策はツールにより異なります。セキュリティ対策の一例は以下のようなものがあるでしょう。

・データの暗号化
・IPアドレスの制限
・二段階認証

導入を検討する際には、セキュリティ面の確認も必須です。

社内掲示板におすすめのツール5選

デジタル版社内掲示板を導入したい、そんなときにおすすめのツールをご紹介します。それぞれの特徴を押さえていきましょう。

LINE WORKS

既読機能がある、スタンプが使えるなど、LINEのような感覚で利用できるのが、LINE WORKSです。画面もLINEと同じため、LINEに慣れているならすぐに使えるようになるでしょう。掲示板に加え、トーク機能やカレンダー機能、アンケートなど、業務に役立つさまざまな機能が搭載されています。機能制限があるものの、フリーであれば掲示板などの基本機能は無料で使えるため、まずはお試しで導入するのもいいかもしれません。

主な特徴】
・LINEのビジネス版チャットツール
・LINEと同じ画面のため使いやすい
・既読機能やトーク機能、カレンダー機能、アンケート機能がある

料金フリー:無料※機能制限あり
スタンダード:540円(月額契約)450円(年額契約)/1人あたり
アドバンスト:960円(月額契約)800円(年間契約)/1人あたり
対応OS<ブラウザ版>
Chrome: 最新版
Edge:最新版
PC版アプリ
Windows: Windows 10 1903 以降
macOS: macOS 10.14 以降
<モバイル版>
Android: 6.0以降
iOS(iPhone, iPad含む): iOS 12(iPadOS13.x)以降

Slack

「Slack」は世界中で使われているビジネスチャットツール。どんな形式のファイルであっても共有でき、外部サービスとの連携も可能です。無料ビデオ通話や音声通話もでき、通話しながら画面共有することもできます。アプリとの拡張性も高く、2,400以上のアプリと連携できるため、普段使うアプリとつなげることで業務効率化にもなるでしょう。

【主な特徴】
・さまざまな形式のファイルを共有できる
・2,400以上のアプリと連携可能
・通話機能もある

料金フリー:無料※機能制限あり
プロ:1,050円(月額)925円(年額)/1人あたり
プラス:1,800円(月額)1,600円(年額)/1人あたり
対応OS<ブラウザ版>
Chrome:バージョン 90 以降
Firefox:バージョン 88 以降
Safari:バージョン 14.1 以降
Microsoft Edge:バージョン 90 以降
PC版アプリ
MacOS:OS X 10.14 以降
Windows: Windows 8.1
Windows 10 バージョン 1909
Windows 10 バージョン 20H2 以降
Windows 11
Linux:Ubuntu LTS のリリース 18.04 以降
Red Hat Enterprise Linux 8.0 以降
<モバイル版>
iOS:iOS 14 以降
Android:Android 9 以降

GRIDY

「GRIDY」はWeb型のユーザー無制限で使えるツール。企業内はもちろん、企業を超えた情報共有も可能です。メッセージ機能やプロジェクト管理、スケジュール管理、備品管理機能や設備予約などといった機能もあり、業務に役立てることができるでしょう。Web以外でも使いたい、顧客管理など営業業務でも活用したいといった場合は、「Knowledge Suit」という追加オプションを使う方法もあります。

【主な特徴】
・ユーザー数無制限で利用できる
・企業を超えた情報共有もできる
・追加オプションを申し込めばWeb以外でも使える

料金GRIDYグループウェア:無料
Knowledge Suitグループウェア:11,000円(月額)
SFAスタンダード:55,000円(月額)
SFAプロフェッショナル:88,000円(月額)※いずれのプランもID数は無制限
対応OSWindowsEdge:最新バージョン
Firefox:最新バージョン
Chrome:最新バージョン
macOSFirefox:最新バージョン
Chrome:最新バージョン
モバイルiOS:iOS 11.0以降
Android:Android 6.0以降

Google Workspace

Googleが提供する「Google Workspace」は、業務に関するツールをまとめて管理できるグループウェアです。Googleを使って業務を進めている会社に最適でしょう。完全Web版のGoogle Workspaceであれば、ソフトなどの追加購入が不要で導入にかかるコストも削減可能。データはすべてGoogleのサーバー内に保存されるため、パソコンのトラブルがあっても安心です。

【主な特徴】
・Googleの提供する業務効率化ツールでアプリを一元化できる
・データはGoogleのサーバー内に保存
・Web版であればソフトの追加購入が不要

料金Business Starter:8,078円(年払い)673円(月額)/1人あたり
Business Standard:16,157円(年払い)1,346円(月額)/1人あたり
Business Plus:24,235円(年払い)2,020円(月額)/1人あたり
対応OS<PC>
Chrome:最新バージョン
Firefox、Safari、Microsoft Edg:最新バージョンと1つ前のバージョン
<モバイル>
Android:最新バージョンと2つ前までのバージョン
iOS:最新バージョンと1つ前までのバージョン

Microsoft Teams

Microsoft社運営の「Microsoft Teams」は、Office製品との連携が特徴のビジネスツール。共有のドキュメントやファイルにはいつでもアクセスできます。音声通話やビデオ通話、オンライン会議の開催も可能。ベーシックとスタンダードコースは1ヵ月無料でお試しすることもできるので、使用感を確認してから契約することもできるでしょう。

【主な特徴】
・Microsoft社が提供する業務効率化ツール
・Office製品との連携がスムーズ
・通話やオンライン会議の開催も可能

料金Microsoft Teams:無料※機能制限あり
Microsoft Teams Essentials:473円(月額)/1人あたり
Microsoft 365 Business Basic:715円(月額)/1人あたり
Microsoft 365 Business Standard:円1,496(月額)/1人あたり
対応OS<PC>
Windows:Windows 11、Windows 10 (Windows 10 LTSC を除く)、ARM 版の Windows 10、Windows 8.1、Windows Server 2019、Windows Server 2016、Windows Server 2012 R2MacOS:3 つの最新バージョンのいずれか
<モバイル>
Android:最新の2つのメジャーバージョン
iOS:最新の2つのメジャーバージョン

まとめ

社内の情報共有には、掲示板の活用が重要です。従来のアナログな掲示板ももちろん有効ですが、リモートワークの導入や組織の拡大などがあると、情報共有は難しくなります。そういった場合には、デジタル版社内掲示板を導入して、情報共有がスムーズになるような体制を整えることも大切になるでしょう。今回ご紹介したツールを活用し、社内のコミュニケーションを活性化させてください。


 

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