現在、社内外に向けた広報ツールとしてSNSを活用する企業が増えています。広告配信だけではなく、担当者がSNSを使って広報活動を行う例も少なくありません。また、社内広報にSNSを活用することも有効であり、情報共有が簡単にできます。
今回は、SNSを活用した広報活動について、社内広報を行うコツやツールの活用術、広報向きの企画・ネタを紹介します。
目次
SNSを活用した広報とは
広報を行う目的は、自社の製品やサービスなどに関する情報をターゲットに向けて発信することです。情報発信のツールとしては、チラシなどの印刷物をはじめ、Webサイトやプレスリリースでの配信、テレビCMなどメディアを活用するほか、さまざまです。
その中でも、SNSを活用した広報が増えています。SNSを活用した広報は、社外向けと社内向けの2つの方法があります。
社外向けのSNS広報
社外向けのSNSでは、新商品のPRやSNS限定特典の配信などをし、広報活動を行います。また、求人情報やセミナー開催など、採用活動に関する情報をSNSで発信する企業も見受けられます。
広報ツールとして利用できるSNSは主に以下が挙げられます。
・Twitter
・LINE
・Instagram
・Facebook
これらはユーザー数が多く、「拡散されやすい」というメリットがあります。ただし、SNSによって利用するユーザー層が異なるので使い分けが重要です。例えば、LINEは幅広い年齢層が利用しているので、年代問わず広報活動がしやすいでしょう。対してInstagramやTwitter、Facebookは10~40代と、利用者の年齢層が限定される傾向にあります。商品やサービスによってターゲットを絞った、より的確なツールの選択が大切です。
社内向けのSNS広報
社内向けのSNSでの広報には、基本的にLINEWORKSやChatworkなど、業務効率化のために導入する社内SNSツールを活用するのが効果的です。広報のためだけに他のSNSツールを使うのは、企業の特色にもよりますが、あまり得策とはいえません。
社内SNSツールの掲示板機能や会社の全体チャットなどを使えば、手軽に新サービスや新商品の広報を行うことができます。また、新企画のアイデアを募ったり、社内報へ誘導したりと、社内の意識共有やモチベーションを上げるための企画展開などが可能になります。
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広報・PRにSNS活用が求められる理由
SNSを活用するのが得策であるのには、利用率の高さが関係しています。利用率が高いということは、多くの人の目に留まりやすくなるということです。看板は目の前を通った人、チラシは配った人の目にしか留まりませんが、SNSは利用しているすべての人をターゲットとして発信できます。
また、企業によってはすでに業務で社内SNSを活用している場合も多いでしょう。Web会議やチャット機能など、コミュニケーションツールとして使われる例が多いです。リモートワークの普及に伴い、さらに社内外でSNS需要が高まっています。
SNS広報のメリット
社外向け・社内向けの広報活動にSNS導入を考える前にメリットを理解しておきましょう。
社外向けのSNS広報のメリット
・知名度がアップしやすい
・消費者との信頼関係を構築可能
・費用を抑えて効果的なプロモーションができる
・数値化した分析が簡単になる
SNSの利用者が多いことから、発信した情報がシェアされることによって自然に知名度を上げることができます。また、ユーザーファーストの投稿を続けていけば企業名や商品名も覚えてもらいやすくなり、企業のブランディングの強化にもつながるでしょう。
コメントの返信や質問コーナーなどを設けた投稿を作れば、直接消費者とのやり取りも可能になります。信頼関係を築きやすくなり、ファン獲得にも効果的です。また、無料で利用できるSNSが多いので費用面でも安心です。莫大な広告料をかけて宣伝するより、効果的なプロモーションができるSNSが選ばれている理由がわかります。
記事や投稿に対してのアクセス数やリアクション数も簡単に確認できるので、効果測定がスムーズにできる点もメリットです。
社内向けSNS広報のメリット
・誰もが情報を発信しやすい
・社員同士のコミュニケーションが活発になる
広報を行うのが必ずしも担当者だとは限りません。SNSの活用によって投稿に対するハードルが低くなり、誰でも情報を発信しやすくなります。例えば、新サービスの内容を社内に広報して周知させたいとき、プロジェクトチームのメンバーなら、誰でも広報を担当できます。わざわざ広報担当者に伝えて発信してもらうよりも、直接メンバーが発信するほうが効率的です。
また、リアクション機能や既読機能があることで、広報内容に対して簡単にアクションを起こすこともできます。一方的だった広報に反応があるだけでコミュニケーションは活発化し、簡単なアンケート調査などもしやすくなるでしょう。
社内向けSNS広報とWeb社内報の違い
「オンライン上でのコミュニケーションツール」という点で共通している、社内向けSNS広報とWeb社内報。2つのツールの役割の違いを明確化しておくことで、より効率的に活用できます。それぞれのメリットとデメリットも確認しておきましょう。
双方向のコミュニケーションが行いやすい「SNS広報」
一方的だった社内広報にSNSツールのリアクションやコメント機能を活用できるようになるため、双方向のコミュニケーションを活発にできます。また、部署の垣根を越えて社内全体で広報内容を情報共有しやすい点がメリットです。
一方で、Web社内報に比べると読み物としては向いていない点がデメリットでもあります。例えば文字の装飾機能が少なく、読みやすさ重視の投稿を作るのは難しい傾向にあります。また、手軽に誰もが情報発信できるということは、情報発信のハードルが低くなりすぎてしまうことも懸念材料です。業務と関係ない情報や雑談が多くなると、社員のSNS疲れにつながる恐れがあるため、メリハリのある活用が大切です。
企業の課題解決にもつなげる「Web社内報」
Web社内報は、さまざまなコンテンツを社内向けに配信するWeb媒体のこと。経営の課題や、業績の共有、営業ノウハウなどを、読み物形式で配信することができます。また文章以外にも、動画やPDF資料を共有しながらの情報発信も可能です。読みやすさや理解しやすさを重視したコンテンツ作りができるように、Webサイトのような形式で文字装飾なども比較的自由にできるケースが多いことが特徴といえるでしょう。
Web社内報の配信は主に広報の担当者、企業によっては広報部が行います。誰もが自由に発信するのは難しいでしょう。また、Web社内報でイベントや研修の告知を行う場合は、出欠の確認を別途メールや専用シートに記入してもらって行う必要があります。これらを簡素化したいのであれば、リアクションやコメント機能のあるSNS広報の活用がおすすめです。
【社内向け】SNS広報を活用するコツ
社内向けのSNSを上手に活用するには、目的や運用方針を決めたり、ツールの強みを生かしたりと使い方を工夫しましょう。また、ツールの使いやすさも大切です。LINEWORKSのように、多くの人が使い慣れている「LINE」の手軽さや機能面などの良さをビジネスにも応用できるツールもあります。社員の年齢層や、ITツールに対する個々の技術を踏まえて選ぶことが大切です。
社内向けSNSを使う目的と運用方針を定める
SNSツールを社内広報に使う場合は、目的が明確でなければ上手に活用できません。もしもWeb社内報がすでにあり、そちらでもできる広報なら、SNSツールを新たに利用する必要はないといえます。基本的に社内SNSツールは、社内コミュニケーションの促進や、チーム・個人のスケジュール管理ツールとして活用しましょう。広報することが目的というよりも、ビジネス円滑化のために導入するものです。
社内SNSは、パソコンはもちろんスマホに対応しているものも多く、手軽に利用できます。
・コミュニケーションを促進させたい
・社員の負担軽減のためにリアクションを簡素化したい
・集計にかかる手間を省きたい
このようにSNSツールを導入する具体的な目的を決めましょう。Web社内報も導入しているのであれば、発信する情報によって使い分けるのがポイント。運用方針しっかりと定めて全体に共有し、余計な情報が錯そうしないようにすることも大切です。
文字数が多い投稿は避ける
SNSは文字数が多い投稿には向いていません。情報量が多いコンテンツや読みやすさを重視した投稿を作りたいなら、Web社内報を使うほうが良いでしょう。SNSツールでは簡素化した広報内容を心がけて、こまめに発信しやすい特性を活かして利用します。
また、アンケートを取りたいときやアイデアを募集したいときなど、手軽にコミュニケーションがとりやすいという強みを生かした使い方をすると良いでしょう。
Web社内報と連動させる
Web社内報との連動させるのも効果的です。具体的な方法は、最も読まれたコンテンツを月ごとにSNSツールで広報したり、自社の社員に読んでほしい社内報を簡素化し投稿したりします。また、イベントやセミナーの詳細は社内報で広報し、出欠確認をして参加者を把握するのにSNSを活用するなども良いアイデアです。
社内SNSとWeb社内報それぞれの特性・役割を理解すれば、連携させたり使い分けたりして、コンテンツごとに適したツールを上手に活用できるでしょう。
【社内向け】SNS広報向きの企画・ネタ
全体共有はもちろん、社員同士で個別に連絡がしやすいSNSツールは、アイデアや意見を募るのに最適です。SNS広報向きの企画やネタはさまざまなものがあります。以下のように上手に活用することで、各方面の業務に大きなメリットを与える可能性があります。
新規事業のアイデア募集
社内で新規事業や商品の企画・アイデアを募集するとき、堅苦しい雰囲気で「企画書を提出してください」と広報するよりも、SNSツールを使ってフランクに募集したほうが、アイデアが集まりやすい場合があります。誰もが連絡しやすい形で企画やアイデアを募集し、企業の発展や新商品完成につなげましょう。アイデア採用の際に、個別連絡しやすい点もメリットのひとつです。
また、各部署に所属する社員に、SNSツールを使って一括で個別連絡ができます。内線電話を使っての連絡に比べて、時間をかなり短縮できるでしょう。
社内報に取り上げてほしい企画の募集
社内報で取り上げてほしい企画を募るのもSNS広報の活用術のひとつです。前項で説明したとおり、社内向けSNSは、長文投稿を発信するのは得策ではありません。社内報で取り上げてほしいコンテンツや知りたい情報、「この人のノウハウを聞いてみたい!」など掲載してほしいテーマを、SNSツールを活用して集めてみましょう。
社内報のアンケート
社内報はコンテンツを記事のように掲載して、社員は閲覧するのみなので一方的な情報発信になりがちです。双方向のコミュニケーションが取りやすい社内向けSNSを連携活用して、社内報の感想を募るのも手です。社内報をブラッシュアップさせるための活用方法として有効でしょう。
Web社内報の更新情報の発信
SNSツールでWeb社内報の更新情報を伝え、閲覧につなげることもできます。更新したコンテンツ内容をURL付きで簡潔に伝えれば、続きを読んでくれるでしょう。Web社内報へ誘導し、閲覧数を増やすことで、伝えたいことをより浸透させられます。
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まとめ
SNSツールは社内外問わず広報するために有効です。しかし、「社外向けはInstagramやTwitter、社内向けはLINEWORKSやChatwork」というように、使い分けは必須です。また、社内報との差別化を図りSNSの良さを活かした利用が必要となります。
利用率の高いSNSは、今後広報の手段として必要不可欠な存在となるでしょう。そのためにも社内で策略を練り、目的をはっきりさせて、上手にSNSを活用しましょう。
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